「今日の善き日に」







如月十九日、



ようやっと春の訪れを風に感じた。



梅の香りを髪に漂わせ、



野中を走る馬の蹄の音が聞こえるよう。



宵には現れるであろう客人は、



きっと寝かしてはくれないのだろう。



惹かれゆく己が厭わしく、愛しく。



にべもなく相槌を返すことで、苦し紛れの抵抗をした。








【今日の善き日に 君と酒を呑む】














06.02.19