WTF



 『頼むから助けて欲しい』

 侍女を通じてそう頼まれた私とロキはソーの部屋に向かった。ソーはあの大きな身体で長椅子の上に縮こまり、何度も獣のような唸り声をあげながら頭を左右に振っていた。

「大丈夫なのか。ソー」
「一体なんなのだ。兄上」

「美しい女の巨人に会ったのだ…」
 そういってぽつりぽつりと話し始めた。彼曰く、東のウドガルド(巨人の城壁)へ赴き、そこで女の巨人と出会ったのだという。美味しい食べ物と美しい女に目のないソーは彼女の屋敷に招かれ、丁寧なもてなしを受けたらしい。大量のご馳走が乗ったテーブルには奇妙な果物もあり、それは今まで見たことのない形状をしていたという。半透明の果皮の中に白い種のような実がいくつも見え、女が手に取り半分に割るとあっけなく皮は破れ、甘くみずみずしい香りのする実が現れる。口に含むとぷちんと実が弾け、たっぷりと甘い果汁が喉を潤し、そのあまりの豊穣な旨さに何粒もその実を食べてしまったのだという。

「兄上…」
 苛々としたようにロキが口を挟む。
「"巨人殺し"として名高いアンタが持成しを受けて無事でいられると思っていたのか…?」
「実際に何もなかったのだ。その…男女としての一夜を除けば…。だがアスガルドに戻ってきてから俺の身体がどうも妙なのだ…」
 どう妙なのかと尋ねる前にソーが立ちあがり、身に着けていた金の縁飾りがついた白い上衣を左右に開く。日頃の弛まない鍛錬の成果なのだろう。相変わらず彫刻のように見事な上半身が現れる。
「ソー…!?」
「兄上…?」
 だが明らかに異質な変化に見つけ、驚きの声が漏れてしまう。
「どうしたらいい。ファンドラル、ロキ…」
 私達の視線の先――厚い胸板の先端にひっそりと色づく彼の乳頭からはぽつり、ぽつり、と乳白色の雫が垂れていた。

「ずっとこの乳のようなものが噴き出て、先端に痒みがあって堪らないのだ…だが掻きむしればむしるほど雫が溢れて来て…」
 そういって実際にソーが胸を掻いてみせる。
「くっ…!」
 びくっ、と彼の身体が揺れ、白磁の肌が艶かしい薄紅色に染まっていく。
「んっ…ッ…!」
 掻いた先からびゅくっ!びゅくっ!と勢いよく乳白色の雫が乳頭から流れ出す。よく見れば何度も掻いたせいだろう。乳頭がぶるりと卑らしく肥大し、桃色の先端がくわえてほしいかのようにむちむちと膨らんでいた。
「ふっ…はっ…」
 頬もほんのりと赤らみ、ぷるりとした桃色の唇も潤そうとする舌のせいでぬるぬると濡れている。
「ソウル・フォージで見てもらえばいいじゃないか」
 ごくりと唾を飲み込みそうになる喉を咳払いで誤魔化しながら提案する。
「俺は王になる男だぞ…!このような姿、見せられるわけがないだろう」
 王位の話を持ち出され、益々不機嫌になったロキが強くソーの身体を突き飛ばす。
「ロキ…ッ!」
 大柄な身体が寝台の上に投げ出され、怒りでソーの青い瞳が鈍く光る。

「ふん。つまりはこういう事だろう。鈍い兄上が好戦的ではないものの、悪戯好きの女巨人に騙された。大方赤子を産んだ女が乳を出やすくさせる為の果実かなにかさ。それを愚かにも口に含んだ結果をどうにかして欲しい、と」
 喋りながらロキが寝台に膝をつき、半身をソーの上に投げ出すとおもむろに彼の乳頭を口に含む。
「ロキッ!?何を…ッッ!」
 うろたえたようにソーが叫ぶ。
「出なくなるまで吸い出せばいいだろう。アンタが私達に助けを求めたんだ。文句はいうんじゃないぞ…」
 そういってじゅっ!と大きな音を立てて、ソーのむちむちに肥大した桃色の乳頭がロキの赤い唇に吸われていく。
「んぐうっ!んうっっ!!」
 よほど感じてしまうのだろう。びくんっ!びくんっ!とソーの身体が震え、ぶるぶると彼の女のように大きな尻まで揺らしながら、じゅううう…という卑らしい音とともに乳が吸われていく。
「はっ…ああっ…!」
「甘くて温かいな…本当に乳のようだ…」
 ロキの紅い唇の端を飲み込みきれなかった乳が垂れていく。人差し指と中指の間で搾乳を続ける勃起した乳頭をはさみ、むっちりと厚い胸板全体を白い手がぐにぐにと卑猥な仕草で揉み込んでいく。
「あっ!よせ!やめろっっ…!!」
 胸に与えられる刺激でぶるんっ!と更に卑らしくむちむちの桃色の乳頭が肥大勃起する。その恥ずかしい勃起姿に我慢できなくなり、彼らに近寄り、ぎしりと音を立てて寝台の上にあがると、まだ触れられていない方の乳頭にそっと唇を押し付ける。
「ひっ!?ファンドラル…ッッ!あんっ!あああっ!」
 両方の勃起した乳頭をにゅぐにゅぐと男達に吸われながら、ソーの重量のある大きな身体がびくっ、びくんっ、と跳ね上がる。
 雷神の敏感な先端に唇を寄せた事でロキから殺気を向けられたのは分かっていたが、互いに互いの想い人が誰なのかは嫌というほど知っている。肉親としての絆がある分、ロキのほうが有利だが決して譲りたくはないものだった。

「んうっっ!んうううっ!!」
 女のまろみのある乳房を吸うように、だがそれよりももっと優しく、執拗ににゅぽにゅぽと桃色の肉の先端に吸い付き舐めしゃぶる。
「あっ!ファンドラルッ…!お前の髭が…あたって…ッッ!やっ!あっ!あっ!」
 硬質な髭がちくちくと乳頭にあたる刺激にソーが淫らなよがり声を出す。どぴゅっ、と卑らしくむちむちの乳穴から溢れる乳のせいでたっぷりと私の口周りの髭が白い雫で濡れていく。ソーの敏感な乳頭からこぼれ出る豊かな乳をロキよりも多く飲み込みたくて激しく喉仏を上下させ、じゅぽじゅぽと勃起した桃色の乳頭を吸い尽くす。
「あぐっ!!」
 悲鳴のような、かすれた低く甘い声がソーの唇から漏れる。何事かと見やればロキがむにりとソーの乳穴をひろげ、その乳の溢れる小さな肉穴に自分の尖らせた舌をぶちゅりと挿入させ、ずこずこと前後に穴を攻め立てていた。
「あっ!あんっ!あんっ!あっ…!」
 乳穴を犯され、ソーが嫌がりながらもびくびくと身体を震わせ、肉厚な赤い舌をちろりと唇からのぞかせる。彼の下腹部にそろりと手を伸ばすと、下衣の中で立派な存在の肉竿が半ば緩く持ち上がる。それをしごいてやると益々ソーの漏らす声が甘くなる。

「嫌だッ!やっ!ああっ!やめてくれ…ッッ!」
 勃起した両方のむちむちとした乳頭を吸われ、ずこずこと犯されながら涙目のソーが嘆願する。酷く敏感な部分を二人がかりで陵辱され、同性によって吸われ続ける事はオーディンの息子として、またムジョルニアに選ばれし者としての誇りを持つ彼にとって、よほど打ちのめされる行為なのだろう。戦神である筈のソーの抵抗は弱弱しく、容易く寝台の上に押さえ付けられ、荒い息を吐く私達に襲われ続ける。
 着ていた衣服はすべて剥ぎ取られ、下帯までもがそれらと共に床の上に散乱し、陵辱される女のように惨めな様相を呈していた。
「ロキッ!ファンドラルッッ!!あっ!あうっ!あんうッッ…!!」
 乳穴が感じるたび、どぴゅっ、と卑らしく白い乳が零れ、雄と化した二人の男に無言でにゅぼにゅぼと舐めしゃぶられる。私とロキの手で順番に勃起した肉竿をしごかれ、あまつさえ、その奥にひくひくと息づくむっちりとした桃色の蕾さえ時折指でなぞられながら、びゅくびゅくとむちむちの桃色の乳頭から男に吸われる為の乳をたっぷりとあふれさせ、じゅぽじゅぽと激しく口腔で勃起した先端を肉性器としてしごかれながら私達に飲まれていく。

「…ッッ!?」
 初めに狼藉を働いたのはロキだった。吸い付いていた乳まみれの乳頭からぶるりと唇を離し、自身の前をくつろげ、勃起した巨大な一物を取り出すとそれをソーの肉厚な紅い唇にむにりと押し当てた。びくりと彼の頭が揺れ、唇を犯される予兆にその身を奮わせる。非難すべきだったのだろう。だがそれを見てどうしても親友の口淫を味わいたくなり、愚かな私は同じように興奮で反り返る肉棒を取り出した。
「兄上…アンタの乳を吸ったせいでこうなったんだ。女のように犯されるのは嫌だろう…?なら口で慰めてくれ…」
「……」
 自分の口に熱く触れる二人の男の肉棒にソーは戸惑い、うっすらと涙の膜が張る青い瞳を何度も瞬かせた。追い詰めるようにロキが白い腕を伸ばし、ソーの大きな肉尻をねっとりと撫で上げる。その仕草で選ぶべき未来を感じ取ったのだろう。力強い眉をぐっ、と寄せ、苦痛に耐えるように目を閉じると唇を大きく開き、ぐぽぐぽと二本の肉棒を舐め始める。
「んっ…んむっ…」
 目尻から涙を零しながらソーの唇が肉茎を吸い上げる。さほど唇の大きくないソーが成人した二人の男の肉棒を先端部分だけとはいえ、同時に含むのは困難なことだった。だが彼は愚かにも必死に奉仕し、んぐんぐと喉を嚥下させ、柔らかな舌で私達を包みながら熱心にしゃぶり続けた。その男に慣れぬ拙い技巧は彼の精神的な幼さを露呈させるようで、雄芯に感じる強い快楽とは裏腹に罪悪感が自分をじわじわと包み込む。

 ふと対面の男を見つめるとロキは奉仕を続けるソーの顔をじっと見つめ続けていた。時折、褒めるようにソーの頬や黄金の髪をゆるやかに撫でつけ、初めて同性に口淫する彼を熱を帯びた灰緑の瞳で観察しているようだった。普段冷徹ともいえるほど冷静なロキの頬は僅かに薄紅く染まり、ぬるりとした野蛮な光が陰鬱な色の瞳に浮かんでいた。どこか狂気を感じる目線だった。もし私がここにいなければ――ソーがロキだけを呼んでいたのなら――今頃どうなっていたのだろう。私という邪魔な存在がいなければソーはそのすべてを弟に奪われていたかもしれない。
 そう思うとここにいる事が酷く幸運な出来事のようにも思えていた。

「あっ…!」
 ソーの拙い吸引が強く激しいものになり、思わずうろたえた声が口をつく。思い切りその温かなぬめる口腔の中に勃起した肉竿を突き入れてしまいたかった。だが気高い魂を持つ彼をそこまで辱めるのは酷な気がして、口淫を懸命に続けるソーの汗でしっとりと濡れた髪を梳いてやる。
「んうっ…んっ…」
 ソーの両手がそれぞれの肉茎をおずおずと掴み、突き出された二つの亀頭を肉厚な唇でぬちゅぬちゅとしゃぶりあげながら勃起した肉竿をしごき出す。ロキの指がくにっ…とソーの勃起した桃色の乳頭をつまみあげ、びゅくっ!と白い乳が挟んだ指を濡らしていく。発情したソーの身体にもっと触れたくて、硬く張り詰めた彼の肉竿にそっと手を伸ばし、強くしごくとびくびくとソーの大きな肉尻が寝台の上で揺れ動く。そのひくひくと切なげに震える尻たぶの狭間にある小さな穴に指を這わせ、浅く突き入れると亀頭をくわえる唇の輪がぎゅっ、ときつく狭くなる。
「んうっ…!!」
 どこか甘さを含んだソーの艶やかな悲鳴とともに熱くぬめる口腔で二本の亀頭をじゅるんっ…と吸い尽くされる。
「……ッッ!」
「…っ…」
 その雄の竿の味を明らかに覚え奉仕する淫らな口淫にそれぞれが息を詰め、びくりと腰を震わせる。
「ぐっ…!!」
 ごぷっ!ごぷっ!と大量に口内に射精される二人の子種を飲み込みきれず、涙目になったソーの唇から雄の精が幾筋もとろりと垂れていく。思わず彼が可哀想になり、その哀れな唇から自分の肉竿を抜き出すと、ロキがソーの後頭部を強く掴み、自分の肉竿に引き寄せる。
「ふっ!んぐ…っ!!」
 じゅぷっ!と戸惑うソーの唇に赤黒いロキの長大な肉棒が突き入れられる。むっちりとした肉付きのいい肢体がびくびくと震え、口腔だけでなく喉奥をもぬろりと犯されながら、最後の一滴まで弟の子種を飲まされる。
「んうっ!んうううっっ…!!」
 その唇までを雄の肉性器として扱われる恥辱じみた快感でソーの肉竿もあっけなく弾け、びゅくびゅくと白い敷布を汚していく。

「はあっ…あっ…あっ…」
 二人分の子種を飲まされ、ようやく開放されたソーはその精悍な顔にべったりと雄の子種が垂れ、見事な金色の髭や髪も汗と精でくすみ、陵辱されたことが一目で分かるほど惨めな姿になっていた。
「兄上…」
 彼の汚れた肌をロキが手で拭い、愛おしそうに紅い唇を押し当てる。犯されたソーの薄紅色に上気した身体は酷く淫らで、無防備に投げ出された足の狭間にひくひくと息づく肉穴や雫をたらす萎えた肉竿、乳がいまだにびゅくびゅくと零れる桃色の乳頭や子種がこびりついた口元はまるで男を誘っているかのようだった。
「ソー、残念だけれどまだ君の胸からは雫が流れてくるようだ…」
 そう告げると絶望でくしゃりと彼の顔が歪む。
「だが安心してくれ…私とロキで君のここを吸い尽くしてあげるから…」
 視界の端にちらりと共犯者の顔でこちらに微笑むロキの姿が映り込む。子供の頃から幼馴染としてずっと大事に庇護してきた。光り輝く純白の輪を持つふわふわとした金糸の髪、鼻の頭に浮いたソバカスはいかにも腕白そうで。くるくると絶えず豊かな感情を現す顔は常に周囲を明るくさせ、澄んだ海の色をした大きな瞳はとても綺麗で見惚れるほどで。私とロキは幼い頃から太陽のような彼に夢中だった。

「嫌だっ!!やっ!ああッッ!!」
 ソーの了承を待たずに再度むちむちとした桃色の勃起乳頭を口にくわえ、じゅるじゅると吸い始める。甘く温かい乳は吸えば吸うほど淫らな欲望が自分の中で高まっていくのがよく分かる。
「あうっ!あっ!あっ!ひんっ…!!」
 じゅぽっ、と音を立ててロキの紅い唇も乳頭をしゃぶり出す。ひくひくと震えるソーの女のように大きな肉尻の尻たぶをぐっ、と左右に広げ、初々しい肉穴をぶるりとむき出しにさせる。
「ソー…」
 黄金のように眩く稀有な輝きを放つ男の名前を口に出す。彼をずっと庇護してきた。だがもう私達は大人になってしまった。これからは私とロキに出来るやり方で彼を守り、可愛がってやればいい。
「ひっ…!」
 ロキの細く節張った中指が広げられたソーの肉穴にぐにゅりと当てられる。甘い悲鳴とともにその指が蛇のように初々しい穴に潜りこみ、ずぬずぬと生娘の蜜壷を卑らしく探り始める。誰よりも凛々しく愛らしい王子が新たな性に目覚めていく。その様をじっくりと私達は楽しんだ。