ブレイブXXX マシンなナイスガイが駆けつける勇気



「ん・・・・な、何・・・これ?」


突如眠気が覚めたネカネが辺りを見回すと、そこは学園祭準備のステージが存在した。そして、そこには液体の中に閉じ込められたKKKの面々がいた。


「なっ!!皆!!」
「ネカネさん!!」
「すまない、油断した」


刹那と真名が悔しそうに話す中、そこに一つの影が現われた。そこには・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼女たちと同じ顔の少年が立っていた。




「和樹・・・・・・ちゃん?」




ネカネが呟くと、その少年はクククと皮肉な笑みを浮かべた。それを見た瞬間、ネカネは目の前の人物が違うと確信した。


「貴方・・・・・誰?」
「俺かい?俺は・・・・・・まぁ和樹であって和樹じゃないという存在だ」
「どういう事?」
「俺とアイツは、血縁関係があるようなものだからな」
「え!?でも、和樹ちゃんには兄弟なんて・・・」
「おいおい。兄弟だけがって訳でもない。あるだろ?違法な手段を使えば可能な方法が」


ネカネはそれを聞いた瞬間、まさかと思いながら尋ねた。






「貴方は・・・・・・・クローン?」
「そうだ。俺は式森和樹の遺伝子から作られたクローン。かの悪魔の軍勢が恐れた強き魔剣使いの息子から生まれた・・・・まぁ、ちょっとした兄弟さ」






そう言って、カズキはニヤリと微笑む。


「でも、なんで貴方がこんな事を」
「俺はな、ハッキリ言えばアイツが大嫌いなんだよ。優しさや強さが力とほざき、己の運命を知りながらも偽善ぶるあの表情・・・・・むかつく、実にむかつくぜ」


そう言って、ギロリと睨みつけるカズキ。しかしその言葉に、今まで黙っていたKKKが反論した。




「それは貴方の勝手な言い草です!!」
「先輩は、心から命を護りたちと願い、戦ってきたんだ。それを愚弄するなんぞ、許さんぞ!!」
「そうアル。まっすぐに己の信念を貫く姿は、本物アル!!」
「そうや!!先輩は・・・・・ほんまに優しいもん!!」




それを聞き、フンとため息をつくカズキ。


「フン、それ自体が世迷いごとだ。あの男は俺と対極の存在。ならば、どちらかは必ず滅びなければならない」


そう言うと、カズキは天に向けて指をパチンと鳴らした。すると、まるでそれに呼応するかのように、雷鳴が轟いた。


「何を・・・・したの?」
「俺の持つ力・・・・・・スキル【悪】の力で目覚めさせた悪を、この地に解き放った。この学園の魔法教師や生徒なんぞでは・・・・・・・絶対に勝つ事は無理だ。この地はもう時期・・・・・・破滅を迎えるのさ。ハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」






カズキの狂いに満ちた叫び声が、麻帆良の地に響き渡るのだった。それを聞き、本当に悲しそうな表情を見せる皆。しかし、皆は気づいていなかった。かつて彼女らが愛した少年の灰が・・・・・無くなっている事を・・・。










「はぁ!!」
「どりゃぁ!!」


ザシュンと音を立て、最後の陰我を切り裂くネギと小太郎。僅かに疲労していたが、その瞳には強き意思が輝いていた。


「さて・・・何が出るかな?」
「さぁな・・・・・やるしかないで」


すると、突如前方で強い光が放たれた。二人がそれを手で避けながら見るとそこには・・・・・・・牙狼の鎧を纏った者と、ゼロの鎧を纏った者が立っていた。二人は驚きつつも、二人の騎士に尋ねた。


「あ・・・貴方は?」
「私は、お前の内なる影」
「そして、お前たちの最も恐れるものだ」


そう言うと、ゼロが速攻で動く。小太郎がそれを防ごうとするが、刃を上に弾かれ、そのまま蹴りを喰らった。吹っ飛ばされ、地面を転がる小太郎。


「小太郎君!!」
「油断だ」


慌ててネギが振り向くが既に牙狼は目の前にいた。そして、そのままネギの体を縦一文字に切り裂く。それにより、ネギの体から血飛沫が舞う。


「うがああああああああ!!」


ネギは叫び声を上げながら地面にひれ伏す。そんなネギを見詰めながら、牙狼は諦めのような声を上げた。


「つまらん。これが、あの暗黒に堕ちたナギ・スプリングフィールドの息子か」


その言葉を聞いた瞬間、ネギの怒りが膨張し、一気に膨れ上がった。そしてそのまま、地面から飛び上がり、魔戒剣を振り下ろす。




「やああああああああああああああああああああああああ!!」
「なるほど。スピード・テクニック・精神力ともに高い。だが・・・」




突っ込んでくるネギを、牙狼は軽々と流し、流し際にネギの体を横一閃する。すると、再びネギからは大量の血が流れる。


「ぐ・・・・・・・・」
「お前は、自分が最も恐れるものを知らぬ。それがわからないなら、お前はあの愛する少女を・・・・・・・・・・死なせるだろうな」


その単語が出た時、ネギは心の中のリミッターを外した。そしてそのまま、膨大な魔力をその身に纏い、立ち上がる。






「・・・オーバードライブか。ふん、少しは出来るか」






そう言うと、牙狼は自身から殺気を放つ。しかし、その殺気すらもネギは弾き飛ばしていた。それを見ながら、牙狼はチラっとゼロの方を向いた。すると、同じ様な事をしていたのか、小太郎が完全に獣化形態になっていた。


「さぁ・・・・・・力欲しくば、我々を・・・・倒すがいい!!」


そう言って、二匹の狼が・・・・走り出す。










「ふぅ・・・・・学園内に結界とは・・・・厄介だね」


広域指導員【高畑・T・タカミチ】はタバコを吹かしながら歩いていると、目の前に・・・一匹の巨大な土蜘蛛が降り立ったのである。


「グルルル・・・・ウシャー!!」
「やれやれ・・・・・・・・・・広域指導員とはいえ、こんな怪物は担当外だよ」


そう言うと、タカミチは拳に魔力と気を送り、合成させた。そしてそのまま、土蜘蛛めがけて走り出す。


「じゃぁ、早く終わらせようか!!」


豪殺居合い拳VS土蜘蛛、戦闘開始。










「お、お姉さま!!この邪気は一体!?」
「分かりませんわ。まるで、濃密な邪気でありながら澄んだようにも思えます」


佐倉愛衣と高音・D・グッドマンの二人は、麻帆良内に蠢く邪悪な魔力を感じ取り、パトロールにきていた。そこは、静かな公園の中。すると、突如後ろでバシャっと水が弾く音がした。二人が振り向くとそこには、大剣を構えた剣士・・・ジャークムーンが立っていた。


「貴方は!?」
「我が名はジャークムーン。一度滅ぼされたが、なんらかの意思で蘇った者だ。そして・・・」


ジャークムーンはそう言うと、大剣を地面に突き刺した。すると、その周囲にある魔力を根こそぎ吸収し始めたのだ。


「こ、これって!!」
「魔力をこの剣に宿した。これにより、そこいらの相手では私を倒す事は、敵わんだろうな」
「それは。私に対する挑戦状ですか?」


高音はそう言うと、投影術を発動した。それにより、高音の外見が制服から戦闘服へと変化する。それを見たジャークムーンが、不敵な笑みを浮かべる。


「ほぅ・・・少しは出来るか」
「戦ってみれば、分かります!!」


そう言うと、高音とジャークムーンが戦闘を開始した・・・。










「こちらに、何かの反応があったはずですが・・・」
「探知できませんか?刀子先生」
「邪気が辺りに渦巻いている気がするせいか、正直難し・・・・・どうやら、相手から来てくださったようです」


刀子とガンドルフィーニは麻帆良を覆う結界を調べるために辺りを探っていた。すると、突如地面が砕け、中からまるで強化外骨格で身体を覆ったような怪物が姿を現した。肩にはライフル砲が装備され、右手にはレーザー銃が握られていた。それを見た刀子は日本刀を引き抜き、ガンドルフィーニは50口径にナイフを構えた。




「貴方は、何者ですか?」
「私の名は【マッドガルボ】!!バイオロン所属の○○○ハンターさ!!」




今ここに、全身破壊兵器と二人の魔法教師の戦いが始まった・・・。










京都の奥地にある湖。そう、つい一ヶ月前に激闘を行なった。スクナの眠っていた湖。その地に、空からピンク色の灰が舞い降り、湖の一部を輝かせた。すると、灰はまるで人を形作るように集合し、結晶した。すると、そこに一人の少年が倒れていた。倒れているその姿はマヌケ(苦笑)だが、その肉体には無限ともいえる魔力が常時全開していた。そんな中、少年はついに目を覚ます。




「・・・・・皆が・・・・・・・危ない・・・・」




○○は重い体を引きずるように歩きながら、高い所へと登った。そして、麻帆良の見える方角を見た。すると、その視線に結界の張られた麻帆良が見えた。その瞬間、○○はポケットから時計のようなものを取り出し、グッと握った。すると、それは一瞬の光とともに【ワープスロットル】へと変わる。そして、○○はそれを握り締め、天に掲げると共に叫んだ。






「ドルフィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!」






すると、【マシンドルフィン】がマシン空間で○○に転送される。そして、○○は・・・。










「はぁ!!」
「きゃっ!!」


ジャークムーンの斬撃が、高音の投影した影の腕を破壊する。それにより、高音は吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられてしまった。


「けほっ!!」
「もう終わりか・・・つまらん」


ジャークムーンは倒れている高音に近づくと、何かに遮られた。下を見ると、そこには涙目でその場に立つ愛衣の姿があった。


「愛衣!!駄目よ逃げなさい!!」
「嫌です!!お姉さまをおいてなんて、出来ません!!」


そう言って、キッと睨む愛衣。それを見て、ジャークムーンはフンと笑う。


「いいだろう。まずはお前から地獄へ送ってやる」


そう言って、ジャークムーンが大剣を振り上げたその時!!



―――ビュン



物凄いスピードで、何かが横を通り過ぎた。ジャークムーンがその何かを見ようとすると、そこには・・・マシンドルフィンの姿があった。そして、マシンドルフィンは垂直で着陸するとそのままパージした。そしてそこから、一人の戦士が立ち上がる。






「何者だ!!」






ジャークムーンが剣を突きつける中、戦士がハッキリとした声で名乗りをあげた。










「星雲仮面マシンマン!!」











マシンに乗ったナイスガイ、今麻帆良に到着!!








あとがき
さぁさぁ、トンデモな急展開に驚くもの無理はないね〜w
マシンに乗ったナイスガイことマシンマン。彼の正体は?
ネギたちの運命は!?KKKの希望の光は戻るのか!?
そして、麻帆良に降りかかる悪を止められるのか!?
次回、乞うご期待!!


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