明るい日差しが病室を照らしている。
白い光が眠る城之内と、側に寄り添う海馬を包んでいた。
んっ………
指先がぴくりと動く。
薄い瞼が痙攣して
その下から、琥珀の瞳が光を取り戻していった。
城之内……目が覚めたか…?
…か……い…ば…
白く滲みぼやける視界の先に、心配そうに見つめる海馬がいた。
少しやつれた頬が、海馬の苦悩の日々を物語っている。
海馬はずっと離すことなく、握り締めていたあたたかい手をさらに握り締めた。
城之内。
名を呼ぶと、城之内は琥珀の瞳を揺らめかせて微笑む。
海馬。
白いベッドに横になる城之内は、初めてあった時と同じく傷だらけになっている。
額に、背中に白い包帯が巻かれ、痛々しい姿となっていた。
一つ違うのは側に海馬がいる。
もう、一人で苦しむ必要はない。
苦しみを分け合うことはないけれど、必ず側にいるはずだ。
ああ…俺は生きてたんだ。
貴様はそうとう悪運が強いようだ。
海馬は手を離さない。
城之内は静かに微笑み、海馬を見つめる。
澄んだ琥珀に海馬が映る。
海馬の頬を涙がつたっていった。
おまえに言わなきゃならないことがあるんだ。
なんだ。
すきだよ。
わかっている。
ははっ、なに泣いているんだ?
海馬は緊張がほぐれたようで、涙を抑えることができない。大粒の雫がシーツにいくつも染込んで、色を変えていく。
わからないのか、貴様のせいだ。
俺のせい…って、参ったな…
ははっ。と髪を弄ろうとして手を動かそうとして、城之内の背中に熱いものが駆け抜けていった。
いてっ!
びくりと体を強張らせ、顔を歪ませて、城之内は熱い感覚をやり過ごす。
痛かったのか…?
恐る恐る聞く。
いってえよ。めちゃめちゃ痛い。
良かったな。
はぁ?痛いのが良いって?変なの?お前、変態だよ。
目じりに涙を滲ませ忘れていた久しぶりの痛みに、体を動かすことを諦めた城之内はいつものような軽口をたたく。
貴様には必要なものだ。
海馬にもようやく笑みが戻る。
言葉も無く見詰め合う二人。しかし、その手はしっかりとつながれていてお互いの体温がとけていくようだった。
キスしていいか?
海馬が城之内に聞く。
なんで?俺たちもうSEXした仲だぜ?
今さら何をと、からかう城之内。
いや…その……あれは事故のようなのもだ。
海馬は照れるとそうなるのか、耳まで赤くしている。
いいぜ。
城之内はゆっくりと瞳を閉じた。
二人の唇が静かに距離を縮め、重なる。
城之内と海馬
二人の時間が動き出していった。
いかがでしたか、お待たせしました。23です。みじか〜。
おっと、ここで終わりではアリマセン。まだ続きます。
さて、廃工場で撃たれた城之内はどのくらい、寝ていたんでしょうね。遊戯はどうしたのでしょうか?この間きっと海馬も遊戯も葛藤があったに違いないです。取り乱した海馬〜がいたはずだし。番外で書いてみようかな。とはいえ、初めから22と23はこの流れにすることは決めていましたから、カットカットです。
初心でヘタレな社長万歳。
ぁぁっぁ……社長と城の初(???)ちっす☆です。城の幸せそうな顔にどきどきしちゃいます。城よ瀬人さんと幸せになるんだよ。
こちらのイラストもGREEN FILM 慧さまより い・た・だ・い・ち・ゃ・い・ま・し・た☆
どうしてかしら社長がかっこいい。かっこよすぎです。城ではないですが惚れてしまいそうです。(城のものですってば)
マジなお話ですが、このイラストを見て、24の話が微妙に変わってしまいそう……です。
本当にありがとうございました。