cheerful




「おお、ロキ。ここにいたのか」
「兄上」

 朗らかな声で私を呼び止めた兄が駆け寄ってくる。自身の部屋には蒸留装置、炉、錬金薬、奇妙な混合物、硫黄、水銀などの様々な錬金道具や素材が置いてあり、ソーが大きく足を踏み出す度、それらが壊されそうで思わずはらはらしてしまう。

「相変わらず薄暗い部屋にこもって妙な実験を繰り返すのが好きだな、お前は」
「ふん、兄上には関係のないことだろう。それで何の用だ」
「そろそろ飲みたい頃だと思ってな」
 そう言いながら躊躇無く兄が自身の上衣をめくりあげる。
「ッ!?」
 ぷるんと白く盛り上がる大胸筋の上、敏感なそうな桃色の乳頭が外気に触れ、ふるりと軽く勃起する。
「飲んでいいんだぞ、ロキ」
 慈愛に満ちた笑みがその男らしい顔に浮かぶ。
 兄の太陽のように明るい笑顔ははっきり言って反則だった。すべてを許された気になるし、実際鷹揚なソーはいつも私の行為の全てを許してしまう。

「…ッ…」
 ふるふると震えながら、無言のまま兄の胸にしゃぶりつく。大柄なソーの身体がびくりと震え、薄紅色の唇から甘い吐息が短く漏れる。
「んっ…んっ…ロキ…お前は育ち盛りなのだから沢山飲むんだぞ…んうっ…!」
 語尾が上がってしまったのは私が強く乳芯を噛んだからだ。僅かな刺激ですぐにしこる敏感な肉具は雄の欲望を掻きたて、兄に気付かれぬよう長衣の中で猛り始めた自身の男根を柔らかくむちむちとしたソーの腿に軽くすりつける。
「ああッ…!」
 兄が私をきつく抱きしめながら淫らな声を漏らす。私に執拗に吸われ、最初の乳がむっちりとした乳穴からあふれ出たからだった。白く暖かく甘い母乳。舌先をすぼめてその分泌された卑らしい乳を飲み、ぐりぐりと乳穴を刺激するとそうされるのが弱いのか、蠱惑的なかすれた低音が何度もうっすらと開かれた唇から漏れ出てる。
「あっ!はっ…あっ!あっ…!」
 ソーは一度乳腺を刺激すると母乳が止まらなくなり、いつも私の欲望のままに胸を吸われてしまう。にゅぐにゅぐと荒々しく乳頭をしゃぶられ、れろれろと舌先でむちむちにしこる乳芯をしごかれ、じゅぽじゅぽと小さな乳穴を舌で貫かれ犯される。その全てが私の成長を助ける為だと妄信する兄は眦に涙を溜めながら発情した男からの執拗な乳辱に耐え忍び、ぷるん、とより卑らしく桃色の乳頭を肥大勃起させながらとろとろと母乳をひくつく乳穴からこぼしてしまう。
「兄上、今日は出が少ないぞ…もっと飲ませてくれないと」
 口端を伝う白い乳を舐め取った後、にやついた顔でソーの敏感な乳頭を二本の指できゅっ…!と強く押しつぶす。
「ひあッ!?」
 途端暖かな母乳が飛沫のように強く桃色の乳穴から溢れ、互いの肌に垂れていく。
「ソー、胸を刺激してやろうか…」
「それはいいっ…やめてくれっ…ひッッ…!!」
 勃起した敏感な乳頭ごとむっちりとした大胸筋を揉みしだく。手のひらに何度もこりこりと淫らに母乳をあふれさせるしこりきった乳頭が触れ、先っぽを刺激するようにして激しく揉むとびゅるびゅると大量の母乳が兄の卑らしい乳頭からあふれ出す。
「ふぐっ!んうっ!あうううッッ!!」
 厚い胸板をぶるぶると震わせ、だらりと息継ぎのために舌を垂らし、女の潮吹きのようにびゅくびゅくとはしたなく母乳を噴き上げるソーの姿は、長年追うべき者として憧れてきた兄への失望と新たな欲望を生み出すものだった。

「はっ…あっ…」
 がっしりとした腰に手を回し、熱い身体を強く抱き寄せる。
「んっ…んうっ…!」
 ぴちゃぴちゃと音を立てて母乳を舐めしゃぶり、にゅりっ…とねっとりとした仕草で豊満な乳房に吸い付き、激しく喉を嚥下させながら甘く暖かい乳を味わう。
「あっ!ひっ…あっ…ああッッ!?」
 自身の勃起した下半身をわざと兄の股間に擦り付ける。生地の下で同じ様に盛り上がる相手の一物に嘲りの眼差しを浮かべると無言のままソーの顔が左右に振られ、だがじわりと股の間に染みの広がる脚衣がソーの欲望を如実に現す。
「ふふっ…兄上、互いにこうなると欲望が昂ぶるのは仕方の無いことだろう?アンタは私に乳を吸われるとそうなるし、私もアンタの母乳を飲むとこうなるんだ…別に恥ずべきことじゃない…」
「だがこのような事は…っ…あっ!ああッッ!」
 腰を強く擦り付けるとびくびくと逞しい兄の身体が痙攣を繰り返す。
「形が分かるほどこんなにも勃起して…兄上も気持ちいい筈だ…」
「やめッッ…!」
 静止する声にも耳を貸さず、ぶるりと敏感なソーの一物を脚衣の中から掴み出す。自身の長衣もめくり上げ、立ったままの姿で勃起した二本の竿を一まとめにし抜いていく。

「んうっ!うっ!うんっ…んっ…ロキッ…駄目だ…あっあっ…だめだ…このようなことは…!」
 薄暗い部屋の中で上衣をめくりあげたまま、むちむちとした厚い胸板の先端にある嬲られた乳頭からとろとろと母乳を垂らし、脛辺りまで脚衣を下ろされた姿で勃起した男根を激しく抜かれる兄の姿は、より自分の雄としての欲望を煽るものだった。
「はっ…あっ…!」
「この前のようにまた二人で共に達すればいい…上からも下からも卑らしい蜜を垂らす兄上を見たいんだ…」

 今まで幾度か搾乳で発情した兄の身体を介抱してきた。達するといつも快楽に弱いソーは簡単に意識を失ってしまう。その隙にむっちりとした真白く大きな両の尻たぶを広げ、ひくつく桃色のすぼまりを視姦するのが好きだった。孔ひだを広げると恥らうかのようにぱくぱくと中のびらびらが伸縮し、ぬちゅっ…と発情した腸液でぬらぬらと光る桃色の肉ひだが卑猥に濡れていく。繰り返される悪戯で無意識のうちに徐々に淫欲の虜とになっていく様が私を楽しませ、兄を完全に躾けた後はすぐに初々しい穴を自分の勃起した一物で貫き、私だけの雌孔としてたっぷりと使うつもりだった。

「あっ!あっ!ロキっ!ロキッ…!!」
「兄上…」
 私にじゅるじゅると胸を吸われながら肉棒をこすられ、その刺激でソーの重量のある肉尻がぶるぶると揺れ始める。
「んっ!んうっ!うっ!ううっ…!」
 胸と陰部を嬲られ、浅ましく感じ続ける兄は私にそのむっちりとした尻を撫でられても気付かず、まだ未貫通のすぼまりをくにくにと指でもみこまれてしまう。指の腹で感じるソーの雌孔は暖かくむちむちとしていて、自身の指の先端だけでも含ませたくなり、初物の入り口にずにゅっ…と指を突き入れる。
「ロキッ!どこに指を…ッ…!!」
 焦る声が自分の劣情を煽る。抗うために両の尻たぶがにゅくっ!と含ませた指を左右から挟みこみ、押し留めようとするそれに構わず穴ひだをこすりあげながら中のびらびらに指をにゅぶううっ…と強くすりつける。
「ふあッッ!? あうっ!あうううッッ!!」
 その瞬間、交尾させられる雌犬のような浅ましい大声が雄雄しい兄の唇から漏れ、私に強くしがみつきながらソーが達してしまう。ねっとりと指を包み込む熱く敏感な媚肉が兄の快楽を示し、私の指に肛門を犯されながらびゅくびゅくと肉棒からはしたない雌顔のまま淫蜜を垂らしてしまう。
「うっ…ふうっ…!」
「…兄上…なんてはしたないんだ…アンタには失望したよ…」
 指を引き抜き、すがりつく身体を押し倒す。いまだ達せぬままの男根に手を添え、豊満な尻の狭間でひくつく肉のすぼまりに押し当てると一気に孔を押し開く。
「やあああああッッ!!」
 私の下で肉付きのいいソーの身体が貫通の痛みでびくびくと痙攣し、生娘としての孔を陵辱された衝撃で眦から大粒の涙が溢れていく。
「とっくに女の身体になっていただなんて…我慢せずにもっと早くに奪うべきだった…」
「あっ!あぐっ!あぐんッッ!!」
 錬金道具や素材が置かれた雑多な部屋の床上で兄と重なり一つになる。
「ひっ!あうっ!あっ!ああっ!!
 ソーの女のように大きくむちむちとした尻に含ませた男根が酷く熱かった。ぬめる媚肉がねっとりと肉棒に絡みつき、年輪のように重なる桃色のびらびらを竿でしごくと、抗いの声をあげるものの更にむちっと卑らしく肉壷が熟れ、こちらの亀頭を楽しませる。
「あうっ!やあっ!ああうっ!あうっ…!」
 女として手篭めにされている事を教え込むように、蜜の溢れる肉壷をにゅぼにゅぼと激しく肉棒でこするとやがて厭う声音に甘い媚が混じり始め、ずんずんと大きな肉尻を上下に強くほじると雌として屈服したかのようにくぱっ…と桃色のすぼまりが私の竿の形に押し広がり、きゅんきゅんと淫蕩な雌穴が蕩け始め、はあはあと甘く熱い吐息だけが兄の唇から漏れ出るようになる。
「んうっ!んっ!んっ!んううッッ!」
「兄上…たっぷりと啜っていいのだろう?」
 雌蓄として犯される発情から、またとろりとソーの乳頭からは白い乳があふれ出ようとしていた。
「駄目だっ!もうだめッッ…だっ、ひっ!ひんうっ!!」
 ぬぽぬぽと兄の尻を犯しながら乳芯を口に含み、甘く暖かい母乳をしぼりとる。ひくつく桃色の肉孔がきゅん…!と切なげにすぼまり、乳辱で更にソーの身体を発情させながらずぽずぽと容赦なく肉肛門を貫き、突起状のひだひだに包まれた敏感な孔奥までごりごりと犯しきり、ぬぷんっ…!と完全に桃色の腸道を勃起した男根の形に淫らに広げさせ、徹底的に女の身体に変えていく。

「あうっ!あっ!あうっ!あうううッッ…!」
「兄上…もう出る…出てしまう…」
 わざと甘く名を呼びながら勇ましい戦神を絶望の淵に落とし込む。
「ひっ!だめだロキっ!抜けっ!ひっ!ひううっ!抜いて…ッくれえっ…!!」
「無理だよ…こんなにも私を締め付けて…奥に出すからね…兄上…」
「やっ!やめろッッ!!あっ!ひんっ…!お前のもので尻をぬぽぬぽしないでくれっ!これ以上…おかしくなるっ…!」
「兄上…」
「ひあッッ!!あうっ!やあううううッッ!!」
 獣の交尾のように激しく腰を振り、豊満な肉尻を上から押しつぶすようにして勃起した肉棒で敏感な雌穴をにゅぽにゅぽとこすりまくり、兄の肉肛門を穴奥までびっちりと犯し尽くす。
「あんっ!あんうううっ!」
 過敏なひだ奥にぐりゅっ!と強く亀頭があたり、奥が弱いソーが雌としての肉悦で泣き叫ぶ声とともにびゅくりと兄の両胸から白い母乳が大量に噴き零れる。
「くっ…!」
「ふあああああッッ!」
 男根を締め付ける兄の熱くぬめる肉ひだの心地にこらえきれず、どぴゅっ!と亀頭から白濁とした子種が溢れ出てしまう。ぐりゅっ!ぐりゅっ!と占有を示すようにひだ奥を再度強くこすりあげ、官能にむせび泣くソーを見つめながらひくつく円状の桃色の肉ひだにぐぷっ、ぐぷっ、と雄の濃い子種を植えつけ、初物の穴をけがしていく。

「はっ…ひんっ…」
 勃起させた桃色の乳頭からびゅくびゅくと乳を垂らしながら、むっちりとした豊満な肉尻の中に種付けされるソーの姿は自身の征服欲を大いに満足させるものだった。

「兄上、私はまだ成長期なんだ…明日も飲ませてくれるよな…」
 聞こえていない事を分かっていながら残酷な約束を取り付ける。陵辱で潤んだ瞳に私の姿が映り、己がものにした興奮が自身を包むのだった――。






「…キ」

「…ロキ」

「おい!ロキ!!」
 耳をつんざく程の大声で名を呼ばれ、驚愕でテーブルの上に伏せていた顔が持ち上がる。

「ん…?あにっ…うえ…?」
 目の前にいたのは情を交したばかりの兄の姿だった。だが相手の着衣はまったく乱れてはおらず、その態度も平時のものだった。
「驚いたぞロキ。部屋の前を通ったら紫色の怪しげな煙が漏れてきて…お前はやけににやついた顔のまま、ぴくりとも目覚めぬし…」
「……!」
 確かに新しい錬金薬作りに私は夢中になっていた。僅かな調整の狂いが大きな失敗を齎すこともある。おおかた幻想薬の類が偶然にも出来上がってしまい、その蒸気を吸ったのだろう。大体目の前のむくつけき大男が母乳を与えにやってくるところからしておかしかった。何故私は嬉々として飲んでいたのだろう。しかもあんなことやそんなことまで…。



「だっ、大丈夫か?ロキ」
 低くうなりながら自身を恥じる私にソーが心配そうに声をかける。その案じる態度にいまだ幼い弟のようにこちらを扱う様を不快に思うものの、幻想での淫らな兄をどうしても思い出し、もごもごと口篭りながら直視できなくなる。
「辛くないか?」
「…ああ」
「落ち着くまで側にいてやろうか」
「……」
 無言のまま頷くと長椅子にソーが腰かける。
「お前が無事でよかった、ロキ…」
 そう呟く声に夢の中で聞いた喘ぎながら自分を呼ぶ兄の声が重なっていく。あのまま目覚めなければ自分はどこにいただろうか。我が物にしたソーを犯し尽くしただろうか。何度も貫き、肉欲の虜にさせ、甘い声で名を呼ばせただろうか。

 興奮がいまだ鎮まらぬ心と体のまま、ちらりと隣に座る兄を盗み見る。
 薄暗い部屋の中にあってもなお黄金の髪はきらきらと眩く輝き、薄い碧玉の瞳は少年の時分に見た澄み切った青空のようで、精悍な面差しは確かな意思と愚かなまでの希望に溢れていた。そうして目に見えずともその心の中には私を温かく慈しむ光で満ちている。

「やはりこちらの方がいいな…」
「なにがだ?」
「いや、なんでもないよ…」

 いつかまたあの幻想の中での兄に逢える事を願いながら、ソーの広く逞しい肩に頭を傾ける。大きな手のひらが安堵させるように私の髪を撫で、微かな惜別と共に私はゆっくりと瞼を閉じるのだった。