――目を開けると、そこは俺の知らない場所……。

「どこだよ此処は……。」

辺りを見回しても、白い霧がかかっていて何も見えない。

「……誰かー?」

返事はない。

「誰もいねーのか……?」

振り返ろうとした。
その時――



――ドクン!



「ぐ……はっ!」

俺は必死に胸を押さえる。
――そう、俺にとっての一番危険なもの……菌が体の中に入ってきたのだ。

「――誰かっ…!」


――俺は意識を失った。







――……
―…



「――…内。」

誰かの声がする……。

「城之内。」


目を開けると、心配そうにガラスを叩く海馬がいた。

「――…海……馬…?」

「起きたか……。うなされていたぞ。」

目を擦って辺りを見るといつもの病院だった。


「一体何の夢を見ていたのだ?」

海馬の言葉で、さっきの夢を思い出す……。
俺は、海馬から視線を反らした。

「……言いたくなければ別にいいが……。」

俺は視線を反らしたまま、口を開く。

「――俺は、白い霧に包まれてたんだ……一人ぼっちで。そこには菌がいっぱいで……。」

俺の目に涙があふれる。

「城之内……。」


「……すごく辛い……。海馬……生きることが辛いんだ……。」



「――俺が絶対治してやるから……。だから城之内、諦めるな。……俺より先に死ぬな。」


海馬の温もりが、ガラスから伝わってきたような気がした。


「海馬……、ありがとな。」




*****




な、な、なんと初めてテキストの頂き物をしてしまいました。『 J 』の設定でのお話です。届いたときはそりゃぁもう、びっくりでした。あっ!!ありがとうございます。
夢姫さまより、素敵なお話を頂きました。
きふじんは頂いて即5回読み返してしまいましたvv社長がかっこよくて。城之内くんは幸せ者ですね。

夢姫さま!!ありがとうございましたvvvv