5時間経過。
それは、まだ余興に過ぎないのだと、ロックオンも刹那も判っていた。

精液でぐちゃぐちゃになったそこから、とりあえずだと前置きをしてからロックオンは自分の萎えたブツを取り出す。
真っ白になった孔の中、ロックオンのそれにも陰毛にも、精液がこびり付き、はじめの方に吐き出した精液は、すでに乾燥している始末だ。

いいか、一度抜くが、俺はやめるわけじゃねえからな。だから負けたわけじゃねぇ。

そう言いながらも、ロックオンの顔は疲労と苦痛が浮かんでいる。
それはそうだ。
もう、5時間セックスをしている。

ずるりと抜けたロックオンのモノが項垂れる。刹那の尻の孔から一緒に出てきた精液が、ぼたぽたと垂れて落ちる。
いてぇ…、
ロックオンがつい呟いた声を、刹那は聞いた。

辞めるのか。
…やめてしまえ。
お前から、やめるといえ。

そう思いつつも、刹那こそ、言わない。…やめたい。
もう、腰も尻の孔も痛い。…入口などはきっと擦れて、内出血を起こしている。ロックオンが動くたびに、鋭い痛みがぴりぴりと走る。


先にやめようといった方が負け。
そんなルールがこのセックスにあったかどうかは解らないが、しかし刹那もロックオンもやめようとは言わなかった。
数度吐精して萎えた後も、無理矢理挿入させる。
なかなか勃起しないから、自分で扱いて強引に勃ち上がらせて、事を起こす。
刹那も刹那で、孔の中が精液で一杯になろうが、自分は萎えきっていようが、ロックオンが挿入すれば、煽るように腰を動かして擦り動く。
お互いが、本当に空っぽになるまで続けたものの、しかしそれでもやめようとは言わず、出ないのなら出ないで挿入させたまま腰を振ってみたりと、ありえない行動に出るほどに、頭がおかしくなりはじめている。
いっそ酒があればと酒に手を伸ばし、一瓶煽ってみたロックオンだが、しかし酔いは勃起の妨げになるだけだった。

「刹那、お前のココ、相当痛いだろう」
ロックオンがいい、刹那の尻に触れる。そこは熱を持ち、触れただけで痛いだろうと判る程に腫れている。
それでも、刹那は無表情の仮面を被ったフリをして、さもなんでもないように顔を背けた。
こんな程度でだらしない、
そう言いたげな顔だ。…なんて負けず嫌いだろう。
本当は、ロックオンが触れるだけでも痛いはずなのに。

そういうロックオンとて、陰部が痛くなる程の挿入を繰り返しているし、腰やら背筋やら内股やら、痛くてたまらない。
ミッションが休みだからいいものの、こんなものを平常時にやっていたら、スメラギから…どころか、ソレスタルビーイングを下ろされる事請け合いだ。

「…おい。もうギブしろ、刹那」
言えば、
おまえがしろ。
表情で、返された。

ああくそ!

「やってやる!やってやるよ、ちくしょう!!」

ロックオンの叫びが、室内に木霊した。
そうした馬鹿な意地の張り合いは、のちに、「タクラマカン以来の体力消耗」と笑われる事となる。