バランジェネジ
「どうだ!イグニス?牙と角のミートパイ、ケニーズ・デリバリー、カツのトマトソース添え、シフォンケーキ…みんなお前の好きなもんだろ?」
相変わらず威勢のいい声とともに鼻孔を擽る様々な料理の良い匂いが流れてくる。
「イリスが一緒に作ってくれたんだ。さあ食え!」
"王家の盾"であるアミシティア家の総領。大剣の代わりにナイフを握り、不器用に調理する様子を想像すると軽い笑みがこぼれてしまう。
ノクトがクリスタルに呑み込まれた後、世界は闇に堕ちた。
王の帰還を待つべく、俺達はレスタルムに戻り、様々な地域から逃れてきた避難民の保護やシガイの駆除に奔走していた。
視力は結局戻らないままだった。仲間の支援がなければ今頃はどうなっていたことか。足手まといにはなりたくない。その一心で会得した技の鍛錬を続けてきた。ハンマーヘッドにほど近いビルで共同生活をしようと持ちかけてきたのはグラディオだった。
"その方がお前を守れるから"
事もなげに恋人はそんな台詞を口にする。それがどれだけ自分の心に喜びと屈辱を齎すのかも知りもしないで。
太陽は上らず、シガイによる被害は増え続け、日々の戦闘で疲労だけが蓄積していく。だが絶望に呑まれた訳ではなかった。俺達にはノクトがいた。唯一の希望の光。いつ訪れるともしれぬ王の帰還を、俺達は待ち続けていた。
「今日イリスはどこに泊まったんだ?うちに泊まれば良かったのに」
「あー、シドニーのとこだよ。アイツら、結構うまが合うらしくてな。まあ、シドニーを独占できなくてその分プロンプトがムクれていくんだけどな」
楽しそうにグラディオが笑う。失明した自身では見ることの出来ない、その笑顔が見たかった。自分を受け入れ、褐色の肌が赤みを帯びていくところも、汗でぬめる様も、男としての矜持をすべて捨て、女のように昂りを受け入れる部分も。失った目でもう一度見てみたかった。
フォークを動かすたび、手前にある料理をグラディオが説明していく。全幅の信頼を寄せてはいるが、必要以上に頼りたくはなかった。匂いを頼りに手を動かし、口に運ぶ。
「ほら、美味いぞ。食べてみろ」
リード芋の甘く香ばしい匂いと爽やかなミントの香りが間近でした。豪快に手でちぎられたであろうシフォンケーキを苦笑しながら食み、ついでにそれを支え持つグラディオの武骨な指をそっと舐める。何かを思い出させるかのように、柔く、強く。
「――ッッ…!」
視力の消失とともに、より恋人を執拗に俺は抱くようになった。自分の肉棒を抜いた後の肉穴をグラディオがもう止めてくれ、と懇願するまで舐めしゃぶり、精液にたっぷりとまみれた年輪状の中の肉ひだがひくひくと再度男根を欲しがるようになるまで"自分の女"として恋人を躾けた。大きな肉尻は常に精液をそそがれ、ぶびゅっ…とそれが肉穴から漏れても再度俺は肉棒を突き入れ続けた。王家の盾は決して弱者を見捨てたりはしない。グラディオのその長所を強かに利用し、自分との情交に積極的ではなかった恋人に最奥にある肉ひだを突くことで達することを覚えさせた。今では軽く挿入しただけでこの屈強な男は達してしまう。そうしてもっと欲しいとでもいうように引き締まった腰と大きな臀部をゆさゆさと揺り動かす。自分の最愛の恋人は犯される雌犬のような顔をきっと今している。そう思うと幾らでもけだもののように交わることが出来た。
「まったくお前は…しょうがねえなあ」
ジャケットの中の褐色の大きな胸がぶるっ…と先っぽをもうとがらせている姿を想像し、僅かに微笑む。これは焦りだ。
以前の自分へは戻れない事への焦り。苦難をともにする恋人がいつ去るともしれない焦り。グラディオが完全に関係を断ち切ることはないだろう。だが恋人から仲間に戻ってしまったら。彼の側に、新しい誰かが現れたら。これが最後の夜で、明日は二人とも命を落としてしまったら――。
不安になると恋人を抱きたくなる。それが分かるからなのか、一度もグラディオは誘いを拒否することはなかった。
いっそ甘えるな、と叱責して欲しかった。だが恋人はいつも自分を拒絶することはなく、自ら服を脱ぎ、オイルで肉穴をほぐし、俺の上にまたがろうとする。
『イグニス、大丈夫だからな…』
グラディオの言葉は温かく残酷だった。今の自分が恋人の弱点なのだと、そう言葉で彼は認めてしまっていた。
「グラディオ…、無理はしなくていい」
「そんなでけえもん膨らませて、お前だって辛いだけだろ?」
シド達に譲ってもらった大型のソファの上で彼と交わる。褐色の大きなむちむちとした肉尻は舐めても突き入れても酷く卑らしい味がした。中にたっぷりと欲しくなるとグラディオの豊満な尻たぶの狭間にある肉厚な肉穴がひくひくとすぼまりをひくつかせ始める。且つて何度も視姦したそこは、つやつやとした艶を持つ桃色の肉穴だった。自分の肉棒の味しか知らない肉穴。こんなにも好色に躾けた身体が他の男の男根も味わいたいとは思わないのか。恋人が聞けば激怒しそうな考えだが毎回そう思わずにいられなかった。
「あっ!ああッ…!!」
他に住人のいない廃墟と化したビルの一室でグラディオの大きな声が響く。くぷっ…と肉厚な肉の輪を勃起した亀頭で広げ始めるといつも彼は悔しそうな声をあげる。毎晩くわえないと眠れないほど淫らな身体になってしまったのに、今だ男としての矜持を保とうとする恋人を微笑ましく思ってしまう。
「はっ…ひっ…ッッ!!」
ごりゅっ…!と熟れた肉ひだをかき分けて一気に突き入れると大柄な身体が自分にすがりつく。貫通ずみの桃色の肉の輪はくぱっ…とすっかり自分の勃起した肉棒の形に広がってしまっていた。自身の腹に濡れたぬめる何かが広がり始める。今日も挿入されて軽く達してしまったのだろう。本当に卑らしい肉尻だった。良血の癖に娼婦のようにいちもつをくわえ、ぬぽぬぽと穴中をかきまわされるのを待つ身体。望み通り、強いストロークでずんっ…!と最奥まで肉棒を突き入れ、ぷるぷるとしたひだ奥のしこりを小刻みに突くと桃色の乳頭をぶるっ…、と勃起肥大させた豊満な胸を自分に擦り付けながら、恥ずかしい程大きな肉尻がぶるぶると左右に揺れる。
「すげえ……お前のちんぽ…気持ちいい…ッ」
はしたない言葉を言うように躾けたのも自分だった。"王家の盾"として王都警護隊の要職を務めてきた名家の長子。世間知らずな部分はノクトとそう変わりがなかった。淫語を使う雌に躾け、益々ノーマルな情交から遠ざけさせることで他人の手に最愛の恋人が渡ることを阻止したかった。
「あっ!あっ!いい!イグニスいいッッ…!」
自分の体格では筋骨逞しい相手を支え切れる筈もなく、いつもグラディオは少し腰を浮かせた状態で自身のいきりたつ肉棒を受け入れる。自然、中の穴ひだが締まり、その絶妙にうねる桃色の媚肉を激しく下からずにゅずにゅと突きあげると、また恋人はびしゃびしゃと失禁のように精を噴き上げてしまう。
「あっ!ああっ!」
グラディオの羞恥をあおるように豊満な褐色の尻たぶを左右に大きく押し広げる。肉厚な桃色の肉穴が貪欲にずちゅずちゅと勃起したいちもつをくわえる様がむちっ…とあらわになる。光の無い世界ではより相手の反応を鋭敏に感じることができた。媚肉が雄の男根に屈し、ぶるっ…!と勃起した太竿に吸い付くようにひくひくと卑らしく年輪状の肉壁を震わすさまが細かに伝わってくる。
「もうこんなに中の肉ひだがひくついてる…欲しいのか?グラディオ…」
ずぷっ、ずぷっ、と桃色の乳穴の中に舌を突き入れながら問うと淫らな返事が即座に赤褐色の唇から漏れる。
「ああっ…でもまだだイグニス…ッ…あっ!あっ…!もっとちんぽ奥まで突き入れてくれっ…」
くわえた長大な男根を自ら腰を下ろすことでぬぷぬぷとグラディオが大きな肉尻で味わい始める。
「んッ…なあ、いいだろ…?もっと俺奉仕してやるから…ッ…」
亀頭だけをぬるっ…と肉厚な桃色の肉穴でくわえた状態で年輪状のむちむちの肉ひだが竿全体をにちゅにちゅと卑猥にしごきあげる。
「あっ!ああッ…カリの部分のこの上向きに膨らんだ亀頭冠のみぞで…ひだをにゅくにゅくってこすられんの…好きなんだ…っ」
言葉通り、肉傘をくぷっ…とくわえたはしたない程大きな褐色の肉尻が嬉しそうにぶるんっ…と震える。ひくっ、ひくんっ…と媚肉の熱いうねりが明らかに中での射精を望み、文字通りの"受精"の瞬間を待ち続ける。
「んっ…んうッ…お前のちんぽ、なんでこんなずる剥けででかくて気持ちいいんだよッ…俺ずっと抜きたくなくなっちまうだろ…?」
ずるっ…、ずるっ…、と何度も年輪状の熟れた肉ひだが勃起した男根を包み込み、固く膨らんだ亀頭から太い肉竿、根元まで一本の雄根を貪欲に肉尻で味わい続ける。
「あっ!? あッ!あんっ!あうっ…!イグニスッッ…!そんなはええよっ!!」
恋人の痴態に我慢できず、がむしゃらに腰を使う。恥ずかしい程大きな肉尻にずぽずぽと勃起した男の竿を激しく出し入れされ、たまらず重く大柄な体がすがりつく。
「あっ!あうっ!あっ!ああッ!!」
尻たぶを左右に押し開かれ、むちっ…と肉厚な桃色の肉の輪と勃起した竿の結合部分が丸見えにされた状態でずんずんとグラディオが犯される。雄竿の形に拡張された肉穴の隙間からぶっ、ぶっ、と白濁とした種汁が飛び散り、中の敏感な肉ひだをずるんっ…といきり立ったいちもつでかき分けられるたび、甘く淫らな声が部屋に響き、何度も何度も雄の性欲処理として肉厚な肉の輪がはめつくされる。
「あうっ!あうっ!あんっ!あっ!」
すっかり肉棒のとりこになったグラディオが交尾される雌犬のような淫声をあげながら肉穴を犯される。重量のある肉尻が根元までいちもつをくわえ、飴玉をしゃぶるように年輪状の肉ひだでじゅぽじゅぽと竿をしごく。敏感な媚肉を肉棒でしこしことしこられるのがよほどいいのか、しごく速度が速くなり、はしたないあえぎ声が益々大きくなる。
「あんっ!あうっ!あんっ!あんっ…!イグニスッ…もっと…!!」
王の盾である剛毅な男を自分が"女"にしたのだと思うとそれだけで歪んだ征服欲が満たされる。躾けた肉ひだが従順に竿をくわえる感触を楽しみながら大きな肉尻を下からぱんぱんと強く突いていく。
「あっ!あっ!ああッッ……!!」
「もっ、駄目だッ…お前のちんぽでイッちまう…!」
ねっとりとした竿突きが長く執拗に続いた後、大きな肉尻の最奥にあるぷるりとした肉ひだをぶるっ!ぶるっ!と激しく亀頭で突かれながら熟れきった雌の身体にされた恋人が堪らず声をあげる。
「いっていいぞ、グラディオ…」
「うわっ!? あっ!あうっ!ああんッ…!!」
穏やかな言葉とは裏腹に豊満な肉尻の最奥にある肉ひだを浅ましい速さで責め立てる。
「あひッ!あっ!あんっ!あっ!あっ!」
恥ずかしい程大きな肉尻が完全に男根に屈し、肉棒を欲してうねる淫らな肉ひだごと、最奥のしこりを突かれ、豊満な褐色の肉尻をずんずんとはめ尽くされる。
「イクっ!イクうっ…!あっ!あんうッ…!ちんぽでいくうううッッ…!!」
はしたない淫語とともに、びしゃっ、と腹の上に精が飛び散る音が響き、同時にぬめる肉穴が息を呑むほどきつく締まり、自分の肉棒でグラディオが達したことを知る。雄の本能のままに豊満な褐色の肉尻を強く掴み、中のひだ奥めがけてぶちゅっ…!と射精すると桃色の肉ひだに種をつけられた恋人がまた甘い声を出しながらびゅくっ、びゅくっ、と精を漏らしてしまう。ひだにねっとりと熱い雄汁を万遍なくかけられる事をすっかり好むようなになった淫らな身体が結合したままの豊満な肉尻をぶるぶると前後に揺らし、年輪状の卑猥な肉ひだでじゅぽじゅぽと鈴口から雄の子種を貪欲にしぼりとっていく。
「イグニスッ…あっ、あっ、いいッ…いいっ…!」
悦ぶ恋人の声がより互いに淫らな熱を点し、淫欲に溺れていく。
不安も焦燥も、今この時間だけは掻き消え、ただ甘い喜びだけが沈み行く自分を繋ぎ止めているかのようだった。