アンダーシャツを着込む彼の力強い横顔と鍛え抜かれた身体をぼんやりと眺める。あくびをし、少し前に彼の大きな手が乱した自分の灰色がかった髪を手で撫でつける。
あと数時間で第75回目のゴールデングローブ授賞式が開かれる。
生来の才能なのか、クリスは酷く相手を煽るのが上手い。今日はプレゼンターを務めるから痕をつけるなと言われ、外で出す様にも女王然とした態度で命令され、最初の数回はそれに従った。だが回数を重ねると多淫な彼はあっという間に溶けてしまう。力のない懇願をされながら僕は思い切り肉厚な桃色の肉の輪を自分のペニスでほじり尽し、小さく悲鳴を上げる彼の声を聞きながら彼が素直になるまでびゅくびゅくと中出しを繰り返した。僕の恋人は僕が意地悪だという。だが僕はジョックである彼がそういうアプローチに弱い事も知っていた。
大きすぎる肉尻に勃起したペニスでぶるっ…!と栓をして、獣のようにずんずんと激しく腰を振ると彼は嫌がりながらすぐに陥落してしまう。やや自信家で生意気なことばかりいう口が淫らなあえぎしか零さなくなり、最奥に種をつけられると激しく肉付きのいい身体をびくびくと震わせ、内部の肉ひだがはしたなくイッたことを伝えてしまう。
今まで何人の男が彼に伸し掛かり、快楽を教えていったのか。そう想像すると不快感と僅かな興奮を覚えてしまう。
「ソー・ラグナロク」の製作を経て、彼は"僕のソー"になり、"僕のクリス"になった。
優しく、男の色気に満ちたゴージャスな恋人。彼を周囲にひけらかすつもりはなかった。僕よりもずっと若い恋人との日々に浮かれているつもりもなかった。
僕自身の気質なのか、プライドなのか。
彼に惹かれ続ける自分がいて、同時に抗い続ける自分も存在していた。
「クリス、こぼれてる」
タイカからの短い指摘に顔をしかめる。残滓はすべてシャワーで洗い流した筈だった。なのに下着を伝い、流れ落ちていく不快な感触に自分でも気づき始める。
「僕に任せておけばいいのに」
あの冷静な目で"そこ"を覗かれるのが嫌だった。丁寧に優しく恋人であるタイカは処理をする。だが雄の目で同時に見つめられることも多かった。必要以上にくぱりと肉の輪を拡げられ、褐色の指が二本同時に挿入され、ずりゅずりゅと受精したばかりで敏感なひだひだを激しくしごかれながら掻き出される。すべての種が流れ出た頃には指で犯されたせいでまたペニスが欲しくて穴ひだの奥がひくっ、ひくんっ…とうずいてしまう。そうなるともうどう抗おうとしても無駄だった。無言でずるんっ…と酷く太い肉棒を挿入され、後は喘ぎ続けるだけだった。
「中で出すなっていったよな…」
「でも途中から君も禁止しなくなったけど」
上品な笑顔で指摘され、思わず眉を顰めてしまう。
「おいで」
褐色の腕がベッドを叩き、そばに呼び寄せる。溜息をつき、彼の前で乱暴に下着を脱ぐ。会場があるビハリーヒルズまでの移動や自身のエージェントとの打ち合わせを考えると、もうあまり時間がなかった。寝そべる彼の前で背を向けて座り、にちっ…と自分の恥ずかしいほど大きな二つの尻たぶを左右に押し開く。
「やっぱり掻き出しきれてないよ。まだ残ってる」
ずくっ…、と恋人の指が年輪状のびらびらの中に差し込まれる。
「…ッ…」
上がりそうになる熱い吐息を息を呑むことで必死に抑える。タイカの褐色で、見ているだけで唾が出るほどの卑らしい形をした大きなペニス。それを根元までずるんっ…と豊満な肉尻に押し込まれ、何度もぶびゅぶびゅと中出しを繰り返された。最後は半ば気を失った状態で種付けされ続け、ごぽっ、と結合部から種があふれるほど大量に肉ひだの中に中出しされてしまっていた。
「…んッ…」
上半身にシャツを着込み、下半身は何も見つけていない状態でぶるぶると恥ずかしいほど大きな肉尻を震わせる。優しく、だが容赦のない指が恋人に知られてしまった肉びらの感じる部分ばかりをずこずことしごかれ、ぶびゅっ…、と中に残る種汁をかきだされるたびに身体に怪しい熱が灯っていく。
「あっ…あっ…」
ぐるりと敏感な肉ひだの突起を掻きまわされた後、指が抜かれる。
「終わったよ」
そう告げられながら背中を軽く叩かれ、むちむちとした肉の輪から恋人の精液を垂らしたまま、大きすぎる肉尻を物欲しげにひくひくと揺らしてしまう。
「…っ…」
また恋人が雄の目で自分の恥部を見つめていることは分かっていた。それに時間が本当にないことも。
甘くかすれた声でタイカの名を呼ぶと、背後から短い髪を撫でられる。伸し掛かる気配を感じ、むちっ…とハメて欲しくて仕方がない肉厚な肉の輪を押し開く。早く終わらせるには恋人への積極的な奉仕が必要だった。
「んうっ…」
ゆっくりと、だが確実に逞しい褐色のペニスがずにゅずにゅと自分のびらびらの中に挿入される。
「んっ、んっ、んッッ」
そうして根元まで長大な男根が埋め込まれると嬉しげに舌をぶるりと出し、自分の淫肉で膨らんだペニスをずりゅずりゅとしごき、肉びらでの卑猥な奉仕を始めてしまう。
「あっ、あっ、ああっ…!」
数えきれないほどの男達を悦ばせた自分の恥ずかしいほど大きな肉尻をたぷたぷと上下に揺する。年上の恋人の長大なペニスは回復に時間がかかるものの、驚くほどの悦びが毎回自分に生じ、気付けばいつもうっとりとした笑顔で肉ひだをハメ尽くされてしまっていた。
「んっ…んっ…んうっ…!」
肉厚な肉の輪でむちっ…と褐色のペニスを根元までくわえ、ずにゅっ、ずにゅっ、と恥ずかしいハメ音を立てながら豊満な肉尻を激しくほじられまくる。
「あっ、あっ、ああっ…!」
抜き差しが早まり、感じきった声しか漏らせなくなる。射精を促そうと年輪状の肉ひだで膨らみ切った恋人のペニスをにゅぐにゅぐにこすり、熟れた肉びらでのはしたない肉しごきをずにゅずにゅと見せつける。
「あっあッ!ひっ…!!」
背後から強く身体を抱きすくめられ、ぶびゅっ…!と酷く熱い精液がぬるぬるの肉びらの中にぶちまけられる。
「んっ…!んうっ…!」
上がる声と反応で媚肉が種付けと同時にイッたことがすぐに知られ、より興奮で膨らんだ褐色のペニスが種汁をぶちゅぶちゅとまき散らす。
「あっ!あッッ!ああっ…!」
気持ち良すぎて何度でもイッてしまいそうだった。だが今度こそ、事後の処理が必要だった。恋人であるタイカが丁寧に掻き出す姿を想像する。揺れそうになる肉尻を必死に押し止め、感じまいと努める自分の姿も。
「あっ…あッ…」
最後までどくどくと恋人の熱い精液が注がれていく。例え僅かでも、残滓の残る身体で授賞式には向いたくはなかった。だがどこかでそれをタイカに望まれているような気もしていた。
「んっ…ッ…」
ずるっ…と音を立てて萎えたペニスが抜かれていく。ハメ尽くされた年輪状の肉ひだがひくひくと卑らしくうごめき、種付けでイッたことが丸分かりになる。
「……」
処理しようとする恋人の腕を押し止める。ティッシュで中出しされたものを拭い、脱ぎ捨てた下着を拾う。振り返るとベッドの上で少し戸惑った笑顔を見せるタイカと目があう。それに笑い返し、身支度を整える。
こうすることで自分が所有されていることを自分自身の身体が証明しているようだった。だがそれは思うほど、酷くはないものだった。