ブレイブファイナル 無限の勇気



―――それは、一人の少年の物語だった。






―――七度の魔法を使うことで、命を失うことを宿命とされた者。






―――しかし、その心優しき少年は、宿命の代償として英雄の力を得た。






―――それが運命かは分からない。だが、一つだけ言える。






―――もしその少年がその力を得ていなければ、世界は確実に滅んでいただろう。






―――全ての因果律を終焉へと導く戦いが・・・最終決戦の火蓋が切って落とされた。















ネギまぶ!〜優しさ+強さ=勇気〜






最終回






『無限の勇気』















麻帆良の地は、最後の戦いを向えていた。一体の闇の巨人と、二体の光の巨人。


「行くぞ!!決着を付けてやる!!」
「ほざけええええええええええええええええええええええええええええええ!!」


叫びと共に、先陣を切ってメビウスが走り出した。それに反応し、ダークもまた走り出す。そして、そのまま互いに跳躍し、メビウスはキックを、ダークはパンチを繰り出し、それは同時に激突した。


「くっ!!」
「ぐうう!!」


両者のエネルギーは同等に近く、エネルギーの衝撃が辺りに襲い掛かる。そしてそのまま、衝撃のバウンドによってメビウスとダークは吹っ飛び、地面に叩きつけられた。


「がは!!」
「大丈夫か和樹!?」
「だいじょ・・・ぶ・・・・・結構、衝撃が強いね」
「次は、私に任せろ」


ヒカリはそう言うと、ナイトブレードを右腕のブレスから展開し、ダークに向って構える。




「ち・・・・・・式森の血族が!!」




そう言いながら、ダークは右腕から闇色の鎖を出現させ、そのままヒカリのブレード目掛けて解き放った。そして、それはそのままブレードに絡みつく。


「ふはは!!そのまま闇をお前に侵食させてやる!!」
「・・・フン、ウルトラマンの力を・・・」


ヒカリの言葉に従い、ブレードは輝きを増した。そして、そのまま鎖を引きちぎり・・・。






「甘く見るな!!」






光の斬撃を、ダーク目掛けて放った。それを受け、ダークは一気に吹っ飛ばされる。


「ぐはあああああああああ!!」


予想以上の攻撃力に、ダークは苦痛を覚えた。しかし、それと同時に心の闇が肉体を更に侵食させる。




「いいぞ・・・・・いいぞ式森の血よ!!こうでなくては・・・・俺が命を消す意味がない!!」




ダークは胸に受けた傷を即座に回復させると、両手の指を闇の触手へと変化させた。そして、そのままメビウスとヒカリを縛り上げる。




「かは!!」
「な、なんだこれは!?」
「これは、俺の持つ闇によって生み出された“絶対なる拘束の闇”。これに縛られた光は、闇へとその力を変換させるのさ」
「なん・・・・だと・・・」
「さぁ、とっとと俺にエネルギーをよこせ!!」















「こ、このままでは先輩が!!」
「どうすればいいの・・・・・和樹ちゃん」
「このまま、黙ってみているなんて嫌なんに・・・」
「お嬢様・・・」


ラヴァーズの皆は、悲痛な面持ちでその戦いを見ていた。すると、突如皆の前に影が舞い降り・・・・・そこから、漆黒のマントに身を包んだヘルマンが姿を見せた。


「き、貴様は!?」
「新手か!!」


皆が警戒に入ろうとしたその時、和樹の母である玲子が驚きの声を上げた。






「あ〜、ヘルちゃんじゃない〜♪」
「これはご婦人。まだまだお美しいですな相変わらず」
「あはは♪お世辞でも嬉しいわ〜」






話についていけず、呆然とするラヴァーズに玲子が紹介を始めた。


「この方は、私と夫が若い頃に共闘して仲良くなった悪魔さん♪」
「ご婦人、その呼び名だけはご勘弁を(汗)」
「あら、似合ってるのに」
「勘弁してくだされ(ど汗)」


マジで土下座をしながら、頼みこむヘルマンを見て「何があったんだ?」と心で考える皆。


「で、ヘルちゃん。何でここに?」
「実は、あのご子息の複製を調査する上で、スパイとして潜り込んでいたのだが、急遽あの複製がご子息の死を確認したと同時にこの学園を襲うのを知り、この学園の地下にある“あの部屋”の封印を解除しに来たのです」
「あの部屋・・・・・ああ、Yちゃんが門番している部屋ね」
「その通りでございます。さぁ、皆さんこちらへ。転移魔法で、すぐに向います」
「向うって・・・・どこへ?」


疑問に思ったネカネが尋ねると、不敵な笑みを浮かべてヘルマンが答えた。


「ジョーカーが眠る場所です」















ヘルマンが転移魔法を発動させて、皆が見た場所・・・そこには、一匹の巨大なワイバーンが護る扉の前だった。


「ここは何あるか?」
「宗司が眠りにつく前に、私とある“他人の人生の収集が楽しみ”な男と合作してつくった・・・・まぁ、秘密基地とでもいうものだろう」


それを聞き、ナギは「アイツか〜・・・」と心当たりを思い出していた。


「では、ご婦人」
「はいはい。Yちゃ〜ん♪」


玲子の声が聞こえたのか、ワイバーンがゆっくりと身体を動かし、扉を開いた。その内部を見た瞬間、皆の度肝を抜く光景が存在した。


「な、何これ〜〜〜〜?!」


明日菜が驚くのも無理はない。そこには、戦闘機やらロボやら、とにかく“そ〜ゆうもの”が大量に保管されていたのだ。


「なるほど・・・・確かにこれだけの戦力があれば、あの偽者も」
「先輩の力に慣れるという訳ですね?」
「そういう事だ。さぁ、皆の諸君。今、宗司とご子息がピンチだ。好きなマシンで、助けにいくがいい!!」


それを聞き、最初に動いたのは刹那&このかとネカネ&茶々丸。四人は【ガンフェニックス】に乗り込み(刹那&このかはガンローダー。ネカネ&茶々丸はガンウィンガー)、一気に外へと飛び出していった。


「私たちも負けていられないアルよ!!」←クー
「では・・・・拙者たちはあれでござるな」←楓
「だよね」←暁
「やってやろうじゃないか」←真名
「・・・・よし、いくぞ!!」←黄昏


五人はそう言いながら、『アクセルラー』のボタンを押して、そのまま回転させる。






『ボウケンジャー!!スタートアップ!!』






そのまま回転と共に、パラレルエンジンの力を持った五人の戦士がその場に現れた。そして、そのまま名乗りを上げる。






「熱き冒険者!!ボウケンレッド!!」
「迅き冒険者!!ボウケンブラックだ!!」
「高き冒険者!!ボウケンブルーでござる!!」
「強き冒険者!!ボウケンイエローアル!!」
「深き冒険者!!ボウケンピンクよ!!」
「「「「「果て無き冒険スピリッツ!!」」」」」
「「「「「轟轟戦隊!!ボウケンジャー!!」」」」」





最強の冒険者たちが、今立ち上がる。















「ぐああああああああああ!!」
「ち・・・・くしょう・・・」
「はははははははは!!哀れだな、和樹・・・それに宗司よ」


ダークは心底嬉しそうな笑みで、更に二人を縛り上げる。すると、突如背中に光弾が直撃し、ダークの身体が揺れる。


「誰だ!!」


ダークが振り返ると、そこには分離したガンウィンガーとガンローダーが飛んできたのである。


「・・・皆」
「和樹ちゃん。私たちも、一緒に戦うから」
「負けないで・・・ください」
「ウチらも、頑張るえ」
「私たちも・・・・・一緒です!!」


そう言って、操縦席の刹那とネカネがあるレバーを握って、叫んだ。






「「ハーミッショントゥーシフト!!マニューバ!!」






その言葉と共に、二つの機体がマニューバモードへと変形した。そして、そのままガンローダーが前に出る。


「ブリンガーファン!!ターンオフ!!」
「一気に行くえーーーーーーーーー!!」


ガンローダーのジャイロから、強力な竜巻が発生し、ダークの身体を締め上げる。


「ぐああああああああああ!!なんだこれは!!!!!」


苦しむダークに、今度はガンウィンガーが突っ込む。


「ターゲット・・・・ロックオン」
「オッケー!!スペシウム弾頭弾!!ファイヤ!!」


ウィンガーから、数発のミサイルが発射され、ダークの身体に直撃した。


「ぐはああああああああああああああああ!!」


余りのダメージに、思わず闇の縛りを解除してしまうダーク。しかし、怒りに身を任せたダークはそのまま二機目掛けて闇のムチを向ける。




「喰らえ!!」




万事休すかと思った次の瞬間、突如地面が大きく揺れた。そして、地面が裂けると同時に、ゴーゴードリル・ショベル・ミキサー・クレーンの四機が飛び出し、次々とダークめがけて体当たりをかましたのである。


「ぐあああ!!」


あまりの衝撃に吹っ飛ばされるダーク。しかし、追撃は更に続く。




「一気にいくアルよーーーーーー!!」




イエローの乗ったゴーゴーダンプがダークを吹っ飛ばし・・・。




「我が魔眼から逃れられるかな」




ブラックのフォーミラーのミサイル攻撃で撃墜されて、湖に落ちかけ・・・。




「悪は悪らしく、さっさとの滅びなさい!!」




ピンクのマリンからのビーム攻撃で上空に吹っ飛ばされ・・・。




「あいあい。制空権は拙者にあるでござるよ」




ブルーのジャイロの機銃が火を吹き、叩き落され・・・。




「俺達の力を、見せてやる!!」




レッドのダンプによって追突され、地面に叩きつけられた・・・。




「がはっ!!」


あまりのダメージにダークが苦しむ中、縛りから開放されたメビウスとヒカリが長時間の拘束によりカラータイマーが点滅していた。


「く・・・和樹。私のエネルギーをお前に託す。頼むぞ」
「・・・分かった」


そう言って、ヒカリはメビウスのカラータイマーにエネルギーを送ると同時に、宗司へと戻った。




「おのれ・・・・・・こうなれば、理性すら捨てて凶人へと変貌してくれるわーーーーーーーーー!!」




ダークはそう言って、自らのカラータイマーを破壊した。すると、そこから膨大な闇のエネルギーが放出し、ダークの身体を包み込んだ。それにより、異常なまでの巨大な闇へと変貌する。それは既に、巨人ですらなく、ただの魔人としかいいようがないほどだった。


「なんて奴だ・・・・・よし」


それを見ていたレッドが、アクセルラーのボタンを押した。


『発進シフトオン!!ジェット!!GOGO!!』


それにより、秘密基地よりゴーゴージェットが発進する。




「皆いくぞ!!究極轟轟合体!!」
「「「「了解!!」」」」




その言葉と同時に、ゴーゴーダンプ・フォーミラー・ジャイロ・ドーザー・マリン・ドリル・ショベル・ミキサー・クレーンが合体し、スーパーダイボウケンへと変形する。そして、そこへ空中で待機していたジェットが急降下し、スーパーダイボウケンと合体する。そして・・・・・・・・そこに降り立つのは、究極の冒険・・・・・【アルティメットダイボウケン】。


「ほ〜すげ〜な。・・・よし、宗司。ちょいとギアを貸せ」


すると、それを見ていたナギが休んでいる宗司にそう言った。


「・・・何か、考えがあるのか?」
「んなもんねえよ。ただ・・・・俺様だけ出番なしってのは気に食わないんでな」
「・・・お前らしいわ(汗)」


そう言って、宗司はナギにギアを渡した。そして、そのままギアを左手首に装着した。その瞬間、ギアは光と共に【ゴーゴーチェンジャー】へと変える。






「ゴーゴーチェンジャー!!スタートアップ!!」






その言葉と同時に、ナギはチェンジャーのボタンを押した。その瞬間、ナギはボウケンシルバーへとその姿を変える。


「よし、いくぜ!!」


そう言って、シルバーはチェンジャーでビークルを呼び出す。




『発進シフトオン!!ファイヤー!!エイダー!!ポリス!!GOGO!!』




すると、またあの秘密基地から三機のビークルが発進した。そして、先陣を切って現れたファイヤーに乗り込む。


「んじゃ、派手に大暴れするか!!行くぜ!!緊急轟轟合体!!」
『合体シフトオン!!ファイヤー!!エイダー!!ポリス!!』


すると、ファイヤーをコアにエイダーとポリスがドッキングした。そして、そのまま一気にサイレンビルダーへと変形する。


「よし、一気にいくぜ!!」
「「「「「おう!!」」」」」


合図と同時に、アルティメットダイボウケンが上空へと飛び立ち、サイレンビルダーの頭部に装備された三門のキャノン砲がダークへと向けられる。






「「「「「必殺!!アルティメットブラスター!!!!!」」」」」
「トリプルリキッドボンバー!!」






上と下からの強力な攻撃が、ダークの身体に襲い掛かる。しかし、なんとかその攻撃を凌いだのである。しかし、これは僅かに時間を作るためのもの。そう、メビウスの必殺の一撃のための。






「「「「「「「「「「今だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」






アルティメットダイボウケンとサイレンビルダーが横にずれた瞬間、そこにはメビュートシュートのエネルギーを最大に溜めたメビウスの姿があった。






「これで・・・・・・・終わりだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」






その強き叫びと共に、メビウスの腕が十字にクロスさせた。そして・・・メビュートシュートがダークへと放たれた。その光線はダークの身体を、どんどん浄化していく。


「ヤ・・・ヤメローーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


ダークの断末魔の悲鳴が上がると同時に、ダークは・・・・・この地上から姿を消した。その瞬間、麻帆良には歓喜の叫びが響き渡ったのだった・・・。
そして・・・・・戦いから三年後・・・。
















「卒業・・・おめでとーーーーーーーーーーーーー!!」


誰かの声かはもう分からないが、3−Aの面々は高校へと上がり、遂に卒業式を迎えていた。桜が舞う中、皆が本当に嬉しそうな笑みを浮かべる。


「明日菜さん・・・卒業・・・おめでとうございます」
「ん、ありがと・・・ネギ♪」
「これからが・・・・本当の始まりなんですね」
「そうよ。魔戒騎士とその従者のね」
「それじゃ・・・・皆さんには悪いですけど・・・・行きましょうか?」


騒げ歌えと暴走する皆を遠くから見ながら、轟天に跨るネギと明日菜。そして、そのまま大地を蹴って駆け抜けていく。


「ありゃ・・・ネギもワイと同じかい」
「うふふ・・・いいじゃない。同じようでも、道はそれぞれ違うのだから」
「・・・せやな」
「じゃぁ・・・行きましょうか?私の騎士さん♪」
「う・・・・・い、いくで!!」


そう言って、銀牙に跨る小太郎と千鶴。そして、彼らもまた旅立つのだった・・・そして、本日のメインイベントが始まった。


「式森せんぱ〜いと皆〜、卒業おめでとにゃ〜♪」


ハイテンションの桜子の視線の先には、学園内の教会の階段を降りるタキシード姿の和樹と、ウエディングドレス姿の真名・ネカネ・刹那・このか・楓・クー・茶々丸の姿があった。何故和樹一人に対して花嫁が七人もいるのか?その理由は、戦いが終わって本国からの使者が来たときだった。世界の滅亡を救った英雄として、一つだけどんな願いも叶えようという本国の言葉に、和樹はただ一言「大切な人たち・・・皆と一緒にいたい」と言ったのだ。これに本国の使者や本国の大ボスが大仰天したが、まぁ世界救ったんだしいいだろうと大ボスの計らいで、全世界にただ一人だけ重婚が認められた男と認識させるという事態になってしまったのである。そんな中、和樹は皆を見ながら本当に嬉しそうに微笑んでいた。大切な人が側にいて、一緒に生きていける。これ以上の幸せがあるだろうがと、心の中で何度も呟いていた。そして、結婚式のファイナルイベントである。ブーケ投げが始まる。


「それじゃ・・・皆いくからね〜♪」
「私たちに続く者を願って・・・」
「思いっきり投げるアル」
「掴み取って欲しいでござるよ」
「幸せ・・・・認識することが・・・・大切です」
「皆も幸せにな〜♪」
「皆さんにも・・・祝福を」


最後の合図と共に、七人は同時にブーケを投げた。






―――これが、一人の少年の物語。






―――しかし、これで終わりではない。






―――世界にまた強大な悪が目覚める時、少年と少女たちは戦う。






―――優しさと強さを持ち合わせた・・・ヒーローとして。






ネギまぶ!
≪完≫








あとがき
あ〜遂に終わってしまいました。なんとか話を完結できたのも、皆さんの様々な応援があったおかげです。本当に、ご愛読ありがとうございます。次回作は正直あまり考えておりませんwもしやるとしたら、やはり特撮とのクロスしかありませんね。しかし、まぁしばらくはお休み期間になるのはしょうが「ちょっと待ったーーー!!」・・・へ?


暁:「次回作なら、もう出来てるだろ?」
W:「え・・いや・・・」
真墨:「まったく。アンタも人が悪いぜ」
W:「いやマテ×2w」
蒼太:「ま、これも一つの冒険だってw」
W:「勝手すぎるわ〜横暴だ〜」
菜月:「期待してるからね(キラキラ)」
W:「いや・・・そんな目を輝かされても・・」
さくら:「実行しなければ・・・・ゴーゴーマリンで海底に送り込みますから♪」
W:「・・・ううう」
映士:「俺様の活躍、ちゃんと書きやがれよ」
W:「・・・あ〜、分かりました。ちょっとの期間おいたら、なんとかチャレンジしてみますっての!!」
ボウケンジャー:「「「「「「グッジョブ!!」」」」」」
W:「とほほ・・・」


・・・という訳で、次回作予定は【麻帆良で冒険スピリッツ!!】・・・お楽しみに?


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