あかつきの星  


 


レスタルムでの定宿だったリウエイホテルに足を踏み入れる。

 灰と茶の幾何学模様の床を進み、最上階の部屋をノックする。入室を促す声がかかり、二度と会いたくなかった男と顔をつき合わせる。


「ちゃあんと君の大事な王子様ご一行をスチリフの杜に案内したよ。感謝して欲しいなあ。うちの空中機動師団の団長まで君の代わりにつけてあげたんだからさ」


"ねえ、密約って興味ある"

 一人でレスタルムの街を散策していた自分にそう敵国の宰相であるアーデンは声をかけてきた。

"俺の望みをかなえる代わりに便宜図ってあげようか。苦しいんでしょ帝国に追われてる上に船の材料も足りなくてさあ…"

 逡巡する俺に駄目押しのように大量の魔導兵をカエムの岬に向かわせることを示唆される。拒否の選択肢は最初からないも同然だった。


「良かった。じゃあリウエイホテルのロイヤルスイートでね」

 赤毛の男はそう朗らかに告げ、俺の肩を軽く叩いた。




「さて、と。じゃあどうしようか」

 小卓に置かれた卓上ランプのシェードと同色の深紅のソファの上で悠然と寛ぐ男が声をかける。

「どうするって…何が望みだよ」

「単純だよ。君が彼氏としていることを俺もしたいんだ」

「ッッ…!? 」

「あれ、バレてないと思った王子様同様、君も鈍いなあ…」

「誰がお前なんかと…ッ!!

「おっかないねえ…でも怒った顔もそそるよ…俺は男も女もイケるんだけど男なら自分より体格の良い男が好きなんだよね…」

 ねっとりとした視線が自分の身体に注がれる。

「なんかホラ…征服欲をより刺激されるじゃない…

 爪の長い指が俺にゆっくりと伸ばされる。

「君はあの几帳面そうな彼氏に抱かれるとどんな顔するのボトムなんだよね二人で隠れてキスするとこ、見た事あるよ。すごく従順にキスされてたよね…俺ともしようよ…」

 屈辱と嫌悪で頭が酷く痛み出す。拒否したかった。だが仲間達の命を、託された使命を、無に帰すことは出来なかった。

まるで騎士と女王のように恭しく左手が持ち上げられ、渇いた唇を手の甲に押し付けられる。そのまま寝台に誘われ、絶望と共に腰を下ろす。

 伸し掛かる身体は痩躯ではなく、自分のように筋肉質でもなかった。ただ白百合のような甘く濃い香りが男の身体からはした。まるで退廃を具現化したような匂いだ、とぼんやりとそう考える。


「……ッ」

 ざらついた短い顎髭が顔にすりつけられる。暗に口を開くことを命じられ、僅かに唇を開くと貪欲に口腔を貪られる。

「んっぐッッ…」

 口奥に隠されていた舌も引きずり出され、ぬるぬると舌同士を淫らに触れ合わされる。同性に穢されているのだと思うと恥辱でどうにかなりそうだった。自分の決して小さいとは言えない肉尻にも手が伸ばされ、両手で執拗に揉みこまれる。

「いいねえ…張りがあってむちむちで柔らかくってすごく大きくて…彼氏のは何本くわえたの数えきれないくらいもう拡張されちゃってるのかなあ…

「くっ…うるせえなさっきから…ッ」

「もうホント君、怖いよね…間近で見ると結構可愛い顔してるのに…」

「あッッ…!? 」

 タンクトップの隙間に入り込んだ指が強く胸の先端をつねる。

「でも気付いてるさっきからどんどん君の肌、熱くなってるんだよ…ほらここもこんなにしこって」

 布地ごしに唇で乳頭を噛まれてしまう。

「ひッ…

 イグニスには優しく食まれたことしかなかった乳頭が強引な刺激でぶるっ…とはしたなく勃起し、荒い息を吐くアーデンに執拗に吸われてしまう。

「やっあッあッやめろ…ッッ

「やめていいの布の中でこりこりに勃起してるけど…こんな強面なのにおっぱい吸われるの好きなんだ…いつもおちんちん挿れられながら吸われてるのすごく大きい声出しながら感じまくりそうだよねえ…」

「やっああっあうっ

 ぶるっ、とタンクトップが素早くめくられ、勃起した乳頭を直に欲情した男に吸われてしまう。イグニス以外には触れさせなかった部分が舌でしゃぶられ、にゅぐんっ…と乳穴を舌で貫かれてしまう。

「ああっあっあっあっ

「ふふっ…泣きそうな声だねえ…おっぱいを彼氏でもない男に犯されるの嫌なのかな…でもほらずこずこっておっぱいの穴がもう俺の舌で広がっちゃってるよ…敵国の男におっぱいの穴犯される気持ちってどう俺の舌に刺さるくらい乳頭が硬くしこってきたから案外感じてるのかなあ…」

「あっあうっああッ…!!

 淫らな熱で思考に靄がかかる。言葉でも嬲られていると分かっていながら抗えず、好きなだけ伸し掛かる男に乳頭を犯される。

「んうっんううっ

 犯しながらアーデンがゆっくりと俺のボトムと下着をはぎ取っていく。ぶるっ…と現れた、乳辱で僅かに勃起した自分の肉棒が惨めだった。

みちっ…と拡張された桃色の乳穴がずんずんと浅ましい速さで興奮する雄の舌でつつかれ、雌として犯されたことで両の乳頭がぶるっ、ぶるっ、と恥ずかしい程肥大勃起してしまう。

「あーあ。随分恥ずかしいおっぱいになっちゃったねえ…レイプされたの丸わかりだよ男に犯された癖にこんなにひくひく勃起してピンクの乳芯ぶるんぶるんにしこらせて…貫かれたおっぱいの穴も丸見えで…本当に君、"王家の盾"なのまるでこれじゃあ男娼だよ

「ッ……」

 恥辱で滲みそうになる涙を顔を反らす事で必死に耐える。


「…案外、睫毛長いね。またキスしようか」

「んうっ…」

 有無を言わせず唇を奪われる。舌で犯された乳穴も親指の腹で卑らしく揉みこまれ、とろんと淫らな熱で瞳を濡らしてしまう。

「こんなに大きい身体なのに、こんなに従順で…感じやすくて…」

 重く大きな両の太ももを伸し掛かる男がぐっ、と左右に広げ、それを抱える。

「俺、彼氏から奪っちゃおうかな…絶対にあの子より君を満足させられるよ」

 イグニスに何度も広げられ犯された肉穴が挿入の予感ではしたなく濡れ、にちゅっ…と穴中の肉ひだに腸液をにじませてしまう。

「すごいね、ちゃんと濡れてる…この大きなお尻が俺に犯されるの待ち望んでるんだね…」

「うるせーなッはやくっ…早く挿れろよ…っ」

 固く熱く大きな亀頭をくぷっ…、と敏感な肉穴に擦り付けられ、犯される予感で無意識に伸し掛かられた身体がびくびくと震えてしまう。

「そんなに早く終わりたいんだ…なら俺のおちんちんで犯して欲しいって言ってごらん…」

「馬ッ、鹿じゃねえのかッッ…

「じゃあずっとこのままだねえ…」

 自分も辛い筈なのにそう呑気にアーデンが声を漏らす。時折つんつんと亀頭で肉穴のすぼまりをつつかれ、それだけで熱くなった身体が達してしまいそうになる。酷く過敏な身体だ、とイグニスに指摘されたことを思い出す。自分を刺激し過ぎないように、いつも丁寧に時間をかけて抱かれていたことも。またあの穏やかな温もりを味わいたかった。

「…ッ…」

 悪夢を終えるため、固く瞼を閉じ、口を開く。

「いれろよ…っ」

「俺、命令されるの嫌い…」

「うるせえなお前のちんぽ俺にいれろよ…

 長い溜息が耳殻をくすぐる。

「ねえ、ムードがないってよく彼氏にいわれないまあでも挿れていいなら挿れるけどね…」

「あッ

 イグニスと同じくらい重量のある肉棒がぐっ…と俺の肉穴をかきわける。

「君はもうこれで帝国の宰相の""だから」

 ねっとりとした声で囁かれ、ずんっと一気に肉尻を犯される。

「ああっ…!!

「いいね、その悔しそうな顔…嫌がってるくせに肉ひだがきゅんきゅんおちんちんに絡みついて…おっぱいの穴ねぶりながら突いてあげよっか…

「いやだッひっ!? あんっあっああんッ…

 たっぷりと犯され、貫かれまくった乳穴がまたずるんっ…ととがらせた舌で犯される。肉穴の奥に達した卑猥な亀頭でひだ奥のしこりもずぽずぽとつつかれ、肉棒をくわえたまま恥ずかしいほど大きな肉尻と胸をぶるぶると揺らしながら、敵国の男に雌として犯されてしまう。

「あっあうっあっああッ…

「あー…おちんちん大好きなんだねえ…敵の男のいちもつもこんなに悦んでくわえちゃって…顔もとろけきってるよ…おちんちん大好きって顔に書いてある…」

「ちがっ…やっああっあっあんうッ!!

 じゅぽじゅぽと激しく勃起肥大した乳頭を吸われながら、こね回すようにして腰を動かされ、年輪状の敏感な肉ひだを太く長く逞しい竿でぐちゅぐちゅにかき回されてしまう。

「あっああっあううッ…!!

 びくんっとひと際大きく俺の身体がアーデンの下で揺れ動く。

「あ、今軽くイッたねえ…酷くされるの好きなんだ…ねえ、彼氏とのセックスは不満このまま一緒に帝都に戻って飽きるまでセックスしようか…

「くっ誰がッ…てめえなんかと…ッッあっああッ

 大きな肉尻を入口からひだ奥まで一気にずるりと貫かれ、根元までアーデンの太い肉棒をくわえたままびくん、びくんっ、と雌としての肉悦で痙攣してしまう。


「いいねえ、こんな強気な子…穴の具合も極上だし…徐々にしつけて俺のちんぽ無しじゃ生きられない身体にしたくなるなあ…」

 のんびりとした声で話しながら雄としての力強い律動でずんずんと俺の肉尻が犯される。

「はっああッあんっあっ

 容赦のない抜き差しに完全に肉穴が陥落し、くぱっ…と忌まわしい凌辱者の男根の形に穴中が熱く開いてしまう。

「あんっあうっあっああッ…

「俺のちんぽの形にたっぷりと開いた穴でずこずこはめまくられて…彼氏のとこに戻りなよ…なあんにもなかった顔してさ…」

「ひっんうううッ!!

 にじゅっ…と押しつぶすようにして亀頭の硬い先端がぷるりとしたひだ奥に押し付けられ、凄まじい速さでずんずんとその敏感な箇所をつつかれる。

「あああっああああうッ!!

 すべてを視姦されていることを知りながら、ぶるっ、と淫らに舌を出し、雄の勃起しまくった肉竿をその竿の形に開いた肉ひだでにゅくにゅくと肉奉仕しながら自ら重量のある肉尻をぶるぶると揺らしてしまう。くすくすと揶揄う笑い声が漏れ、それに羞恥を覚えながらずぽずぽと最も雌になる部分を執拗に犯される。

「ほら、これでキスしてあげるからイきなよ…」

 固く熱い亀頭がずりゅっ…と敏感なひだ奥のしこりを激しくこすりあげる。肉悦で頭が真っ白になり、恥辱の涙を眦ににじませながら肉尻を犯されたことで大量の精を肉棒から噴き上げてしまう。


「あああっ!!ああッ…」

「たっぷり出たねえ…そんなに気持ちよかったのかな俺のちんぽ…」

 強烈な射精で混濁した頭では何も考えられず、吐精でゆるんだ穴を雄の中出しの為だけにぬぽぬぽとしゃにむにこすられ、犯される。

「あっ、あっ…」

「すごいな、出してもまだこんなに締め付けてくる…デカいケツってほんと良いよね…見た目も卑らしくて具合もいいし…俺のちんぽの形に穴の中もくぱっ…て開いちゃって…もう王子様の盾はただのハメ穴だなあ…」

「あっああっあんっああっ

 男の激しい腰使いに肉尻ごとぶるぶると身体が揺らされ、ねっとりと貫通済みの乳頭をねぶられる。


「んうううッッ

 ぎゅっ、と噛むようにして乳芯をくわえられ、その刺激で締まった穴ひだの中で膨張したアーデンの肉棒がびくりと震え、満足げな低い溜息を耳孔に注がれながらどぴゅううううっ…と大量の射精を肉尻の中でされてしまう。

「ひっ馬鹿ッッ!!中に出すなあっ…!!

「だってこんなに気持ちいい肉穴だよ普通出すよね…俺のものって印もつけときたいし」

「ああっあうっああうッ…」

 初めて味わうイグニス以外の男の子種にびちゅびちゅと敏感な肉ひだをけがされていく。

「んうっんうううっ…」

 何度目とも知れぬアーデンからの口づけをされながら、ひだの一つ一つにねっとりとしみていく熱くぬめる雄の子種に、雌にされた発情でびんびんに両の乳頭が恥ずかしいほど勃起してしまう。

「んうっ…」

 ぶじゅっ、ぶじゅっ、と尻奥にあるひだのしこりにも執拗に種がつけられ、自分の肉尻の中が敵の宰相の子種でぱんぱんにふくらんでいく。伸し掛かる男の律動はいまだ止まらず、受精されながらぱんぱんと熟れた肉穴をはめつくされる。

「あうっああっああんっ…

 血管がびっちりと葉脈のように全面に浮いた逞しい肉竿がはめまくられた肉の輪をぬぷぬぷとしごき、何度も何度も敏感な最奥にびちゅうううっ…と容赦ない中出しを繰り返す。甘さの混じる自分の濡れた淫声が部屋の中で幾度も響き、アーデンが満足するまで、大きな肉尻をぬぷぬぷとほじくられ、恋人のいる肉穴を最も雌になる穴奥までぱんぱんとはめ尽くされてしまう。

「やっ…あっあっあッやあああッ…!!






「はー…気持ちよかった」

「…ッ…」

 ぬぽんっ、と音を立てて萎えてもなお逞しい肉茎が抜けていく。敏感な肉ひだがいちもつが抜け出ることでずるんっ…と一斉に刺激され、見せたくはないのにはめ尽くされ、まだ雄を欲してぱくぱくと中の桃色の肉ひだを卑らしくひくつかせる穴中をじっとりと見られてしまう。


「ねえ、また良かったらまた今度…」

「二度目はねえよっ…ぐッ…

 寝台から立ち上がろうとした身体がよろけ、紋様が施された長衣に身を包んだ赤毛の男に支えられる。


「俺は、あると思うな」

 歌うように楽し気な声音だった。ぽたぽたと種をつけられたばかりの肉尻から中出しされたアーデンの子種が垂れてくる。

それはまるで奴のいうように刻印のようで


 近づく顔を拒むことが出来ず、唇を食まれ、暗い瞳をした男にうっそりと微笑まれるのだった。