「浅き夢見じ」







藍の濃くなった空を見上げ、



淋しく独り、盃を呷る。



今日は来ぬと、言われたのは



夕べのいつ頃であったろうか。



目元を細め、慰めるように



耳元で囁かれた睦言を思い出し。



知らず、涙が零れた。








【浅き夢すらも、君無しには見ることができぬ】














06.02.19