Viva La Vida






『空のジョッキに並々とビールが増えていくんだ。あの男は本当に魔法が使えるんだな…!』
自分の隣で熟睡した兄を見つめながら、嬉々として語っていた言葉を思い出す。

ドクター・ストレンジ。空間跳躍による瞬間移動を基とするアベンジャーズの新たなヒーロー。
行方不明のアスガルド王、オーディンの捜索協力を引き受けた男はソーに魔法のビールを持て成したらしい。
浮遊する奇妙なマントに包まれながらほろ酔いの兄がシールドの用意した仮住まいのビルに戻ってきたのは深夜になろうかという時間帯だった。

雷神であり、偉大なる戦神でもあったソーはこの地球に交わる事ですっかり元来の荒々しい気性も鳴りを潜めてしまっていた。
今ではただの牙のない猟犬だ。または主に忠実な飼い犬か。
きっと初めて対面したその男ともすぐに打ち解け、撫でられるために腹を見せる犬のように簡単に懐いてしまったのだろう。
兄は酔うとすぐに上機嫌になる。初めて抱いたのもその時だった。まるで重要なことだとでも思わない素振りでソーは私を受け入れた。
あの時、兄は眦に痛みで涙を浮かべながら、お前だから許すんだ、とそう呟いた。私もそれを知っていて兄を犯した。最奥まで侵入されることを知らなかったソーは根元まで肉棒を受け入れさせられた瞬間、汗まみれの身体をびくびくと震わせながらそれに耐えた。
自分が失ったものが何なのか。私に何を与えてしまったのか。兄は受け入れてもなお、気付いていないようだった。

「……」
ソーの豊かな髭に触れると少し湿った感触があった。嗅げばホップの苦みのある香りがするのだろう。
兄を手に入れて以来、あの忌々しい女が兄の元を去って以来、私の心は凪いだ海のように穏やかだった。ベッドは数日に一度、二人の重みで揺れた。こちらに恋情はなくとも、ソーもまた人肌が恋しいのだろう。行為が終わってもなお、兄が私に縋りついたままでいることも多くなっていた。汗の滲んだ事後の肌に口づけると、より静かに満ちた、温かな夜の気配が私を包んだ。全能の神であるオーディンがどこかで見ているのかもしれなかった。その父に見せつけるようにして、私はソーを抱き続けた。


「兄上、父上が見つかればアスガルドに帰るんだ。私達、家族で…」
眠る兄に囁き、青と白が油彩画のように混じるハーフパンツを肉付きのいい雷神の脚からずり下ろしていく。
昨日も抱いたばかりだった。すっかり種付けされることを喜ぶようになった淫らな肉尻は年輪状の肉ひだでちゅうちゅうと中出しされた男の種を吸い尽くすようになっていた。腸道はヨトゥンとしての異様な巨大さを誇る私の男根の形にすっかり形作られ、それがずるっ…!と挿入されるだけで兄は淫らなよがり声を上げるようになっていた。ソーの女のように大きな尻たぶは私の巨大ないちもつを受け入れるのに最適な姿をしていた。入口となった肉穴は勃起した硬い亀頭を押し付けるだけでひくひくと肉ひだを収縮させ、ずるずると肉棒で押し開くと重量のある白くむちむちとした肉尻が目の前でいちもつをくわえる悦びでぷるぷると卑らしく上下に揺れ続けた。中のむちむちとした桃色のひだがめくれ上がるほど激しく肉棒を穴中で動かすと、完全に受精器と化した肉尻が子種が欲しいのか、甘えた雌声とともに種を搾り取るようにしてきゅんきゅんと肉ひだで竿を締めつけ続けた。

タンクトップだけを身につけさせられたソーに伸し掛かり、重く太い両脚を抱える。昨日の淫らな姿を思い出すだけで、すぐに自分の陰部は硬く張り詰め始めた。酒に酔った兄を犯すのは久しぶりだった。いつも私の精液で全身がびちょびちょになるまで犯されるほど、ソーの痴態は淫靡なものだった。酔うとさらにそれが酷くなる。上機嫌で、腹立たしい程邪気のない兄は私を心底求めるようになる。抜くな、と何度もせがんで、足を絡めて、はしたないほど大きな肉尻がヨトゥンの黄味がかった精液でたっぷりと満たされるまで、私に突いてくれ、と懇願するようになる。時折、牙を抜かれた獣は私自身だと思うこともあった。且つての、反乱を企てた頃と同じ荒々しい、他者を支配したいと思う欲望は兄を抱く瞬間にしか今では知覚できなくなってしまっていた。

「んうっ…!? 」
挿入と同時にビールの苦みがする唇に口づける。深く舌を吸い、ずちゅっ…!と肉尻を雄根で貫かれた瞬間のソーの初々しい戸惑いを口腔で感じ取る。
「あっ!ああッッ!!ロキっ…昨日したばかりだろ…ッ」
咎める声も甘い。昔からそうだった。兄はいつも私を本気で怒ることが出来ない。
「ひっ!あっ!あんっ!!」
腸道のカーブを亀頭の肉えらでずるっ…!とこするとすぐに私の下で肉付きのいい身体がはねる。
「兄上…」
いつも初心(うぶ)な振りを無意識にする癖に、荒々しく抱かれることが好きなソーに合わせて、女のように大きな肉尻の上でがくがくと腰を振ってやる。
「ロキっ!あんっ!あっ!あッッ…!」
ぴったりと自分のいちもつの形にひろがった年輪状の肉ひだがきゅんきゅんと悦びで竿を締めつける。
「ひっ!ひうっ!ひんっ!ひんっ!」
敏感なひだひだの突起を乱暴に出入りする肉茎の表面でこすりあげると蕩けた顔の兄が私にすがりつく。
「やっ!ああッッ!!」
はしたないほど大きなソーの肉尻からじゅぽじゅぽとひっきりなしに卑らしい水音が漏れ始める。腸道を入口から穴奥まで、執拗にいちもつでしごかれたことで、雌としての身体がより覚醒し、ひだひだの隙間からびちゅっ…と発情した腸液が滲み、それが私の先走り汁と混じりあい、穴中で卑猥な粘着音を立て続ける。

「ふふっ…兄上は本当に分かりやすいな…私のいちもつで気持ちよくなるとすぐに中がぬるぬるでびちょびちょになる…しかもこうやってはしたなく締めつけて……そんなに私のものを悦ばせてどうする…?もっと私に犯して欲しいのか…?」
「……っ…」
いつもならすぐに反論する口が悔し気に噛みしめられる。過度な期待はしたくなかった。だが私に与えられる予感はあまりにも甘やかだった。私が最も欲したものが、無防備に、目の前にさらけ出されている気がしていた。

「兄上…」
「あっ!ああっ!あんっ!あッ!!」
脚を抱え直し、食らいつくすようにして兄を犯す。一番ソーが性欲を刺激される最奥の肉ひだのしこりを亀頭で探り当て、兄が最も嫌う、だが最も乱れてしまう、ぷるりとした桃色のひだをすりつぶす様にしてぐりゅぐりゅと巨大ないちもつでしごきあげる。
「ひっ!やああああッッ…!!」
強すぎる肉悦にしがみつく力が強くなる。抗いは初めにずんッッ…!と強く最奥のひだを突き上げたことで完全に消失してしまっていた。そこを亀頭で突かれるといつも雌としての悦びでソーは瞳を潤ませ、従順に雄に支配されることを喜び、子種を欲しがる"女"に変化してしまう。
「ひっ!あっ!あんっ!ああんっ!だめだッ!ロキッッ…!そんな強く…っ…ひだずんずん突くなあッ…!あんっ!あんうっ…!!」
私の卑猥ないちもつの形にくぱっ…と熱く広がった腸道で長く太い肉棒をずるりとくわえ、ぶちゅぶちゅと汁が飛び散るほどずんっ!ずんっ!と肉の輪をびんびんに勃起した竿で犯され、奥を突くたび、あっ、あっ、と甘ったるい雌声をあげながら年輪状の肉ひだをぱくぱくとはしたなく雌収縮させるソーの抗う声は何の意味もないものだった。
「兄上…アンタの欲しいものは分かってるよ…」
「あっ!あうっ!あんっ!あんっ!!」 
ベッドのスプリングが激しく軋むほど、大きくむちむちとした肉尻を挿入した肉棒で突き上げ、ずんっ!ずんっ!とつつかれる感触を覚えさせるように最も過敏なひだ奥を充血した硬い亀頭で犯し、びくんっ、びくっ、とはめられる悦びで重量のある肉尻を震わせ続ける。
「あっ!あうっ!あっ!あんっ…!!」
「中がすごくきつくなってきた…私のいちもつをぬるぬるの雌ひだでくわえたまま、どろどろした熱い子種をびちゃびちゃのひだ奥にかけて欲しいんだろう…?」
「ああッ!? だっ!だめだ!ひっ!ひんっ!ひんうっ…!!ひだそんなにじゅぽじゅぽ突つくなあ…っ!やっ!ああああああッッ!」
ひと際強く最奥のこりこりとしたひだを突き上げると私の下で甘くかすれた声とともにびくんっ!と大きく肉付きのいい身体が揺れる。自分の腹部にぬるりと鈴口がぬめった、苦し気に勃起したままの兄の肉棒もすりつけられる。
「兄上…」
諭すように囁くと、息を呑む気配があった。調教済みの身体が私の肉棒で雌として達したいのだろう。はしたないほど大きな肉尻が根元まで巨大な竿をくわえたまま、きゅうっ…と肉ひだで挿入されたいちもつを締めつける。

「……」
激しい情事の最中とは思えないほど穏やかな口づけが不意に齎される。滅多にされることのないソーからの口づけ。照れたように乱れた姿のままの兄が微笑みかけ、熱く熟れた身体が私に縋りつく。
「ロキ……お前の種でいっぱいにしてくれ…っ…あっ!ああッッ!」
竿を慰める受精器と化した敏感な腸道全体を私の巨大なヨトゥンのいちもつで支配され、はずかしいひだ奥のしこりを充血した亀頭でずんずんと激しく突かれながらソーがあられもない姿でよがりまくる。
「あっ!あっ!ひんっ…!!」
汗ですけた白いタンクトップごしに犯されたことで勃起した大きめの乳頭もぶるりと勃ち上がり、着衣を破くようにして露わにさせ、じゅるうううっ…と卑らしく吸い付きながら腰を大きく振り続ける。
「やっ!やっ!やああッッ…!!」
ぶるぶると小刻みにぷるりとした桃色のひだに亀頭で振動をくわえると、ひと際甘く高い声が兄の口から漏れる。そのまま強くひだを突き続けるとくぱっ…くぱっ…と雌堕ちした年輪状の肉ひだが恥ずかしい収縮を間断なく繰り返し、中への受精をはしたなくねだり始める。
「やあっ!やああっ!やああああッッ!」
雌として種付けされることしか考えられなくなったソーの甘い悲鳴を聞きながら、ずりゅッッ…!!とひと息に自分の巨大な肉棒を穴中に押し込み、すきまのないほどにゅりっ…と最奥の肉のひだと亀頭をすりあわせる。

「やっ!やあっ!やあっ!やあっ!」
そのまま淫肉同士をずりずりと小刻みにこすりあわせ、摩擦から生じる卑猥な肉悦を味わわせる。
「んっ!ひんっ!ひんっ!」
眦に涙をためながらぶるぶると女のように大きな肉尻を兄が眼前で震わせる。雄との交尾で雌として感じていることは明らかで、ひだ奥のしこりと充血した亀頭がにちにちと絡み合うたび、甘いよがり声とともに口中に含んだ乳頭が舌に刺さるほど硬くなり、精をしぼりとるかのように年輪状のむっちりとした肉ひだの締め付けがきゅんきゅんときつくなる。そのきつくなった穴中で執拗に抜き差しをずんずんと繰り返し、すでに十分に男を知ったソーの熟れた肉穴の具合を堪能し尽くしていく。

「やあっ!やああッ…!」
じゅうじゅうと赤子のように豊満な胸を自分を抱く雄に吸われながら、弟の肉棒を受け入れた肉尻からパンパンと激しいハメ音が漏れ始める。大きくむちむちとした白い肉尻が根元まで埋め込まれた雄の怒張の上でくぱっ…と熱く肉の輪を広げたまま卑らしく上下し、ぐりゅうっ…とひだ奥のしこりと亀頭が触れ合い、ずりゅ!ずりゅ!と激しくこすりあげられるたび、ぶびゅっ、ぶびゅっ、とその肉の輪から子種汁を垂らしながら、口元に笑みが浮かび、はしたない程大きな肉尻をびんびんに勃起した肉棒でハメ尽くされる悦びで瞳が怪しい光を湛えながらとろとろに潤んでいく。
「あっ!あっ!あうっ!あうっ…!やああああッッ…!」
僅かに残された矜持が淫肉を互いにすり合わせることで達する淫らな自身を厭い、形ばかりの抗いの声が兄の口から漏れる。
「ひっ…!やめっ…やあっ!あんっ!あんっ!」
胸と尻がぱんぱんに張った卑らしい身体が眼前でがくがくと揺れまくる。
陶然とした響きが声に混じり、犯された雌としてのむんむんとした色香がただでさえ性欲を煽るソーの全身から漂い始める。
「あうっ!あんっ!あんッ…!!」
激しく小刻みに豊満な肉尻の奥にある淫肉同士をずりずりとこすられまくりながら甘い声を兄が漏らし続ける。むちっ…とした最奥の淫らなしこりが亀頭と絡み合うことで更にむちむちに熟れ、硬い亀頭でずんずんとせわしなくすり潰すことでより甘い雌声がひっきりなしにソーの唇から上がり始める。
「あっ!あうっ!あうっ!」
びろん、と上向きに広がった凶器とも言える肉エラでも敏感な年輪状の肉ひだをしごかれ続け、悲鳴のような嬌声が兄の口から漏れる。
「あっ!あっ!ああッ…!!」
中を犯される快感できつく締まる肉ひだの中でじゅぽじゅぽと激しく肉竿を動かすとアスガルドの戦神だったとは思えぬ淫蕩な顔と姿で、むちむちとした尻たぶが犯す雄のいちもつをより一層締め上げ、にゅくんっ…!と無意識に雌として雄の子種を肉ひだで搾り取る。その刺激にたまらずズリッ…!と強く最奥のしこりを突き上げると、はしたない雌声とともに犯される悦びで瞳を濡らしながら大量の精がびゅくびゅくと兄の肉棒から噴きあがる。


「やあああああッッ…!!」
「…ッ…」
極上の締め付けにぶるりと自分の腰も無意識に震え、射精できゅうきゅうにしめつけられた肉ひだの中でどびゅうううっ…と大量の子種が堰を切ったように鈴口からあふれ出す。
「ひっ!熱いっ!あついいっ…!!」
女であれば即座に孕むほどの濃い種を肉ひだに注がれ、何度受精しても種をつけられる感触に慣れぬソーが初々しく身悶える。どろっ…どろっ…と粘度のある子種がひだの突起ひとつひとつにしみていく淫らな心地に口端からよだれを垂らしながら兄がそれに耐え続ける。
「あんうっ…!んうっ…!んうううッ…!」
まるで交尾される雌犬のように鳴くソーの声を聞きながら、ねとねとと敏感なひだに放出した子種をすりつける。高貴な雷神が最も恥ずかしがる肉肛門に卑猥なマーキングをする効果は抜群で、情事の翌朝、中々私と目を合わせようとはしない兄を思い浮かべ、ほくそ笑む。
「はっ…ああんっ…!」
むちむちとした桃色のひだに種をつけらえる刺激で再度ソーの肉棒からびゅくびゅくと精が垂れていく。私の勃起した肉棒の形に変化した卑猥な腸道にたっぷりと白濁とした精液がそそがれ、ごぷっ、と音を立てて竿をくわえたままの桃色の肉の輪から零れ、それがベッドのシーツを汚していく。
「やあっ!やああああうっ…!!」
自分の高揚する心のままに、ひと際長い射精が穴中で始まり、嫌がる声をあげるソーの大きすぎる肉尻に雄の種がつけられ、びくんっ、びくんっ、と肛門に射精された真白い肉尻が数度揺れた後、どろどろの精液を幾筋もたらしながらぬぽっ…と兄の肉穴から萎えた肉根が抜かれていく。

「あっ…あっ…」
雌として犯され、雄によって強制受精したソーの呆然とした声に征服した男としての喜びが湧き上がる。むちむちの豊満な白い肉尻を子種を垂らしながらぶるっ…ぶるっ…と震わせ、かすれた甘さが混じる吐息を漏らすその姿は、強引に犯されながらも種付けされたことを悦ぶ証以外の何ものでもなく、より一層すべてを手に入れたいと思う気持ちが強くなる。
「んうっ…」
褒めるようにまだ勃起したままの卑らしい大きさの乳頭を指でこねると、嫌がるように一つに束ねられた黄金の長い髪がクッションの上でぱさぱさと渇いた音を立てていく。
まだ閉じることの出来ない内部は激しい抜き差しに赤みがかった桃色に変化し、勃起した私のいちもつの形にくぱっ…と広がったまま、とろとろとヨトゥンの種がこぼれ出す。雄の肉棒をたっぷりとくわえ楽しんだ様が今もはしたなくぱくっ…、ぱくっ…と雌収縮する肉ひだの様子で丸わかりになり、淫らな痴態を見せつける。思うさま雄根に突かれ、犯されることを悦ぶ肉ひだにねっとりとヨトゥンの黄味がかった濃い精子がどろどろにしみていき、一層受胎した女のような淫蕩な空気が胸も尻も大きく、酷く具合のいい肉穴の持つ兄の卑らしい身体に纏わりついていく。

「んっ…ふっ…」
受精の余韻で甘い吐息を漏らすソーの額に口づける。汗で濡れた髪をかき上げ、現れたこめかみにも唇を落とす。
落ち着き始めた呼吸が漏れ出る唇にもぷるりとした表皮を味わうように触れ、それを数度繰り返す。漸く息を整えた兄の体躯から徐々に力が抜けていく。

激しく抱いたソーの身体を抱きしめると肌は酷く熱く、汗をかいたせいか、古い油の匂いがした。
あやすように背を撫でると半ば開いていた兄の瞼がゆっくりと閉じられる。
それを見つめながら、いつもと同じように静けさと温かさに満ちた夜の気配が漂い始める。

自身もまた穏やかな眠りに誘われながら、明日の夜用意する三つのジョッキを思い浮かべる。豊穣の麦穂のような黄金色のケルシュ、カラメルホップの黒褐色のアルト、ローストした大麦の黒いスタウト。自分の魔術から生み出される三色のビールをそれぞれ満足するまで兄に飲ませてやれば、あの男の施しなどすぐに忘れてしまうことだろう。今日と同じように、アルコールの中にしみ出したソーの心中に何が隠されているのか。私が知らない何かがまだあるのか。パイに隠された陶器のフェーブのように、それを見つけ出したいと思う気持ちが湧いてくる。

兄の髭に顔を近づけると予想通り、ホップの苦みのある香りがした。口ひげに泡までつけてビールを楽しむその姿を思い浮かべる。
今日以上に酩酊した身体はどんな喜びを私に与えてくれるのか。
今から楽しみで仕方がなかった。