傷跡.13



「あれ、城之内くんじゃない?」
 午後の授業をサボった遊戯は、城之内の知らなかった1面を覗き見て憂鬱な気分のまま街を歩いていた。もちろん家に帰る気にもなれずゲーセンや本屋で時間をつぶしていた。
 気が付けば日も傾いて辺りは夕闇に包まれようとしている。仕方なく家路に着こうとしたときに、反対車線の歩道を歩く城之内を見つけたのだ。
 「……ほんとだ。どこに行くんだ?」
 ジーパンにTシャツのいつもの城之内の姿だ。ポケットに手を突っ込んで足早に歩いている。
 「バイトかな?そういえば、城之内くんはどんなバイトしてるのかなぁ?新聞配達は知ってるけど、ほかのバイトの事、話してくれたことないよねぇ。」
 「ああ、接客業って誤魔化されたもんな。」
 遊戯は自然と城之内の姿を追っていた。辺りはもう薄暗く反対車線ということもあってあからさまに後を追っていても、城之内に気づかれる心配はなかった。
 「やっぱり、気になるよね。」
 遊戯はちょっとした探偵気分なのかうれしそうだ。
 「ああ、あの部屋のことといい、関係がありそうだ。相棒、見失わないように気をつけろよ。」
 「任せて!」
 城之内はにぎやかな通りを抜けて、裏通りから住宅街の中に建っているマンションの中へと入っていった。
 オートロックを慣れた手つきで開錠しエレベーターホールへと抜ける城之内。
 物陰に隠れて様子を伺う遊戯からは番号がわからない。
 「ここで、バイトしてるのかなあ?全然職場がありそうに見えないんだけど。」
 「だよな。でも、城之内くん明らかに慣れてる手つきだぜ……」
 城之内がエレベーターの中に消え、数字が点滅していった。遊戯はガラスに張り付いて数字を追っていく。
 「…4…5……6…停まった。6階かな」
 今度は集合ポストの表札を見た。6の付くポストを探す。何か手がかりが掴めるかもしれない。
 「いとう、おか、まつだ…うーん判らない。どうなってるの?」
 ポストには企業名らしいものは一切なかった。前後の階の部屋も見てみるがやはり同じで、どう考えても高校生がバイトするような場所ではないようだ。
 「相棒、エレベーターが降りてきた。」
 もう一人の遊戯に促されて、遊戯はあわてて物陰に身を隠す。
 ガラスの向こうでは再びエレベーターが開いて城之内が降りてきた。
 「出てきた!」
 自動ドアが開いて、こちらに歩いてくる城之内が見える。
 「こらっ!相棒見つかるぜ!」
 とっさに人格を入れ替えた二人。もう一人の遊戯は見つかってしまってはいけないと植え込みに身を隠した。
 枝の間から城之内の足が見える。どうやら気付かれなかったようだ。人格の入れ替わった遊戯は植え込みから身を起こすと、制服についた小枝や葉をはたいた。
 (もうっ、いきなりじゃ酷いよ!)
 心の中で遊戯が怒っているようだが構っている暇はない。城之内を見失わないようにもう一人の遊戯は後を追う。
 城之内の足は再びドミノ町の中心部へと向かっていった。
 「どこに行くんだろう?」
 夕方の帰宅ラッシュの時間帯で、沢山の流れる人を掻き分けながら、遊戯は後を追う。
 「駅の方じゃない?」
 にっこりと遊戯が答えた。機嫌は直ったのか、もう一人の傍に現れて、城之内を見失わないようにしている。
 遊戯の言ったとおり城之内は駅に向かっていた。バスやタクシーの往来の激しいローターリーを越えて、駅前の噴水広場で立ち止まった。
 「誰かと待ち合わせしてるみたいだね。」
 噴水の前に立って動こうとしない城之内を見て遊戯が言った。城之内はしきりに時計を気にしている。
 遊戯は離れた物陰に隠れて様子を伺っている。
 「それより、体調はどうなんだろう?まだ熱はあるよな?」
 もう一人の遊戯は心配でならない。あの部屋で城之内がゆっくりと休めるとは思えないからだ。パズルを通して見えた映像。今でも遊戯の中に鮮明に甦ってくる。
 「あっ、誰か来た…?」
 誰かが城之内に声を掛けた。


 



城之内は困惑していた。自宅で仮眠を取ることもままならないまま”出勤”し、チーフから今日の仕事の予定を聞けば、駅前で待ち合わせというフザケタ内容だった。
 秘密厳守の規則があったもんじゃない。これじゃ、同伴出勤だよと一人ごちる。まあ、このようにふざけた予約をするのは一人しか思いつかなかった。
 「チーフも何、考えてるんだか。後で専務に知られたらまずいんじゃないのか?」
 城之内は時計を見た。待ち合わせの時間だ。
 「あの馬鹿。今度こそ、がつんと言わなきゃな。」
 城之内はコブシを握り締めた。こんな馬鹿げたお遊びはもうお終いにしなければならない。このままズルズルと関係が続けは海馬に迷惑をかけてしまうだろう。
 「逃げずに来たな。」
 流れる人の中から浅黄色のスーツを着た海馬が現れた。
 やはり……城之内は傍目からも判るようなため息をついた。
 「海馬ぁ、てめえ何考えてんだ?人があれだけ…っ。」
 「勘違いするな。今、俺はお前の客だ。」
 胸元を掴もうと伸ばした腕を、反対に海馬に掴まれてしまった。海馬の言葉に城之内の顔が見る見る赤く染まる。これはもちろん怒りのためだ。
 「…っざけんな!抱くつもりがなければ、俺を指名すんなってあれほど言ったろ?」
 「買った時間をどのように使おうが、俺の勝手だ。凡骨風情に指図されるいわれはない。」
 「おあいにく様、俺はこれでも暇じゃないんだ。金持ちの坊ちゃんのお遊びにこれ以上付き合ってる暇はないんだよ。俺をからかうなら学校にでも来いよ。いくらでも相手してやるから。もう俺に関わるな。」
 城之内は海馬の腕を振りほどくわけでもなく、ただ思いつくままに言葉を紡いだ。きっと海馬には取り繕った言葉は通じないだろう。
 「貴様は夜の時間を売っているのだ。そして俺はお前の時間を買った。その時間をどう使おうが俺様の勝手だろう?商品の貴様に選択の余地はないんだ。」
 そんなのは屁理屈だっ。と城之内は呆れた。返す言葉も見つからない。がっくりと項垂れて身体の力が抜けてしまいそうだ。
 「やっぱ、海馬はばかだ。俺をからかう暇があったら仕事でもしてろよ。」
 海馬に聞こえないように城之内はつぶやいた。そして投げやりに顔を上げて海馬を睨んだ。
 「わーったよ。で?なにをするんだ?3回まわってワンとでも言えばいいのか?」
 長めの前髪の下から覗かせるのは卑屈に笑み。海馬に見下されるように。早く呆れてこんな俺から興味が失せるように。城之内の精一杯の抵抗だった。
 「友達ごっこ…だ。」
 「・・・・・・・・・・・・はあ?」
 城之内は耳を疑った。この男はこの年になって何を言っているのか?聞き間違いでなければ、たしかに、
 「友達ごっこ…ふりでいい。」
 「・・・へっ?」
 やっぱり。
 普段は鉄面皮で考えていることなんか、全くといっていいくらいに表に出さないのに、目の前にいる海馬はやはりはずかしいセリフだったのだろう、耳まで真っ赤にしていた。
 「ぷっ!」
 こいつもこんな顔するんだと、思わず吹き出してしまった。一度笑い出したら止まらない。城之内は腹を抱えて笑う。あまりにも大きな声なので道行く人が何事かと振りかえった。
 「ひぃ〜サイコー。冗談きついな。やめとけよ。フリでも洒落にならねぇぜ。」
 「冗談ではない。」
 「馬鹿じゃないのか?この世のどこに大金を払って<ともだちごっこ>をするやつがいるんだ?それにな、俺とお前じゃつり合わないさ。見た目からしても全然違うぜ、スーツ野郎にジーパン姿の俺だぜ?マジで他の奴を探しな。」
 「格好は関係ない。他の者では意味が無い。城之内、お前だからだろ?」
 海馬は城之内の挑発に乗って来なかった。ただ真摯な眼差しで城之内を見つめる。そこにはいつもの高慢さも欠片も無くて、あの嵐の夜の海馬がいた。
 城之内にも海馬が決して冗談で言っているのではなく、本気なのだということは伝わってくる。
 「わ〜ったよ。笑わせてもらったからな。今日だけ特別サービスだ。付き合ってやるよ。」
 1回だけだ。今日くらいならいいだろ?
 だめだと分かっているのに、青い瞳に見つめられて感情を抑えることが出来なかった。何年間も喉から手が出るほど欲しかった時間を、目の前にぶら下げられて我慢できるはずが無い。
 今日だけだ。
 誰に許しを請うているのか、城之内は何度も胸の中で繰り返していた。
 「で、どうすんだ?」
 いざ、面と向かってみるとどうしていいのか分からない。海馬とはいがみ合ってばかりだったからだ。
 「腹は空いていないか?」
 困惑する城之内に対して海馬は落ち着いたのもだった。成り行きはどうであれ生身の城之内に接する機会を手に入れたのだ。後は、焦らず急がずゆっくりと城之内に付き合えばいいのだ。
 「・・・別に・・・空いてねぇけど・・・!」
 と、城之内はそっけなく答えようとしたが身体は正直なもので、ぐっ〜と腹がなった。それは海馬にも聞こえるくらいの大きな音で、今度は城之内が赤くなる番だった。
 「最後に食べたのはいつだ?」
 「夕方にプリンとポカリ…」
 ある程度予想はしていたが、海馬はため息をついた。昨夜の様子から、昨日はまともに食べられてはいないだろう。なら、食事と呼べることをしたのはいつなのだろうか?
 「食欲は有りそうだ。何か食いたい物はあるか?」
 掴んだ腕の感触から熱はあらかた下がったようだった。あっても微熱程度だろう。しかし、昨日の今日だ病み上がりの身体にはこのままホテルに戻って、消化の良いものを食べさせたいのだが、今の城之内ならば拒否するのは火を見るより明らかだ。
 生きることに無頓着な城之内に食べられるものを少しでも腹の中に入れさせたかった。
 「……牛丼」
 「いいだろう。」
 ジャンクフードで無くて良かったと胸をなでおろすと、海馬は駅前の角を曲がったところにある目的の店に城之内を引っ張って行った。


 



 「ちょっと、ちょっとどうなってるの?なんで城之内くんと海馬くんが一緒なわけ?」
 少し離れたところで一連の城之内と海馬の様子を見ていた遊戯は混乱している。
 それもそのはず、今までの城之内と海馬は水と油、犬猿の仲。争うことは有っても、二人で待ち合わせをするなんて想像できない。
 「俺だって分からないぜ。」
 街の雑踏と噴水の音で遊戯のところまでは海馬と城之内の会話は聞こえてこない。
 逆に、音が無いために二人の様子は強調されて、始めは怒ったふうの城之内が急に笑い出したり、赤くなったりと予測不可能なことばかりに二人の遊戯は見ていることしか出来なかった。
 「あっ、どっか行くみたい。もう一人の僕ちゃんと追いかけてよ。」
 「任せろ。」
 二人の遊戯の尾行は続く。






 「いらっしゃいませ。」
 自動ドアをくぐると店員の大きな声が響いた。
 「えーっと、何をたべようかな?」
 城之内は使い込んだ財布の中を確認して品定めをする。もちろん海馬は食事代は持つと言い出したが城之内は断固として聞き入れなかった。
 「やっぱ、並でいいや。」
 他のメニューも気になるがやはり定番メニューがいいと、券売機のボタンを押す。続いて海馬も同じように食券を購入し、カウンターに並んで腰を降ろした。
 店内はクーラーが効いていてひんやりとしているが、すぐ隣に座った海馬の体温が微かに触れるところから伝わってきそうで、城之内は落ち着かない。
 「なぁ、ここでいいのかぁ?」
 出された水を一口飲むと、城之内は口を開く。気恥ずかしくて顔を会わせる事なんて出来ない。テキパキと牛丼を作る店員を眺めていた。
 「なぜ、そんなことを聞く?」
 「だってよ、社長さんにここは…その…似合わねぇからさ。」
 城之内ならばまだしも海馬に牛丼…合うはずがない。
 「へい、お待ちどうさま!」と、二人の前に牛丼が並べられた。頼んでいない味噌汁とサラダが付いている。
 「海馬〜ぁ」
 城之内が怒ろうとするが、海馬にそれくらいはいいだろう。ちゃんと栄養を取れと有無を言わさぬ口調にあきらめて箸をつける。
 2日ぶりのまともな食事に城之内は一気にご飯と牛肉をかき込んでいった。やはりお腹は空いていたようだった。
 「ちゃんと噛め。丸飲みするな。消化に悪いぞ。」
 海馬は見事な食いっぷりに満足しながらも口を挟む。
 「…あっ…そっか。」
 ばつの悪そうに城之内は再び水を飲むと、隣で牛丼を食べている海馬を見た。どんぶりを食べる姿でさえ絵になる気がするのは何故だろう。
 「美味しいか?」
 恐る恐る訊いてみる。
 「ああ、上手いぞ。」
 「本当に?」
 「もちろん。好物なんだ。」
 海馬は箸を止めると、城之内のほうへ視線を合わせた。
 「へっ?」
 海馬の意外な言葉に城之内は気の抜けた返事をしてしまう。
 「何度も言わせるな。牛丼は好きなんだ。」
 好き
 との言葉にドキリとしながらも、海馬に牛丼。不釣合いな組み合わせに
 「似合わね〜」
 素直に感想を述べる。
 「貴様は俺をなんだと思っているのだ。」
 「社長さん。んでもって、高級な食事しか口にしない。」
 「馬鹿者。社長業をなめるな。3食が料亭の味なわけないだろう。」
 城之内の能天気さにあきれるが、誤解されたままなのも腹に据えかねるので
 「俺のスケジュールは分刻みなのだ。例えば前の会議が長引いたからといって、次を遅らせるわけにはいかない。そうなれば、削るのは食事の時間だ。移動中の車の中で食べるのは日常茶飯事だぞ。」
 「…そうなのか?」
 「ああ、牛丼をはじめ、コンビニのサンドイッチやおむすびなんか良く食べる。」
 「………大変そうだな。」
 優雅な生活をしているだろうと思い込んでいた。なのに蓋をあければ自分より時間に追われた生活をしているのだと知って城之内は卑屈になりすぎていた自分が恥ずかしくなった。
 「貴様と同じで早食いは特技の一つだ。コンビニサイズのおむすびばらば一口で食べられるぞ。」
 城之内と共に時間を過ごすことが心地いいのか、今日の海馬は饒舌だ。
 「この牛丼だって、急いでいるときはだな、こうして…」
 箸にご飯をたっぷりと掬った海馬。口を大きく開いてそのときの真似をした。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 海馬の有り得ない行動に城之内はぽかんと口を開いたままだ。
 きっと今の海馬の姿を見たら、学校の女子は嘆くだろうなぁ。
 海馬がおむすびを大口を開いて食べる様子を想像した城之内は吹き出した。始めは声を殺していたが、やはりこらえられるはずもなく腹を抱えて爆笑する城之内に店内の人々の視線が集まった。
 「ははは・・・やばいって、お前らしくねぇ・・・はら痛てぇ・・・」
 机を叩いて笑う城之内。
 「天下のカイバコーポレーションの社長だ、それくらい出来なくてどうする。ちなみに好みの具は鮭とシーチキン…」
 尚も続けようとする海馬に城之内が待ったをかけた。
 「もうっ、かんべんしてくれ〜笑い死んじまう…」
 くっくっくっと腹をかかえて城之内は苦しそうだ。海馬は空になっていたコップに水を汲むと城之内に差し出した。
 「わりい。」
 ぐいっと、飲んで少し落ち着いたようだ。ふ〜っと深呼吸をすると、
 「海馬って、やっぱり変なやつなんだな。」
 悪びれる分けでもなく言う。しかし、そこには刺々しさはなく、むしろやわらかな感じが混じっていた。
 「そうでもないと思うがな。それに、好物ということを差し引いて、誰かと共に食べる食事は美味しいものだ。」
 牛丼を食べようとしていた手が再び止まった。
 「そうなのか?」
 城之内は不思議そうな顔をした。今までそんなふうに考えたことがなかったからだ。
 高校で遊戯たちと昼ごはんを食べるとき意外はほとんど一人で食事をしていた。時間が来たから食べる。特に楽しいなどと思ったことは無かった。もちろん味なんてどうでも良かったのだ。
 「ああ、一人で食べるよりずっと美味い。といっても商談がらみの接待やパーティの食事は不味く感じる。今のように気の置けない奴と何気ない会話をして、笑いながら食べる事が何よりのスパイスだな。」
 「ふうん。」
 城之内は牛丼を口に運んだ。今度は味わうようにゆっくりと咀嚼する。
 「…うまいかもな。」
 ぼんやりと感じる甘辛いようなつゆの染みたご飯。城之内はポツリとつぶやくと残りを食べ始める。
 海馬にその声は聞こえたのだろうか微笑むと、同じく箸を動かした。
 それからの二人は学校のことや、ゲームのことそしてカードのことを話す。長年の友のように。
 そこには大企業の社長という肩書きも、夜毎身体を売って生活をしているという後ろめたさもなく、何にもとらわれることの無い海馬と城之内がいた。


 



 「ん〜っもう〜どうなってるの!!!」
 遊戯が頭を抱えている。
 城之内を追ってここまで来たのはいいが、狭い店内に中に入ることも出来ず外から様子を伺っていたのだ。
 「いつの間に海馬と城之内くんは仲が良くなっていたんだ?」
 もう一人の遊戯にもさっぱり判らない。
 ガラス越しに見える二人はケンカすることも無く、反対に楽しそうに食事をしていたのだった。
 海馬も城之内でさえ、見せたことの無い顔をしている。
 「許せない〜もうっやだっ。」
 遊戯は頬を膨らませて臍を曲げている。もう一人の遊戯も二人の親密さに嫉妬を覚えていた。


 



 オトモダチの次は探偵ごっこか。
 海馬は自動ドアの向こうにいる遊戯を見て笑みを浮かべる。本人は隠れているつもりだろうが、派手な姿はすぐに目に付く。遊戯が尾行していることにはとっくに気付いていた。おそらく城之内をつけて来たのだろう。
 さて、オトモダチはどこまで掴んでいるのか?
 海馬は外にいる遊戯に見せ付けるように、城之内の耳元で囁く。
 「食事の次は勉強だ。明日テストがあるだろう?」
 勉強と聞いてあからさまに嫌な顔をする城之内の肩越しに、遊戯を伺えば顔色の悪い呆然としている姿が見えるのだった。


 店を出てタクシーに乗り込んだ海馬と城之内は目的の場所へと向かった。
 小さくなるタクシーを文字通り指を咥えて見送るしかない二人の遊戯。
 ドミノ町の夜は長くなりそうだ。

 



 ちょっと小休止ですかね。今までが暗かったから。
 遊戯の好きな方ごめんなさい。出るたびにかっこ悪くなっていく気がします。思いだけがから周りしちゃってるみたいですね。
 海馬も似たような感じかなぁ。他のサイトさんはもっとこう超人的にかっこいいもんな。しかし、貴腐人的にはこんな海馬が好きです。見た目は美しくて仕事もこなすけど、やはり高校生のはずっ!カードに夢中になるんだから。
 すっかりおばさんになってしまってますね。
 背景はこちらからお借りしました。