「お前の部屋に来ると美味い酒と食事が摂れるのはいいな…!」
闘技場での勝利の興奮そのままに貴賓としてロキに与えられた部屋を訪れる。真白いテーブルクロスとオーヴァークロスが掛けられた長方形の架台食卓の上に置かれていた多種多様な料理に手を伸ばし、なみなみと異国の酒が注がれた金属製のタンカードを一気に飲み干す。
「昨日、共に夜を過ごしたばかりなのに良く来れるな…」
寝台の上で寝そべったままの弟が退屈そうに俺の顔を一瞥し、そう呟く。確かに昨夜、ロキは一度も俺の中から自分のものを抜こうとしなかった。専属の奴隷。大量の金貨に気を良くした闘技場の興行主はあっさりとそれを認めた。剣闘士として勝利したばかりの俺を抱くことをロキは好んだ。勝利の瞬間の興奮冷めやらぬままに着衣を剥かれ、荒々しく犯される。奴隷との行為で客を楽しませるために、弟の部屋には様々な薬が用意されていた。
"一つずつ試していこう"
ロキは笑いながらそう話した。渇いた音を立てて床に空瓶が落ちていく。四本目か、五本目だったかは覚えていない。気付けば弟に強く抱き着き、大きく喘ぎながら腰を振り続ける自分があった。にちゅっ、にちゅっ、と部屋に響くほどの大きな水音がロキに貫かれた部分からひっきりなしに聞こえていた。奥を突いて欲しくて何度も恥ずかしいほど大きな肉尻をたぷたぷと揺すり上げた。
"男に抱かれるのは本当に初めてなのか…?"
ロキはそう俺を揶揄った。だがその言葉すら肉悦に飲まれた俺は良く理解していなかった。どちゅっ、どちゅっ、と激しい音と共に、子供の腕ほどもあるヨトゥンの男の勃起したいちもつを肉穴の奥に押し込まれる。肉竿に瘤のように浮いた血管がぐりぐりと中のひだひだを刺激し、俺は勃起した乳頭をにゅぐにゅぐと吸われながら何度も何度も中の肉ひだがびくんっ…!とイッてしまっていた。途中、快楽で熱くなった耳にイクイク、イクイク、と何度も甘ったるく叫ぶ自分の声が他人事のように聞こえてくる。ずぼっ、ずにゅっ、とびちびちに肉筋が浮いた巨大な男根が何度も根元まで押し込まれ、浅ましい速さで上下し、貫かれた肉厚な肉の輪がむちむちに熟れ、男のペニスの味を覚えていく。初めて中出しされた時、あまりの気持ちよさに俺は身も世もなく泣き叫んでしまっていた。俺のあまりに快楽を貪る姿に、流石にロキも唖然としてしまったのだろう。灰緑の瞳が大きく見開かれたのを思い出す。ただすぐに口元は卑しく歪み、俺は中出しされながら更に肉穴の奥をずぽずぽと貫かれ、完全に弟のいちもつの味を覚えさせられてしまっていた。
「奴隷の俺と客人のお前の部屋では供される物が違うんだ。仕方がないだろう?」
「それとも食事はただ単に口実なのか…?」
「…ッ…」
にやにやと笑みを浮かべるロキに不快げな眼差しを送る。
弟の部屋に用意されていた淫薬は初めのうちは使われていたものの、数度目の交合では不要なものになっていた。すっかりヨトゥンの男の長大ないちもつの味を覚えてしまった俺の肉穴は、薬を飲まずとも卑らしくひくつくようになっていた。挿入されると大きく声を漏らしてしまう。瞳が甘く濡れ、激しく抜き差しされることを望んでしまう。何度貫かれても初々しい桃色のままの肉の輪を弟は気に入ったようだった。女のように大きな肉尻にぬぷっ…と舌を突き入れられ、長時間舐めしゃぶられることもあった。弟のいちもつが早く欲しくて何度も俺は焦れて腰を振った。そのたびに舐め辛いとロキは俺の肉尻を叩いた。俺はそれすらにも感じて、びちゅっ、びちゅっ、と自分の勃起した肉棒から精をこぼしてしまっていた。そうして舐めしゃぶられたあとは激しく肉の輪を犯された。舌で内部のひだひだまで卑らしくぐちょぐちょに犯された後の挿入は、びりびりと全身が痺れるほどの強い快楽で、俺は何度もロキに命じられるままにはしたなくイキ続けた。
興行主のグランドマスターに依頼したのか、弟は自分の衣装と同じ図案の戦闘服を俺に身に着けさせるようにもなっていた。黄の裏地を持つ黒のマント、特徴的な線の入った群青の襟、黄金のエンブレムが胸元に飾られたインディゴの甲冑。誰が誰の奴隷かは一目瞭然だった。唇を奪われることに同意した覚えはないのに、激しくロキは口づけるようにもなっていた。それも衆人環視の前で。ねっとりと舌を絡め、夜に俺がどういう境遇を味わわされているかも知らしめた。舌を吸われるとヨトゥンのいちもつの味を覚えた肉厚な肉の輪が切なく疼き始めてしまう。中に"あれ"が欲しくて、年輪状の肉ひだがひくひくとはしたなく収縮してしまう。その疼いた身体のまま、戦闘に向かい、勝利した興奮も冷めやらぬままに桃色の肉の輪にずるっ…!と勃起したロキのいちもつをねじこまれる。そうして弟と淫らに口を吸い合い、快楽を貪り続ける。"私のものだ"そう何度も呟きながら激しく抜き差しされることもあった。"私の兄上"、そう呼ばれて唇を奪われる。そのままぶちゅっ、ぶちゅっ、と中で弟が大量に種をつけていく。いつも最後は女のように大きな肉尻をむちっ…と左右に広げられ、ぶびゅううううっ…、とみっともなく垂れてくる中出し汁をじっとりと見つめられた。出しても出してもとろとろと年輪状の桃色のひだひだのすき間から、弟が植えつけた黄みがかった雄の濃い種が垂れてくる。そのねっとりとしたヨトゥンの種がずるううううっ…と敏感な肉ひだを引っかくようにして流れる感触にもびくびくと悶えてしまう。半勃起したままの自分の肉棒を雌牛の搾乳のようにしごかれることもあった。種がひだひだからねっとりと垂れていく感触と肉棒を抜かれる心地よさに、俺はまたみっともなく豊満な肉尻をぶるぶると上下させ、イク、イク、と甘く声を漏らしながら恥ずかしいイキ姿を晒してしまっていた。
「兄上、ここに…」
寝台の上で僅かに身体をずらし、弟が自分が入る隙間を作る。
「肉の脂でシーツが汚れてしまうぞ…」
「かまわないよ」
そう答えられ、骨付き肉にかぶりついたぬめる指のまま、寝台の淵に手をかけ、すぐ側に潜り込む。弟からはいつも優美な花の香りがした。何の花なのだろうか。考え込む俺の頤を掴み、そっとロキが唇を奪う。
「……」
抱かれる期待で徐々に身体が熱くなってくる。俺が同性の客の奴隷と知り、無遠慮に身体に手を伸ばしてくる男達も多くなっていた。その肉付きのいい尻に突き入れたい、と囁かれたことも一度や二度ではなかった。だがきっとロキ以外の男に抱かれても、それは気持ち良くはないだろう。何故そう思えるのかは分からなかった。だが確かにそう確信があった。
「ロキ、早く…」
自分で下衣を脱ぎ、はしたないほど両脚を大きく左右に開く。期待で半勃起した肉棒とひくつく肉の輪が丸見えになる。僅かに口元を微笑ませたままのロキが無言のまま、下衣の前をくつろげ、ぶるっ…!と力強く勃起したヨトゥンの長大な男根を見せつける。
「ロキ…」
犯されるのが嬉しくて無意識に弟に抱き着き、唇に吸い付く。どうして穏やかにロキが目を狭めたのか。そのことを考える前に、ずるっ…と肉の輪に待ち望んでいたものが挿入され、俺は溢れ出る悦び声とともに自分の思考を停止させるのだった。