「あ、あ、もう、やめ…ッ!」

木々の間を日の光が心地よく差し込み、湖面をきらきらと照らした。
その畔、草木の間に隠れ、二つの身体が揺れ動く。

「だーめ、…今しとかないと、夜困るでしょ?」
「…そ、れは…ンッ、お前だけ、だ…!」

うつ伏せに政宗を柔らかな草の上に押し付け、圧し掛かるように佐助は腰を動かせた。
政宗の手の先に水が触れるほどに湖は近く、動く度に波紋が広がるようだった。
水が跳ねる音とは別に、ぐちゅぐちゅと湿った音が二人の間から漏れ、それだけで政宗は羞恥に狂いそうになる。
ただでさえ、少しここから離れればクラスメイトが集まっているのだ。
その喧騒すらも聞こえなくなるほどに、水音は大きい。
いつ、誰が来るとも分からない状況に、恐怖だけではない感情が胸を騒がせる。

「…さす、け…頼むから、離し、て…!」
「え?離して平気なの?」

おどけた風に言う佐助に、政宗はぎりと歯を噛んだ。
今離されれば、それこそ夜に困るのは分かっている。
けれど、ここで自ら理性を捨てる勇気はなく。
抗おうと握る拳が掴むものは、ただ形のない水。

「っちが、もう、や…ッ」
「日本語喋れてないよ、伊達ちゃん」

背骨が軋む気がするほどに幾度も衝撃を与えられて、政宗の意識は遠退きそうだった。
快楽が脳を犯し、体内は佐助に侵され、必死に保つ知性は剥がされていく。
痛いほどに膨れ上がった自身は草に触れ、妙な快感を生み腰を震わせる。

「そろそろ、イきそう?」
「、アァッ…さわ、るなっ…!」

佐助は政宗の脇腹を撫で上げた。
身に着けたジャージを少しも乱していない佐助に対し、政宗はジャージの上着をやっと片腕だけ通しているだけだった。
無防備な背に、いくつも赤を落としていく。
吸う度に政宗の後ろが締まり、佐助も昂ぶらされる。

「伊達ちゃんは強情だよね。そこが可愛いんだけど、たまには素直にさぁ、」
「、うる、さい…!死ね…!」
「…そんなこと言う伊達ちゃんにはお仕置きね」

政宗の言葉に、少しだけ表情を冷たくし、佐助は政宗の下に腕を回した。
身体を起こすのと同時に政宗を持ち上げ、自分の膝に座らせる。

「っあ…!」

重力でより深く繋がる身体に、政宗は背を反らせ耐えた。
けれど、込み上げる射精感からは逃れることも出来ず。

「ん、くぅ…さすけ、ぇ…っ」

唇から漏れる喘ぎは、もはや哀願だった。
その声色に、佐助は背筋にぞくぞくと劣情を走らせた。

「最後のチャンス。イきたい?」
「、ッ……」

耳元に注ぎ込まれた低音に政宗は限界を感じた。
けれど、欠片ほどになった理性が、頷くことを許さない。
呆れた風に息を吐き、けれど愉しそうに佐助は言った。

「ざーんねん。お仕置きは決行だね」
「な、何を…!」

恐怖からか暴れる政宗を押さえ込み、佐助は膝で数歩歩いた。
元より水際だったのに、それがもっと詰められる。
投げ出された政宗の足が湖面に沈んだ。

「んっ…」
「おっと、…」

日陰の水はひんやりと冷たく、政宗は僅かに力が入り、佐助を締め上げた。
中の佐助がありありと感ぜられて、結局は自分を追い詰める。

「ぅ、あ、…佐助…!」

切なげに政宗が声を上げても、佐助は素知らぬふりで別の言葉を続けた。

「…この後の自由時間、ここで泳いでいいらしいんだけど、」

言う間も手は休めず、政宗の内股や脇腹を弄る。

「そこに伊達ちゃんの出したらどうなるかなー?」
「…な、っ…!」
「皆、飲んじゃったりするよねー」

愉しげに声を弾ませ、佐助は湖面に政宗を傾かせた。
ずり落ちそうになる恐怖に、政宗は必死に後ろに手を回し、佐助の首を掴む。

「落としはしないよ。けど、そろそろ出そっか?」
「や…ッ!佐助、やめ…!」
「やめなーい」

政宗の制止も聞かず、佐助は政宗の中心を強く擦り、腰を揺さぶった。

「あっ…!や、だ…!あ、ん…ッ」
「伊達ちゃん、すっげ可愛いよ…」
「やめ、…!あ、あ、ッ〜〜〜〜〜!!」

声にならない叫びの代わりに、政宗の白濁がポタポタと湖面に波紋を描いた。
それを呆然と見つめ、政宗は力なく佐助に凭れ掛かった。

「よく、出来ました…」

政宗のこめかみにキスを落としつ、佐助も政宗の中に精を放った。
熱い飛沫に、政宗はやっと理性を手放した。
甘えるように佐助に身を預け、キスを強請った。






終わり…?(尻切れ!)








【補足説明】
林間学校パロでございます。


06.05.06