MELLOW
磨かれたばかりの艶かしい爪を持つ、白く形のいい指が自分の髪を編みこんでいく。
革紐で作られたばねの効いた寝台の上で胡坐をかき、まだ眠気の残る頭でその心地よい刺激を味わっていた俺は首筋に齎された口付けで自分の髪が結われたことを知る。
「ロキ、お前は本当に器用だな」
「兄上が不器用すぎるのさ。こんなこと誰でも出来る」
お互い簡素な長衣を素裸の上に纏っただけの姿だった。二人で朝を迎え、天蓋のように覆われたキルトの中で弟に甘く口付けられながら一時課の鐘をぼんやりと聞いていた。
「だがこのような事は召使い達に任せればいい」
「私は自分のものをあまり他人に触れさせたくはないんだ」
「お前のものか?」
片眉を上げ、悪戯気な笑みで背後を振り返ると存外に真面目な表情をした弟と目線が合う。
「ああ、私のものだ。私達が兄弟として引き合わされた時からずっと…」
何故ここまでロキが自分に執着するのか。それは俺自身にも、そうして弟自身にすら分からないことかもしれなかった。
成長とともに自分の栄光の影で弟は懊悩し、影を増していくただ一人の兄弟を見捨てることが出来ずに手を伸ばした。
徐々に病んでいくロキが欲したものは自分の心と身体だった。
最愛の弟を助ける為に何の躊躇があっただろう。
女を抱くことに慣れてはいたが、女のように抱かれることには慣れていない自分の身体は交合の度に酷い痛みと混乱を齎した。だが弟が喜ぶのであればそれで良かった。肉竿でこすられすぎたせいで切れて血を流す肉穴を痛ましそうに見つめられる度、大丈夫だと声をかけ、悲しげな顔をするロキの頬を安堵させるように幾度も撫でた。
少々屈折はしたが、自分の中ではいつまでも庇護の必要な幼い弟のままで、ロキが望むことは兄として何でも叶えてやりたかった。
『あっ…ふっ…!ああッッ…』
だが徐々に互いの関係は交わることによって変わり始めた。熱く甘い囁きを注がれるたび、肌が熱を帯びるようになり、抱きしめられ首筋を食まれるたびに、びくびくと筋骨逞しい自分の身体がたやすく震え、芽生えた肉の悦びでじわりと碧玉の瞳を淫らに濡らすようになっていた。
弟もそれに気付いたのだろう。より執拗に、ねっとりと夜は攻められ、官能を感じる場所を探られるようになり、衆目の下でも腰を引き寄せられ、未成熟な青年の持つ情熱そのままに、想いの丈を囁かれるようになっていた。
『ロキっ!ロキッッ…!!』
強い痛みを感じた肉穴への挿入も、次第に卑猥な形をした亀頭に腸道をぬぷりと広げられるだけで浅ましく自分の肉竿が勃起するようになり、ぱんぱんと女のように大きな尻を太くごつごつと血管の浮いた弟の逞し過ぎる竿で小刻みに貫かれるだけで淫蜜を鈴口から嬉しそうに垂らし、ぶるぶると竿の膣突きにあわせて自分の勃起した肉竿を腹にぺちぺちと当たるほど品なく上下に揺らすまでになっていた。
『ひっ!んうっっ…!!』
肉棒でごりごりとこすられ、肉厚な入り口は狭く、だが中はどこまでも貪欲ににゅぐにゅぐと雄の竿をくわえたがるはしたない穴をずんずんとほじられ、肛門性交でひくひくと中のむちむちとした桃色の肉ひだが熟れきったメス膣と化した穴奥にたっぷりと中だしされるといつも俺はあっけなく達してしまい、尻の中にびゅぐっ、びゅぐんっ…、と弟の白濁とした子種を激しく注がれ、あひあひと喘ぎながら自分の肉棒から放尿のようにびゅるるっ!と雌としての淫蜜を垂らしてしまっていた。
弟に淫蕩さを呆れられ、からかわれるほどになってしまった自分の女と化した身体を俺は必死に律しようとした。だが砂地に吸われていく水のようにそれは止めようの無いものだった。何より弟のものとして馴染み、耽溺するほど、ロキの中から苦しみや憎しみとしての陰鬱な影が取り除かれていくようで、愛を囁き返すと驚きながらも素直に喜ぶ弟の顔は自分が長年追い求めた少し気が弱く、だが未来への期待に溢れていた少年時代のロキと同じ気がして。永遠にこの支配から逃れられない事は自身にとって苦しみであり、犠牲からなる喜びともなってしまっていた。
「ソー、サイコロ遊び
(ドランケ)でヴォルスタッグから取り上げた奴の短靴を二度と私の部屋には持ってくるなよ」
「残念だな。いい土産だと思っていたんだが」
豪快に笑いながら弟から柔らかな口付けを受ける。昨夜のようにもう一度俺が欲しくなったのだろう。熱を持ち始めた下部が背後からゆっくりと押し付けられる。
「…ロキ、昼までには三銃士とともにヴァナヘイムへと赴かなければならない。あの国の統治はいまだ不安定で、民が安心して暮らせるよう城壁と望楼をより堅固なものに補強しなおす必要があるんだ」
「流石だな、兄上。常にアスガルドの王子として市井の者達のことばかり考えて…。ただ一人の弟の願いなどアンタにとってはどうでもいいことなのだろうな」
「ロキ…」
「欲しいんだ、いつも。いつでもだ…。少しばかりの時間を私にくれてもいいだろう…?」
どうしてこんなにも負の感情に曇る弟の瞳を見たくは無いのか。
少しの間だけだ。そう告げると唇を強引に奪われ、ぐちゅぐちゅと舌を絡ませあいながら羞恥を与えるように下から長衣をめくられ、女のように豊満な肉尻をもみこまれ、挿れられることに慣れてしまったはしたない肉穴の入り口を指の腹でしこしことこすられる。
「んっ…うっ…!」
まだ中の年輪のように重なった桃色のびらびらにはねっとりと掻き出しきれなかった弟の子種がしみていて、すぐにその種汁でぬれた指の腹がなじませるように中の肉ひだをにゅぐにゅぐとこね、俺の過敏なほど感じるようになってしまった肉厚な肛門を指でぬっぽりと犯し始める。
「あっ…!ああっ…」
穴を犯され、ぶるぶると自身の肉尻を浅ましいほど激しく揺らしながら陵辱される期待で口の端をつう…と唾液が垂れていく。
「はっ……」
ぬちゅっ…と卑らしい水音を立てながら手淫でむっちりと中の肉ひだが熟れたはしたない肉穴から白く細長い指が抜かれ、背後から肩を軽く押され、腰だけを高く掲げた状態で寝台の上にうつ伏せにさせられる。
「…っ…」
僅かな羞恥とみだらな期待で自分の喉がごくりと鳴る。
くぱっ…、と弟の肉竿になじみきった桃色のむちむちとした肉穴を両の親指で左右に大きくひろげられ、中のねとねととロキの子種がこびりついたひくつく貫通済みの穴ひだが、メスとの交尾を欲する発情したオスの前にむき出しになる。
「んううっ…ッッ!!」
ずぐっ…!と挿入音を立てながら背後から弟の巨大なイチモツに犯される。ぬぶううううっ…、と肉ひだに卑猥な形をした肉棒の大きさと硬さをじっとりと味あわせるようにひだを肉茎にこすられながらゆっくりと挿入され、ずんっ!と根元まで入ったロキの長太い肉竿で尻穴をふさがれる。
「あっ!ひっ…!」
大きな肉尻の狭間でぱくぱくと卑らしく桃色の壁をひくつかせる淫らな肉肛門を勃起したたくましい肉棒でずちゅん…!と荒々しく突かれ、雌として犯される喜びでだらりとはしたなく自分の舌が唇から垂れる。
「ひっ!あんっ!ひんっ…!」
どんなにきつく敷き布を掴んでも、たっぷりと調教され、度重なる雌としての交尾で弟の太く長く亀頭冠の肉えらがびんびんに張った、勃起した竿の形にぬぐりと変形させられた恥ずかしい腸道を持つ肉肛門は、ぬぽぬぽと激しく貫かれる肉悦から逃れることは出来なかった。
「ひっ!ひっ!ひんうッッ…!」
ぱくぱくと穴ひだを悦びでひくつかせる桃色の肛門が種付けのための肉竿をにゅぶっ…と挿入され、何度も根元までずるんっ…!と尻穴をはめられ、異様に太く長い弟の一物を腸道全体で味合わされ、よりロキの勃起した竿の形に自分の穴奥が淫らに開き、むちむちとした敏感な桃色の肉ひだでにゅぐんっ…と卑らしく竿を包み込んでしまう。
「あうっ!あううっ!あんっ!あんッッ!!」
弟以外には聞かせたことの無い、肛虐を喜ぶ甘い媚を含んだ雌声がはしたなく自分の唇から漏れる。
「んうっ!んうううっっ…!」
じゅぽ!じゅぽ!と尻奥にある敏感なひだひだの突起で激しく馬の一物のように太い肉茎を、根元から卑猥なまでにえらの張った大きな亀首を持つ先っぽまで雌蓄としてしごきあげながら、にゅぼにゅぼと淫らな竿奉仕をさせられ、雄の勃起した肉棒で欲望のままにずんずんと尻穴をはめられまくる。
「あっ!あああッ!?ああああうっ…!!」
女のようにむちむちとした大きな俺の肉尻を激しく突く亀頭がより最奥の肉ひだをずるんっ…!とさぐりあて、更に雌になってしまうそのひだ奥を重点的に卑らしい仕草で執拗にぬぽぬぽとこすり始める。
「やめッ!!やっ…!やあああッッ…!」
ぶる!ぶるんっ!と発情しきった雄の前で肛門をぬっぽりと貫かれた尻をみだらに揺らしながら、必死にその卑猥な竿突きからのがれようとする。
「ふあッ!?ああっ…!」
ずんずんと血管の浮きまくった太く赤黒い肉竿で桃色のむちむちの肉肛門を貫通させられながら、抗いの言葉が無意識のうちに自分の唇から溢れでる。
「やめろ…ッッ!やめっ…!?ひっ!ひんうっ!ひいんッッ…!!」
いつもひだ奥を犯されると強い肉悦で半ば失神した状態になるのが常だった。自分の意識が浮上する頃には大抵陵辱は終わっていて、尻の中でぬちゃぬちゅと粘着音を立てる、たっぷりと尻奥に注がれた熱い弟の子種と受精の衝撃でびくびくとゆれ続ける汗まみれの自分の大きな肉尻、血管がこぶのように浮いた堅い肉茎にこすられすぎたせいで赤みを持った桃色の熟れきった肉壁はひくひくといつまでも陵辱された衝撃でひくつき、ねっとりとした子種にまみれたむちむちの肉ひだを見せ付けるオスの肉竿の形に開ききったはめ尽くされた肉肛門、たらたらと止まることなく萎えた竿から流れ続ける自分の精が、激しい雄の注挿と種付けで"女"としてたっぷりと感じてしまったことを示していた。
「兄上…こうやって男の勃起した肉竿を先っぽから根元までぬるんと入れられることが好きなんだろう…?こんなにも尻穴で私をしめつけて…奥のぷるぷるとした肉ひだをこうして突くと…ほら…女みたいにはしたないよがり声を上げて…あんあんと悦んで…アンタの為に外に出してやろうとしたのに…これじゃあ無駄になってしまうじゃないか…」
「ッッ!!んうううっ!あっ!あっ…ひんっ!ひいんッッ…!!」
背後からひねるようにして両腕を掴まれ、後方に強く引かれながら激しく肉尻を犯される。
「あんっ!あっ!あんっ!あんっ!」
ぱんぱんぱん!と尻を勃起した竿で小刻みに突く音が閨の中に響き渡り、ぐりゅ!ぐりゅ!と押しつぶすようにして敏感なむちむちのひだ奥を突かれ、桃色のそれがぷるんっ、とこすられ過ぎたことでよりむちりと熟れてしまう。
「んっ!ひあっ!!ひッ…!!」
抽挿の激しさから来る衝撃で大粒の涙が零れ落ちる。むちむちとした女のように大きな肉尻の最奥で熟れきった穴ひだにびゅくびゅくと白濁とした熱い子種をかけることが弟は好きだった。いつも種をつけられると無意識によりにゅぐりと自分は肉穴をしめつけてしまう。そうして自身の肉竿から犯された雌としての悦びの淫蜜がぶびゅりと噴き上がりそうになることを泣きながら叫び、尻奥に雄の子種を野蛮な動きで種付けされながら、出る、出る、とうわ言のように呟き、自分の反り返るほど勃起した肉竿からびゅくびゅくと激しく白い雌蜜を淫らに垂らし、女として雌穴で達する様を好きなだけ見せつけてしまっていた。
「兄上…より肉穴がきつくしまってきたぞ…折角抜いてやろうと思っていたのに…」
激しく腰を揺らされながら穴奥までずっぽりと肉竿で犯される。熱くなった外耳に"女"としての解放を望むかを囁かれ、苦しく淫猥な肉悦の獄から解き放たれたい一心で小さく首肯してしまう。
「ふあッッ…!?」
その瞬間、腰を強く掴まれぱんっ!ぱんっ!とロキの男根で激しく穴ひだをこすりあげながら熟れた肉穴を貫かれる。
「ああああああっ!!」
弟の痩躯が無言で伸し掛かり、大きな肉尻の最奥にある一番過敏な肉ひだの部分をぶりゅッッ…!と硬い亀頭で卑らしく突き上げられてしまう。
「あああッ!!やあああああッッ…!!!」
びしゃっ!と音を立てて乱れた敷き布に自分の肉棒から溢れた雌蜜がかけられる。その吐精の刺激できゅうっ…と切ないほど肉肛門がしまり、尻尾のようにロキの赤黒い巨根を雌穴からにゅり…と生やしたまま、むちむちの白い肉尻が激しく上下にたぷたぷと揺れ動き、桃色の穴ひだによる竿への淫らな肉しごきで陵辱する男を喜ばせてしまう。
「んううううっ!んうううッッ…!!」
耳朶を甘く食まれながら、尻を高く掲げた交尾させられる雌蓄としての体勢のまま、びくん、びくん、とみっともなく自分の身体が女としての種付けで揺れ続ける。
「くっ…」
伸し掛かる身体がかすかに痙攣し、耳孔にかすれた低音の呻き声が注がれる。
「はっ…!ああッッ…!!」
ひときわ強く耳を噛まれ、手篭めにした痕を刻み付けられながら、馴染みのある感覚が自分の雌と化した肉尻にもたらされる。
「んうっ!あううううッ…!!」
びゅぐ、びゅぐんっ、と受精の証として尻奥にそそがれていくもの。暖かくねっとりとした弟の白濁とした子種。征服者としてのロキが満足した印がびゅるっ!、びゅるっ!、と自分の豊満な肉尻の中にたまっていく。
「んっ!んうううっ…」
硬い顎鬚をぬろぬろとなぞられながら穴奥にどろりと溜まる雄の濃い精に雌として媚肉を犯され、掻きだしても取れぬほどびちゅびちゅとひくつく桃色の肉ひだに白濁とした男の子種が染みていく。
「ふっ…ぐっ…」
「ふふっ…何度味わっても兄上の中に出すのは心地いいな…竿を抜いて犯し尽くした肉厚な肉穴から私の精がどろりと流れ出すところも好きなんだ…」
自分の陰嚢が空になるまで精を飲み込ませようとロキが腰を緩く振り続ける。何度目かの抽挿の後、自身の女のように大きな白い肉尻の狭間でひくつく桃色のむちむちとした肉穴から飲み込みきれなかった雄の子種がぶびゅっ!と恥音を立ててこぼれ始める。
「はっ…あっ……」
たっぷりと熱い子種を含まされたひくつく肉尻を緩く撫でられ、後でまた結い直す事を告げられながら乱れた髪を撫でつけられる。びゅくっ…びゅくんっ…といまだ体内で続く受精の感触が長大な男性器に見合った容量だということを伝え、寝台の上に顔を伏せ、中でびちゅっ…と種が植えつけられるたびに甘い雌声を漏らしながら弟の長い吐精に耐え続ける。
「あっ…!あっ…!」
「兄上…――」
冷やりとした唇が耳朶に押し付けられる。
自身の名の後に注がれた愛の言葉は、糖蜜のように甘く、真摯な響きを持つものだった。
「…っ…」
心の中に生じた甘い疼きを隠すように俺はロキから顔をそらし、びくびくと淫らに震えながら弟の子種をもらい受けるのだった。