「……」
自分に凭れかかる弟の重みで目を覚ます。アスガルド脱出後の難民船での生活。何故か弟であるロキは俺の部屋で眠ることが多くなっていた。
"お前は案外いい奴かもな"
そういって弟を抱きしめた。あの瞬間から気難しい義弟のより傍にいることを許されたような気がしていた。自分を裏切らない見返りとして、二人だけの時は積極的に口づけを仕掛け、いまだ女役に慣れぬ身体を差し出した。相性がいいことはすぐに気付いた。もう異性との性交では満足できないほどの淫蕩な悦びがそこにはあった。何度も"貫いて欲しい"と俺はロキに懇願した。焦らされると身悶えた。ヨトゥンでもある弟の精液は酷く濃くねばついたものだった。それがぶちゅぶちゅと音を立てて、自分の肉ひだに植え付けられる。種付け後はくぱりと肉の輪を左右に押し開かれて、受精したかどうかを検分される。ロキがその征服され尽くした俺の身体を見て、欲情すればまたそこで激しく犯される。悪戯好きの弟は自室の外に人がいる時にも俺を抱くのが好きだった。いつ扉をノックされるかも分からない緊張感で、より敏感になった俺の肉穴はびくびくと震えながらロキの長大ないちもつをくわえ、不安と興奮で感度の増した女のように大きな肉尻を熱く激しく犯された。そうして室外の喧騒が聞こえる状態での容赦のない中出し。いつも種をつけられ始めると悦びで俺の舌はぶるりと口元から大きくはみ出してしまっていた。中でどくっ、どくんっ、と粘つく大量の種汁がそそがれるたび、はしたないほど大きく広げた両脚の足指がびくびくと縮こまってしまう。根元までくわえさせられた弟の巨大な男根をずるりと糸を引きながら抜かれると、抜いて欲しくなくて肉厚な肉の輪でむちゅっ…といちもつをきつく締め付けてしまう。下半身だけを脱がされ、壁一面の窓に身体を押し付けられ、酷く肉付きのいい下半身をあらわにした状態で背後から激しく犯されることもあった。曇りのない窓は容赦なく貫かれる俺の惨めな姿もはっきりと映し出した。自分がどんな浅ましい表情で弟を受け入れているのかも。中出しされ、調教された身体が同時に自分の肉棒からも勢いよく精を噴き上げる。それが真っ暗な宇宙を映す窓にべっとりとかかっていくのも酷く惨めさを感じる瞬間だった。
「……」
ロキが寒さを感じぬようにはみ出した白い肩に毛布をかけてやる。犯さされば犯されるほど、二人きりの時の弟は奇妙な甘さを増していった。求婚する男のように熱っぽい目で俺を見たり、手の甲に恭しく口づけられたり――かと思えば急に襲われ、卑猥な体位で女のようにロキを受け入れさせられることもあった。二人だけの時は常に俺の恥ずかしいほど大きな肉尻の中は、中出しされたヨトゥンの雄の精液でいっぱいだった。僅かでも動くと垂れてくる。ぱんぱんに種汁が詰まった豊満な俺の肉尻を頻繁に弟は撫でまわした。俺の肉尻がロキの種を吸って育っていくことを弟は楽しんでいるようだった。実際にいつも身に着けている黒革のボトムは臀部の部分だけが段々とキツくなっていた。むっちりとした大きすぎる二つの尻たぶにはさまれた肉厚でむちむちの肉の輪は、甘い口づけを受けるだけで皺の少ない穴ひだが浅ましくひくつき出す。ロキは良く着衣の上からでも俺の"入口"を探り当て、指の腹で突き立てるように刺激した。弟の細い指では決して満足できない肉の輪が硬くて大きく膨らんで卑猥な形状をした雄の竿が欲しくてぱくぱくと恥ずかしい雌収縮を繰り返す。その状態で交尾する部分をむき出しにされるともう屈服するしか、俺に残された道はなかった。容赦なく勃起したヨトゥンの巨根を挿入され、悔し気な、だが悦びに溢れきった俺の雌声が大きく部屋中にこだまする。そうして根元まで肉の輪にいちもつを押し込まれた状態での雌にした俺への中出し。種付けで育っていくはしたない肉尻を随時調べられるのも、むちむちの肉の輪に肉厚な長い舌をずぬりと挿入され、雄の欲望のままにズコズコと肉ひだを味わわれるのも、ヨトゥンのいちもつで肉尻がはしたなく達した回数を数えられるのも、どれも酷く屈辱的で、だがどうしようもなく感じてしまうことだった。恥ずかしがりながらも犯される雌として感じてしまうとすぐにロキはそれを察知し、より興奮してしまう。ぬちょぬちょと激しい結合音を立てながら豊満な肉尻を穴ひだがめくれあがるほどズポズポと犯されてしまう。弟は何度も、俺が昔から無意識に弟を誘っていたと語ることがあった。こうして欲しかったから誘っていたんだろう、とも。俺はそれを否定したかった。だが抜き差しでぬちゅぬちゅに肉ひだがかきまわされると、嬉しげにぶるりと舌がはみ出し、淫蕩な肉の悦びで何も考えられなくなってしまう。そうして肯定するように種をつけられると甘くよがる雌声をはしたなく上げ続けてしまっていた。
自身の頬に触れる漆黒の髪に口づけ、ついで秀でたロキの額に唇を落とす。シャワーを浴びた後の弟の髪は香油で整えられていない分、丈短な野草のようにふわりと軽い感触のするものだった。子供の頃のロキの素直な笑顔と駆ける度に跳ねる柔らかな髪を思い出す。こうして無意識に寄り添うのは俺への甘えでもあるかもしれないと思うと、思わず口元が綻んでしまう。どういう形であれ欠けた繋がりが戻ってきたようで、それは俺の心に暖かなともし火を残すものだった。