いかにして都市内での小対立を防ぐかという議論の中、興奮したソーは用意されたエールを口に含み、豪快に飲み干した。
ゴブレットの立てる硬い金属音、酒で濡れた薄紅色の唇は見惚れるほど艶やかだがすぐに手の甲で拭われる。平時から錯綜する対立関係に由来する猜疑から外部への抵抗がもろくも崩れていく。そのような落城の事例を数多く目にしてきた。人心を掌握しようと次代の王たる男は必死だ。愚かで、貪欲で、野心に溢れている。
「お前はどう思う?ロキ」
忌憚なき意見は兄の好むところだった。意に沿わぬ言葉を告げればその力強い眉を不快げに潜めるものの、暫し思考し、自分の主張と寄り合わせていく。他者の声に耳を傾ける寛容さはよりソーを好ましい主として印象付けるもので、玉座を欲する私にとっていつまでも抜けぬ棘のようにそれは目障りなものだった。
「簡単な話さ。王宮の宝物庫にある金銀財宝を彼らに配ればいい。すぐに貧富の差も内内での愚かしい諍いも影を潜めるんじゃないか」
「ロキ、俺は真剣に聞いているんだ」
「ふん…ある国の領主の言葉だ。彼らは降伏勧告に対して"天から来る襲撃はいざ知らず、地上より来る者に恐れはない"と豪語した。領主、市民、豪族が一致団結した好例さ」
樫の木で作られた楕円形のテーブルの上に手を伸ばし、下の中庭にある果樹園で取れた葡萄を口に含む。召使によって皮を剥かれた瑞々しい実が心地良く喉を滑り、酒で火照る肌を冷やしていく。
「すべての者達の不満を解消することは土台無理な話だ。蛮族の来襲にいつでも対処出来る様、内部に火種が生じれば多少強引な方法であっても潰していくしかない。彼らも町を攻略され、捕虜として両目を抉り取られ数珠繋ぎにされるよりはいいだろう」
「ふむ…」
納得しているのか、していないのか。どちらにせよ、すぐに結論を出せる話ではなかった。派閥からなる対立関係の調整は勿論、同胞団の防衛機構への組み込み、内外の脅威に向けて防柵や城壁、望楼などの防備の強化、戦争によって発生した流民達への処遇。抱える問題は数多く存在し、その一つ一つに慎重な対処が求められる。民の平和を願うその姿は偉大な父を髣髴とさせるもので、九つの世界を統べる者を目指し、日々兄は成長していく。
「……」
すぐに追いつける筈だ、と、幾度目とも知れぬ慰みを自分に向ける。いつの頃から感じ始めた思いなのか。この眩い黄金の輝きを放つ男を間近で見れば見るほど、言いようの無い焦りが心内に去来する。唯一人の兄弟に対する親愛は当然のようにある。だが同じ程の強さで栄光を勝ち取り続けるソーに対する憎しみが湧き起こり、心を蝕む暗い影になっていく。
「兄上」
自身の胸に生じた嫉妬を鎮める為に兄の名を呼ぶ。伺う眼差しを向けると頑丈で意思の強そうな目鼻立ちが自分を見返す。
「方策を論じたいのであればこのまま夜が明けるまで語り明かそう。酒を飲み続けたいのならばここは私の部屋だ。口煩い侍従もいない。誰に見咎められることなく飲めばいい。だが違う目的があるのならば…話はもうやめるべきだ」
「!?」
途端、薄紅色に染まる白肌が艶かしい。
「俺は…ッ…――」
ただ一度の敗戦だった。敵の居城に乗り込み、そこで目にした光景は異形の男に襲われる兄の姿だった。幸いすべてが奪われた訳ではなかった。素裸に剥かれ、幾度か肌を撫でられただけだった。屈辱と怒りで雷神の青い瞳は燃え上がり、絶命した男に自身の大槌を振りかざそうとすらしていた。私に諌められ、やっと自分の状態に気付いたソーの顔色が青ざめていく。
彼の陰部は明らかな興奮を示していた。
私は常と変わらぬ声音で誰も見ていない、と兄をなだめた。
その夜、私はソーを抱いた。自らの愚かな反応に傷つく兄弟が哀れに思えたからだった。兄は抗った。だが身体はその心ほど拒否を示さなかった。没薬の濃厚な焚香に包まれながら、ソーは"女"として私にその逞しい身体を明け渡した。
日ごろ同性と淫蕩な遊びに耽る私を揶揄していた兄に快楽を手解き、憔悴し動揺した心を慰めることもなく私は強引に関係を結んだ。
ひくひくと震える大きな肉尻の狭間からは私の白濁とした精がこぼれ、穴をうがたれた痕を隠そうと節張った無骨な太い指が必死に肉穴を覆う。だが誰の所有になったかは明白で、ふさいだ指の隙間から私の植えつけた子種は溢れ続け、頬を恥辱で朱に染めながらソーは雌として受精させられた身体を私の前に晒し続けた。
私はそれ以来、誰と交わる事もなくなった。兄の暖かな内部ほど私を惹きつけるものは存在しなかった。度重なる情事でソーは徐々に自分が誰のものかを認識するようになっていき、兄のひくつく肉穴に痛いほど張りつめた男根を押し当てると、無言の了承のようにそっと閉じられる瞼が何よりの証だった。
玉座を望む男は夜毎私の上で腰を振り、そのむっちりとした大きな肉尻で弟のものをくわえ、中のひだをたっぷりと硬い肉茎でこすられるのを待ち望むようになっていた。
「俺は…ただお前と…話をしようと…」
兄の発する乾いた低音がかすかな艶を帯びていく。
「ならば宵に来る必要はないだろう。こそこそと隠れて…アンタらしくないじゃないか」
動揺する男の幹のように太い上腕に触れてみる。すでに肌は熱い。兄が待ち望んでいるのだと思うと自分の心にも暗い愉悦が滲んでいく。
「この前の夜は覚えているか?兄上の侍女が蝋燭の明かりの下で詩篇を歌う部屋の前で交わった。私がアンタの口を塞ぐといつもより大きな嬌声が何度も唇から漏れそうになって…静かにしろと叱りながら穴がとろとろに熟れるまで私のもので突いてやったよな…最後はその部屋の前でたっぷりと大きな肉尻に中出しされて…重く太い両の太ももを恥ずかしいほど左右に大きく開いて…むちむちとした尻たぶの狭間にある肛虐でひくつく桃色の雌穴からとろとろと私の子種を垂らして…」
その夜のことを思い出したのだろう。熱い吐息ととも白い歯が下唇を噛み、頬だけではなく耳殻も首も淡い朱に染まっていく。いまやアスガルドの雷神は立派な雌犬で主の私だけが彼を御する術を知っていた。
「兄上…」
そう呼ぶだけで兄の青い瞳がじわりと濡れてくる。宵闇の中でも金色の絹糸のように煌く柔らかな髪を一房掴み、唇を寄せる。
ソーの髪からは土埃と日なたの匂いがした。今日も王宮の内外を一日中駆け回っていたのだろう。国を守るため、民を救うため、血生臭い戦や前の開いた外衣を纏う姦しい鵞鳥どもを好む反面、兄が時折見せる精神は酷く高潔で、オーディンから預けられたムジョルニアだけではなく、王位すらソーに与えられるのではないのかと一抹の不安が胸を過ぎる。
そのじくじくとした暗い心のまま、太い首筋に噛み付くとびくりと兄の体が揺れ、熱くなる肌が私の唇に心地良い熱を与えてくる。
「あっ…ロキ…」
舌で張りのある表皮を舐め、塩辛い汗の浮かぶ首をじっくりと味わう。感触がむず痒いのか、時折厭う様に頭が振られ、だが鎖骨の溝をなぞると快楽の小波を感じるのか、先を促すように大きな手のひらで漆黒の髪を撫でつけられる。
「脱がしてやろうか」
応えがないのは了承の証だった。ぷるぷるとした瑞々しい果実のような感触の薄紅色の唇に口付けながら、ソーの着衣を一枚ずつ取り払っていく。
「くっ…!」
すでに勃起している兄の敏感な一物に腰布がひっかかり、その刺激でしっかりとした線を持つ顎が上向きになる。黄金と褐色の境目が綺麗に溶け合った、硬い顎鬚を舌でなぞりあげながら全ての着衣を脱がせ、兄だけを素裸の状態にさせる。
「兄上…どこを触って欲しいんだ…?」
青い血潮の枝が透ける白く脆い肌を持つ私の手をとり、薄いその甲に兄が口付ける。児戯に等しい仕草だが、まるで忠誠を誓う者のような姿に笑みが浮かぶ。そのまま取られた手がソーの勃起した陰茎に寄せられ、鈴口がひくひくと口を開けた白い雌蜜を垂らす卑らしい太い肉竿が、触れられたことで喜ぶように私の手の中でびくびくと揺れ動く。
「…どの部分に触れて欲しいんだ。言わなきゃ分からないじゃないか」
自分の声音に僅かな苛立ちが混じる。
兄を捕らえた狼藉者が触れた部分が残らぬ様、すべての箇所をなぞり、しゃぶり、犯し尽くした。だが一番初めにソーに"女"としての官能を教えたのはあの男の指だった。兄が言わずとも触れて欲しい部分は知っている。伸し掛かる男が触れていた場所、くぱりと広がった赤紫の硬い肉傘のえらの艶々とした裏側。いまだ陵辱した男の影が残るソーは自身の矜持からそれを強請ることが出来ないのだろう。私が不快に思うことも知っている。しかしそこが兄の"悦い"部分だった。いつもひねるようにして亀頭冠のえらを強くこするだけで呆気なくソーは達してしまう。何よりも目障りで誰よりも私の関心を引く兄に、快楽を刻んだあの男が憎かった。
「ここに…」
私の指先に触れる手に力がこもり、自身の予想通り亀頭のえらに指をあてがわれる。請う事が恥辱に思えるのだろう。揺れる瞳がソーの動揺を語りかける。
「…ここに触れてくれ…」
男らしい太く確かな声が発する言葉はただの雌でしかなく、嘲笑の笑みを浮かべると悔しげに顔が反らされる。
「んッ!ぐっ…ぐうんッッ」
ごりゅっ…と自分の手の中にある筋の浮いた逞しい肉筒を根元から強くこすりあげる。
「んっ!ふっ…!んうっ…!」
熱く硬くなる陰茎を押しつぶすようにして激しく上下に摩ると、その下にある陰嚢がぱんぱんに膨らみ、私の手淫で淫らに精がたまっていく様を無意識に見せ付ける。
「はっ…!!んっ…」
ぶるっ!と私の眼前で厚い胸板の先っぽが勃起し、桃色の肉豆がむくむくと肥大する。何度も吸い付かれ、男の欲望のままに揉みしだかれ、乳を吸うようにしてしゃぶられたことがよく分かる、肉具と化した卑らしい色と形。今では着衣と軽くこすれるだけでもすぐに勃起してしまう淫らなそれに唇を寄せ、大きく育った乳頭を口に含み、れろれろと舌で舐めまわす。
「あっ!ああッッ…!」
甘く高くなる声が欲情を刺激する。わずかに乳の味がする桃色の肉芯を前後に軽く歯でしごきあげ、ぷくっ、と挿入を待つように開いた、しりこきった雌の乳穴にずぬっ…!と舌先を突き入れる。
「ひっ!?」
びくっ、びくっ、と眼前で兄の肉付きのいい身体が跳ね、手の中にあるソーの陰茎の亀頭がぬるりと雌としての刺激で濡れてくる。
「やめろッ!!ロキっ…それは嫌だ…ッ…!あっ…あんっ…」
何度この甘く暖かい乳穴の中に舌を突き入れただろう。兄の桃色の乳頭は左右ともすでに貫通済みで、常にたっぷりとぬぽぬぽと舌で突かれた後、私のよだれを乳穴からとろりと垂らし、敏感な肉突起をひくん…ひくっ…と穴を犯された余韻で震わせ、私の目を楽しませてきた。
「やっ!あうっ…!んっ…んうっ…!」
ずぽ!ずぽっ!とソーに羞恥を植えつけるためにわざと大きな挿入音を立て兄を嬲る。私以外の誰も触れてはいない場所。ソーの隠したいほど恥ずかしく、だがとても肉悦を感じる、兄が"雌"になる部分。あの男ですら知りえなかった箇所をまさぐり、その部分を犯すと、いつもソーを我が物とした雄としての優越感が自身を包む。
「んうっ!んううっ…!!」
ぶるっ…と舌をはみ出させた淫らな顔から喘ぎ声が漏れ、精悍な面差しが次第に犯されることに快楽を覚える飢えた雌犬の顔になっていく。
「嫌だッッ…!」
抗う言葉とは裏腹に、こちらの舌を押し返すほど、興奮で桃色の肉豆がぷるぷるにしこりきる。
「ふふっ…こんなに先走りの汁でぬるぬると肉竿を濡らしているくせに嫌なのか?いい、の間違いだろう?胸を私に犯されて苦しいほど感じている癖に…」
「違うっ!んっ!ひっ!ひんッッ…!」
ぬぽっ…と乳穴責めをする舌を引き抜き、兄への戒めとして触れられぬままだった片方の乳頭を強く噛む。
「んひッッ…!!」
ぶる!ぶるんっ!と重量のある大きな白い肉尻を上下に揺らしながら、ソーの肉付きのいい身体が強く震える。噛みつくだけで桃色の肉豆がぷるん!と勃起し、ぱくぱくと乳穴のひくつく、より卑猥な雌蓄姿を見せ付ける。
「兄上…アンタのここはもう誰が見ても女として犯されまくったことが丸分かりの卑らしい先っぽに変形しているぞ…乳穴をこんなにもひくつかせてぷるぷると肥大した乳芯がしこりきって…着衣とこすれるだけでぷるんと簡単にこの桃色の肉豆が勃起してしまうんだろう?私に逢えぬ夜はいつもこの舌と指を思い出しながら自分を慰めているんじゃないのか…?」
「ッ…!」
吸い込まれた息と青褪める顔でそれが真実だと知ってしまう。私を求めすぎる自分に恥じ、こっそりと閨で弟を想いながら淫らに自身を慰めるソーを思い浮かべるとそれだけで自然と笑みがこぼれ、屈辱に耐える兄の頬に甘く口付ける。
「ならばもっと強くここを吸ってやる…兄上がより苛烈に思い出せるように…」
見せ付けるようにしてよだれまみれの舌を見せ、ひくひくと勃起したまま震える卑らしい桃色の肉豆にむにりと舌先を押し付ける。
「駄目だ!ロキッッ!それ以上は…ッッ!あっ!ああっ!あっ!ひっ!ひんっ…!おかしく…なるッ…!あんっ!あんっ!あんッッ…!」
ずぽんっ!と音を立てて敏感な乳穴に蛇のようにぬめる舌先を挿入する。
「ひんっ!ひっ!ひっ!ひうんッ!!」
男らしい低音が一気に熱と甘さを帯び、淫蕩な雌声をあげながらソーが堅く私にすがりつく。女の胸のように大きく盛り上がる白い胸筋が乳を犯される刺激でぶるぶると上下に揺れ、その淫らな様が私の目を楽しませる。すべてが私のものだと、何度も心内で呟きながら硬く勃起した兄の肉竿を激しくこすりあげ、卑猥な淫声をあげさせながら、誰からも慕われる雄雄しいアスガルドの戦神を雌犬として射精させる。
「んむうッッ!んうっ!んう…っ…」
頬を赤く染め、凪いだ海のように澄んだ碧玉の瞳を濡らしながらびくんっ!と大きく身体を震わせ、真っ白な濃い精が兄の肉竿からほとばしる。
「あっ!ああっ…!!」
ぽたぽたと小さな雨粒のように漆喰で固められた床にソーの精が垂れていく。弛緩した熱い身体がぐったりと私に凭れ掛かり、放心の吐息が耳朶に吹きかけられる。
「んっ…うっ…」
まだ竿の中に残る子種を緩くしごくことで射精させ、兄のむちむちとした肉付きのいい下半身を白濁とした精でべったりと穢していく。
「はっ…あっ…」
「…ソー、私にあまり凭れ掛かるなよ…アンタの体は酷く重い上に大きいんだ。痩躯の私が支えられる筈もないだろう…?」
嗜める言葉に荒く息をつきながら兄が身体が引き離し、テーブルまで歩み寄ると載せられた陶器の皿や伝令書を乱暴に払いのける。情交の際、ソーに自ら動くことを覚えさせたのも私だった。行為の中だけではなく前戯から事後まで、流されるのではなく自分が弟を求めているのだという意思を行動として教え込ませた。大柄な身体が堂々とした造りの楕円形のテーブルの上に乗り、待ちきれぬように近づいた私の腕を掴む。
「んっ…」
柔らかな黄金の髪を撫でつけ、強引に口付けながら、筋肉の層が積み上がる見惚れるほど逞しい肉体の上に伸し掛かる。
「あっ…!」
女のように大きく肉付きのいい尻たぶを左右に広げ、頭を屈めるとひくつく桃色のすぼまりに濡れた舌を押し当てる。
「あッッ!?ああッッ!!あんっ…!」
浅ましいまでに左右に大きく太い太ももを開いた雌の姿でびくびくと兄の身体が揺れ動く。
「んうっ…!んっ…」
むちむちとした肉厚な桃色の肉の輪を円を描くようにして舌でなぞると、中のぬらぬらとした肉ひだが雄に陥落した証のようにぱくぱくとひだをひくつかせ始め、同性の勃起した太い肉竿で穴をかきまわすようにして犯されることを望む雌だと如実に伝えてしまう。
自身の肉棒が痛いほど張り詰めていることを自覚しながら、わざと穴ひだには触れず悪戯にすぼまりを愛撫し、淫らな味のする柔らかな壁を味わい続ける。
「ふっ…ぐんっ…!」
むちんっ、と桃色の肉厚で卑らしい入り口が熟れ、硬く逞しい雄の肉竿を待つ中の肉ひだが更にぬるぬると濡れてくる。つやつやとした皺の少ない肉壁は挿入するといつも嬉しそうに私の子種を穴から垂らしながらむちゅむちゅと竿をくわえ、卑らしい穴ひだで弟の勃起した男根をきゅんきゅんと締め付け続けた。むちむちとした肉の輪は食いちぎるほどの強さできつく締まり、根元までずるりと肛門に肉竿を突き入れ穴奥を征服すると、陵辱される喜びでぴくぴくと弛緩と淫らな肉の締め付けを繰り返し、肉膣と化した穴をたっぷりとほじられ、敏感な桃色の肉ひだをぶりゅぶりゅと硬い肉茎でしごかれる事を望み、その淫蕩な肉体は私をも情欲の虜に変えるものだった。たっぷりと中出しすると甘く高い雌声とともに息を呑むほど締め付けがきつくなり、女のようにぷるぷるとした大きな肉尻をひくっ…ひくんっ…と受精の悦びで震わせる。桃色のむちむちと熟れた肉穴はびゅくびゅくと逞しい太竿で白い子種を穴奥に植えられ続け、萎えた陰茎を抜くとぶっ…!ぶっ…!と雌穴から噴き出る私の子種を最後まで飲み込もうと、きゅっ、と肉穴がすぼまり、ぬぷんっ…と年輪のような肉ひだの媚肉に男の淫汁がじっとりとしみ込み、より雌として躾けられた卑猥な身体をただ一人の兄弟に見せ付けてしまっていた。
「あっ…あっ…」
べろべろと飢えた犬のように桃色の壁をしゃぶると中に欲しいソーの身体がもじもじと揺れてくる。だがそれをどうしても言えないのだろう。びくびくと肉悦で震えながら責める色を帯びた瞳が私をじっと見つめ続ける。
「ああッ!?あああっ…!!」
大きな肉尻の狭間により顔を押し付け、舌を軽く穴の中に突き入れる。きゅっ、と吸い付くように敏感な桃色の肉ひだが舌にからみつき、ぐりゅぐりゅとこするともう我慢が出来ないのだろう、頬を朱に染め、黄金の凛々しい眉を力無く下げた淫猥な雌の顔で兄が己の肉付きのいい白尻をぷるぷると上下に揺らし始める。
「ロキッ!頼む…ッ…頼むからもう…!」
「もう、なんだ?はっきりと言えば良いじゃないか」
「ッッ…」
恥辱で噛み締められた唇が暫しの逡巡の後、熱い吐息とともに淫らに解かれる。
「欲しいんだ…!いれてくれ…お前の硬く育ったものを俺の尻に入れて…滅茶苦茶にかきまわしてくれ…ッ…!」
次の瞬間、ソーの取った行動に愚かにも私の鼓動が強く跳ね上がる。焦らされすぎた兄は雌として犯される交尾を望むあまり、自らの太い指でにちりと肉厚なすぼまりをひろげ、こすりあげて欲しい中のつやつやとした桃色の肉ひだをひくつかせながら私に見せ付ける。
「なんて浅ましい男なんだ…雌犬のようなアンタが次代の王だと…?笑わせるな…」
自身の声に憤りと興奮が強く滲む。兄の両の膝裏を抱えあげ、欲情を覚えた男が口説なく女を犯すように強引にソーを貫き、突き上げる。
「ひッッ!!」
ずんっ!と一息で根元まで兄の肉尻に押し込むと犯す身体が強く痙攣し、びゅくっ!とソーの肉棒から精が垂れ落ちる。
「玉座を手にするのは私だ…兄上じゃない…アンタはこうやって永遠に弟の慰み者として生きていけばいいんだ…」
常に栄光や賞賛は兄の上に降り注いだ。ただ一人の兄弟は強い憎悪の対象で、だがそれだけではない感情も私の中では渦巻いていた。それが形をなして現われたのは幽閉されたソーを見た瞬間だった。自分が何を厭い、何を望むのか。
「はっ…ぐっ…!」
えぐる様にして含まされた勃起した雄の陰茎が苦しいのだろう。兄の額にじわりと脂汗が滲んでいく。まだ動くなとすがる瞳が私に向けられ、そのどこか自分の獣欲を満たす眼差しを見つめながら、自身の脳裏に望む未来が浮かび上がる。
王として君臨する自分の側に控える雄雄しく逞しい雷神。金色の髪を揺らしながら閨では私に抱かれ、永劫の従属を甘く誓い、身も心も弟の所有物として堕ちていく。栄華は沈まぬ陽のように私の上で輝き続け、民の憧憬と賞賛もすべて次代の王に向けられる。その私を誇らしげな顔でソーが見つめ、互いの姿に父母の面影を重ね合わせる。英雄オーディンと寄り添うフリッガ――。
「ロキッ…!」
自分の中でごりゅっ…と一際大きくなった弟の肉竿にソーが焦りの声をあげる。兄の立派な男根よりも更に逞しく、反り返るほど長く太く、血管が硬い樹枝のように全面にびっちりと浮いたそれは、同時に淫蕩な第一王子の好む玩具でもあった。
「あっ!あっ!あっ!あっ!」
兄の両脚を正面から抱えたまま、折り込むようにして伸し掛かり、赤黒く怒張した卑猥な亀首でむっちりとした大きな女尻を突きまくる。
「んっ!んうっ!んうううッッ!!」
ずぽ!ずぽ!ずぽ!と雌として犯されている交尾中だとはっきり分かるほどの卑らしい結合音が兄の肉穴から漏れ、その抽挿が更に激しく執拗なものになる。
「ふあっ!あっ!あっ!あっ!あんっ!ああッ!!」
固定された平板の上で白くむちむちとした大きな肉尻が勃起した太長い肉棒にこねるようにして肛門を突かれ、ぶるっ!、ぶるんっ!と大きく上下に跳ね、竿を淫らに含んだままの雌尻が陵辱する雄の動きにあわせてぶるぶると私の下で激しく小刻みに揺れ動く。ぶっ…!と飲み込みきれなかった私の先走り汁が男根の形にぱくぱくに開かれきった淫らな雌穴から垂れ、桃色のひくつく肉のすぼまりが白濁とした精でぬるぬるに濡れてくる。
「ひっ!やっ!? やああッッ!!あっ!あうっ!あんっ!」
突かれるたび、嫌悪の声をあげつつも年輪のように重なる敏感な桃色の肉ひだがきゅんきゅんと卑らしく締まり、ずんっ…!と勃起した雄の硬い肉竿で無防備な肛門を犯される度、びくびくと曲げられる足指が"女"としての降伏と肉悦をあからさまに見せ付ける。肉尻をぬぽぬぽとふとましい竿で突かれ、桃色のむちむちとした雌と化した恥ずかしい肉すぼまりを弟の男根の形にびっちりとひろげられ、肉の輪が貫通済みの雌穴だと分かるほど何度も前後にこすられ、男を受け入れる入り口としてむちっ…と卑猥に熟れていく。
「ああッッ!!ひっ!ひっ…!」
互いの体勢からすがりつくことが出来ないソーが私の朽葉色の胴着を掴み、激しい肛虐に耐える。
「ひあッ!あんっ!あっ!あっ!あッッ!!」
突かれるたび、切なげに眉を寄せる兄の雌顔を視姦しながら、欲情のままに腰を振り、ぱんぱんと女のように大きな肉尻を浅ましい速さで突き上げる。ソーの雌として熟れ切った肛門は中がとろとろに熱く、どこまでも敏感な桃色の肉ひだがぬめる口内のようにねっとりと勃起した一物に絡みつき、樹枝のような血管が全面にびっちりと浮いた、卑らしい形をした赤黒い肉竿をずりゅずりゅと濡れたびらびらで嬉しそうに食みしごきあげる。その淫らな心地に導かれるようにしてぱんぱんぱん!と貫く速度をあげると卑猥な亀首からつやつやとした開ききった大きな肉えら、ごつごつと興奮で浮かぶ竿の血管の形まで、一本の男根を亀頭から根元まですべて敏感な桃色の穴ひだで味合わされる兄の眦から屈服と歓喜の涙が滲み始める。
「ああっ!ロキッ!ロキッッ!んっ!あう!あうっ!あううッッ!!」
より羞恥を植えつけるために両の足首を掴み、浅ましいほど左右に大きく広げさせる。
「んっ!んうっ!んんっ…!」
むちむちとした太い太ももが腱が浮くほど開ききり、むちっ…!と熟れた桃色の肉の輪を陵辱する男の前に突き出した恥ずかしい雌蓄の体勢で、肉付きのいい肉尻をぬぷぬぷに犯される。
「んひッッ!!あうっ!あっ!あっ!あうっ!あうんッ…!」
明らかにはめられる事を悦ぶ、高く甘い雌犬の声がソーの赤く熟れた唇から漏れる。ずんずんと肉尻に卑猥な竿突きをされ、その度にびくんびくんと男根の形にひろげられたぬるぬるの恥穴ごと重量のある恥ずかしいほど大きな白尻が私の下でゆれ動き、敏感な肉肛門をぶるぶると挿入した竿で卑猥に揺らされながら穴奥までぬっぽりと腸道を犯される。
「ふあッ!!んぐうっ!あうっ!あうんっ!あうんッッ!苦し…ッッ…!ひっ!ひうんっ!ひんっ!ひいんッッ!!」
女のように大きく張りのある肉尻の狭間でひくつく桃色の肉穴がずるんっ…!と弟の赤黒く巨根を飲み込まされるたび、勃起しびんびんにそりかえった肉竿の形に穴が何度もぱくぱくと熱く淫らに開き、敏感な肉ひだがにゅぐんっ…と挿入された太竿を包み込み、きゅんきゅんと浅ましく締め付ける。
「ふふっ、兄上…アンタはいつでも貪欲だ…いつも私を受け入れている"ここ"で女のように達したくて仕方がないんだろう…?中でびゅくびゅくと出されるのも好きだよな…肉穴が一番きつく締まって…私が種をつけたあとでも男の竿を放しまいと種付け済みの卑らしい肉ひだでにゅぶにゅぶと締め付けて…」
「…ッ…」
それ以上のからかいを聞きたくは無いのか、無言で熱を持つ唇が私に押し付けられる。女ほど柔らかくはないものの、十分に心地良い皇かな表皮。まるで恋人のように私を甘くとがめる仕草。ソーを襲ったあの男が永遠に得られなかった兄の従順な姿に興奮がいや増し、嫌がる声を無視したまま肉悦の赴くままに腰を振り、大きな肉尻を幾度も幾度も平板の上ではねさせ、一番兄の弱い場所を赤黒い肉竿でぬぷぬぷと小刻みに攻め、腸道を雄を満足させる雌の穴として完全に躾けていく。
「くっ!んああっ!あっ!あうっ!ふああッッ!!」
全身にむちむちと卑らしく肉のついた肉付きのいい身体に荒々しく伸し掛かり、最奥に隠された蜜壷に種を植え付けるためにひたすら乱暴に腰を振る。
「ひっ!ひうんっ!ひっ…!」
雄雄しい兄が雌顔のまま口端からよだれを垂らし、激しい肛虐に嫌がりながらも抗うことが出来ず、ぬぷぬぷにその大きな雌尻と中の卑猥な雌ひだを余すところなく犯される。陵辱する男の竿の形に広がり、敏感な桃色のびらびらが腸液と子種でぬるぬるに濡れた、膣口と化した熟れた肛門が赤黒い太竿でぐちゅ!ぐじゅううう…!と間断なくはめられ、桃色の穴ひだが肉穴からぶるりとはみ出すほど浅ましい早さでにゅぼにゅぼとこすられる。
「ひあっ!ひっ!ひんッッ!!ロキッッ!もう…っ…おかしくなる…ッ…!!」
昇る朝陽のように煌く黄金の髪が眼前で振り乱れ、武勇に長けた好漢とは思えぬほど恥ずかしい、涙とよだれにまみれた雌犬の顔でソーが慈悲を請う。
「んっ!んうっ!あうっ!あううっ…!」
きゅん!きゅんっ…!と年輪のように重なる桃色のびらびらが締め付ける感覚が早くなり、雌としての交尾で達する間近だということを私の猛りきった肉竿に伝えてくる。中に出すことを伝えるためによりずぐっ…!と肉穴をほじり、兄ですら触れることの出来ぬ最奥のひだに卑猥な亀首をずりゅッッ…と強く押し付ける。
「あっ!? あああああっ…!!」
あがる声がますます甘く濡れてくる。竿をくわえたままの汗まみれの大きな白い肉尻が切なげにぷるんと震え、一番ソーが雌になってしまうむちむちとした桃色のひだ奥がびんびんに興奮した雄の亀頭ににゅぷりとさぐりあてられる。
「ひっ!ひっ!ひっ!ひんっ!ひっ!」
口端を笑みの形にゆがめながら兄がむちむちのひだ奥をずぽずぽと赤黒い亀首で犯される。
「駄目だ!そこはだめだっ!だめだッッ…!」
男としての矜持からかまだ私を拒むふりをするソーの耳殻に戒めとばかりに噛み付き、淫らな雌声をあげさせる。
「ロキッッ!あひっ!あっ!あんっ!あんっ…!むっ、無理だッ…!!あうっ!あうっ!あううううっ!!」
はっ、はっ、とよだれまみれの肉厚な舌が何度も兄の唇からのぞき、むちむちとした柔らかで敏感なひだ奥がごりゅ!ごりゅ!と容赦ない激しさで私の亀頭に押しつぶされる。
「やあ!あうっ!あうううっ!!」
一番弱い部分を攻められ、完全に尻奥が女の肉膣と化したソーがきゅうっ…!と桃色の肛門をすぼませ、中の卑らしいびらびらで私の勃起した長大な男根を先っぽから根元までぬっぽりと締め付ける。
「んうっ!んうっ!んっんっんッんッ…」
ぐちゅっ、ぐちゅううう…っ、とぬるぬるに濡れた肉ひだの突起が食むようにして肉竿に絡みつき、短い喘ぎ声とともにまるで手淫で竿を慰めるようにそのぬるぬるのびらびらがぬちゅ、ぬちゅっ、と血管が樹枝のようにびっちりと浮いた赤黒い巨大な肉棒を己の卑らしい肉ひだの輪で締め付け、淫らにずりゅりとこすりあげ、徐々にさする早さをあげていく。
「ロキっ…あんっ!あんっ!んっ…んうっ…」
己の男根に感じるむちむちとした肉ひだの無数の突起と、精をしぼりとるかのような淫らな締め付け、ずりゅずりゅ、ずりゅずりゅと間断なく続く肉棒への肉しごきは明らかに子種を欲しがり奉仕する雌蓄の姿で、自分が躾けた淫らな兄の姿に雄としての征服欲が膨れ上がり、敏感なむっちりとしたひだ奥にひっかけた硬い亀頭冠のえらでひくつく尻穴を凶悪なまでの早さと激しさでずぽずぽと攻め立てる。
「やあっ!やああっ!あうっ!あううッッ!!」
両の足首を掴み、浅ましい早さで腰を振ると重量のある大きな雌尻が私の陰嚢の下でびくっ、びくんっ、と揺れ、ぶぶぶぶぶっ…と卑猥な肉振動をひくつく雌穴にされ、くぱっ…と雄の勃起竿の形に熱く開いたとろけきった淫穴が男の子種でぬるぬるになっていく。
「あッッ!!あっあんっ!あうっ!あっ!あんっ…あうっ…!」
自身の獣のような吐息と発情したソーの甘く高い雌声が幾度も重なり、明らかに女として屈服し支配された状態で兄が淫らな肛虐を味わい続ける。むっちりとした重量のある白い女尻の狭間でずりゅ!ずりゅりゅりゅっ!とソーのむちむちの肉ひだが何度も童子の腕ほどもある私の男根の形にぬっぽりと広がり、湯気があがるほど激しく敏感なひだひだをしごかれる。
「んっ!んうっ!んっ…!」
もっともソーが雌になる敏感なひだ奥は種を植えつける場所として確かめるようにずんッ!ずんッ!と激しく突かれ、ぶるんっ、と卑猥な仕草で赤黒い亀頭に桃色のぬるぬるとしたひだの突起を押しつぶされ、くぷっ…と鈴口に浮いた白濁とした子種をその突起にぬりゅぬりゅと卑らしく塗りこめられる。
「だめだっ…ロキッ…あっ…あんっあっ…あんッあうッ…!」
執拗な陵辱で穴奥を犯されることしか考えられなくなった兄が忘我の笑みを浮かべながらずぽずぽと私に大きな肉尻を犯される。平時の精神を僅かに残したソーはその眉根を時折険しく寄せるものの、ひだ奥をぬぽぬぽと卑らしく亀頭でしごかれると途端にぷるぷると肉尻を揺らしながら甘く大きな淫声を上げ、完全に受精器としてはめられ悦ぶ雌の顔でだらりと舌を出し、駄目だと何度も私を諭しながら女として肛門をずにゅずにゅと激しく貫かれる。
「あっ!あっ!ロキ…ロキ…ッ…」
「兄上…」
名を呼ぶと、自分を手篭めにし、支配した男からの口付けを受け入れるために赤く熟れた唇がうっすらと開かれる。
「んぐっ…!んぐうっ…んっ…んぐうんっっ…」
隙間の無いほど濃厚に唇を重ね、ひだ奥を突くたび上がる雌声を自身の口腔ですべて吸い上げる。
「んうっ…んううっ!んうううっっ…!!」
甘い鳴き声とともに熱いソーの口内を堪能しながら、ゆっくりと自身の巨大な竿をむっちりとした桃色の雌穴から抜いていく。ずりゅうううっっ…と平時の兄であれば耳をふさぎたくなるほどの淫らな水音が結合部から漏れ、抜けていく雄の肉根を放すまいとむちむちとした重量のある両の尻たぶがにちゅっ…と勃起した男根をはさみこむ。
「あっ!!あっ…」
肉の輪に亀頭のみが含まされた状態まで引き抜き、激しい口付けで濡れた唇を離し、戸惑うソーの顔をじっと見つめる。
「ロキ…」
兄の声に慰みの色が混じる。すべてを強引に奪っても尚、私を守り、慈しもうとするその姿に僅かな苛立ちが芽生え、労わりの光を瞳に湛える愚かな男の顔を見つめたまま、一息に竿を穴に押し戻す。
「ひッッ!? やああああああああッッ!!」
部屋の外に漏れるほどの大きな嬌声がソーの口から漏れる。突き入れられた瞬間、泣きそうに顔をゆがめながら兄が自身の肉竿から大量の精を吐き出し、同時ににゅぐん…!と強くしめつけた桃色の肉ひだの中でぶくっ、と私の亀頭冠がふくれあがり、赤黒く怒張し大きく開いた鈴口から飲み込みきれぬほどの熱い子種を流し込まれる。
「ひっ!? ひんっ!あひっ!あひんっ!ひいんッッ…!!」
そのどろりとした淫汁の熱さに耐え切れなかったのだろう。種付けされる肉付きのいい身体がびくびくと私の下で揺れ、熟れた雌穴にびゅぐりと種を植え付けられながらむちむちとした白く大きな女尻がかくかくと上下に浅ましく揺れ動き、雌としての淫らな交尾姿を丸見えにさせ、じゅぷっ、じゅぷっ、と恥音を立てながら竿の形にぬっぽりと開いた肉厚な桃色のすぼまりから中出しされた男の子種が幾筋も流れこぼれ落ち、雄の激しい種付けを受け続ける。
「んぐっ!んうっ!んうううッッ…!!」
恥辱の涙が長く濃い睫を持つ眦から流れていく。だがそんな惨めな境遇にあっても、兄は何よりも愛しい弟である私を責めることも、抗うこともせず、結合部を雄の前に突き出した淫らな雌蓄としての体勢のまま、たっぷりと濃厚な受精を尻奥にされてしまう。
「あっ…!はっ…」
どれほどの量を注いだのか思いだせないほどの大量の中出しの後、ぬるうう…っと敏感なひだをこすりあげながら萎えた肉竿を引き抜き、長い陵辱を終わらせる。
「んうッ…!」
ソーの恥ずかしいほど大きな肉尻が竿の抜け出る淫らな刺激でびくびくと揺れ、ぬぽんっ、と萎えてもなお巨大な亀頭冠が兄のたっぷりと貫通させられたむちむちの桃色の肉穴から湯気とともに抜かれていく。
「はっ…あっ…」
どぷっ…とソーの肉尻から音が漏れ、丸みのある、ぷるぷるとした愛らしい桃色の陰嚢の下にひくつく雌穴から種付けを終えた子種がぬろぬろとあふれ出す。
「ロキ…」
小さな声で名を呼ばれ、事後の口付けを欲した囁きだと介した私が兄の頤を掴むと軽く左右に頭が振られる。
いまだ受精の衝撃で浅くなる息を懸命に抑えながら、黒く濃い睫を涙で濡らした澄んだ瞳が私に向けられる。
「…っ…くっ…」
投げ出された四肢が平板の上で艶かしく震え、汗と精にまみれたソーの恵まれた体躯を、呼吸が整うまで自身の白い手でそっと擦り続ける。
私を苦労しながらもすべて受け入れた兄を見るたび、自分の中で隠れている何かが頭を擡げそうになる。暖かなスープのように熱の点る言葉を乗せた舌を口蓋にすり付け、唇から漏れ出る前にそれを押しつぶす。
「――なあ…ロキ…王を選ぶのは俺でもお前でも…全能の王である父上でもない――民だ。民が次代の王を選ぶんだ」
「…ふん、だからもし私が玉座を得られずともアンタを恨むな、とそういいたいんだろう?」
皮肉げな笑みを浮かべた私の頬を大槌を握ることで厚みを増した指の腹が撫で上げる。
「…いや、俺を恨みたいならそうすればいい。俺はお前のすべてを受け入れるつもりだ…。だが黄金の王冠がどちらかの頭上に掲げられるその日まで、ともに切磋琢磨し、良き王を目指すんだ」
「あくまで私に玉座を譲る気はないのだな」
「ああ、勿論だ。お前ほど優れた好敵手はいない。俺がみすみすその機会を手放すと思うか?」
まるで悪戯盛りの少年のような笑顔が兄の顔に浮かぶ。どこまでも眼前の男に絡めとられていく自分が、その輝きに惹かれ続ける自分が惨めなものに思えてくる。
憎しみと愛情のどちらの比重が増していくのか。いつか兄弟の絆を断ち切り、その命すら奪う瞬間がやってくるのか。
嵐が来る前の海のように、波打つ褪せた灰色の心が私を満たしていく。
「ロキ…」
今度こそ口付けを欲する囁きが兄の唇から漏れる。愛憎の篭る口付けにソーは甘く瞳を潤ませ、無償の愛情をその顔に滲ませる。ゆるく喉下を噛むと先を促すように逞しい前腕が私に絡みつき、二度目の交合を味わうべく受精で火照る白肌に濡れた舌を滑らせる。
自身の変質を恐れる私は明けぬ夜を望み、ただ一人の兄弟に愚かにも溺れていくのだった。