第十六話『さくらとネギのダブルデート?』



「一緒に買い物をするなんて久しぶりだね桜ちゃん」
「はい」

桜は今、雪兎と共に原宿に修学旅行の買い物に来ている。

「(そういえば私達の世界の原宿とあんまり変わらない、今私達がいるの本当に異世界なのか疑いたくなっちゃうよ)」
(↑疑わなくても本当に異世界ですよ)

そして桜はキョロキョロと辺りを見回す。
あたりには桜の世界にあった店と同じ店があったりするが、ない店もある。

「そういえば、知世ちゃん来てないね桜ちゃん?」
「知世ちゃん用事でこれないみたいなんです」
「そうか、それは残念だね皆で買い物は楽しいのに」

知世達がこれなくて残念そうな顔をする雪兎、すると雪兎は桜に話しかけた。

「一緒に班になったエヴァちゃん達やさよちゃんや刹那ちゃんは誘わなかったの?」
「あ・・・はい・・・」

前回の後、桜の班の最後の一人には刹那が入っていたのだ。
なぜ刹那が班に入っているのかと言うと・・・

さよとエヴァと茶々丸が桜の班に入りさよは幽霊なのであと一人いれる事になった。
あと一人班に入る人をさくらが探そうとした時、あと二人ほど班に入っていない人がいた。
桜咲刹那と長谷川千雨の二名、ネギのクラスであ3−Aの人数は33人、生徒が六
人いる班が三つできてしまう。

桜の班が絶対にあと一人入れると考えて残った方は(2班はもうすでに六人いるの
で)1斑・3班・4班・5班のいずれかに入らなければならない。

そして今あぶれている千雨はこんな事考えていた。

「(オイオイ、俺は絶対に6班なんかに入りたかあね〜ぞ・・・
しかも何なんだあの班は、いるわいるわ変人だらけだ)」
「(まず大道寺、見た目はお嬢様系の普通の女の子と思いきや中身は女(桜)好きのレズ女)」
「(二人目は言うまでもなくあのロボット、なぜあれに皆ツッコマねえんだ)」
「(三人目にあのさよとか言う幽霊、私の厳格な常識が崩れ去るじゃねーか)」
「(四人目はエヴァンジェリン、あれぜってえ小学生だろ!)」
「(最後にあの班の中心人物木之本、見た目や性格は元気いっぱいの可愛い女の子な
のになんだあの適応力は!?あいつが変人ばかり集めてんじゃねーか?)」

第六班の批判ばかり頭の中で喋り捲っている。
すると、桜達はまだどこ班にも入っていない千雨に気づき千雨に近づいてきた。

「(う・・・うわあやべえ・・・俺こんな変人集団の仲間になんてなりたかねぇよ)」

千雨は頭を抑えながら心の中で激しくそう思う。
そして千雨の考えもむなしく千雨に近寄ってくる桜達、すると後もう一人どこの班
にも属していなかった刹那が桜達に話しかけた。

「木之本さん・・・私を一緒の班に入れてくれませんか?」
「え・・・良いですよ」

すぐに了解する桜、すると千雨は涙を流しながらガッツポーズをとった。

「(いよっしゃー・・・でかしたぞ桜咲!・・・よくぞあの変人集団に入ってくれた)」

そしてその後千雨は委員長の在籍する3班に入り、これで全班が人数決定するのであった。

・・・と言う訳があったからなのである。

そして話の続き、桜は他の四人の事について話した。

「エヴァちゃんは知世ちゃんと同じ用事で、茶々丸さんはエヴァちゃんと離れないそうです」
「あとさよちゃんは気配しか感じないし(エヴァちゃんが魔法を使わないと桜には
見えない)刹那さんは部屋に行ったらもういなかったんです」
「そうなんだ、次は皆一緒にいけるといいね」
「はい」

四人の事を話し終えると桜達は仲良く買い物を続行する。
だが、陰ながらその桜達を見つめる三人の姿には桜は気づかなかった。
その三人はどこの誰かといいますと、3−Aのチアリーダー柿崎・釘宮・桜子の三人であった。
この三人は桜達と同じく原宿に修学旅行の買い物に来ていたのである。
そして時間をさかのぼって桜達を見つけるちょっと前・・・

「やっほー今日は良い天気♪」
「んーホント」

今日は良い天気で絶好の買い物日和、柿崎と桜子はソッコーでカラオケ行こうと言
い出すが釘宮はすぐさま静止する。
・・・が今度はクレープ屋を見つけつい買ってしまう。

「あーん楽しい、私達普段麻帆良の外には出ないからねえ」

笑い涙を出す桜子、するとその瞬間柿崎が桜と一緒に買い物をしている雪兎を見つけた。

「あれ・・・あれは桜ちゃんと月城先生・・・」

そして少し遠くから様子を見る柿崎達三人、様子を見てみれば楽しそうに買い物を
しているじゃありませんか。

「桜ちゃんずるい・・・私だって月城先生と!・・・ガボッ!」
「声が大きいよ桜ちゃんに見つかっちゃうじゃない!」

青組に属しているが柿崎よりかは沈着冷静な釘宮は大声を出す柿崎を押さえ込む。
すると青組に属していない桜子は、桜達について話し始めた。

「そういえば桜ちゃんって月城先生と前から知り合いだって聞いてるよ。何でも桜
ちゃんのお兄さんと月城先生が親友だって、だからこんな所で買い物をしていても
デートだって言い切れないよしかも桜ちゃんには小狼君って言う人もいるみたいだし」
「・・・と言うわけで先に桜ちゃん専門の当局(知世)に電話をして話を聞いた方が早いよ」
「「まあそうだね」」

青組に属さない桜子が桜の話をすると柿崎と釘宮の二人が納得する。
そしてすぐさま知世に携帯で連絡をしようとすると、今度は桜&雪兎と会うネギ&木乃香の姿が見えた。

「桜さん月城先生おはようございます」
「桜ちゃんおはよう、今日もかわえ〜な(なでなで)」
「ネギ君・木乃香さんおはようございます(汗)」
「木乃香ちゃんも知世ちゃん同様桜ちゃんが大好きなんだね」

会うなり挨拶をしながら桜の頭をなでなでして笑みを浮かべる木乃香にそれに尋ねる雪兎。

「はい〜桜ちゃんむっちゃかわええしな〜(抱)」
「ほぇ!」

今度は桜抱きつく木乃香、順調に桜大好き度が上がっているようだ。
そして声は聞こえないがその様子を見ていた三人はこう思った。

「「「やっぱりデートとは違うんじゃあ」」」

そしてまた続いて何かを話している様子の桜達、だが全く話が聞こえない三人は一
先ずアスナと知世に『ダブルデートin原宿』と書かれた携帯画像を送っておいた。
・・・で一方見られているほうの桜達は・・・

「ネギ君!・・・私達も協力させてもらうよ」
「そうだね、そんな事はなされちゃあ僕達も協力しないわけにはいけないし」
「ありがとうございます、桜さん・月城先生」

桜はネギの手を握りながら雪兎は普通に二人ともネギに話しかける。

「アスナさんの嬉しそうな顔が目に浮かぶよ」
「ウチも嬉しいで桜ちゃん、ネギ君の方からこんなん言い出してくれたから」

そしてネギの手を握りっぱなしの桜、すると桜は笑みを浮かべた。

「「「こ・・・これは・・・」」」

また桜達の様子を見ていた三人、すると桜子が一言柿崎に話しかけた。

「どう思いますか、柿畑美砂三郎さん」
「う〜ん、こ・・・これは私達はとんでもない思い違いをしていたみたいですねぇ椎泉君」

桜子の振りで古畑○三郎のモノマネで推理をし始めた柿崎、書いている自分が言う
のはなんだがモノマネはめちゃくちゃ似てない。
だが柿崎のモノマネは続いた。

「あの桜さんとネギ君を見てください、手を握り合っているじゃあないですか」
「あれはまさしく、あの二人がくっついてしまっている証拠ともいえるでしょう」
「私の考えはこれです」

「今日前々からネギ君とデートの約束をしていた桜さん、しかし今日は日曜日のし
かも修学旅行前、であるからいつクラスの人達とあってしまうか分かったものでは
ありません。そこで桜さんはデートとはばれぬように身近で天然系の月城先生をネ
ギ君は木乃香さんを呼んだのです。天然系な人は性格が温いでしょう、ですから多
少の事があったとしても何とかかんとか言ってだまくらかす事ができるのです。分
かりましたか椎泉君」

「ほうほうそうでしたか柿畑さん」

柿崎話を聞いた二人は納得する。
するとモノマネの〆に美砂が「柿畑美砂三郎でした」としめくくるのであった。
そしてまた今度はネギと桜が手を取り会っている写真をアスナに送り、青組である
二人とどちらにも属さない一人は桜ちゃんも言ってくれればいいのにとポンポン片
手に桜とネギの応援をし始めると今度は桜は木乃香と一緒に一つのジュースを二つ
のストローで飲みあっていた。

「美砂・・・本当にあんたの推理であってるの?」
「なんか私もあってる自身なくなってきた・・・」

桜達の様子を見て自分の推理に自信がなくなっていく柿崎、すると柿崎のケータイ電話が鳴り出した。
今度は委員長からの電話みたいで、柿崎がふと電話に出てみると委員長が大声で

「3−Aのクラス委員長として命じます!・・・先生と生徒の不純異性交遊は絶・対・厳・禁断固阻止ですわ!」
「え・・・でも四人で普通に買い物に来てるだけかもしれないし」

もうすでに自分自身の推理に自信がなくなってしまっている柿崎、すると委員長がむちゃくちゃな命令をくだしてきた。

「それでしたら私が行くまでその買い物の邪魔気づかれぬ様にをしていてください!」
「え〜そんなむちゃくちゃな委員長・・・」
「よ・ろ・し・いですわね・・・!?」
「「「は・・・はいぃぃ・・・!(泣)」」」

ネギの事となると辺りが見えなくなる委員長、三人は委員長のそのどす黒いオーラを持った声にただ了解するしかなかった。

「でもどおする、相手は四人だから気づかれないように邪魔するのって結構大変だよ」
「そ〜いえばそうだね」

いくら天然と言えど相手は四人こっちは三人、気づかれずに邪魔をするのは難しい。

「・・・と言っている間に何か買おうとしてるよ!」

桜子が気がつくと桜達はペアルックの服を買おうかと見ている。

「どうするどうする・・・?」
「これは先ず二つに分かれて一方が体当たりでぶつかっているうちに一方が買ってしまうのよ、代金は委員長につけておきな!」
「ちょっとまってその前に変装よ!」

そして柿崎と桜子はガングロ女子高生 釘宮は学ラン男子学生に変装し先ずは桜子
が桜&ネギに体当たりして吹っ飛んで四人がひるんでいるうちにカップルのフリを
した柿崎と釘宮が先に商品を買ってしまうという作戦に決まった。

「それじゃあ行くよ!」

桜子は掛け声と共にネギ&桜の方向に向って走り出す。

「わあああーーーどいてどいてどいてーーー(よしピンポイント)」

叫びながら月宮○ゆ並みの猛ダッシュで桜&ネギ方向へ近づく桜子。
そして桜子が桜達にぶつかろうとした時・・・

「あぶない!」

・・・と後ろにいた雪兎が桜とネギを瞬時に一歩後退させ間一髪桜子のタックルを避けるのであった。

「わああああーーー!」

桜とネギにタックル成功すると思っていた桜子は見事なまでに前倒しにこけまくる。
実は賢明さるなる桜ファンは知っているだろうが、雪兎の性格は温いのだが何でも
その選手以上にこなすスポーツ万能者であったのだ。

「だ・・・大丈夫?」

雪兎は転んだ桜子に話しかける。

「だ・・・大丈夫ですよ・・・それじゃあ(走)」
「?」

桜子は雪兎に話しかけられるとさっさとその場を後にするのであった。

「痛いよ〜!(泣)」
「大丈夫・・・あんたの犠牲のおかげで何とか先に買えたから」

こけたおかげで痛がる桜子、釘宮と柿崎は桜子が転んでいるすきにペアルックを買っていたようだ。
そしてその後2回くらい同じような事があり、交代ごうたいでぶつかる役をやって
いると、三人とも擦り傷打ち身だらけになっていた。

「月城先生反応良すぎるよ〜・・・」
「私達もう傷だらけじゃない!」
「私もうやだもうお金もないし・・・」

傷だらけでしかもなお金欠、なんだかもう邪魔をするのがいやになってきた三人・・・
すると桜達は静かな所に移動し始めた。

「今度は静かな所に移動するって」
「もう委員長早く来て〜!」

そして同じくして移動する三人、移動し始めるとすぐ様ネギは桜の膝で眠り始めた。

「ほぇ・・・ネギ君寝ちゃった・・・」
「いいな〜ウチも桜ちゃんの膝枕してほしいわ」
「こ・・・木乃香さん(汗)」

桜の膝の上に頭を乗せてスヤスヤと眠るネギ、木乃香はそれを見ながら指をくわえ
て膝枕を桜にしてほしそうな目で桜を見る。

「そういえば桜ちゃん知っとる?・・・ネギ君にキスしたらカードが出てくるねんて」
「え・・・木乃香さんどうしてそれを?(それって仮契約カードじゃあ)」
「昨日ネギ君から聞いたんや、アスナだけカードもっとんのはずるいし桜ちゃんも
一緒に今からネギ君にキスする?」
「だ・・・ダメですよ今ネギ君眠っているし!」

木乃香の言葉にすぐさま否定する桜、するといきなり紙袋片手に知世が現れた。

「あ・・・知世ちゃん用事終わったの?」
「はい・・・それと木乃香さん・・・今ネギ先生にキスしましてもカードは出てきませんですわ」
「え・・・そうなん知世ちゃん」
「はい・・・カードを出すためには少し準備が必要なんです」
「そうなんや残念やな〜」

知世の話を聞き、木乃香は残念そうな顔をする。
すると知世は

「後釘宮さん・桜子さん・柿崎さん出てきてもよろしいですわよ」

と的確に三人が隠れている方向を向き三人を呼ぶと、そそくさとでて来た。

「あれ・・・皆さんいつの間にそこに居たの?」
「「「いや〜朝からつけてたんだけどね(汗)」」」
「朝からつけてたんですか?」
「「「ゴメンね〜・・・」」」

桜の質問に三人そろって手を頭の後ろにして謝罪する。
そしてちょうどその時、数百メートルくらい離れた所からアスナと委員長が走って
桜達のほうへ近づいてきた。

「ほら〜やっぱり皆いるし違うんじゃない」
「で・・・ですが桜さんネギ先生を膝枕など・・・」

「私がしたいですわ!!」

もうすでにデートではないと分かった二人ではあったが、委員長はネギに膝枕をし
ている桜を見て怒鳴り散らす。
そしてさすがに委員長の大声により目を覚ましたネギ、辺りを見回すと皆に囲まれていた。

「あ あれ?皆さん・・・アスナさんまで!?」

アスナ達の存在に気づいたネギ、するとある事がバレたと思った桜はネギにバレた事を話すとネギは持ってきていたポシェットから一つの品を取り出した。

「ハイ アスナさん  4月21日誕生日おめでとうございます」

ネギがアスナにプレゼントを渡すとプレゼントの中身等を説明しついでに三人も今
日桜達の邪魔をして買った品をアスナに渡すのであった。

「あ・・・ありがとうネギ このか みんな・・・こんないきなり・・・私嬉しいよ」

アスナはみんなの行為に感動して皆に礼を言う。

「よっしゃー感動した所でこのままカラオケ行ってアスナの誕生会やろーよ」
「お・・・いいねそれ」

そして突如桜子の口からカラオケ行きの提案が出て柿崎が賛成する。
すると今まで口を閉ざしていた雪兎が

「それじゃあ今日は副担任だし僕がおごるよ」

と太っ腹の声にすぐにカラオケ行きが決まるのであった。


そしてカラオケに向っている最中・・・

「そういえば知世ちゃん、今日のエヴァちゃんとの用事っていったいなんだったの?」
「さくらちゃん・・・今の所はひ・み・つですわ」
「ほぇ?」

知世の回答に桜の頭の上に?マークが浮かぶ。


そしてその後、カラオケに行った皆があまりの知世の歌の旨さに驚くのは言うまでもなかった。


<第九話終>


『ケロちゃんの次回予告コーナー』

「お〜いおいおい・・・お〜いおいおい(泣)」

「どうしたんやケロちゃん・・・そんなに泣いて」

「聞いてくれや木乃香姉ちゃん・・・ワイ今回全く登場できひんかってんで」

「しかも一回もワイの名前すら出てこんかったんやで」

「ケロちゃん・・・そんな泣かんと次回いやでも登場するから良いやん」

「そうやな、スッピーと違ってこの世界に来とるワイにはまだ出番山ほどあるし」

「ワイがしっかりせなこのコーナーがダメなってしまうな」

「その息やケロちゃん!」

「ちゅう訳で今回も『ケロちゃんの次回予告コーナー』がやってきたで〜!」

「さて今回のゲストは・・・」

「紹介する前からこの場におるでの近衛木乃香姉ちゃんや〜」

「読者の皆さんおはようさん」

「それじゃあ突然やけど次回予告いってみよか〜」

「さて次回のタイトルは・・・」

「『さくらのあぶない修学旅行』や」

「修学旅行でテンションが高まる桜達」

「だが新幹線や京都であった謎の妨害」

「今度の敵はいったい誰なんや〜」

「が今回の見所や」

「・・・と言うわけで次回から修学旅行編やけど」

「木乃香姉ちゃんも敵の標的やから次回から気おつけなあかんで」

「それくらいわかっとるってケロちゃん(よくわからんけど)」

「それじゃあそろそろ好例の最後のキメいくで〜!」

「「ほなな〜」」


<終>


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