第七話『さくら争奪部活対抗戦』



テストのクラス平均一位のかいもあり、ネギは何とか2−Aの正式な担任となった。
そしてテスト結果発表から一週間に間におめでとうパーティーなどが開かれたりも
したが、まほら学園は春休みへと入っていった。

「ん〜・・・今日から春休みだよ・・・知世ちゃん今日は何をする?」

春休み最初の日、桜は知世とともにまほら学園の学内を歩いていた。

「そうですわね・・・このまほら学園を回ってみると言うのはどうでしょう?」
「そうだね、私達はまだまほら学園の知らない所とかいっぱいあるし・・・」

その時効果音とともにアナウンスが流れた。

「迷子のご案内です。中等部英語科のネギスプリングフィールド君保護者の方が展望台近くでお待ちです」

そのアナウンスを聞いていた桜達は・・・

「ネギ君迷子なんだ・・・」
「そのようですわね、ネギ先生もこの学園にいらっしゃてからまだ日が浅いとおっしゃってましたし」
「知世ちゃん・・・それだったら私達もネギ君を誘いに展望台へ行こ!」

そして桜達は展望台へ向かった。


桜と知世が展望台へ到着すると桜の前方20mの所にアスナ&木乃香と一緒にネギがいた。
桜はネギ達を見つけると大きく手を振り走ってネギ達に近寄って行った。

「おおーい!・・・ネギくーん!」

ネギは桜と知世の姿に気づき、桜が自分の目の前に到着すると軽く挨拶をした。

「桜さん・知世さんおはようございます」
「ネギ君「先生」おはよう「ございます」・・・それとアスナさんと木乃香さんもおはようございます」
「おはよう・・・桜ちゃん・知世ちゃん」
「今日も桜ちゃんかわえ〜な〜(なでなで)」

桜達は普通に挨拶をするが木乃香は桜の頭を撫でながら挨拶をする。
そして挨拶が終わると桜はまほら学園を一緒に回ろうと誘った。

「丁度良かったですね、実は僕も今日はまほら学園を回ろうと来ていた所なんですよ」
「よかった・・・なら一緒に回れるね」
「今日は私達が案内するから期待しててよ」
「よろしくお願いしますアスナさん」

桜と知世が礼をすると木乃香の携帯電話が鳴り出した。

「あや?・・・おじいちゃんからメールやわ」

木乃香が携帯の画面を見るとそこには・・・

―アスナちゃんと木乃香に用事があるのですぐ来るようにー

・・・とかかれてあった。

「ゴメンな桜ちゃん知世ちゃん・・・うちら二人案内できひんようになったわ」
「そうですか・・・では三人で回りますから行ってください」
「うーんでもこの学園広いから迷ってまうで」

木乃香が悩むと横から知世が話しかけてきた。

「でしたらあの二人を呼びましょう」
「え・・・あの二人って?」

すると知世は両手で手のひらをパンパンと叩いた。


その瞬間!

「知世なんかよう?」
「あっ!・・・ネギ先生こんにちはー」

鳴滝姉妹が現れた。

「風香さん!・・・史伽さん!」
「今日はまほら学園を回りますので案内してくださいな」
「うんわかった・・・それなら僕ら散歩部にお任せあれ!」

鳴滝姉妹と知世以外はいきなり現れた姉妹に驚いている。
そこにアスナがツッコミをいれた。

「ちょっと!・・・なにいつの間に飼いならされているのよあんた達!」
「えっとそれは・・・」

口ごもる鳴滝姉妹・・・・

「アスナさん・・・それは私達の秘密です・・・ね(チラッ)」
「「うん!うん!うん!」」

知世がチラッと姉妹のほうを見て言うと姉妹は首をブンブンと縦に振りながら答えた。

「まあ・・・そんな事よりも早く回りに行こ」
「そ・・・そうですね早く行きましょう」

桜とネギがそう言うと姉妹はほっとため息をつき、胸をなでおろした。
そして話が終わるとアスナと木乃香は学園長室の方へ歩いていった。

「ところで散歩部ってどういう活動してるんですか?」
「ネギ君・・・そんなのお散歩するクラブに決まってるよ」

桜がネギにツッコミを入れると風香が大声で散歩について説明しだした。

「散歩競技は世界大会もある知る人ぞ知る超ハードスポーツなんだよ!」
「プロの散歩選手は世界一を目指ししのぎを削って競い合い、「デスハイク」と呼ば
れるサハラ耐久横断散歩では毎年死傷者が・・・」

風香が誰でもわかるような嘘をつくとネギだけではなく桜まで騙され二人ともガタガタ身体を震わしだした。

「すみません・・・散歩がそんな恐ろしいことになってたなんて・・・」
「二人とも散歩で死なないでね」

桜とネギ二人とも信じてしまっているのを見た史伽は姉である風香にちゃんと訂正するよ
うにと小さな声で風香に話しかけていた。
そこに片手にバスケットボールを持った裕奈がネギに話しかけてきた。

「やほーネギくーん!」
「あ・・・ゆーなさんこんにちは」

そして裕奈の案内で桜達は体育館に向かった。


桜達が体育館に到着すると裕奈は体育会系のクラブについて説明した。

「ここは中等部専用の体育館・・・21もある体育会系クラブの生徒が青春の汗を流しているんだよ」

裕奈が説明すると桜が裕奈に話しかけた。

「裕奈さん・・・少し私もバスケットしてみていいですか?」
「いいよ・・・でも手加減しないよ」
「はい・・・」

裕奈は快く桜の応答に答え、そして桜は裕奈と一対一でバスケットをする事になった。

「それじゃあ私が守るから桜ちゃんは攻めてきて」
「わかりました」

桜は答えるとバスケットのゴールに向かってバスケットボールを地面につきながら走り始めた。

「桜ちゃん負けないよー」

守りながら桜のボールをすぐに取ろうとする裕奈・・・
だが桜は裕奈に守りををスルリと抜けバスケットのゴールに向けてバスケットのボールを投げて入れた。

「桜「ちゃん」さんすごいです「わ」」

ネギと知世がそういうと桜は顔を赤くし右手で自分の頭の後ろをなでた。
一方桜に負けた裕奈は闘気を発しだした。

「桜ちゃんやるわね、私ちょっと油断しちゃった」

その後も何回も同じことをするが一回も裕奈は桜に勝てず、いつの間にかまた知世
が桜をビデオにとり始めていた(←もうお決まりやね)。

「うちはやっぱりバスケットボール(特に裕奈が)弱いんだね」
「さくらちゃん素人なのにね」
「桜ちゃんの・・・運動神経が・・・良すぎる・・・だけだよ」

最後のほうになるともう息絶え絶え&フラフラになっている裕奈

「桜ちゃん・・・もうそろそろ次に参りましょう」
「うん・・・そうだね」
「ちょっとまって・・・桜ちゃん・・・ぜひ我が部活に・・・もうだめ・・・」

知世がそういうと桜は裕奈の勧誘も空しく次の部活を見に移動していった。


その後桜はいくらかの部活を回り、大活躍を見せる事となった。

新体操部では――――

「桜ちゃんすごーい」

前方宙返り一回転ひねりをきめる桜・・・

水泳部では――――

「木之本さん早い早い」

クロール50m26秒代叩き出す桜・・・・(ちなみにこの小説の作者は34秒)

まほらチアリーディング部では――――

「桜ちゃんバトン上手上手」

小学生時代チアリーディング部だった桜・・・
その後もその他もろもろの部活を回ったがどこのクラブでも桜は大活躍であった。
そしてその成果もあってどの部活も桜を獲得しようと我先に桜の元へ現れだした。

「桜ちゃん私達の部活に入らない!」
「いいや私達の部活に入るのよ!」
「いやいやいーや絶対私の部活よ!」

色々な部活の人たちに囲まれる桜

「えっと・・・あの・・・その」

すごい数の部活の勧誘に困る桜・・・

「こんな人だかりじゃ桜さんを助け出せない・・・」
「どうしようネギ坊主」

その状況を助けようにも助け出せないでいるネギ達・・・
そして時が経つにつれその状況も悪化し、もうすでに収拾がつかなくなっていた。

「桜さん・・・どうしましょうこれ?」
「もう何がなんだかわからないよ〜!」

ネギはあたふたし、桜は混乱状態に陥っているとそこに知世が・・・・

「桜ちゃん争奪部活対抗戦を開催しましょう」
「知世ちゃん!」

と言うと桜の静止もむなしくすぐさま桜争奪部活対抗戦が始まった。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおーーーーー!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

二行ぶち抜きの大歓声が上る。

「では始まりました第一回桜争奪部活対抗戦ですが、その内容について説明します」
「朝倉さんいつのまに・・・?」

いつの間にか争奪戦の司会をやっている朝倉。

「内容は簡単!・・・全部活私の横にいる桜ちゃんの一番の親友である大道寺知世
と一対一で桜ちゃんに関するクイズ対決をしてもらいます」
「1つの部活に付きチャンスは3回・・・大道寺知世より先に一門でも早く正解したチームが桜ちゃんをゲットする事ができます!」
「用は桜ちゃんをほしいなら桜ちゃんの事を良く知っておくようにと言う事ですね」
「では今回の商品の桜ちゃん・・・一言どうぞ!」
「もうどうにでもしてください・・・」

桜はもうすでに自分の意見を言うのをあきらめていた。

「では最初の部活は・・・バスケットボール部の明石裕奈選手!」
「桜ちゃんは我がバスケットボール部がいただくよ」

そして朝倉によって第一問が読まれた。

「では第一問」

その瞬間全部活の視線は朝倉へと向いていった。

「桜ちゃんのお兄さんの名前は・・・」
「桜ちゃんから聞いた事ある・・・木之本桃矢さんだ!」
「・・・ですが桜ちゃんの曾おじいちゃんの名前は?」
「ズルッ!・・・」

手を滑らせる裕奈。

「んなの知らないよ!」
「天宮真嬉ですわ」
「正解!」
「ほぇ・・・?どうして知世ちゃん知ってるの?」
「桜ちゃんの曾おじいちゃんと言う事は私の曾おじいちゃんと言う事ですから」
「あ・・・そっか」

知世が又従兄弟という事をすっかり忘れていた桜・・・
そして第二問!

「よーし今度こそ」
「第二問!・・・桜ちゃんの好きな食べ物に嫌いな食べ物は?」

この問題も案の定知世が正解し、第三問目も立て続けに知世が正解しバスケットボール部は敗退した。

「んなの勝てるわけないじゃん!」

そして桜争奪戦も進んでいきその後も・・・

「桜ちゃんが今日食べた朝食は?」
「桜ちゃんのお父さんが講師として勤めている何大学?」
「桜ちゃんのお兄さんの一番の親友は?」

と言うふうな問題(っていうか何で朝倉知ってんだ?)を出されていったが全て知
世が正解し、全ての部活クラブが知世の前に敗れ去っていった。

「おーっと・・・これで全部活はいたい決定か!」
「それじゃあ桜ちゃんは我が報道部のものに・・・」

朝倉の腹の内はこれだったのだ。
誰にもわからないような問題を出して知世=正解が答えるとやはり正解で全員を敗
退させて我が報道部へと桜を引き抜くと言う物である。
だが・・・

「・・・て」

全部活全員怒りに震えている・・・
それもそうである皆桜ちゃんを獲得しようと参加したのに誰もわからないような問題(知世だけにしかわからない問題)を出されて皆敗北していったのだから。


そして・・・

「「「「「「「「「「「「「「んな理不尽な事あるかーーーー!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」

大きな声で皆桜や知世に一斉に突進していった。

「ほほぇーーーーーーー!!!!!」
「これは逃げるしかありませんわね。」
「そうですね・・・早く逃げましょう」
「わー逃げろ〜!」

そして桜達はその場から逃げだした。
しかし追ってくるその他部活動の人々、桜とネギはフタ方向に分かれて逃げる事にした。

「桜さん・知世さん・・・僕と鳴滝さん達は右へ曲がりますので左に曲がってください!」
「うん・・・わかった」

いったんネギと別れる桜、そして桜と知世は誰にも見つからない所に隠れて桜カードを使った。

「彼の者達の記憶を消去せよ・・・『消(イレイズ)』!」

桜が『消(イレイズ)』のカードを頭上に掲げて使うと桜達を追っかけていた部活動
の人々から記憶は消され、何事もなかったかの用にそれぞれの部活へと戻っていった。

「ふう〜・・・危なかった」
「知世ちゃん・・・ネギ先生の所へ行こ」

桜は部活動の人々が自分達の部活に戻っていくのに安心した。
しかし、桜が落ちつくのにはまだ早かった。
なぜならここはまほら学園であり、魔法先生がいるとすると当然魔法生徒もいると言う事であるからだ。

「驚いた〜・・・まさか木之本さんが魔法使いだったとはね。それにしてもすごい魔力。」

桜の目の前に一人の人物が姿を現した。

「か・・・春日さん!」
「さ〜て木之本さん・・・おとなしく我が陸上部に入ってもらうよ」
「春日さんは記憶消えなかったんですか?」
「私も未熟だけど魔法が使えるからね」
「春日さんも魔法使いでしたんですね?」
「親の意向でやらされているだけだけどね」

美空はそういうと桜にじりじりと近寄ってきた。
そして捕まったらヤバイと思った桜はまた逃げ出した。

「ほ・・・ほぇ〜!!!!!」
「にがさないよ〜!」

美空は桜だけに的を絞って追っかけて来るしかも陸上部なだけあって結構な速さだ。
そして桜は美空から逃げるために桜カード『駆(ダッシュ)』のカードを使った。
すると桜のスピードは上がったのだが、しかし桜は美空の能力を知らなかった。

「へぇ〜木之本さんがそう来るならそう来るなら・・・アデアット!」

美空はアーティファクトの力の効果により桜同様スピードを増した。
そしてどこまでも桜を追って走ってくる。

「ほぇぇーーー!!!・・・まだおってくるよー!」

そして桜はたまらずに『迷(メイズ)』+『輪(ループ)』のカード(繰り返される迷路)を使った。
すると美空の周りは迷路になり美空は繰り返される迷路に閉じ込められた。

「ここどこなのーー!!!」
「ごめんなさい美空さん・・・」

美空は桜の魔法を突破するほどの力はなかった。
そして桜は逃げ終わると知世とともにネギの所へ向かった。


ネギと合流するとネギはすぐに話しかけてきた。

「こっちはなぜかすぐに追ってくる人がいなくなったけど桜さん達は大丈夫でしたか?」
「うん・・・なんとかね」
「運動部の人たちには話は付きましたですわ(嘘)」
「ほぇ?」
「それでは学園を回りなおしましょうか」

その後桜はネギや鳴滝姉妹と一日学園を回った。


そして夜学生寮・・・・

「ふぅー・・・今日は疲れたよ」
「なんや桜大変やったんやな」
「大変なんてもんじゃなかったよ」

今日がどのように大変だったかを話そうとする桜、しかし桜は何か忘れている事に気が付いた。

「そ・・・そういえば何か忘れているような気がする」
「そりゃあ桜の気のせいやないか?」
「そうなのかなー・・・でもって・・・」
「ああーーーーーーーー!!!!!!!!」

その頃、まほら学園の学内では桜が忘れてしまっている事がまだ残っていた。

「はあっ・・・はあっ・・・本当にここはどこなの?」
「木之本さーん!・・・もう追っかけたりしないからこの迷路の魔法といてー!!!!!」

桜に忘れられ繰り返される迷路をまださまよっている美空がいた。


その後美空は何とか思い出した桜によって助け出されたと言う。

<第七話終>


『ケロちゃんの次回予告コーナー』

「なんや今回はわいがしゃべる機会が少なかったけどそれは置いといて今回も

『ケロちゃんの次回予告コーナー』がやってきたでー!」

「さて今回のゲストは長谷川千雨姉ちゃんやー!」

「・・・あれ・・・姉ちゃん出てこんなあ?」

「おーい千雨の姉ちゃーん!!!」

「なんで私がそんなもんにでなくちゃなんねえんだよ(怒)!」

「まあいいやんか・・・これもこの小説の読者のためやで」

「ったくしかたねえな・・・手短にすませろよ」

「わかったわかった・・・手短やな」

「それじゃあ次回予告いくでー。」

「さて次回のタイトルは・・・」

「『さくらとハルナの漫画工房』だよ」

「締め切りに追われるハルナの姉ちゃんに捕まり漫画を手伝わされる破目になった桜」

「桜の小狼話にほのかなラブ臭を感じるハルナ」

「漫画の原稿は締め切りまでに完成する事ができるのかー!」

「が今回の見所だ」

「これで次回予告も終わりだな・・・・と言うわけで私は帰る」

「まあまあ姉ちゃん・・・まだ終わりの挨拶が終わってへんで」

「だったら早終わらせろや(ムカムカ)!」

「それじゃあ最後のキメいくでー!」

「ほなな〜」「テンション高(たけ)えんだよこのぬいぐるみ(怒)」

<終>


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