CLAYMORE

「ロキ」

私を呼ぶ甘くかすれた声が好きだった。我が弟。そういってソーはいつも私を優しく包んでくれた。姉上の黄金のようにまばゆく光る髪。青く澄んだ瞳。白肌は薄赤く上気し、甲冑越しでもその豊満な肉体を容易に連想できた。彼女に傅く男達は皆信奉し女神と崇め称えていた。強く美しい姉上。だがいずれは王の玉座とともに私のものになると思っていた。オーディンがソーに王位を与え、彼女がミッドガルドの男と恋に落ちるまでは。

「何をしている」
ソーが私の手を冷たく跳ね除ける。エーテルを吸収した彼女の恋人は衰弱し眠りに落ちたままだった。私たちを乗せたアスガルドの監視艇がスヴァルトヘイムの中央部に到達するまでまだ少しの猶予があった。

「その物理学者の男が心配なのだろう。姉上を慰めてやろうと思っただけさ」
彼女の肩に触れた手をすくめる。昔のままだ。白磁の肌は手に吸い付くようで、あの肌に触れた眼前の男を嬲り殺したくなる。

「余計な気遣いはするな」
私をまだ弟として愛し、同時に異性として警戒するソーが愛おしい。独房から開放された瞬間、彼女の腕を掴み、荒々しく口付けた。何をされてもこの宮殿を抜け出すには私の助力が必要だとわかっていたからだ。頬をぶたれたはしたが唇は甘く、嗅いだ肌からは陽の匂いがした。鍛錬をかかさぬ身体はみっちりと筋肉に覆われているものの、乳房と臀部は女性らしい豊かさと丸みがあり、私の子を宿すにふさわしい母胎だった。

「不安なのだろう」
薄笑いを浮かべたままソーの顔を窺う。
「なにがだ」
「わたしがいつ裏切るのではないかと」
「お前を信用してはいない。だが母上を殺されたお前の怒りは信じている」
「ああ。あの小ざかしいダークエルフどものことではない。そこにいる間抜けな男のことだ」
彼女の顔が瞬時に緊張を帯びる。
「わたしが奴を殺すのではないか、と。姉上はそう心配しているのだろう?」
「大丈夫だ、ソー」
わたしはゆったりと蛇のように彼女の身体にもたれ、その身を引き寄せた。
「わたしが欲しいものをくれるのであれば…手出しはしない」
抗わない身体が答えを示していた。甲冑を脱ぐよう耳朶に囁くと、毅然とした青い瞳が私を睨め付ける。あの男がもし目覚めたとしても、幻視で閉ざされた視界に私たちが写ることはない。はやる心を抑えながら深緑の上衣をくつろげ、自らの胸元をあらわにする。
「時間がないよ、姉上」
美しい彼女の愛情が欲しくて媚を含んだ声で名を呼んだ子供の頃を思い出す。いつの間にかソーの背を越し、頑健ではないものの男としての身体を手に入れた。陰の存在である自分が陽の存在である愛しい女を手に入れる。自らの手中にある女神にわたしはそっと口付けた。








「くっ…ううっ…!!」
「ははっ…姉上…っ…敵の大群を一瞬で打ち負かしてしまう勇猛果敢な貴女が私の下では随分としおらしいな…」
一糸まとわぬ姿になり、豊かな胸元と陰部を手で隠し羞恥に耐えるソーをたっぷりと視姦した後、わたしは童子の腕ほどもある自身の陰茎で彼女をつらぬいた。生娘としての膜がすでにないことは私を失望させたが、地球人の肉棒に馴染んだ彼女のむちむちとした肉びらはぬっぽりと素直にわたしを受け入れ、敏感な子宮口の入り口を巨大な亀頭でずにゅずにゅとこするとそれだけで彼女は青い瞳を熱く潤ませ、陵辱に屈しまいと固く唇を引き結んだ。


「んっ…くうっ…!」
「いつものようにムジョルニアを呼ばなくてもいいのか?それとも姉上は”かたい槌”が好きなのか…?」
「あっ!あんうっっ…!!」
そういいながら腰を浅ましく動かすと私の勃起した肉棒をくわえたソーの肉びらがびくびくと痙攣し、じゅわりと熱く白い彼女の淫汁がむっちりとした上付きの肉厚な肉唇からあふれてくる。
「姉上…膣の中がこの様にぬめって…まさか弟に陵辱されて感じているのではあるまいな…」
舌なめずりをしながら囁くと薄紅色のやわらかな唇を震わせながら違う、と何度もソーが呟く。その否定する唇を言葉ごと奪い温かくぬるぬるとしたむちむちの子宮を肉棒で執拗にこするとびくんと豊満な体が震え、びゅるっとはしたなく彼女の白くねっとりとした淫汁がむっちりとした肉びらからあふれてくる。そのぬるぬるとした愛液をかきわけるようにして膣口を肉棒でこすり、子宮口につづく膣道を自身の巨大な男根で幾度もずちゅずちゅと貫き、弟の肉棒の形を完全に覚えさせる。
「はっ!あうっ!あっ!あんうっ…!!」
恋人に聞かれまいとかみ締めていた唇が徐々に緩み、甲高く淫らで甘い声が薄紅色の愛らしい唇から漏れてくる。
どんなに嫌がっていても身体は従順で、男の手でもあまるほど大きな乳房はぱんぱんに張り、汗まみれの勃起した紅色の大きな乳頭が私の前でぶるぶると卑らしく揺れていた。
「ふん…男勝りの戦神といえどもこうなればただの雌だな」
恥辱にまみれたソーの顔を見ながらねっとりと勃起した乳頭をくわえ、じゅぽじゅぽと吸い付きなめしゃぶる。
先端を舌で刺激するとぷっくりと更に乳芯が勃起し、くぱりと乳穴がものほしげにあらわになる。
「私の子を永遠に産ませ続けてやる…常に乳のあふれる豊かな乳房と私の子種ではらんだ腹をアスガルドの民に見せつけてやればいい…」
そう告げながら硬く尖らせた舌先で敏感なソーのむちむちと勃起した紅色の乳頭の穴をずぽずぽと犯す。
「はっ!ひんっ!ひい…っっ!」
挿入の動きにあわせて汗まみれの白く大きな乳房がぶるんぶるんと乳穴を肉唇のように舌で犯されながら私の下で揺れる。彼女が自分の裸を、その豊かな胸を見るたび、弟であるわたしに乳頭まで犯されたことを思い出し身体を熱くするのだと思うとずにゅずにゅと犯す舌の動きをとめることは出来なかった。

「姉上…」
彼女の豊かな乳房を両手でわしづかみ、思うさま揉みしだきながら腰を浅ましく動かし、子宮へ受精する瞬間を待つ。誰にもまくことのなかった種がたっぷりと自分の陰嚢にたまっていく。
「……っ」
苦しげな吐息とともに男の名が小さくソーの唇から漏れた。悲壮な色を称えたさまよう青い瞳が探すように虚ろにうごめく。わたしは無言で彼女の顎を強くつかんだ。誰よりも側にいた。誰よりも見守り続けた。なのに何故心は離れるばかりなのか。想いを込めた瞳で輝く肌を持つ美貌をじっと見つめる。
「…ロキ」
ソーが陵辱されながらそう私の名を呼んだ。空のように青く澄んだ瞳が気遣わしげに私を見た。子供の頃と同じだ。泣くふりをした私を彼女が抱えあげ、名前を呼ぶ。優しく暖かく。
わたしはその時、思いのたけを呟いたのかもしれない。ソーの顔が悲しげにゆがんだからだ。彼女の甘い肌に顔をすりつけることでその目線から逃れ、昂ぶる欲望のすべてを彼女の中に注ぎ込む。
子種をそそがれたソーの愛らしい唇が熱を帯びた甘い悲鳴を漏らす。受精されたことをしっかりと覚えこませるためにびくびくと震える彼女のやわらかな身体をわたしはかき抱いた。


荒涼とした大地の先に禍々しく鎮座するマレキスの戦艦が見えてくる。
復讐を遂げた後、わたしたちの関係はまた好ましくないものに戻るのだろう。だがいつか必ず王である自分の傍に妻として彼女を傅かせてみせる。それがどんな代償をともなうものであろうとも、求める気持ちを抑えることは出来なかった。













END