ミーンミーンミーン

ジジジジジ




蝉の鳴き声が盛んな季節

七条と啓太はリラックスしたスタイルで
クーラーのついた涼しい七条の部屋で過ごしていた。
あんなに学期末で忙しかった会計部の仕事も夏休みにはいってから落ち着きを取り戻し余裕を持って仕事が出来る。そのため仕事の時間も緩やかに組まれているので、ほとんど休日のような状態なのだ。

「あぁんっ・・・もぅっ・・・」

そんなに広くはない部屋に啓太の声が響く。時折、力が入るのかカチカチという音まで聞こえてくる。
啓太は床にペタリと座って七条のノートパソコンを使い、友達から借りてきたゲームに熱心に取り組んでいた。その近くでは七条が4台あるパソコンのうちの1台を使って何やら難しい英数字の羅列を弄りプログラムを作っている。その手はまさに神業レベルの速さのタイピング。

啓太がプレイしているゲームはシューティング。小さい飛行機が次から次にやってくる敵をレーザーみたいなものを放出しながら倒していくという単純なゲーム。でもコレがまた難しい・・・だんだん敵が撃ってくる弾数も増えていくものだから集中しないとすぐに、やられてしまう。コンテニューは残り4・・・・

「やだっ・・・わぁ・・・やばっ!」

集中しているため無意識に出しているだろう啓太の声がまた響く。
七条はタイピング途中でピタリと手を止め、振り返ると可愛い恋人を見つめた。
でも、その目線にも気づかずに啓太は必死で両手でキーボードを叩いている・・・・ふと、そんな啓太の背中に温かいものが触れる。それでも画面から視線をはずすことが出来ない啓太は振り向かないまま後ろに来ているであろう恋人に問いかける。その口調は少々早口・・・・

「ど・・・・・・どうしましたか?七条さん」
「・・・・・・・いえ。楽しそうだなぁと思いまして・・・・・」

「おっとっと・・・・っ・・・危なっ」

会話はここで途絶える。七条は笑顔なものの眉をひそめると・・・・後ろから啓太のお腹に自分の両手をまわす




・・・・それでも反応はない。




それでは・・・と、振り向かない恋人の耳元に今度はチュッと音を立てて口付けをした。
と、同時に啓太の肩はビクッと跳ね。画面の飛行機が爆発してしまう。
コンテニューは残り3・・・・・

「もぅっ!七条さん、爆発しちゃったじゃないですかぁ・・・」
「それは大変ですねぇ」

しらじらと話す七条。啓太はそんな相手にお構いなしに再び飛行機を動かし始める。
飛行機のそれまでに獲得していたアイテムも一度爆発してしまったため無くなっていたが、なかなか上達の早い啓太は、いちからまたアイテムを獲得し装備して強くなっていく。そんな様子を見て七条は、啓太のTシャツの裾から中に手を差し入れる・・・・
「わっ」と驚いた啓太はキーボードから手をを離さずに、身を少々よじりながら抵抗を試みる・・・が、あえなく画面の飛行機は爆発・・・・コンテニュー残り2・・・・・

その散々な画面を見つめ、啓太は少々涙目になりカァァっと頬を赤くして頬を膨らませる。


「もぅもぅっ・・・・・ダメじゃないですかぁ・・・」
「ダメ・・・でしたか?」
「ダメですっ!」


微かに怒りを覚えながらも啓太は、もう一度、飛行機を飛ばし始める。











間もなく抱きしめる力が増したかと思うと、背中から寂しそうな声が囁いた

「すみません・・・伊藤君。」
「・・・・・・・」
「君が、あまりにもゲームに夢中になって僕を見てくれないから・・・・」

七条は啓太の背中に甘えるように頬を寄せる。








すると・・・カタカタタと聞こえていたキーボードを叩く音が静止。










少々沈黙した後・・・・
啓太は上半身をねじり七条を振り返って相手を申し訳なさそうに見つめた。

「やっと振り返ってくれましたね?」
「・・・・・・・七条さん・・・・」

啓太は両肩を竦めて「俺のほうこそ・・・ごめんなさい。」と軽く頭を下げる。
その背景には画面が爆発している映像が流れている・・・・・・・残り1

でも、もう今の啓太には七条の顔しか映らない・・・七条は啓太の唇に自分の唇を重ねる。
深くはないけど、丁寧なキス・・・・・・啓太は瞳を閉じてそれを受けて七条の背中に両手をまわした。
その間に啓太のTシャツの下で撫でるように動めく七条の両手・・・・啓太はほんのり頬を赤らめて、惜しむようにキスを解く。

「ぁっ・・・・・・・・・」

啓太の口からか細い声が漏れる。それもそのはず七条の手が啓太の平らな胸元にある突起に触れたから・・・・・七条が伺うように熱い視線で見つめながら首を傾げると、啓太は小さく頷く。それをみて七条はとても穏やかに微笑む。

「残りコンテニィーが残っているみたいですが・・・・?」
「ゲームより七条さんの方が大切・・・・です。」
「ふふっ・・・」


ゲームのコンテニィーは実行されることのない画面のまま

二人は始まりの深い深いキスを愛おしそうに交わした。






























エチー度が低めのも書いてみようと思っていたときに
ゲームしていて思いついたお話です・・・・vv
七条さんは寂しいとちょいとイジワルな罠をかけます・・・・(笑
ちなみにエチーの七条さんのコンテニューはかなりあるので
啓太は夜眠れないこと間違いなし(殴