Alirp
「マジョラムの香りだ…」
俺の部屋を訪れた弟はそういって髪に触れた。
「髪はマジョラム、胸と顎は椰子香油、腕は薄荷の香膏か。あの野蛮人の王はアスガルドでも妻に自国の香りを纏わせるのか」
「愚かなことをいうな、ロキ。俺が好んでしたことだ…」
久方ぶりに訪れることを許された故郷アスガルド。荘厳な神殿群、善良な民人、父母や友の懐かしい顔――だが一番会いたかったのはたった一人の弟だった。
長引く戦争を終結させる為に敵国の王と婚姻を結んだ。
捕虜であり、后であり、慰み者としての男妾でもあった。男同士の交わりを知らぬ俺は初夜の晩、すべてを強引に奪われた。
鋼のような身体と巨人並の体躯を持つその野卑な男は異常に精力が強く、俺は昼も夜も襲われ、女として抱かれ続けた。
絶え間ない陵辱の日々。だがその国にも善の心を持つ者は存在した。
俺にあてがわれた年若い、新蜂蜜のような芳しい吐息を持つ少女の小間使い。彼女と次第に友として懇意になり、年の割りに成熟した侍女によって懐柔する手立てを教えられ、徐々に夫を御するようになっていた。
本意ではないが、自分で導き相手を満足させることで次第に乱暴な情交は減っていき、望めばある程度の自由を、不器用な優しさを捧げられるまでになっていた。
「ああ、そうだったな。この国にいた頃と同じだ。娼婦のように香膏の入った雪花石膏の箱をいくつも携えて、常にあの野蛮な国の香りを身に纏わせて――」
「――ロキ、次にいつここへ戻れるか分からないんだ。頼むからこれ以上憤るのはやめてくれ…」
眼前の弟は記憶の中の姿よりもやつれていた。婚姻を結んだことで国を救える筈だった。自分がかけがえの無い者達を守るのだと、自らを犠牲にすることで幸福が訪れるのだと。だが今なお弟はまるで戦渦の中にあるかの様に、苦しみの滲む暗い様相を俺に見せ付ける。
「私は決して婚姻は結ぶなと言った筈だ…!」
ロキが強く俺の腕を掴む。
「だが兄上は私の忠告を聞きはしなかった…いつも、いつもだ…」
灰緑の瞳を持つ美しい面差しが間近に迫る。
「……ッッ!?」
気付けば唇を奪われていた。ぬるりと潜り込んだ弟の舌先が苦くどろりとした物を口移しで飲ませていく。
「んっ!んうううっ!!」
華奢な弟のどこに自分が抗えぬ程の強い力が隠されていたのか。それともこれは贖罪の為に自分自身が抗う力を律しているのか。
そう惑う自分の身体が徐々に重くなり、白瑪の肌を持つ細い腕に抱きとめられる。
そのままタペストリーで覆われた石造りの床上にゆっくりと横たえたられ、掌で暖められた琥珀のような甘い香りを持つ弟の身体が伸し掛かる。
「兄上…あにうえ…」
全身が痺れ、指先を軽く動かすことしか出来なくなった俺の唇を何度も弟が吸い上げ、次第にじゅぷじゅぷと恥ずかしい水音を立てながら口腔を嬲り始める。
「ふっ…!ロキッ!んっ!んっ…!やめろッッ!やめてくれ…!」
夫となった男に完全に躾けられた唇は表皮をぬろぬろと雄の固い唇でなぶられるだけで、じゅわっ…と甘い唾液が口内にあふれ出す。
「んうっ…」
それを音を立ててじゅるっ…!と吸われ、雌としてはめられる予感ではしたなく自分の青い瞳が潤み、びくん、びくん、とロキの下で身体がみっともなくひくついてしまう。
「あっ…あうっ…」
ぬろん、と唇が離され、互いの口元を銀糸のような睡液が伝う。
「ふん。完全に"女"になったな兄上…あのむくつけき巨漢の卑猥なイチモツで毎晩ぬぽぬぽとみっちりと仕込まれていたんだろう?かの国の男共は酷く荒々しく女を孕ませるというじゃないか…兄上もさぞかし恥ずかしい体勢にさせられて獣のような種付けをされていたんだろう?尻穴もずぽずぽとはめられまくって中のびらびらがが勃起したオスのイチモツにぬりゅぬりゅとこすられすぎて使い込んだ色になっているんじゃないか…?」
「ロキ…ッッ!!」
憤怒と悲しみで自分の眦から大粒の涙が垂れていく。
自害したくなるほどの屈辱的な日々を耐え抜いたのはいつかもう一度弟に会う為だった。戦が終わり、幸福を味わう何よりも大事な弟の姿をこの目で見たかった。だがロキは未だ苦しみを湛えた眼差しで俺を見つめる。そうして怒りをぶつけてくる。それが何故なのか、どうしても分からなかった。
「アンタが憎い…」
生暖かい吐息が耳朶にかけられ、耳殻を甘く食まれてしまう。
「ッ!ッッ!」
ロキが知る筈のない、夫が好んで愛撫する箇所への刺激で肌が熱を帯び始める。
頬を赤らめながらびくびくと大きく震える自分の身体でそれを知ったロキが恨むような眼で俺を見つめ、再度強引に唇を塞がれる。
「んむっ!んむうっ…!」
完全に受精器と化した口腔がオスからの唇を介しての雌陵辱に喜びの声をあげ続ける。
「んっ…うっ…」
じゅわ…っ、じゅわっ…とメスとして犯される喜びで絶え間なく甘い唾液があふれ、兄弟の唇だと知っていながらも肉厚な舌同士がぬちゅぬちゅと浅ましくこすれあい、まるで肉ひだを肉茎のびんびんに張った赤黒い亀頭冠でずこずことしごかれるように、舌を肉厚な舌先でぬろぬろとこすりあげられてしまう。
「んっ…ひっ…ッッ!ロキ…!駄目だっ…!あっ…んうっ…だめだっ…」
びくっ、びくんっ、と肉悦で震え続ける自分の鍛え上げられた大柄な身体に白い腕が蛇のように這い、まるで見せ付けるようにして左肩につけた黄金の留め金と薄いリネンの長衣を剥ぎ取られる。
「やめっ!!」
ぶるんっ!と敏感な部分が外気に触れる感触があった。最後に残された腰布をつかまれ、乱暴に引きちぎられると半ば頭をもたげた自分の肉茎が勢い良くあらわれる。
「ああ、兄上…アンタのはしたないものを勃起させてる上に下生えも綺麗に剃ってあるじゃないか…」
そう嘲笑とともに呟かれ恥辱で血がにじむほど強く唇をかみ締める。
『やあっ!やっ!やっ!やああああッッ!!』
恥部を丸見えにさせると酷く恥ずかしがり、乱れに乱れてしまうことを俺を妻にした男は良く知っていた。だからいつも侍女によって下生えを剃られ、肉穴の皺のひとつひとつまで男のごつごつとした太い指にくぱりとひろげられ、交尾以外のなにものでもない恥ずかしいメス蓄の体勢で下から勃起しまくった卑猥な形をしたイボがいくつもついた黒ずんだ巨大な太竿でずにゅ!ずにゅうううううっ…!!と尻穴を中の肉ひだが発情した腸液でぬれぬれになるまで突かれ続けた。ぱんぱんと黄みを帯びた精の濃い種汁を飛ばしながら女のようにはしたないほど大きな白い肉尻を勃起したイチモツで上下に激しく貫かれ、中のむちむちとした肉厚な桃色のひだひだがいつもぐぱっ…と熱く男の竿の形に広がったまま、ぐひぐひと下卑た笑い声を出されながら夫にたっぷりと中だしされ、あんあんと女のように甘く高いメス声を出しながら自分の肉竿から雌蜜を垂らし、ぶちゅぶちゅと尻の奥に熱い子種をねっとりと種付けされ続けた。
「この女みたいにむちむちとした大きな肉尻とむっちりとした太い太ももが奴の好みなんだろう?腿も尻もびっしりと口付けの跡が残って…」
そういいながらロキがぬろん…と肉厚なよだれまみれの舌を出し、俺の両の膝裏を掴んで左右に大きく広げさせ、眼前の男にぶるっと突き出す形に固定された肉尻の狭間にある、完全に雌膣になってしまった肉穴の入り口にぴちゅっ…と舌を押し付ける。
「ふっ!あああッッ!!」
ぶるんっ!と吸って欲しいかのように桃色の乳頭が浅ましく弟の前で勃起する。毎夜、発情した夫によってずにゅずにゅと執拗に先っぽを吸われ、乳穴を舌でぬぽぬぽとほじられ穴奥までずっぽりと犯され、すっかり雌肉具として肥大してしまった乳頭がぷるぷると揺れ動く。
「んっ…!んうっ…」
「触れただけで穴がひくついてきたな…すぼまりが随分と柔らかいじゃないか兄上…」
そう声をかけられ、国を出る間際まで、夫に贈られた香膏を塗られた身体を激しくはめ倒されたのを思い出す。自分の贈り物だとそういって、片足をはしたないほど大きくひろげさせられ、背後から女のように大きな汗まみれの肉尻をじゅぽじゅぽとイボつきの黒ずんだ太竿ではめられ、中の桃色のびらびらをかきまわし、にゅぶにゅぶとしごきあげ、ぐりゅぐりゅと動きまくる肉イボの卑らしい動きで達してしまった熟れた肉ひだにぶびゅっ、ぶびゅううっ、と大量の濃い子種を注がれ続けた。閨の中で男の野卑なおたけびと俺の甘い悲鳴が延々と続き、メスとして感じまくっていることをからかわれながら、ぱんぱんぱん!と竿で尻を突かれ、肛虐からくる淫らな快感で肉ひだがにゅぐっ…と何度も卑らしくすぼまり、その度に尻穴で"女"として達しそうなことを無意識に叫び、征服者である夫を酷く喜ばせてしまっていた。
その後散々はめ尽くし、満足した巨躯の男がぬぽっ…!と湯気とともにイボ付きの巨大男根をむちむちとした桃色の肉穴から抜きとる頃には俺はただひくひくと肉悦で全身を震わせ、たっぷりと受精させられた女のように大きな肉尻を卑らしい手つきでぶるぶると抵抗もせずに揉み込まれるだけだった。夫の太長い卑猥なイチモツの形にぬっぽりと開ききった肉穴からは犯されまくった桃色のむちむちとしたひだひだが夫の白濁とした子種まみれになりながら丸見えになり、女のように大きな肉尻のはざまでその卑らしい受精済みの肉ひだがひくっ…ひくんっ…とうごめき、男の爛々と光る目に陵辱され種付けされた後の淫らな姿をねっとりと視姦され、種をかきだしてやると嘯かれ、また太い二本の指で出発の間際までぬぽぬぽと肉穴の中の肉厚な桃色のびらびらを小刻みに激しくしごかれ、同時に勃起した自分の淫茎も執拗に抜かれながら強引に雌蓄として肛門を犯され続けた。
「奴を受け入れたばかりなのか?…」
怒りと憎しみの混じる声だった。
がばりとロキが俺の肉尻に顔を押し付ける。
「やめろっっ…!!」
青ざめた悲鳴が俺の口から漏れる。だが弟は俺の制止も聞かず、尖らせた舌先で中だしされた男の子種をかきだし始めた。
to be continued…