第十一話『サクラトエヴァノカコバナシ』



腹黒い事を考えていたカモにキツイお仕置きを与えた次の日、さくらと知世はケロちゃんと共に学園長に学内の放送で学園長室に呼び出されていた。

「なあじいちゃん・・・わいらになんか用事でもあるんか?」
「フォッフォッフォ・・・今日わしが桜ちゃん達に来てもらったのにはのお、二つほど用事があったからなんじゃ」
「なんや二つの用事って?」

ケロちゃんが学園長に聞くと、学園長は用事の一つ目を答えた。

「一つ目の用事と言うのはの、最近起こっている吸血鬼事件についてなんじゃ」
「え・・・」
「(さくらちゃん・・・)」
「(うん・・・エヴァちゃんの事だね・・・)」
「(はい)」

学園長の一つ目の用事を聞くと小さな声で確認しあう桜と知世。
すると学園長は真顔で桜に話しかけた。

「今回の犯人は3−Aのエヴァンジェリンじゃろ」
「えっ!・・・わかってたんですか?」
「あたりまえじゃ」

桜の問に普通に答える学園長、するとケロちゃんは学園長を問い詰めた。

「わかっとったんならなんでなんとかしようとせえへんねん!」
「それにはちと訳があっての」
「わけってなんやねん!(怒)」
「ちょ・・・ケロちゃん」

怒涛の如く怒り今にも真の姿に戻りそうなケロちゃん、桜はそんなケロちゃんを止めようとする。

「それはのネギ君を成長させるためなんじゃ」
「ネギ坊主を成長させるためやと」
「そうじゃ・・・ネギ君は立派に魔法使いの修行として先生をやってくれておる」
「だがしかし、それだけでは魔法使いとしての人間社会の暮し方などしか学べず本
当の戦いにおいての強さは得る事ができないのじゃ」
「じゃからネギ君を成長させるための試練として、今回の事件を不問としエヴァン
ジェリンと戦わせる事によって成長させようと言う事にしたんじゃ」

学園長が自分の考えを言い終わると、桜達は共感し納得した。

「そうでしたか、そのような事情があったんですね」
「そうじゃ・・・そこでじゃ・・・桜ちゃん」
「はい・・・なんでしょうか?」
「次からネギ君がエヴァンジェリンに襲われたとしても見てみぬフリをしていてほしいのじゃ」
「え!・・・どうしてですか?」

学園長の頼みに少し驚きながらも頭の中が?マークになる桜。

「先にも言った様に今回の事件はネギ君を成長させるための試練の様なものなんじゃ」
「じゃが桜ちゃんみたいな力の強い者が味方になってしまえば今回の事件解決のハ
ードルも低くなり、あまりネギ君が成長しなくなってしまうんじゃ」
「そこで桜ちゃんには見て見ぬフリをしてもらいたいのじゃ」
「これでわかったかの?」
「はい・・・」

学園長の説明も終わり、納得した桜・・・しかしケロちゃんはまだあまり納得して
いないもようで学園長の考えの疑問点を指摘した。

「じいちゃん・・・ネギ坊主を成長させる〜言うのはええねん」
「しかしなあの小娘はネギ坊主の命狙ってんねんで、もしワイらが見てみぬフリし
とってネギ坊主の身になんかあったとしたらどないすんねん」

学園長の話の痛い所を付くケロちゃん、すると学園長は少し笑いながら答えた。

「フォッフォッフォ・・・大丈夫じゃて、ネギ君を殺すなんて事エヴァンジェリンにはできんよ(たぶん)」
「え?」
「どんな根拠があってそんな事言えんねん?」

ケロちゃんが学園長に問うと、学園長は顔を桜達に近づけながら答えた。

「それはじゃの・・・実は・・・「「実は・・・?(ごくっ!)」」・・・

エヴァンジェリンはネギ君のお父さんであるサウザンドマスターに惚れているからなんじゃ」
「「へ・・・?」」「あらまあ・・・」

学園長の答えに一瞬固まり目をまん丸にする桜とケロちゃん・・・知世は片手の手
のひらを自分の頬に当てて微笑の笑みを浮かべている。
そして、桜とケロちゃんは学園長の言葉に驚き悲鳴をあげた。

「えー!!!・・・エヴァちゃんネギ君のお父さんが好きなの!?」
「そうやったんか〜・・・あの小娘ネギ坊主の父ちゃんが好きやったんか〜(ニヤニヤ)」
「でもそんな情報どっから手に入れたんや?」

ついさっきまでの怒った顔とは違い満面の笑顔で学園長に質問するケロちゃん・・・
すると学園長はエヴァとナギの馴初めを隅から隅まで、ナギとエヴァの出会いから
エヴァのアホな負け方をした2人の決闘、ナギがかけた呪いによりまほら学園への
転入が決まりナギがエヴァの頭をなでるシーンまで事細かく桜達に話すのであった。

学園長はナギとエヴァの話をし終えると、桜はもうすでに半泣き状態になっていた。

「そうだったんだ、エヴァちゃん15年もネギ君のお父さんを待って・・・」
「これで分かったじゃろ、エヴァンジェリンがネギ君を殺せない理由が」
「はい・・・」
「まあそれでもまだ不安ならエヴァンジェリンにワシからも少し釘を刺して置くがこれで良いかの?」

学園長は桜に改めて質問すると桜は顔に笑みを浮かべて答えた。

「はい・・・これで十分です」
「さくらちゃんエヴァンジェリンさんが本当に悪い人でなくて良かったですわね」
「うん!」

学園長の話を聞きもうすでにニコニコモードになった桜、すると一息ついたケロち
ゃんが学園長に話しかけた。

「じいちゃん・・・これで一つ目の用事が終わってんけど二つ目の用事って何なんや?」
「そうじゃ今日は二つ目の用事の方ががワシらにとっては重要なんじゃ」
「ほぇ・・・重要?」

頭が?マークになる桜、すると学園長は一人の男性を呼んだ。

「高畑先生・・・入りたまえ・・・」

長老が呼ぶと、学園長室に高畑と呼ばれる眼鏡をかけ無精ひげを生やした男性が何
らかの機械を持った男性が現れた。

「紹介しよう、ネギ君が3−Aの担任になる前の前の担任だったタカミチ.T.高畑先生じゃ」
「君が異世界の魔法使いいや魔術師だったかな・・・木之本桜君だね、よろしく」
「あ・・・はいよろしくお願いします」

タカミチは桜に手を差し出し桜も慌てて手を差し出し握手をする。
すると学園長が自分のひげをなでながら今回の本題をもちだした。

「まあ紹介も終わった事じゃし本題に入ろう」
「さくらちゃん達も存在に気がついておるかと思うが二つ目の用事は高畑先生が
持っておるこの機械を使うんじゃ」

学園長がそう言うとタカミチは機械を机の上に置き、桜はこの機械について尋ねた。

「園長さん・・・この機械はなんですか?」

すると学園長はタカミチが持ってきた機械について説明した。

「この機械は言うなれば魔力測定器と言って魔法使い達の魔力を測ることができるのじゃ」
「魔力を測れる機械ですか?」
「そうじゃ今日の二つ目の用事はさくらちゃんの魔力レベルを調べることなんじゃ」
「魔力は通常一般人でレベル10〜30くらい一般の魔法使いで100〜200
わしでも500なんじゃ、ちなみに高畑先生はレベル150じゃが呪文の詠唱が生まれつきできん」
「測定方法はいたって簡単、スイッチを入れてこの機械をどこでも良いから触るだけじゃ」
「ほれっ桜ちゃん・・・早速じゃが計ってみるんじゃ」

説明も終わると早速学園長は桜に魔力測定を進めた。

「はい・・・」

機械のスイッチも入り桜が機械に触ってみるとメーターがぐんぐん上昇して行き、
メーターの針は止まった。

「園長・・・これは!?」
「ふむ・・・レベル1000か・・・予想よりか多いのう」
「そりゃあ魔力高いのは当たり前や桜の魔力の強さはワイらの世界最高やねんから」

桜の魔力レベルを見て固まるタカミチに学園長、ケロちゃんは結果が当たり前のように桜の魔力の話をする。

「そんなに高いんですか?」
「そうじゃ高すぎる・・・わしの予想では800くらいかと思っとったんじゃがここまで高いとは・・・」
「そんなにすごい事なんですか?」

頭を抱える学園長に桜は聞く。

「すごい事じゃ・・・エヴァンジェリンが全盛期で700・サウザンドマスターや
ネギ君がレベル800じゃからな、この魔力はわしの孫の木乃香レベルじゃ」
「へぇ〜ネギ坊主から高いとは聞いとったけど木乃香姉ちゃんそんなに高いんかいな」
「そうじゃ・・・これは大変な事じゃ」
「「「えっ!?」」」

学園長のいきなりの発言に驚く桜たち三人・・・すると学園長は木乃香の事を話し始めた。

「木乃香の魔力はさっき言ったとおり今の桜ちゃんと同じくらい・・・極東最強の魔力持ち主・・・」
「じゃから木乃香の魔力をねらっている悪者がたくさんいるのじゃ」
「これがどういうことだかわかるかの?」
「「はっ!」」「ほぇ?」

学園長の言葉に知世とケロちゃんは事の重大さに気づき、桜は頭の上の?マーク三個浮かべている。
そして学園長の返答には知世が応じた。

「はい・・・桜ちゃんと木乃香さんが同じくらいの魔力と言う事は、桜ちゃんもま
た同じように悪者達に狙われてしまう言う事ですわね」
「私が狙われるって・・・えええええーーーーー!!!!!」

桜は大声で驚く、知世の言葉によりやっと理解できたようだ。

「桜うるさいな〜・・・そんな大声で驚くなや」
「だってだって・・・私悪者さんたちに狙われちゃうんだよ!」
「そんなん狙ってきたとしても桜なら大丈夫やて、皆返り討ちや」
「そうですわね」

ケロちゃんや知世の言う事は最もであり、桜カードをくらった学園長までうんうんとうなずいている。

「まあこの事は誰にももらさなければ良い事じゃし、誰にもこの事を誰にも喋るでないぞ」
「わかっとるってじーちゃん(^^)/」
「なんだかケロちゃんが一番喋りそう・・・(特にネギ君やアスナさんあたりに)」

元気いっぱい学園長の肩を叩きながら応えるケロちゃんに対して桜は不安そうだ・・・

「最後に・・・今日一つ目の用事の事じゃが、ネギ君には聞かれたとしても今日の
事喋らずに手を引く事を伝えるんじゃぞ」
「はい・・・わかりました」
「これで今日の用事も終わりじゃ・・・」

こうして、学園長の用事も終了し外はもう夕方になっていたので桜達は学生寮に戻っていった。


そして次の日の朝、桜達は実際にネギにエヴァから手を引くことをさりげなく?話そうとしていた。

「あの・・・ネギ君・・・エヴァちゃんの事なんだけどね・・・」

桜は人差し指の先同士を白○こと○の如く合わせ喋る。

「私達・・・エヴァちゃんの事から手を引くね・・・」

その瞬間ネギ・アスナ・カモの三人は目を丸くし、ネギは震えながら答えた。

「ど・・・どうしてですか桜さん・・・」
「そうだぜ嬢ちゃん!・・・嬢ちゃんがいねえとエヴァンジェリンにたちうちできねえじゃねぇか」
「そ・・・それは・・・秘密・・・(汗)」

ネギとカモの問に答えられない桜は、汗を流しながら答える。
そしてネギは桜に裏切られたと思い、杖に乗って窓から山の方に向って泣きながら飛んでいくのであった。

「桜素直に言いすぎやで!」
「だって〜私ウソとか苦手なんだもん!」
「もうどうでもいいから兄貴を追わないと!」
「そうね」

その後、ネギを追いかけるアスナとカモであったが飛んでいるネギの見つけたのは次の日の朝であった。

桜達はというと、桜は寮でズーンと暗くなり反省し知世とケロちゃんは桜を励ましていたのであった。

「率直に言いすぎちゃった・・・(><)」
「大丈夫やて桜・・・ネギ坊主なら・・・」
「そうですわ桜ちゃん」


<第十一話終>


『ケロちゃんの次回予告コーナー』

「こにゃにゃちわ〜とうとう十回目となってきた『ケロちゃんの次回予告コーナー』がやってきたで〜」

「さて今回は本編が第十話という事でゲストが二人おるで〜」

「ゲストは〜・・・チアリーダー三人組の一人クギミーや〜」

「クギミーゆーな!」

「なんやクギミーとちゃうんか?・・・この小説の作者もいつも姉ちゃん呼ぶときクギミー言っとるで」

「作者の事はともかく、もっと別の名で呼んでよケロちゃん」

「じゃあクギミン」

「だめ!」

「円だからえっちゃん」

「もっとだめ・・・って言うかえっちゃんって魔○キかい!」

「クッギー」

「ダメダメ!」

「○×△」

「余計にダメ!」

「・・・・・」

「・・・・・」

「じゃあ釘宮!」

「ダメよ!って・・・あ・・・」

「わ〜いクギミー騙された騙されたー!」

「ケロちゃん(怒)!」

「まあ冗談もここら辺にしといて」

「そろそろ次回予告いくでー」

「さて次回のタイトルは・・・」

「『さくら傍観ネギエヴァ大決戦』・・・です」

「まほら学園大停電の日」

「エヴァンジェリンが行動を起こしだす」

「ネギ坊主に勝算はあるのかー!」

「が今回の見所です」

「次回予告も終わった事やしこれで今回の次回予告はこれで終わりや」

「え!もう終わりなの」

「しゃあないやん、クギミー影薄すぎてクギミーとしかネタが思いつかんねんから」

「だからクギミーゆーな!」

「それじゃあ最後のキメいくでー!」

「話を聞けー!」

「ほなな〜」「もう・・・(怒)・・・さようなら」

<終>


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