Syriaca 


「どうだい、兄上」
血のように赤いワインを飲み干す俺の隣でそう男が呟く。

「まるで筆頭剣闘士にでもなった気分だろう?」
いつもの俺を揶揄う口調、雪花石膏のように白い肌、玲瓏たる面立ち、闘技場で戦い続ける自身と違い泥にも塗れていない上質な衣装。久方ぶりに会う義弟のロキは以前と何一つ変わりがなかった。
「いくらガルガンチュア並の食欲を持つ兄上でも大麦ばかりでは飽きる筈だ」
確かにここで出される主食は増強を目的とした緩い大麦の粥ばかりだった。だが今、客人として興行主であるグランドマスターに迎えられた弟の部屋にあるのは牛と羊の大ぶりな塩漬け肉、去勢鳥のロースト、牛脂を練りこんだ子牛のパテ、赤ワインと香辛料風味の白ワイン、冷製のベイクドミート、鱈と豆の煮込み、アマンド入り糖菓。沢山の果物とチーズ。華やかだった王宮での食事を想起させるものだった。

「礼をいうつもりはないぞ」
「期待していないよ」
呆れたように弟が笑う。俺が窮地に陥ることを無上の喜びとするロキにとって、この現状はさぞ愉快なものなのだろう。奴隷として再会した時、極上の笑みを湛えていた弟の顔を思い出す。

「さあ、兄上の気が済むまで食事を続ければいい」
言われずともそうするつもりだった。香辛料の効いた肉に被りつき、ゴブレットに並々とワインを注ぎ、焼かれたばかりの温かく柔らかい白パンを口に含む。自分に用意された皿も差し出すロキに目線を送りながら、どこか安堵に似た気持ちが湧いてくる。善き弟であれ。ずっとそう願っていた。だがそれは叶わなかった。甘い毒に侵され、多くの地球人を死に追いやったヨトゥンの義弟。残酷な邪神でありながら、スヴァルトアールヴヘイムでは己の命を賭してまで俺を救った。これからどう兄として接するべきか。拒むべきか、受け入れるべきか。自分が抱える愛憎に時折押し潰されそうになる。

「……」
最後のワインを飲み干し、満足げに溜息を吐く。隣に座るロキが立ち上がり、獣の上顎を用いた原始的な装飾の大寝台にゆったりと腰かける。

「そうそう一つ言い忘れていたんだ」
訝し気な顔で見つめる俺に弟がほほ笑みかける。
「私の兄としてアンタをここに来させた訳じゃないんだ」
「…? どういう事だ」
「――剣闘士達は酒宴で貴族の女を相手にすることもあるのだろう?」
「ああ、そう聞いたことはあるが…少なくとも俺はそこまで身を窶した訳じゃない」
「知っているよ。あの男は亡国の王族である兄上を酷く気に入っている」
紅い唇から不吉な言葉が漏れそうで、思わず眉を寄せてしまう。
「だから説得には時間を要してね…」
「――何がいいたいんだ、ロキ」
「…まったく相変わらず大槌のように鈍い頭だな」
退屈そうな灰緑の目にどこかぬめる光が宿り始める。

「――アンタを買ったんだ。一晩私の相手を務める奴隷としてね」
「なッ…!? 」
「ああ、怒らない方がいい。もう召喚するハンマーもないんだろう? 夜伽を拒否すれば相応の罰を受けるだろうな…」
「ッッ…!俺をどこまで揶揄えば気が済むんだ!ロキッッ…!!」
「――この闘技場の主は務めを果たした奴隷の解放すら渋る男だ。命令を守らないアンタをどうするかな……また再会した時に欠損のある兄上なんて見たくないんだが……」
他人事のように呟く弟に近寄り、金の縁取りがある襟元を掴みあげる。

「苦しいよ、兄上」
笑いながら弟が声をかけ、青白い手がねっとりと俺の前腕を撫でさする。
「――実はもう一人奴隷を買ったんだ。とても若い、少年ともいえる男だ。まだ何の経験もないんだろうな。私を見て怯えていたよ…」
「……ッ」
数日前、訓練場で見かけた年若の剣闘士を思い出す。ロキは平気で嘘をつく。だが時に真実もあった。それが事実なのか、今確かめることは出来なかった。

「兄上が相手をしてくれないなら、彼にするしかないな」
アスガルドにいた頃から、弟の性愛の対象が同性にある事は知っていた。ロキの関心はいつも麗しい乙女ではなく、雄々しい体躯や魅力的なえくぼを持つ同性にあった。だがまさか、その欲望が自分に向けられるとは思いもしない事だった。

「どうする?兄上」
捧げられた貢物を選ぶような気軽さで話しかけられる。
「…お前は俺の弟だ」
「血の繋がりはないさ」
「……」
痛みを覚えるような顔をしてしまったのだろう。眉を僅かに寄せた奇妙な笑顔を弟が見せる。
「今宵は私が主だからね。すべてを見せて欲しいんだ…――アンタの且つての髪と同じ、黄金色の薄い下生えもね……全部、全部だ」
抑揚のない声の中にどこか熱いものが混じり始める。
「――…」
窓の外に広がる、大量の玩具が積み重ねられたような異国の建築群に目を向ける。いつからか、それを目新しいものだとは思わなくなっていた。順応し、生き残る。そうして奪われた故国を取り戻すことが、何よりも殉じるべき大義だった。

「早く終わらせろ」
そう告げた俺を嬉しそうにロキが見つめる。左の肩甲につけたマントに手をかける。言葉通り、弟はすべてを見たいのだろう。ならば望み通りにするだけだった。















「兄上、いっただろう?私が主なんだ」
聞き分けのない子供に言い聞かせるように、ゆったりとロキが言葉を紡ぐ。
「…ッ」
一糸纏わぬ姿で寝台の上でうつ伏せになり、腰を高く掲げる姿勢を取らされる。
「どちらの手でもいい、ゆっくりと広げて…」
背後にいる弟がどういう表情をしているのかは分からなかった。だが要求された事は理解できる命令だった。それを実行したくはない。まだアスガルドの第一王子としての、ムジョルニアを且つて手にしていた雷神としての矜持があった。自分を買った男を撥ねつければ、懲罰を受けるばかりか、あの年若の剣闘士が夜伽の相手を務めることになる。回避するためには受け入れるしかなかった。

「…ッ…」
「ああ…アンタのここはこんな色をしてるのか…」
右手で排泄に使う恥ずかしい穴をにちっ…と押し開く。皺のある穴に外気が触れる感覚があった。ここを使って男達が楽しむのは知っていた。自分が抱いた数多の女神達とこの部分で愛し合うこともあった。だがまさか自分が"女"としてそこを使われるとは、予想だにしていない事だった。

「思った通り、なんて大きな肉尻なんだ…はざまにある肉厚な肉の輪も初々しい桃色でたまらないよ…」
「ッッ…!」
不意に押し開く指にぬめる舌を押し当てられる。そのままべろっ、べろっ、と舐められ、蛇のような舌が皺のある穴ひだもゆっくりと舐めしゃぶる。
「あッ!あッッ…!!」
肉の輪をぐるりと一回りするように舐められ、初めて味わう感触に腰が砕けてしまう。
「兄上は生娘だからね…丁寧に抱いてあげないと…」
「やめっ!あッ!ああっっ…!!」
肉肛門を責められ、前のめりに倒れこんだ姿勢でぶるっ!ぶるっ!と自分の肉付きのいい尻を震わせる。飲まされた酒に何か含まれていたのか。弟の舌が触れるたび、皺のある穴ひだがひくんっ…と嬉し気にひくついてしまう。
「ひあっ!あッ!」
味わったことのない快楽でぶるんっ…!と胸の先端が膨らむ感触があった。そのまま肉突起が清潔な絹のシーツとこすれ、更に淫靡に肥大していく。
「あっ!ああっ…!!」

自分の反応がにわかには信じられなかった。瞳を潤ませ、よだれを口端から垂らしながら、恥ずかしいほど大きな肉尻のむちりと熟れた穴ひだをなめられるたび、嬉し気にぶるぶると尻を震わせる。まるで男娼のようだった。
「調合を間違えたかな…ここまで素直にさせるつもりじゃなかったんだ…」
「んっ!んうっ!んうううッッ…!」
ぬろっ…、ぬろっ…、と恥ずかしい皺のすべてを一つずつなぞられてしまう。そのことに恥辱と戸惑いを感じているうちにずるっ…!と何かが穴中にもぐりこむ。
「ひッッ…!!」
「兄上、中も味わうからね…」
くぐもった声で宣言され、否やを唱える前に太い舌がずちゅずちゅと肉壺を味わい始める。
「あっ!ロキッッ!んっ!そんなとこだめだッッ!あっ!いやっ…だッ!!あっ!ああうっっ…!!」
嫌がりながらも肉穴を犯されるたび、肉付きのいい身体がぶるぶると震えてしまう。
「知らなかったよ…このはしたないくらい大きな肉尻の中に卑らしい汁がたっぷりつまった肉壺があるなんて…」
「ふあッッ…!!」
よりグリッ!!とロキの顔が肉尻に押し付けられる感触があった。肉壺を犯される動きで絹のシーツとぶるんっ…と発情で勃起した乳頭がずりずりとこすれ、その淫靡な刺激に身体がぐずぐずにとろけてしまいそうになる。
「兄上…おいしいよ…おいしい…」
「んっ!ひッッ…!!だめだロキッ!ひっ!ひっ!」
べろべろと高速で敏感な肉壺を舐めしゃぶられる。ぐりゅっ!ぐりゅっ!と中の突起状のひだひだが硬くとがらせた太い舌で蹂躙されるたび、自分でも聞いたことのない声が次々にあふれでてしまう。
「あっ!あっ!ああッッ!やあっ…!!」

ずぽっ、ずぽっ、と音を立てて排泄に使う恥ずかしい穴を犯される。もうそこは初物ではなくなったことが酷く屈辱的で酷く悲しかった。弟の舌で貫通した肉壺を何度も何度もにゅりにゅりと犯され、穴ひだをひくつかせながら誘う様にぶるぶると豊満な肉尻を揺らしてしまう。
「あっ!ああっ!ふあっ!あッッ…」
不意に舌がぬぽりと抜かれ、舌技でとろけた肉厚な肉の輪がくぱっ…と指で開かれる感触があった。
「今日の兄上は闘技場での最終試合の勝者だったね…」
「あっ…あっ…」
穴奥にぬりこめられた唾液が中出しした子種のようにぶびゅっ…!と穴ひだのすき間から垂れてしまう。
「その勝者を……誰よりも勇猛果敢な兄上を…これから私が打ち負かすんだ…」
「んうッッ…!!!」
ずるっ!と酷く太いものが肉の輪に含まされ、なぶられた肉壺が一気にその何かの侵入を許してしまう。
「やあああッッ…!」
憐れなほどロキの下で自分の身体がぶるぶると激しく揺れ動く。

「あっ!ひんっ…!!」
肉穴の中にある敏感な突起状のひだひだがぐぬりと犯され、一瞬でそれが何かを知覚する。
「ああッッ…!」
ぶるりと硬く膨らんだ長くて太いもの。充血で浮き出た無数の血管、他者の雄の種をかきだすために発達した卑猥な形をした肉エラとくびれ。ぬるぬるとしたそれが――弟の勃起した肉棒が――ずり、ずり、と狭い肉壺の中で淫肉をかき分けながら最奥へと進んでいく。
「やめっ!嫌だッッ!やっ!やああッッ!!」
痛みとともに"雌"として貫通させられ、襲う雄を興奮させるだけだと分かっていながらムチムチとした豊満な肉尻をぶるっ…!、ぶるんっ…!と大きく揺らし、その凌辱から逃れようとしてしまう。
「兄上のお尻はやっぱり大きすぎるよ…ひと息じゃ入らない…」
嬉し気な声とともに体温の低い身体が性急な仕草で俺に伸し掛かる。初めて肉穴を犯され、戸惑う俺に更に容赦なくずるんっ!とズル剥けの亀頭が肉壺の奥に突き立てられる。
「ふあああっ!!」
すべてを含まされた刺激でびくびくと淫らに身体が揺れ動く。
「やっと入った、かな……ほら、兄上の肉の輪に私の下生えがあたっているだろう…?根元まで弟のイチモツをアンタはくわえこんだんだ…この変態…」
「ちがっ!あっ!ああっ!ふあ…ッッ!あっ!あっ…!」
ズン!ズン!と容赦ない雄の抜き差しが始まり、はしたないほど大きな肉尻をぶるんっ、ぶるんっ、と震わせながらそれを受け入れてしまう。
「あっ!あっ!あっ!あっ!」
豊満な肉尻のはざまにある敏感な淫肉をびんびんに勃起した逞しい肉棒で激しくかきまぜられ、抗う声を出したくてもそれが別の声に変わってしまう。
「やっ!あっ!ああッッ…!!」
「本当は初めてじゃないんだろう?兄上……生娘の癖にこんなに乱れて……あの老いた男のものを受け入れたのか…?試合を終えた汗まみれのアンタをあの男がそのまま抱いたんじゃないか…?」
「ひんっ!ひっ!」
嫉妬じみた言葉をかけられながら、興奮する雄にずるんっ!ずるんっ!と巨根ともいえる質量のいちもつで穴の奥までほじられる。
「嫌っ!やっ!あっ!あっ!ああッッ…!」
不意に豊満な胸も乱暴に掴まれ、肉突起も指で犯されてしまう。
「やめッ!やあっ!あっ!」
「これからは毎晩アンタを買ってやる…あの羽根つきの兜をかぶって夜は私に跨るんだ……どんなに闘技場で勝利を収め続けたとしても、夜には必ず屈服させてやる…その酷く大きな肉尻に常にたっぷりと中出しされた私の精液をためこむんだ…」
「いやだっ!嫌ッッ…!!やあっ!あっ!ああッ…!!」

ぱんぱんぱん!と小刻みに抜き差しを繰り返され、抗う声がすべて弟の肉棒を味わう淫声に変わってしまう。
「んうっ!んうっ!あうっ!あううんッ!」
自分でも信じられないほど、中を乱暴に卑猥な形をした肉茎でずぽずぽとほじられると、犯されて悦ぶ雌犬のような声が次々に溢れてしまう。
「あっ!あっ!ああうッッ…!!」
結合した互いの身体が交尾以外のなにものでもない動きでぶるぶると浅ましく揺れ動く。どうして排泄に使う恥ずかしい場所がこんなに感じてしまうのか。とろけきった肉壺がぶびゅぶびゅと先走り汁をひだの表面に塗りつけられながら、卑らしい動きでぬぽっ…、ぬぽっ…、と狭い内部を抜き差しされ、雄の猛り切ったイチモツを慰める淫穴へと変わっていく。
「あうっ!あっ!あっ!あっ!」
ずるんっ!と雄の欲望のままに淫肉をつきあげられるたび、呼応するように悦び声を漏らしながら女のように大きな肉尻をぶるんっ…!と激しく揺らしてしまう。
「あっ!あっ!あうっ!あううっ…!」
肉穴を突く動きにあわせて、官能にまみれた卑猥な雌声が次々にあふれでる。
「あっ…!あっ…!」
自分のはしたないほど大きな肉尻と弟の逞しいイチモツが隙間のないほどびっちりと重なり合い、ぐちゅっ!ぐちゅっ!と激しい恥音を立てながら、生娘だったむちむちの肉壺をぐちょぐちょに犯される。
「ああうッッ…!!」
ハルク以外には無敗だった自分がこんなにも呆気なく陥落し、蜜壺を責められもだえてしまう。
「兄上は色狂いの変態だ…こうされるのがいいんだろう…?」
ねっとりとした声で嘲りながら、ずんっ!ずんっ!ととろけた肉尻を力強く貫かれ犯される。
「いやだっ!あっ!嫌っ…!あっ!あっ!やああッッ…!」
「こうやって小刻みに突かれて…肉厚な肉の輪を皺がなくなるまでくぱりとイチモツで広げられて…奥の淫肉を亀頭でズコズコとつつかれて雌として犯されまくって…さっきから嬉しそうな喘ぎがとまらないじゃないか……まるで雌犬だ…アンタが闘技場でつけているマントはこのどスケベな肉尻を隠す為なんじゃないのか…?」
「ああッッ!!」
責めるようにびろんと広がった亀頭冠の肉えらでごりゅッッ…!と突起状のひだひだを一気にしごかれる。
「ああうっ!」
自分の意志に反して陥落した肉尻がにちゅうううっ…とぬれぬれのひだ肉で嬉し気に弟のイチモツに吸い付いてしまう。
「ひんっ!ひんっ!ひっ!ひっ!」
吸い付きに気を良くしたロキが更に激しく蜜壺をぬぽぬぽと突きあげる。
「あっ!あうっ…!」
突き上げられるたび、ぽたぽたと口端から嬉し気なよだれが垂れていく。
「んうっ!んっ!んっ…!」
初物としての痛みは当の昔に消えていた。淫らな喘ぎ声をあげながら、時折緩急をつけて犯す男のイチモツをむちむちの淫肉でグチュッ…と卑らしくしめつける。そのしめつけた恥穴の中で更に激しく興奮した男の逞しい男根がズポッ!ズポッ!と動き、敏感なひだひだを勃起したびんびんのイチモツでにゅりにゅりに犯される悦びで何度も何度も豊満な肉尻をぶるんっ!ぶるんっ…!と官能で揺らしてしまう。
「あっ!あっ!ああッッ…!」
そのぶるぶるとはしたなく揺れる大きな肉尻の中で更にずこずこと勃起した巨大なイチモツが高速で動き、むちむちの肉壺を最奥までつきあげる。
「あっ…ああうっ!!」
全身がぶるっ…!と震え、しぶきのように穴奥から恥ずかしい腸液をぶびゅっ…と漏らしてしまう。
「あっあっ!あっ!あっ!あっ!」
雌としての発情で腸液が分泌したことに気付いた弟がより興奮した状態で俺に覆い被さり、言葉で嘲りながら激しく豊満な肉尻を責め立てる。

「あっ!あっ!あっ!ああッッ…!」
肉尻の中のむんむんに熟れた桃色のびらびらが何度もずぬっ!ずぬうううっ…!とビンビンの肉竿で卑らしくかきまぜられ、半ば陶然とした顔で欲情した雄の乱暴な抽挿を受け入れてしまう。
「あうっ!あッッ!あっ!ああうっ…!!」
「ああ、そうだ。言い忘れていたよ、兄上――」
荒々しい抜き差しを繰り返しながら、涼やかな声でロキが話しかける。
「グランドマスターはちゃんとアンタが客の命令に応じるか知りたがったんだ」
「んっ…どういうッ…ことだ…?」
ぱんぱん、ぱんぱん、と生娘だった肉穴をぬぽぬぽに犯されながら何とか声を返す。
「まあ、あの男の真意は別にあると思うけどね…不能な自分の代わりに他の男をアンタに宛がって……屈強な雷神が雌として身悶える様を見たいのさ…」
「……?」
要領を得ない会話に思わず涙目のまま、弟の顔を見つめてしまう。途端、艶やかな笑みがその麗しい顔に浮かんでいく。

「――ほら、側にある円卓に金の水差しがあるだろう?そこに小さな穴があるんだ…」
発情で赤らんでいた俺の頬が見る間に蒼褪めていく。確かに象牙で出来た円卓の上に置かれた水差しには小さな穴が開いていた。硝子に似た硬質な輝きがその暗い穴の中で僅かに光る。
「兄上は見られていたのさ。最初からね…」
「あっ!ああッッ!!」
ずるんっ…!と内臓を押し上げられるほど強く肉棒を淫肉に突き立てられてしまう。
「あっ!あッ…!」
「こんなに乱れたアンタを見て、あの男の手はぬるぬるだろうな…」
充血し硬く膨らんだ亀頭が鈴口を敏感な最奥のしこりに何度もごりゅっ!ごりゅっ!と執拗に押し当てる。
「あっ!嘘だ…ッ!!あっ!いやだあッッ!あっ!ああうっ!」
抗議したくても次々に敏感な部分を責められ、別の男に見られているかもしれない状態で大きく身悶えてしまう。
「あっ!あっ!んうっ!んうううっっ!!」
無言で伸し掛かるロキに唇を奪われ、舌ごとぐちゅぐちゅと口腔を犯される。そのままズンッ!ズンッ!と激しく豊満な肉尻を貫かれ、射精寸前で更にぶくりと膨らんだ弟の硬いイチモツの卑らしさをたっぷりと感じてしまう。
「あうっ!あっ!あっ!あうううッッ…!」
むっちりとした狭い淫肉の中で、何度も何度も執拗な雄の抜き差しが繰り返され、むちむちの熟れた肉の輪をにちっ…と勃起したイチモツの卑猥な形に広げられながら、あひあひと淫らに喘ぎ、寝台の上で乱れに乱れてしまう。

「あっ!あっ!ああッ!」
ぶるんっ!ぶるんっ!と幾度も豊満なむちむちの肉尻がくわえさせられたビンビンの肉茎によって小刻みに揺らされる。より体重をかけられた恥ずかしい結合姿でもぬぽぬぽと激しく抜き差しされ、涙目で笑みながら生娘だった肉壺を支配され、女のように大きな肉尻をぶるるるっ…!と竿突きで揺らしながら淫蕩な凌辱を受け入れてしまう。
「あっ!あっ!ああうッッ…!」
「変態の雌犬め…このまま出すからな…ッ」
「!? 待ってくれッッ…!!せめてその水差しを…っ…」
円卓に伸ばした手がそのまま白い腕に掴まれ、シーツの上に押し付けられる。
「往生際が悪いぞ、兄上…」
「ロキっ!いやだっ!やめてくれっっ!あっ!ああっ!!」
ずるんっ!ずるんっ!と膨らみきったイチモツの抜き差しが大きく素早いものになる。
「いやだっ!嫌だあああッッ…!!」
男を興奮させるだけだと分かっていながら、豊満な肉尻をぶるぶると激しく揺らしてしまう。
「あっ!あっ!あっ!ああっ!」
ぶるんっ!ぶるんっ!と最奥にある敏感な肉のしこりを猛り切った亀頭で執拗につきあげられ、最も雌になる部分を容赦なく犯されたことで身体が完全に陥落し、ぬぽぬぽに肉壺をハメ尽くされながら頭に靄がかかっていく。
「あっ、あっ…いやだ…嫌…っ」
跡がつくほど強く腰骨を掴まれ、荒い吐息と共にグチュグチュと肉尻がイチモツで中からかきまぜられる。
「んうっ!んうううっ!」
根元まで肉棒を挿入されるたび、よりぼんやりと思考が霞み、耳を塞ぎたくなるようなとろけた雌声をあげながらむちむちの肉穴をずるううううううッ…と最奥まで犯されきってしまう。種をつけたいイチモツの動きが徐々に早くなり、ぶるっ!ぶるんっ!と卑らしく肉尻を揺らしながら、腸液をぶびゅっ…、ぶびゅっ…、とはしたなく穴奥から分泌させ、挿入を悦ぶハメ穴以外になにものでもない姿を二人の男の前に晒し続ける。
「あっ!あっ!ああッッ…!」

「ッ…」
「やっ!やあああッッ…!!」
不意に低く息を呑む音が背後から聞こえ、ぶちゅんっ!!と酷く熱いなにかが敏感な肉ひだにかけられる。
「やあああッッ!」
ぬるうううっ…とむちむちの淫肉に雄の種汁がねっとりと染みていく。
「やっ!やあっ!やああああうッッ!!」
第三者に見られていると分かっていながら、はしたない笑みと共にぶるりと舌を出し、初めて種をつけられる感触を味わってしまう。
「あっ!あっ!あっ!んうっ!んうううううっ…!!」
ぶちゅっ!ぶちゅんっ!と中で弟のものがはじけるたび、ぶるっ!ぶるっ!と雌として大きく尻を震わせ、誰にも聞かせたくはない種付けを悦ぶ声を部屋中に響き渡らせてしまう。
「あっ!あっ!あっ!あっ!」
ぶるぶると恥ずかしいほど大きな肉尻を揺らしながらシーツを掴み、まるで子作りするかのように執拗に最奥のしこりに種をつける雄の動きに耐え続ける。
「あうっ!あううっ…!」
びゅるっ!びゅるるるっ…!!とびくびくと震える豊満な肉尻の中に弟の精液がたまっていく。

「んうっ…んっ…」
びちゅびちゅとむちむちの淫肉に種付けされながら勃起した乳首をシーツにこすりつけ、ぶるっ…、ぶるっ…、としこった乳芯を押しつぶす乳辱を繰り返す。
「あっ!あっ!ああッ…」
種付けされる穴もしこりきった乳首を敷き布にこすりつける自慰ももとろけそうなほど気持ち良かった。
「ひうんっ…!」
はしたないほど大きな肉尻をぶるん、ぶるんっ、と淫らに揺らし、豊満な胸をこすりつけて穴という穴を犯されることを楽しむ姿に欲情した弟が更に覆い被さり、がくがくと腰を押し付ける。
「あっ!あっ!あっ!あっ!」
笑みながらロキと舌を絡め合う。何度でも犯されて、達してしまいそうだった。明日は弟の宣言通り、中のひだというひだに弟の精液をびっちょりとしみ込ませた姿で闘技場で闘うのだろう。そうして夜は呆気なく、雌としてロキに屈してしまうのだろう。
「あああうッッ…!!」
感じきった声を漏らしながら、中出しと同時に放尿のように勢いよくブビュッ…!と自分の肉棒から射精してしまう。
「ふあああッッ!」
いまだ硬く膨らんだままの剛直がぬるぬるの淫肉をズルンっ!ズルンっ!とこすりあげ、そのむちむちとした穴中に感じる刺激でびちゃびちゃに射精してしまう俺の恥ずかしいほど大きな肉尻をパンパン!、パンパン!と欲望のままに突き上げる。
「あっ!あっ!あっ!あんううううっ…」
とろけきった笑顔で舌を出し、膨らんだ雄のイチモツを熟れた肉の輪でしめることを覚えた俺が肉厚な穴ひだでぐちゅううううっ…と勃起した竿を締めつけ、尻を前後に揺らしながら突起状のひだひだでブビュッ!ブビュッ!とイチモツから濃い子種を卑らしくしぼりとる。
「あっ!あっ!んうっ!んうううっ!!」
むちむちの淫肉でにちゅっ…!と締め付ければ締め付けるほど、びんびんに硬く膨らんでいく男のイチモツにうっとりと笑みを浮かべてしまう。

「あっ!あっ!あっ!あっ!」
自分を捕らえた男にもレンズ越しに視姦されていることを知りながら、大ぶりな尻肉を揺らし、卑猥な肉壺のひだで雄のいきり勃つイチモツからにゅぼにゅぼと子種をしぼりとる。
「あっ!あっ!あっ!あううッッ…!!」
本当にこれじゃあ雌犬だ。そう揶揄う声をかけられながら肉厚な肉の輪でむちっ、と勃起した太竿を締めつけ、じゅぽっ!じゅぽっ!と種をつけてくれるイチモツを豊満なムチムチの肉尻のむんむんに熟れた卑猥な肉ひだでしごきあげ、奉仕しながら、雄の亀頭からぶちゅっ…!と勢いよく精液が噴き出る瞬間を待ちわびる。
「あっ!あんッッ!!あっ!あっ!ああう…ッッ!!」
俺の淫蕩な奉仕姿に興奮したロキに、より激しく肉尻をずんずんと貫かれ、悦び声が溢れ出る。
「あああうッッ!!」
ぬっぽりと締めつけた肉壺の中で幾度目ともしれぬ中出しがぶびゅうううううっ…!と始まり、びくんっ!びくんっ!と震える豊満な肉尻の中にある突起状のひだひだに卑猥な亀首がぬぽっ…と乱暴に押し付けられ、ぶちゅっ、ぶちゅっ、と雄の欲望のままに白濁とした種がつけられる。
「あっ…ああっ…」
自ら重量のある肉尻をぶるッ…、ぶるんッ…、と大きく揺らしながら、雄の卑らしい種付けに屈した甘い声と淫らな屈服姿を二人の男に向けて晒し続ける――。





翌日、いつも通り剣闘士として闘技場で闘う俺の姿があった。

ロキの言葉に真実はあったのだろう。口には出さずとも老獪な男は何度も熱の籠る手で勝者を湛える仕草に見せかけながら、俺の腕を撫でさすった。いつかはこの男の前で弟と睦み合うのかもしれなかった。ぶびゅぶびゅと種付けを繰り返された肉ひだはねっとりと種汁で熟れ、挿入する男根を求めてひくひくと浅ましい伸縮を繰り返した。マントの中に隠された肉尻のむんむんとした雄のイチモツを欲する具合を知られたら、例え昼間でもロキに襲われていたのかもしれなかった。今日もまた夜になれば弟に呼び出され、買われた奴隷として犯される。ロキはいずれ銀で出来た小さな輪を持ってくるといっていた。所有印として胸の先端につけるのだと、事後の雄の種にどろどろにまみれた俺を見ろしながらそう呟いていた。犯すたびに輪の先につけた鈴を鳴らさせ、俺が誰のものなのかを知らしめたいのだと嬉し気に語っていた弟の姿を思い出す。僅かでも解放への期待をただ一人の兄弟に持ってしまった自分が酷く愚かに思えた。

ここに捕らわれる以上の妄執が、まるでユグドラシルの根のように絡みつく。それを払いのけることはもう難しいのかもしれなかった。