兄の髪を見ると雄馬の見事なたてがみのようだと思う。
艶があって陽の光にきらめいて、触れるとさらさらと手の中で流れていく。

湯浴みする姿を覗いたのは悪戯のつもりだった。兄の性器が小さければ、兄弟らしくからかってやろうと思っていた。だが兄の身体はどこもかしこももう成人した男性に近く、立派な体躯を持っていた。臀部は存外に大きかった。水に濡れたそれは白く柔らかそうだった。私はその夜、あまり眠れずに時を過ごした。眠ると兄の身体が脳裏に浮かんでくる。自分の一部が熱くなったことは自覚していた。だが罪悪感からそこに手を触れることは出来なかった。

私は次の日、庭園に兄を呼び出し、取り留めもない話をした。兄弟としての時間を過ごした兄は嬉しそうだった。別れ際、アーチから薔薇の花を手折り、兄の髪に差し込んだ。突然の行動に驚いたのだろう。青い目が僅かに見開かれる。周囲には青々とした花の香りが広がり、陽光は穏やかにきらめき、眼前の兄は酷く美しかった。触れた手は振り払われなかった。私はおずおずと顔を近づけた。まだ驚いた顔をしている兄に優しく口づけ、その逞しい身体を抱きしめた。

"ロキが変なんだ"
魔術を使い、母の部屋を覗くとそう兄は相談していた。何をされたのか具体的な事は相談出来ないのだろう。詳細を訊ねる母にただ兄は最初の言葉を繰り返した。
"ソー、ロキはあなたのことが大好きなの"
細い母の腕が優しく兄の大きく育った身体を抱きしめる。
"だから分かってやって…"
そう諭され、兄が頷くのが見える。何故か酷く欲情が自分の身の内に渦巻くのを感じていた。

私はそれ以来、二人きりの時は良く兄に触れるようになっていた。兄は戸惑い、だが私への愛情から抗えないようだった。興奮とともに寝衣をめくり、兄の薄い下生えをじっと眺める。兄はもう私が欲望を感じていることを理解しているようだった。尻も太ももも大きい、むっちりとした豊満な下半身を露わにさせ、柔らかい肉塊のままのペニスを触り、兄を弄ぶ。時には自分の勃起した肉棒とすりあわせることもあった。だがどんなに嬲っても、兄の十分に大きな男根が芯を持つことはないままだった。私は焦れ、大きな胸に噛みついた。むっちりとした二つの尻たぶの狭間に硬く膨らんだ肉棒を差し込み、ぬるぬるとすり合わせた。悪戯された兄は何度も嗚咽をこらえるように唇を噛みしめ、小さく震えた。挿入はしないものの、指で押し広げ兄の肉穴もじっくりと観察した。初々しい桃色で少し広げると呼吸とともにうごめく内部もしっかりと見えた。私はそこに自分の鈴口に浮かんだ精液を塗りこめた。兄の初々しい肉の輪はにごった私の体液で汚され、酷く大きな肉尻のはざまでぬらぬらと種にまみれて光る肉穴が見えるさまは私に多大な欲情を齎した。

その後、数か月も待つことはなく私は兄を貫いた。貫かれた兄は酷く悲しそうだった。兄の股の間でぶるぶると揺れる男根は萎えたままだった。私は何度も内部で射精を繰り返し、兄の豊満な肉尻を私の精液でたっぷりと満たした。ぶるりと射精した精液をこぼしながら穴から自分の竿を抜くと、兄は自らを落ち着かせるかのように呼吸し、犯された肉穴から種付けされたばかりの熱い精液をどろりと垂らした。私は受精の余韻で震える兄の身体を抱きしめ、自分を嫌っているかと問いかけた。兄からの答えはなかった。辱められても私を愛しているのだと、その沈黙は答えていた。私は微笑み、兄を抱きしめながらゆっくりと瞼を閉じた。