Problem




 
 
「んっ…むっ…」
 目覚めると白い亜麻の掛布をめくり、眠る弟のものを口に含み奉仕する。
 それが二人で夜を過ごした朝の慣例だった。
 自分の勃起し始めた肉棒にも手を伸ばし、さすりあげながら自身を"女"に変えてしまう淫らで逞しい、長大な肉茎をゆっくりと舌で味わう。
「ふっ…んうっ…ん…」
 途中口淫に気付いた弟が褒めるように俺の黄金の髪をそっとなでつけ、そのいたわりに満ちた仕草に益々ちゅぱちゅぱと恥ずかしい水音を立てながら雄根をくわえこんでしまう。
「んっ!んうっ…!」
 喉奥までぬっぽりと弟の勃起した肉竿を食み、がくがくと浅ましく前後に頭を動かし、口腔の締め付けで膣口のように男根をしごきあげる。
 にじゅにじゅと自身の竿も激しく抜き上げるとむちむちとした桃色の肉厚な肛門がむちっ…と熟れ、昨夜気を失うまで貫かれたにもかかわらず、雄の挿入を待ち望む肉穴がひくひくと卑らしくひくついてしまう。
「んむうっ…!」
 ぬろっ…と舌の付け根に弟の竿からにじんだ先走りの苦く辛い汁がすりつけられる。
"もっと飲ませて欲しい"
 いつもそう強請ると、弟は好きなだけ自分の精を俺の口腔に、肉穴に、たっぷりと注いでくれた。
 日ごと夜ごと、それを飲み干したくて仕方なくて、あわただしく交わる時などは自分だけ脚衣を脱ぎ、壁に手をつき大きな肉尻を弟の前に差し出し、自ら尻たぶを左右に開き、弟の挿入をみだらに強請ってしまっていた。
「はっ…あっ…」
 口内射精の予感で唾がたっぷりとたまった自分の口内からぬろん、と勃起した肉竿を抜き出し、目を閉じてその立派な雄臭い肉茎をくんくんと嗅ぎ始める。
 どうしてこんなに卑らしい味と匂いがするのか、ごつごつと浮いた葉脈のような肉筋がびくんびくんと脈打ち、益々弟の男根を卑猥で逞しいものに見せ、雌と化した自分を虜にしていく。
 口に含んでにゅぼにゅぼとしごいて、たっぷり弟の精を口腔に注いで欲しかった。だがそれと同じくらい後ろを犯してまごうことなき雌蓄として辱めて欲しかった。
「兄上、どちらがいい…?」
 そう涼やかな声で問われ、なぞるように耳殻を指ではさまれゆっくりと摩られる。
「離れている時も私を感じていて欲しいんだ――前か後ろか…どちらに精を注いで欲しい…?」
「ロキ…ここにお前の精を…」
 弟の足元にしゃがみこみ、頭を敷布に擦り付け、腰を高くかかげ女のように大きな肉尻をふるんっと男の眼前で淫らに震わせる。
 一番肉悦を感じる肉穴を自らの手で左右ににちりと広げ、はっ、はっ、と浅ましく息を吐きながら挿入をじっと待つ。
「お前が側にいずとも、お前に触れられずとも俺が我慢できるように、この浅ましい兄をたっぷりと突いてくれ――…」
 いつからこの密やかな逢瀬で弟の身体にすがりつくようになってしまったのだろう。
 何度名を呼んでも、何度交わりを求めても、ただ弟は穏やかに笑って俺を許してくれる。
 甘やかな言葉を注がれるとそれだけで胸が締め付けられ、片時も離れていたくなくなってしまう。
"兄上、私も同じ気持ちなんだ…いっそ溶け合ってしまえたらいいのに…"
 そう囁かれながら激しく肉尻をぬぷぬぷと逞しい肉竿で貫かれると弟に愛を告げる言葉が口からあふれ出て止められなくなってしまう。

「兄上…あまり甘えられると手放したくなくなってしまう…どうか夜まで私を求めることを抑えて欲しい…」
 ぬぐっ…と貫通済みの恥穴に待ち望んだ刺激が与えられる。弟の猛りきった逞しく長大な肉竿が度重なる雌としての貫通でむちむちに熟れきった桃色の肉穴にひだをめくりあげるようにしてずるんっと入り込み、ずんずんと女のように大きな肉尻を穴奥まで犯し始める。
「あっ!ロキっ!ロキッッ…!」
 挿入された瞬間にびゅぐりと自身の淫らな肉棒は精を吐き出してしまっていた。ごりごりと肉筋の浮いた卑猥な肉竿が中の肉ひだをこすり上げ、ずりゅずりゅと雌穴としてしごき上げ、どうしようもなく尻奥が感じてしまう。
「ふっ…んうっ…!んううッッ…!!」
 求めることを抑えるように請われ、必死に縋りつきそうになる手を自分の唇で噛み、眦に涙を浮かべながらにゅぐにゅぐと卑らしい竿突きに耐えていく。
 後ろから弟の鋼のように硬く、冷やりとした身体に抱き締められるのが好きだった。そうして大きな肉尻を穴がとろけるほど逞しい竿でぬぽぬぽとほじられ、たっぷりと種をつけられながら達すると途方もない幸福がいつも自分を包みこんでいた。
「あっ!あうっ!あんっ!あっ!」
 ぱんぱんと激しい抽挿音を立てながら穿つ動きが早くなる。
 弟からは諌められたばかりだった。だが愛しい者に犯される悦びに抑えが効かず、尻奥の敏感なひだをにゅぐにゅぐと突かれながら愛を告げる言葉が漏れ出てしまう。
「兄上…アンタが悪いんだ…」
「ひあっ!?あっ!やあっ!やあああッッ…!!」
 ぐっ、と強く腰を背後から抱えられ、ずんずんと貪るような膣突きを執拗に穴奥に繰り返される。
「あんっ!やあっ!あっ!あっ!ああっ…!」
 雌になってしまう最奥のぷるぷるとした肉ひだを浅ましいほどの早さでぬぽぬぽと硬い亀頭で突かれ、びゅるびゅると自分の竿から溢れる雫が止まらなくなり、狂ったように竿をぬっぽりとくわえたままの肉尻をぶるぶると揺すり上げながら身悶えてしまう。
「ひんっ!ひやっ!ひっ!ひんっ!!」
「手放せなくなるから甘えるなと言ったのに…私に睦言を囁くだなんて…」
 責める声が蜜のように甘く耳朶に注がれる。
「ひんっ!ひんっ!ひっ…!」
 ごりっ!ごりっ!とひだを掻き分ける肉傘の動きが小刻みにはげしくなり、年輪のように重なる敏感なひだをめくりあがるほど亀頭冠の広がったえらでにゅぽにゅぽとしごかれてしまう。そのまま肉尻にぐっと弟の腰が押し付けられ、吐精の為の直情的な動きでずぬずぬと尻を攻められ、見も世もなく乱れきった姿を晒してしまう。
「あっ!あんうっ!あんっ!」
「兄上…あにうえ…」
「ロキ…っ…」
 勃起した肉竿に手を伸ばされ、激しく擦り上げられ、その刺激ですぐにびゅくびゅくと達してしまう。
「あっ!ああああッッ!!」
 吐精の刺激で後孔が締まり、最奥までずにゅっ…と肉棒を挿入され、ぬこぬこと敏感なひだを勃起した太竿でしごき尽くされる。
「やあっ!ロキッ…ほしいっ!欲しいっ…!」
 貫通され、はめまくられる悦びで身体がどうにかなりそうだった。
 雌としての淫らな欲望に歯止めが効かなくなり、ひだに弟の精をかけられることをねだってしまう。
「中に出してくれっ…」
 挿入でぷるんと勃起してしまった桃色の乳頭にも手が伸ばされ、くりくりと揉み込まれる。自分が誰のものか言うように促され、口端からよだれを垂らしながら必死に何度も何度も弟の名を叫ぶ。
「ひあッッ……!!」
 ずりゅんっ!と硬い亀頭が敏感なひだ奥を所有の証として強引に突き上げる。その柔らかいひだひだを犯される刺激にぶるんっ、と自分の肉尻が大きく震え、びゅぐっ…と熱くどろりとしたものが尻奥に注がれていく。
「あっ…!ああっ…!」
「兄上…片時も離れていたくないんだ…どうか私の精を身の内に含んだまま夜を待っていて欲しい…」
 受精された証でもある弟の子種をねっとりとひだに染みこませたまま、父母や友、近習のものたちと接しろと弟に請われ、びくびくと種付けされる心地に淫らに全身を震わせながらこくりと頷く。
 どこかに腰を下ろせば必ずぬろりと弟の子種が貫通済みの淫らな肉穴から零れ出してしまう。長持ちにすら腰掛けることを控えるべきか、それとも誰にも伏したまま精を穴から溢れさせ、種付けされた身体のまま、雄雄しく王子として振舞うべきなのか。
「あっ…ああっ…!ああんっ…!」
 手の甲に腱が浮かぶほど強く敷布を握り締め、長く濃い受精に耐え続ける。初めて中に出された時、ひだを焼かれるほど熱い子種を大量に注がれ、その未知の肉悦に弟に宥められるほど泣き叫んでしまっていた。だが今はひたすら穴奥が淫らに喜び、雄による種付けを常に待ち望んでいることを、ぷるぷると揺すられる大きな肉尻と甘く熱く漏れる淫声で弟に余すところなく伝えてしまう。
「あっ…はっ…」
 頬にゆったりと口付けられ、ぬぽっ…と音を立てて弟のものが抜けていく。ぶびゅっ…と漏れ出しそうになる種付け済みの子種を肉穴を締め付けることで押さえ、外に流れ出なかった大量の濃い弟の子種がぬろっ…と自分のむちむちとした桃色のひだ一つ一つに染みていく。
「…ロキ…」
 たっぷりと尻に雄の種を受精したことで頬を赤らめながら、心からの想いを告げると、唇を強く奪われ熱い囁きを耳朶に注がれる。
「もう少しだけ側に…」
 弟の白く細い腕に手を這わせると腰に手をまわされ、労わるように背後から背をいだかれる。
「俺が再びお前に抱かれるまで我慢ができるように…」
 項に冷やりとした唇が触れ、太い首筋に紅い口付けの跡をつけられる。
 まごうことなき所有の印に俺はうっとりと微笑みながら弟の温もりを味わうのだった。