お金がない・・・・本当にない。








啓太は自室のベットの上であぐらをかいて座っていた。
その腕には七条から誕生日に貰ったブレスレットが美しく光る。お揃いのシンプルなデザインのシルバーのブレスレット・・・内側には文字も彫られている。瞳を細めて愛おしそうにそれに触れて見つめた後、再びサイフに視線をやる。

自分は寮生だし、お小遣いはある程度は親からの仕送りはあるものの・・・・・そんなに高いものを買えるほどでもない。ましてやバイトなんて学園島内にあるわけないし、本土に行ってから・・・なんて交通や時間を考えれば・・・・・。

グルグル考えても一円さえ出てこない。
出てくるのは溜め息ばかり・・・・・
逆さにしたサイフを見ても何の音もしない様子に肩をガックリ落とす。





「七条さんのお誕生日・・・もぅ明日だっていうのに・・・・・」










「え!?本当に??それ本当に!?」
「な・・・・なんだよ、啓太・・・・・。」

一年の教室で啓太は親友、遠藤和希に珍しく詰め寄っていた。
懸命に見つめてくる啓太の表情にちょっとドキドキもしたが、ほんのり頬を赤くした和希は一度コホンっと咳払いをすると説明を始める。

「本当だよ。手芸部と美術部の手伝いしてくれるモデルさんを募集してて・・・」
「そっちじゃなくてっ・・・その・・・お給料とか・・・・」
「あるよっ。たいした額じゃないけど時間割いてやってもらうって事で予算が下りてきたんだ。」

啓太はますます瞳を輝かせる。
なんてチャンスっ!神様からの贈り物だ・・・っ!
両手をギュッと握って力いっぱい啓太は大きく頷くと、親友に向って合掌みたいに手をあわせ・・・・・・・・・・

「それっ・・・・俺にさせて!いや・・やらせて下さいっ」
「えぇ!?・・・啓太、会計部の手伝いとかいいのか?放課後だぞ?」
「いいんだっ!七条さんや西園寺さんには俺ちゃんと言うからぁっ・・・だから・・・ねっ?」

首を傾けて上目遣いで見つめられたらイチコロの和希は頬の赤みが増した状態で素直に頷いてしまう・・・・・。その様子に啓太はパッと嬉しそうに微笑むと和希の両手を包むように握ってブンブン上下に振った。

「和希っ!ありがとう!」
「お・・・・おぅっ!」

両手を握ってもらえた喜びに浸る和希・・・・・・○○歳。
モデルといっても服を着けてデッサンしてもらうだけ2時間以内では終るだろうから、その後すぐに電車に乗って・・・・・・・・・・沈んでいた思考も浮上し始める。啓太は気合を入れなおしていそいそと次の授業の準備をはじめる。
しかし・・・和希は大切な事を言い忘れていたことにまだ気づいていなかった。








・ ・・・・・・・・時、既に遅し・・・・・・・・・






「こんなの聞いてないよ・・・・」
「啓太・・・・」

泣きそうになっている啓太の傍には、それを心配そうに見ている岩井の姿があった。その後ろでは和希が嬉々に満ちて悶えている。
ここは美術室。部屋の中には岩井・和希・啓太の三人・・・ただその普通の状況で可笑しいのは啓太の格好だけだった。
薄紫色のリボンチョーカー、その中心にはお花がついている。同色のミニスカートのワンピースはちょっと気を抜けば下着が見えそうになってしまうので啓太は裾を一生懸命引っ張っていた。

「これ、裾も短いし・・・」
「仕方ないだろ?本当は女性サイズに作ってあるんだから・・・・」

和希はあまり啓太を見ないようにしながら冷静を装って話す。実は、可愛い啓太の姿に今にも鼻血が出そうだったりした・・・・男の子なのにスカートを着けていても全然気にならない、むしろ似合うというか・・・・・・和希は静かに後ろ手にティッシュ箱を隠した。
落ち込む啓太の前に岩井が出てくると、眉をひそめたまま低音でゆっくり話す。

「その・・・・無理は・・・しないほうがいいと思う」
「岩井さん・・・・」

優しい言葉に少し慰められる。しかし啓太は小さく首を左右に振ると柔らかく微笑み。

「大丈夫です。岩井さん・・・・それに俺、ちょっとお金が必要で・・・」
「啓太・・・」
「岩井さんも美術部のデッザン希望で生徒会に申請だしたんですよね?俺、頑張りますからっ」

心配させないように啓太は元気よく言い放つ。どうしても七条に何か贈り物をしたい・・・・意識するたび目に映るシルバーのブレスレット。
その様子をみて取った岩井は啓太の手首をやんわり握ると美術室の扉に向って歩き出した。急な事で啓太は瞳をパチパチさせて連れて行かれるまま足を動かしてしまう。和希も驚きの声をあげて後ろから慌てて追いかける。

「ど・・・・どうしたんですか!?岩井さんっ」

無言でひたすら足を進める岩井・・・啓太は眉をひそめてただただ着いていくばかり・・・・この格好で外に出るのが恥ずかしくないわけがない。でもそれよりも岩井が何かの理由で怒っているんじゃないかと考えると啓太の心に雲がかかりはじめてた。











ふと、気づくと寮に着いていた。
部活動をやっている生徒が多いためほとんど人はいなかったのがせめてもの救いだった。それでも少人数は啓太の姿を見ている。しかし和希が、啓太だと気づかれないように配慮してくれいたため大きなことにはならなかった。

岩井がやっと手を離したのは・・・・大好きなあの人の部屋の前だった。

「ここ・・・・七条さんの部屋・・・・!?」
「啓太・・・やっぱり・・・無理はしないほうがいいと思う」
「岩井さん・・・」

啓太は岩井の優しさに涙が出そうになった・・・・・少々、潤んだ瞳で岩井を見上げると穏やかに微笑んでくれる。和希もやれやれっと呟くと啓太の肩に手を添える。

「啓太。俺も岩井さんと同じ意見っ・・・無理すんなよ。モデルはちゃんと正式に頼むから、だから気にすんな」
「和希・・・でもっ」
「七条さんは、そんな物にこだわる人じゃないって・・・俺が保障する。」
「和希・・・・知ってたんだ・・・・」
「啓太のことだから・・・なっ」

おどけて話す和希。啓太は瞳を片手でグリグリっと擦るとニッコリ微笑み。二人に感謝の気持ちを込めて一礼する・・・・それを見届けた岩井は口端を上げて黙って去っていく。和希も一度啓太にニッと笑って合図を送ると岩井に続いて歩みを始めた。





今日は部屋に戻っている・・・・啓太は不思議とそう確信できたので空中で泳がせていた手で勇気を出して小さくノックを二回・・・・。

「はい・・・・・・・・」


心地よい響きが鳴り響いた。






扉を開いて見た啓太の姿に七条は驚いて瞳を大きく開いていた・・・・が肩を緊張のためか竦める小さな恋人をみてすぐに優しい笑顔に変わる。そして、扉を大きくひらいて中に招き入れた。

「お・・・お邪魔しますっ」
「ふふっ・・・・どうぞ。」
「あ・・・あああの・・・あの・・・・七条さん」

慌ててこの姿の理由を話そうとし思わずどもってしまう啓太に、七条は恋人の愛らしい唇に静かに人差し指を添えてウインクすると、お茶を持ってきますからと言い啓太をベットに腰かけさせるように促してくれた。













「・・・・ふぅ」

甘くて美味しいミルクティーを口にして啓太は安堵の息を漏らす。その隣にはニコニコ始終笑顔の七条がいた。なんとかこれまであった出来事を話し終えた啓太はドギドキした表情で七条を見つめる。

「・・・・それで、そんな可愛らしい格好をしているんですね。」
「かわ・・・・・?・・・は・・・はい。」

七条は、啓太の両手を包むように持ち、その甲にチュッと口付けを落とすと視線を上げながら優しく悟すようにゆっくり話し始める。

「僕は伊藤君さえ傍に居てくれれば・・・・とても嬉しいプレゼントなんですよ?」
「七条さん・・・・・・」

七条の顔と同時に視界に存在するシルバーのブレスレット。
啓太は相手の見透かすような視線を避けるように瞳を伏せて俯く・・・・

「俺だって七条さんと一緒なら、それだけで嬉しいし幸せだし・・・なによりの贈り物だって思います。・・・・でも、それでも形として残る何かを贈りたかったんです。・・それを見て七条さんが俺を思い出して・・・・想ってくれるような・・・・」
「・・・・・伊藤君・・・・・・・・・」

少しだけ七条の瞳が大きく開く・・・・が、それはすぐに細まり

「僕は嬉しいです。」
「え・・・?」

啓太は顔を上げて七条を見つめると、その先には溢れそうな笑顔の大好きな人。

「君は何度でも惜しまずに、それも抱えきれないほどの愛情をくれる・・・・・・・たとえそれが目に見えなくても・・・・・それが物よりも勝ることを君も知っているでしょう?」
「七条さん・・・・・んっ」

熱い熱いキス・・・・・深く長く・・・・啓太を抱きしめて七条は何度もキスを恋人に贈る。唇を離したときには啓太の表情は上気していてゾクリと七条は肩を震わせる。

「伊藤君。僕はいつも・・・・君を想っています・・・・・だって君は僕のかけがえのない愛する人・・・・・僕の一部です。・・・・それに・・・」
「それに・・・?」

啓太は瞳をトロリとさせて相手の言葉を促す・・・・・・

「目に見えるものをくれると言うなら・・・・君がいるでしょう?・・・・・こんなに可愛くラッピングされた・・・・ふふっ」
「七条さんっ」

途端に啓太は赤ら顔になり忘れていた自分の格好を思い出して、恥ずかしくて俯いてしまう。その様子に嬉しそうにクスリと微笑むと七条は啓太の弱い耳に近づき・・・・

「こんなに素敵な贈り物はありません・・・・・喜んで頂きますからね。」
「ぁ・・・・・・・・もぅ・・・・・・・・・・・」
「絶対に離しません。」

ベットに縫い付けるように七条は啓太をゆっくり押し倒した・・・・・・。



















「ぁんっ・・・・あぁんっ・・・おみさぁん」
「啓太君・・・可愛い・・・・・・・・っ」
「いやぁ・・・いやっ・・・・見ないでっ・・・・・見ちゃダメェ・・・・」
「どうして?こんなに可愛く膨らんでますよ?啓太君の・・・ココ・・」

七条は妖笑を浮かべると啓太自身の先端をチロチロ舌で刺激する。
大きく跳ねる啓太の身体・・・・衣服は上からも下からも剥かれて腰にまとわり着いているだけような状態になっていた・・・そして中心でヒラヒラ動く薄紫のリボン・・・・・。啓太自身を戒めるようにその根元をギュッと締め付け、絶頂を迎えようとしていてもその可愛いリボンが無残にもそれを押しとどめる。啓太の思考はイきたいということだけでいっぱいになっていた。弄ってイこうとしても止められて、両腕を掴まれたまま啓太は涙目で七条を見下ろして訴える。

「おみさっ・・・・お願・・・とってぇっ」
「ダメです。」

きっぱり言い渡す七条・・・・啓太は、あぁ・・・・っと悲しみではない涙をまた流す。

「啓太君は僕への贈り物でしょう?僕より先にイってはいけません。」

綺麗な笑顔でなんて残酷な言葉・・・啓太は身体がピクピク小さく痙攣する。
そんな啓太の背中をゆるりと撫で上げるだけで淫らな声が漏れる。七条もその様子に熱くて荒い息をはいていた・・・・・。

「では、そんなにイきたいんでしたら・・・・まず僕をイかせて下さいね?・・・君のこの熱くて気持ちのいい場所で・・・ふふっ」
「は・・・・・早くぅっ・・・・おみさんっ・・・・入れて下さいっ」
「分かりました・・・・力を抜いて下さいね・・・・」
「はぁ・・・・・・・・ああああっ」

どんなにほぐしても始めの異物感は身体を軋ませる。入ってくる感触に啓太は身を硬直させるが、意識の飛びそうなのを耐えて七条はサッと啓太の胸の突起を弄ったりしはじめ、それと同時に七条自身もなんなくズズズズッと全て納めることが出来た。はぁはぁとお互いに胸を上下させる・・・・・と七条は入れた自身を左右に揺らしてみる。

「動いてもいいです・・・か?啓太く・・ん。」
「んぅっ・・・んあぁ・・・・・・い・・・からぁ・・・・早くっ・・・早く俺の中で・・・イってぇっ」

自身の放出を止められているからとはいえ、啓太のあまりにも乱れた姿に七条自身は気持ちに連動して更に膨らみを増し・・・・・・・・瞳を細めて微笑んだまま激しく腰を前後に揺らし始める。啓太は両足を大きく開いて相手をイかせようと思うのと気持ちいいのとで懸命に腰を振った。奥までズプズプと水音をたてて攻め続け、室内に響き渡るその音に更に啓太は羞恥を煽られる。

「ああんっ・・・はやくぅっ・・・あんっあんっあっ」
「っ・・・・啓太く・・・っ・・はぁ・・はぁっ・・・くぅ!」

啓太の鼻にかかった細い声を聞きながら七条は熱くて白いものを自身から放出し啓太のソコをドロドロに汚すと、啓太自身を締め付けていたリボンを外す。

「あーーーーーっ・・・あぁーっ」

待ってましたと言わんばかりに啓太も身体を大きく痙攣させながら自身から白濁したものを放出した。

それでも自身を抜くことはなく、余韻に浸りながらもゆるく腰を七条は揺らし・・・・耳元に口付けをする。
啓太は七条にしっかりしがみ付いて少々放心状態のまま腰からやんわりくる刺激に身を震わせていた。

「伊藤君・・・愛していますよ。」
「・・・・・・はぁ・・・い」
「僕を離さないで・・・・僕を愛していてくださいね」
「愛してます・・・・・臣さん・・・・んぅ・・・・」








貪りつくようにキスをすると啓太自身も七条自身もまた力を増してくる。









ふとその時、啓太は明日になったら一番に口にしたい言葉をぼんやり思う・・・・・・・・・















七条さん、生まれてきてくれて・・・・ありがとう







お誕生日、おめでとうございます・・・・・・・・・・・・・・










啓太は瞳を細めると

口付けをかわしたまま愛する恋人を

ギュッと抱きしめた










































七条さーーーん!お誕生日おめでとうございます!
いやぁ記念SSなんて初めてなのでなんだかドキドキですねv
七条さんエロイ!(褒め言葉)最高!