「いつまでそうしている？そろそろ交代だ」
そんな蜜月の時間に水を差してくる瀬人。モクバとの熱い結合シーンを見せ付けられて、いつに無く興奮している。
「えーっ！つまんないよ」
「駄目だ駄目だ。俺だけでなく、父上も待っているのだ。さっさとどかないか」
ぷうっと子供のように頬を膨らますモクバ。もちろん１００％演技だ。
「ちぇっ、つまんない。ま、これからたっぷりと時間があるからいいか」
などと呟きつつもモクバが渋々と城之内を開放する。海馬家での順位は絶対的な力を持っているようだ。
海馬家の正統な跡取りだとしても、次男でかつ、成人に満たないモクバにとって兄と父の存在に逆らうことは出来なかった。
まだ、城之内の中にいたい気持ちを抑え、深く埋め込んだモノを引き抜いたとき、モクバはその異変に気付く。
「あれっ？」
小さな秘唇と自らのイチモツにうっすらと赤い色が絡み付いている。それは城之内が分泌した体液とモクバの精液によって薄められているが、確実に色を持っていて、モクバはそっと身体を離す。
「、、、、んっぅ」
そんな摩擦でさえ城之内は眉を寄せるが、立て続けに達した身体には力が入らず、ぐったりとしている。
「どこか切れちゃったかな？」
鮮血というほど鮮やかでない色に首を傾げつつ、モクバはペニスと城之内とを見比べた。
モクバのは無事のようで痛みなんか無い。ならば……この血は誰のもの？
「まさか、いくら僕のが大きいからって、それはないよね」
「どうした？」
何か考え事をしているモクバの様子に、瀬人もそこを覗き込んでくる。
「ん、あ、なんか血がついちゃったみたいで。強くしすぎちゃったかな」
「怪我？」
「うん」
「まさか、それはないだろう」
剛三郎と瀬人の手で、そんなに簡単には壊れないように開いてきた身体だ。瀬人もまた城之内の異変に眉を顰めつつ脚をぐぐっと押し開く。
「だよね」
もっと酷いことをされてきた城之内。たかがこれしきのことでどうこうなるわけなない。
「じゃ、ちょっと診るからね」
「やめ……っ！」
精液で汚れてた部分に視線を感じて、城之内は脚を閉じようとするが、
「大丈夫だよ。怪我してないか確かめるだけだから」
なんてどこかの藪医者のような口調で、モクバはピンク色に充血している秘唇を開いていった。
「ん〜外は切れてないみたい」
開いた外側は傷口は無く、
「じゃ、中かな」
ならば内部を傷つけてしまったのだろうか。少々不安にかられつつ、モクバは指を突っ込んでぐるりと探ってみる。
「んぁっ！」
「あ〜やっぱ、ちょっと血が出てる…なんでかな？」
指にうっすらと絡みつくピンク色にモクバはしばし思案して、
「もしかしてっ！！！！」
両手で城之内の中を開いた。
「ああっ！！」
すうっと奥に空気を感じ、城之内が逃げをうつ。しかし、瀬人の手によってそれは叶わず、濡れた恥部を晒すことになる。
「やっぱりそうだ！！すごいよ！城之内！！」
真っ赤に熟れた肉襞に所々絡みついているピンク色の体液。それは肉壁からではなく、もっとずっと奥からにじみ出てきているものだった。
しばし芸術的な内部に見入ったモクバは、感嘆の声にぱんっと手を打つ。
「どうしたのだ？」
モクバのはしゃぎ様に剛三郎も話に加わってきた。
「父さま！！とうとう城之内が大人になったんだ！！ほらっ！！」
見せびらかすかのごとく、モクバは乾き始めている手を父と兄に突き出した。
「！？」
「まさか！？」
その僅かな色に、にわかに信じられなかった剛三郎と瀬人の顔色も変わる。
そこにはれっきとした、成人の女性の証が着いていたのだ。
その不完全な性の為に、どこかしこも未発達な城之内だったが、ここにきての開花にモクバが一番喜んでいる。
「ふふ。僕が卒業するまで待っててくれたなんて、なんて可愛いんだ城之内」
「な…？何？」
にこにことしているモクバとは対照的に、全く何がその身に起こったのか判っていない城之内は不安で一杯になっている。そんな城之内の頬に軽く口付けをすると、
「あのね。城之内はちゃんとした女の子になったんだよ。ん〜もちろん、男の子でもあるんだけど、たぶん、赤ちゃんも出来ちゃうんじゃないかな」
「！！！！？」
城之内の視界に赤い色が飛び込んできた。
赤い…色…
赤…ちゃ……ん？
赤……
その赤い色が、鍵のように城之内の中に閉じ込めていた記憶の隙間にぴったりとはまっていってーーー
『父さんっ！！！やめろっ！！！止めてくれっ！！！！！』
だれ？
暗闇で、俺の手を掴むのは誰？
『いたイッ！とうさんっ！！』
何で、服を脱がすの？どうして、そこを触るの？
『いやだっ！！！』
どうして、父親なのに、俺の父さんなのに、そんなところを触るんだ？そこはそこは間違っているのに！
『とうさん！！』
痛い。痛いよ。身体が裂けそうだ。
なんで、痛いのに、熱いの？どうして父さんが俺の上にいるの？
ああ…血が流れてる…赤い血が…
『止めてくれっ……』
痛い…どこもかしこも痛い…
いやだ…もう、いやだ…いやだ、いやだいやだ……
こんな……おれなんて………
真っ暗な中、突然現れた光がどんどん大きくなって、その中に吸い込まれていった。
……いらない……
ーーーーーー途切れていた時間が再び動き出した。
６年前のあの夏の日。
用事で母親が出かけ、妹は中学のクラブ活動で学校に行ってしまった家で、城之内は父親に犯された。
その日は朝から父親は何故か不機嫌で、酒を飲んでいた。
城之内はたまたまバイトが休みで、部屋で雑誌を読んで過ごしていた。そこへ酒の匂いを漂わせた父親が部屋に入ってきたのだ。
ひどく不機嫌な父親に、その不機嫌な理由も分からないまま、父親に洋服をむしり取られ、畳に押し付けられて、犯された。
体を引き裂かれる痛みに泣き喚く城之内を、父親は無言で犯し続けた。無理やり開かれ、裂けた部分からは真っ赤な血が流れ、畳を汚していく。
痛いと泣けば頬を張られ、逃げようともがけば腹を蹴られた。
到底、受け入れられない父親からの暴力に、城之内の精神が先に途切れ、気が付くと部屋に一人取り残されていた。
畳に浸み込んで色が変わっている血の跡と、下腹部の鈍痛に父親に犯された現実を突きつけられて、乱れた服をかき集めて雨の降りしきる街へと逃げ出した。
嵐の街を亡霊のように彷徨い、こちらへ向かってくる灯りに吸い込まれ、そこで城之内の記憶は本当に途絶えてしまった。
理不尽で受け入れられない事実から、城之内は目を反らしたのだ。
この不完全でいびつな体と共に、自分自身の存在を自ら否定するために、城之内はその名前も、過去も、記憶も人格さえも全て忘却していった。それが死ねなかった城之内に出来るたった一つの抵抗だったのかもしれない。
ふわふわと暗闇を漂いながら、その命が終わることだけを望んで息をしてきた。しかし、その真っ黒な闇にかかる白く霞んだ望みでさえ、城之内自身の赤い血の色が塗りつぶしていく。
「………」
血液の付いた指を凝視したまま暫し動きを止めていた城之内が数度瞬きをする。
そして、瞬きをするごとに、あの事故以来どこか焦点の合っていなかった瞳に、はっきりとした意思が戻ってきた。
「………？」
ここはどこだ？
全く見覚えの無い景色。
てか、あんた誰？
こっちをずっと見たままの、この青年は誰だろう。どこか見覚えがないとは言えないけど。
「城之内？」
「だれだ……？」
「えっ？酷いな。どうしちゃったの？」
「………？」
こちらを見つめる３対の視線に城之内は首を傾げつつ、自分の格好に絶叫した。
「うわっああああっ！！なんだよっ！！！えっ！？ええっ！！？？」
素っ裸でベッドいるなどという、ありえないことに咄嗟に体を丸め、隠そうとする。
「城之内？」
「わわわっ！見るな！見るな！みるな！」
目の前の黒髪の青年が手を伸ばしてきて、城之内は後ずさりしようとするが、すぐ海馬にぶつかってぎょっとした。
「？？？……か…いば？」
眉間に皺を刻みつつ、真っ直ぐの青い視線に城之内の唇が動く。
城之内の記憶にある海馬よりもかなり大人びているが、濃茶な髪の色も、印象的な青い瞳も、男にしては整った顔立ち全部が海馬だ。
シルクのシャツを羽織っただけの上半身はさらに逞しくなっていて、さらに落ち着いた雰囲気が大人の男を演出している。
「ど…して、海馬がいるんだ…裸で………えっ？…えっ？」
城之内はぐるりと海馬たちを交互に見比べていく。
嵐の夜からずいぶん長い時間が経過しているような気がするけど、実感がまるでなく、城之内の頭が益々混乱してくる。
「ちょ…えっ…？」
「城之内？」
「うわぁっなななんっああっちょっええええっ！！」
「じょうのうち！？」
記憶と思考がこんがらがって、時間も場所も分からない。ただ、ぐちゃぐちゃになる頭で、防衛本能が働いて、無意識に城之内が暴れ出した。
海馬達に、この秘密を見られてしまった恥ずかしさに全身を真っ赤に染めて、この絶望的な状況から逃れようと、闇雲に手足をばたつかせる。
「ちょっとどうしたの城之内っ！おちついてよ！兄さま！！」
固まったと思ったら、急に恐慌に陥ったように暴れ出した城之内に、モクバは慌てて押さえ付けようとするけれど、伸ばした手は叩かれ、お化けにでもあったような形相で逃げようとする姿に、思わず兄に助けを求めてしまった。
「兄さま！！」
「……ふっ。どうやら、記憶が戻ったようだ」
「！？」
城之内を背後から拘束しつつ、その表情と態度に、いち早く城之内の記憶が戻ったことを察知したようだ。
「えっ？記憶が？」
「ああ。そうだな。城之内？」
抵抗を殺すために背中に手を捻り上げ、その痛みに顔をしかめる城之内に囁いた。
「……っ記憶？わけわかんねぇっよ！！」
記憶なんてそんなこと、城之内には関係ない。しかし、モクバと海馬には重要なことで、
「すごいよっ！！城之内！！良かったね！！」
思いっきり城之内にモクバが抱きついた。
「えっ！！！！！！！」
目の前の少年がある人物の面影に重なって、城之内は抵抗を忘れてしまった。自分よりも逞しい腕に抱擁されながら、唯一記憶と一致する海馬を振り返った。
その、困りきった城之内の色に海馬は含み笑いを堪えきれない。
「モクバ、城之内が困っているぞ」
「……だって、兄さま、すごいじゃないか。ずっと戻らなかったんだから。喜ばしいことさ」
城之内の柔らかい金糸をすくいつつ、モクバは頬を膨らませる。その幼い仕草と、口調がある特定の人物に重なっていって、城之内の瞳が大きく見開かれた。
「……も…クバなのか？どうなってんだ？」
城之内の中でのモクバはまだ小学生で、自分よりもずっと小さかったはずだ。なのにどうしてこんなに大人になっているのか。城之内は意味不明な感覚に呆然とするばかりだ。
「あ…そ、だよね。分からないよね。城之内はね、６年間記憶喪失だったんだ」
「きおく…？」
満面の笑みのモクバに対して、城之内の顔色は悪い。
成長したモクバと海馬が何よりもの証言者なのだが、ぽっかりと抜け落ちた時間の闇に漠然とした怖さだけが城之内に降ってくる。だから不覚にもこの部屋の異様な様に気が回らなかった。
「６年前の夏の夜に、城之内は俺たちが乗った車に飛び出してきたんだよ。たぶん、雨のせいで視界が悪かったんだろうけど、その時はびっくりしたんだ」
「……事故」
「でもね、心配しないで。城之内には怪我一つなかったんだ……でもね、その変わり、自分が分からなくなったんだ。名前も年も俺や兄さまも、みんな忘れちゃったんだよ」
「おれが…」
モクバの説明が城之内に衝撃を与えるには十分で、血の気の引いた城之内の力が抜けていき、海馬に体を支えてもらわなければ座ってられなくなる。
真っ青な顔でもたれ掛る城之内の重みに、背後で海馬がにやりと唇を歪めた。
「不可抗力だとしても、飛び出してきた城之内には罪は無いし、かといって記憶の無い城之内を病院に入れるなんて僕らには出来なかったんだ。だって、もうちょっと時間がずれていたら城之内は事故にあわなくても良かったかも知れないだろ。だから、償いに海馬家で保護してたんだ」
「ほご？」
「うん。城之内の記憶が戻るまでここで静養してもらうためにね」
モクバの自分勝手な説明でさえ、今の状態の城之内は反論など出来ずに鸚鵡返しに頷くばかりだった。
大人しく腕の中にいるのといいことに海馬の手がすうっと前に回ってくる。
「だって城之内をあの家に返すなんて、可哀想で出来なかったんだ」
「………？」
モクバは大げさな仕草で嘆き、絹糸のような髪を梳く。
「事故の後、城之内のことを調べたよ。城之内の生い立ちから交友関係に、家族のこと。誰と仲が良くて、誰と悪いか。城之内の金銭状況もお父さんの仕事のことも、もちろん城之内の体のことも、全部調べさせてもらったよ。そしたら、ますます城之内を家族の下へ返すことなんて出来なかったよ」
「―――っ！！」
モクバの言葉に息を飲む城之内。
「！！！」
何を知っている？
この醜い体のこと？
何を調べたの？
俺が……俺のせいで、家族を不幸にしたことか？
「その体のせいで、つらい目にあってきたんだよね。両親や妹との関係も悪かったみたいだし、そのせいで父親からは……そんなところに記憶も何もない城之内を返すわけにはいかなかったんだ」
あのことをどうして…！
実の父親に乱暴されたことまで知っているんだ。
あの、
悪夢の時間を、どうしてっ！
これこそ本当に記憶から消却したい忌まわしい記憶なのに。
「あああああああっ！！！」
狭い四角い部屋での惨状が城之内の脳裏に再生されて、城之内の体ががたがたと震えだす。
「城之内……」
体を丸めて、怯える城之内にそっと口付けをするとモクバはいたわるように肩を抱いた。
記憶が戻り、昔の城之内になったとしても、こちら側へ堕とす自信がある。だって城之内に帰るべきところはないのだから。
「怖がらないでも大丈夫。城之内をあの家には返さないから。ここにずっといればいいんだ」
「っ！！」
「ここには父さまも兄さまもいる。誰も城之内のことを不気味がらないし、ちゃんと愛してあげる。だから安心してここにいていいんだよ。もう、城之内に帰れる家はないんだ」
「家は…な……い？」
モクバの強引な笑みに圧され、城之内は自分を取り囲んでいる海馬たちを交互に見る。
昔の印象のまま変わらない海馬と、すっかり大人になってしまったモクバ。そして、そのとなりでこっちを観察している壮年の男。その舐めるような視線に脳髄の奥がじわっと熱くなる。
「ここが城之内の家なんだよ。これからもずっとここで暮らすんだ」
「……ずっと………ぁ」
現在進行形の言葉と、胸からの刺激に城之内の意識がクリアになってきた。
「ちょっ…どこ触ってんだ！……はなせっ！！ばかっ！！」
このあまりにもズレた雰囲気と時間に呑まれていたが、体を晒しているのだ。誰にも見せたくない秘密の全てをさらけ出していて、城之内は再び暴れ出した。
「はなせぇっ！！」
「フッ今更何を恥ずかしがる？貴様は俺にずっと抱かれてきただろう？」
「うそだっ！！！！」
「ほら、足りない頭は覚えてなくても、ココは覚えている」
「あぁっ！」
海馬の几帳面な指がコリリと桜色の乳首を摘みあげた。
「やめろっ！」
電流のように体を走る甘い刺激に、城之内の体が強張った。その何故か知っている感覚に背筋が寒くなる。
「海馬…手を離せ」
記憶の戻った城之内だったが、今度は６年間の時間が抜け落ちてしまっていた。鋭利なナイフで切り取ったように切れている記憶の谷間に何があったのか。
城之内は海馬の手をどかそうとするが、正面にいるモクバに両腕を掴まれてそれはかなわない。
「もくばっ！」
「ヤダなあ。今度は６年間のことを忘れちゃったの？」
「ふざけるなっ！こんなことして、許されるとでも思ってるのかっ！」
自分よりもずっと大きくなってしまった海馬とモクバに挟まれ、絶体絶命な状況の中、城之内は必死の形相で抗議する。
「許すって何のこと？」
「こんな……強姦まがいなことして…俺がけいさ……イッァっ！！」
全部を言う前に、海馬に小振りなペニスを握られて城之内の息が詰まった。
「強姦まがいではないぞ。強姦されるのだ。城之内」
「！！！」
「兄さま。駄目だよ。そんなこと言っちゃ。城之内が怯えちゃうじゃないか。安心して。強姦じゃないよ。僕達で愛してあげるんだから。警察に訴えても無駄なんだ。第一、警察に言ってどうするの？このことを話すの？お父さんに犯されて、僕達にレイプされたって言うの？」
「モクバっ！」
口調は海馬よりもずっと丁寧で穏やかなのに、その内容に城之内の血の気が引いていく。
「じゃあ、全部話さないといけないね。城之内の体がどんなにいやらしいかも。父さまや、兄さまの下で悦んで喘いでいたことも、この淫らな体で誘ったことも。映像もあるから貸してあげようか？なんなら警察官の前で実地してもいいよ。そしたら、僕達と城之内のどちらが正しいことを言ってるか証明出来るもんね」
「やめろっ……」
「それも面白そうだ。城之内。やってみるか？」
「狂ってる……」
まるで、なにか余興を楽しんでいるように満面の笑みで会話をしている海馬とモクバは、完全に一般常識からズレている。自分勝手で理不尽な言動に全身に鳥肌がたってきた。
「狂っているのは貴様のほうではないか」
「っ！！」
きゅっと薄皮を剥いた指が、鈴口に爪を立てた。
「ィッたっ！」
「こちらには雄。こちらには雌」
中から溢れてきた白濁液に汚れている秘唇に、モクバの手が伸びてくる。
「ぃっぁ！！」
「貴様はどちらなのだ」
「さわるなっああああっ！！」
生まれてから、ずっと忌み嫌ってきた二つの性器を弄られ、体を真っ赤に染める城之内。必死にもがいても、体格で勝る海馬とモクバに抑えられていて、逃げるとなんて出来ない。
「ぁっさわっるな」
ただでさえ、長い幽閉生活で、筋力が落ちている城之内だ。大の男の腕力には敵わない。脚を広げさせられ、ぱっくりと無防備に開いた股の間を二人の手にいいようにされてしまっている。
「男にしておくには小さすぎるペニス。そして、俺たちのものを全部くわえ込めない浅い膣。乳房というには未成熟なふくらみ。しかし、精を出すことも出来れば女のように浅ましく絶頂に達する身体。実に滑稽ではないか」
「言うなっ！」
海馬の侮辱の言葉に悔しくて城之内の瞳に涙が滲んでくる。嘲笑される声を聞きたくなくて、塞ぎたいけれど両手は掴まれていてそれも出来ず、海馬の低音に耳からも犯されていくようだ。
「感じるだろう。この未熟な身体が熟れていくのが。ほら硬くなってきた」
「やめろ……」
塞げない耳に届く、湿った音。
海馬によって育てられた小振りなペニスが勃起して天井を向き、モクバの手が精液と城之内自信が分泌した愛液に濡れている。
「僕のが溢れてきてる」
「はなせっ……、、ぁっ、、、」
生まれてから１６年間、この身体を嫌って生きてきた。同年代の本田や遊戯が興味を持ついやらしいことにも、嫌悪感しかなかった。
誰かと付き合うことも、ＳＥＸも、自慰ですらしたことがなかったのだ。ある意味無垢な身体で成長してきた城之内。
性の知識は学校で教わった程度しかなく、快楽を感じたこともない。性の欲求も持ったこともなかったのに、城之内の二つの聖域が熱く溶け出している。
海馬とモクバの二人の手によって、生み出される気持ちよさはなんだろう。全く知らない感覚なのに、もっと触っていて欲しいと主張していく身体。そして何よりもその先にあるモノを城之内は知っている。
「いやだああああっ！！」
正体不明なモノに怯え、城之内は叫びながら暴れ出した。我武者羅に体をもがかせれば、海馬とモクバもいたずらをするどころではない。
必死の抵抗に二人が顔を顰めていると、今まで高みの見物を気取っていた剛三郎が重い腰を上げた。
「やはり、半分は男だ。女とは違う。どれ私も手伝おう」
鼻息で口ひげを揺らしつつ、剛三郎ががっしりと城之内の両脚を固定する。
「離せっ！！！くそったれ！！はなしやがれ！！俺が何をしたっていうんだっ！！！」
増えた陵辱者に城之内は負けじと牙をむく。あまりにも理不尽なことに心が萎えてしまいそうなのだ。しかし、体は３人に押さえ付けられて動かせない。
「フッ。負けん気の強いのもまた一興」
城之内を抑えながら、剛三郎が感想を漏らす。
ねっとりと全身を舐め回す視線が気持ち悪いことこの上ない。
「ざけんなっ！！！クソ野郎っ！！！」
元来の強い色で剛三郎を睨み返し、ぺっと唾を吐きかけた。城之内の性格から言えば当然の行動なのだが、その行為が男達の嗜虐心を煽ることになるなんて気が付くはずも無く、色を増した琥珀色で３人の男を睨む。
「………おもしろい。この私に唾を吐く人間がいたとは」
頬に飛んだ飛沫を拭い取った手で、剛三郎は城之内の顎を掴んだ。
「ちょうど浮世離れした遊女のお前には飽きてきたところだ。次は男の姿で楽しませてもらおう」
「……んぐっ……！？」
獲物に飢えた野獣のような気配に、百戦錬磨だった城之内も怯んでしまった。小さな街レベルで粋がっている城之内とは器が違いすぎる。表の世界も裏社会も支する本物の男の、圧倒的な力に城之内の背筋に汗が流れていく。
「瀬人。モクバ」
剛三郎は息子に目配せすると、城之内の脚を更に大きく開いていった。続きをしろということだ。
「ああああっ！！！離せ！！！」
剛三郎に促され、海馬とモクバも淫技を再開させていく。海馬もまた本来の城之内に、激しく興奮しているようだ。
「…………っ！！」
もうどうしようも無いくらい開いた淫部に生える男の腕から城之内は目を離せない。
もぞもぞと蠢くたびに、腰がひとりでに跳ねた。
「海馬っ！！もう、たのむから止めてくれっ！！何でも言うことを聞くから、やめてくれっ！！！」
指が濡れた秘唇をなぞっている。
「いやだぁぁぁぁっ………ぁぁぁぁっ！」
勃起しているペニスを扱かれる。
「ああああああっやめてくれっ！！！！」
「貴様は相変わらずだな。『何でも言うことを聞く』など聞いてもらえると思っているのか？だから貴様は凡骨というのだ」
「くそったれっ」
どうして海馬にこんな仕打ちをされなければならないのか。吐きそうなくらい気持ち悪い行為のはずなのに、なぜ身体が熱いのか。
頭では分かっているのに、指一つで簡単に踊らされる不甲斐無さに、城之内は悔しくて唇を噛んだ。
「口を噛むな。傷がつく」
歯を立てた唇が切れて血が滲み出している。海馬はそれを舐め取ると、そのまま唇を塞いでいく。
「んんっ―っ、まじ……やめろっ…」
これ以上ないくらい間近の海馬に、城之内は顔を背ける。その頬が色づいているのは、下肢の刺激からか、それとも海馬に見つめられているからか。
「あ。兄さまずるいよ」
「フッ。次は俺の番だからな」
「やめてくれっ！！」
表面上は繕っている中の良い兄弟の会話だが、城之内の置かれている状態から見ればとんでもないことた。異常な海馬達に、城之内が悲鳴を上げる。
「やめないよ。やめるわけないじゃん。城之内」
「そろそろイクがいい。限界だろう」
海馬の言うとおり、城之内の身体はギリギリのところまで高められていた。必死に感じてないふりをしているが、ペニスも秘唇も愛液に濡れて二人の手を濡らしていた。
「いやだ。絶対にてめえらの思い通りになんか、、、、ぁ、、」
どんなに強がっていても、的確に掴んでくる刺激が城之内を苛んいて、勝手に反応している。どんなに堪えても喉の奥から漏れる声が甘く上ずっていた。
「我慢は身体に悪いぞ」
「ふふっざけん、、、な、、ぁぁああ」
城之内をゆるくいたぶるのではなく、絶頂に押し上げようと手の動きがいやらしさを増してきて、直に感じる熱に、城之内の蜂蜜色の髪がシーツに散る。
「もう、一押しかな。イキそうだ」
「イ、、、ゃだ、、、、も、、まじ、、ヤバ、、、いって」
刺激を受けて、腰が熱い。
剛三郎の力強い腕に、しっかりと押さえ付けられて逃げるところなんて無く、粘質的な水音が止まらない。
何よりも快楽を躾けられた身体は、従順に快楽の道をたどるのだ。城之内はシーツを握り締めて、その知っていて知らない快感に絶叫する。
「あああああっやだやだ、、、ああああああ」
下肢が熱くて、どれがどの刺激か分からなくなってきた。それにあわせて手の動きが更に早くなってくる。
「あーあーあーあーあーっ」
こんなにいやらしいことは知らないのに、
身体がおかしい
こんなの知らない
勝手におかしくなる身体に、城之内はついていけない。しかし、その戸惑う感覚さえ、脊髄を駆け上ってくる強烈に甘い刺激に、飲み込まれていくのだ。
パチパチと音がするくらい、脳みそに火花が飛び散って
「いぃゃああああああああああっ！！」
思考が真っ白に弾け飛んだ。
「ああ―――っ」
押さえ込まれているのにも関わらず、城之内の身体がベッドの上でエビ反りにしなう。
今、まさに城之内は絶頂に達していた。
眉間に皺を寄せ、シーツに深い皺が寄っている。
男と女の根源を直に攻められて、熟した身体にかかる刺激はどのくらいのものだのだろうか。
真っ白なシーツに飛び散った精液と愛液。その元にある海馬とモクバの手も濡れている。
「何度見ても、面白い」
「兄さまの言っていた通り、本当に両方でイケるんだ…すごい…」
全身を真っ赤に染めて硬直する城之内に、海馬たちが欲望の色で暗く笑う。
「はぁ…はあ…はあ、はぁ」
ベッドの中心にいる城之内は絶頂の余韻に呆然としていた。身体に力が入らない。こんな奴らに辱められて殴りかかりたいが、脱力した身体は言うことを聞かず、恥ずかしさと屈辱に涙が滲んでくる。
そんな整わない息の中、涙に白く霞んだ思考の向こうに、海馬と剛三郎に抱かれ続けてきた、別の自分の影が浮かんできた。
「…………」
激しいオーガズムが呼び水となって、途切れた時間を連れてくる。
何も分からないまま、服を剥ぎ取られ剛三郎の男根を受け入れた衝撃。時間さえあれば抱かれ続けてきたベッドに海馬が加わるのはすぐのことで、日々繰り返される陵辱に身体を開いてきた。
「ぁ…？……？」
このベッドでずっと、繰り返してきた海馬と剛三郎とのＳＥＸ。腰を振り、蕾のような乳房と口で男根に奉仕をし、未熟な下肢で精液を受けとめてきた城之内。何よりも濃密なＳＥＸに酔っていたのは、城之内自身だった。
「あぁ？ぅそだっ…うぁぁ！」
逃げるように秘密を隠しながら生きていたのに、実の父親には乱暴され、海馬に知られてしまった秘密。
失った善悪の中、身体だけは開花していって、要求されるがまま淫らに身体を開いてきた。事故を境に分断されていた時間が見事に継ぎ合わされると、城之内の常識が悲鳴を上げる。
「ぅ……ッぅ…ぁぁ…」
経緯はどうであれ、６年間も海馬たちの慰みものとして暮らしてきた事実に、城之内のプライドが壊れてしまいそうだ。
事故のせいにだけは出来ない、脆い精神と身体。
物心ついてから後ろ暗い身体だったけれど、今ほど、忌まわしいと思ったことはない。
その悔しさに、独りでに涙が流れて止まらなくなってしまった。
「ぅっ…ぁっぁぁっ…」
だるく重い腕で顔を覆い、涙を隠す城之内。堪えきれない嗚咽が部屋に響く。
「帰して…家に…ここから出して…くれよ…」
大の男が、情けなくしゃくりをあげて泣いている。
「………」
「俺を自由にしてくれ」
この男達に力ずくの抵抗なんて意味が無いことを知っている６年間の城之内。でも１６年分の城之内が抵抗して、自由にしてくれと訴える。
しかし、そんなことが認められるわけもなく、モクバが微笑んだ。
「それは出来ないよ。城之内。やっとＳＥＸ出来るようになったのに。僕がどれだけ我慢したか知ってるかい？」
海馬は冷たく突き放す。
「無理だな。第一、外に貴様の戻るべき場所はない」
「……えっ！？」
海馬の言葉に、城之内のしゃくりが止まる。
「瀬人の言うとおり、城之内克也は死んだことになっている。葬式も済んで、墓だってあるぞ」
「うそ…だ…」
剛三郎から発せられる冷酷な言葉に瞳が大きく開いて、
「両親も離婚して、家も引き払ったようだ」
「うそだっうそだうそだ！俺は生きてるのになんでっ！」
衝撃の現実に、剛三郎に掴みかかる。
「許さない。絶対に許さない」
正面から剛三郎を捕らえ、揺るがない強さでガンを飛ばす。今の城之内に記憶の無かったころの儚さは皆無だ。
「これはこれは、おもしろい」
敵意をむき出しにした城之内に、剛三郎はフフんと鼻を鳴らした。激高に真っ赤になる城之内と対照的に動じることのない剛三郎。その人を見下したような態度と視線に城之内がキレた。
「ふざけんなっ！！！」
血が滲むほど握り締めた拳を、傲慢な面にお見舞いしようとする。
が、
「おろかしい」
実に呆気なく、その腕を海馬につかまれてしまった。
「はっ離せえええっ！！！そいつを殴らせろっ！！！」
度を越えた怒りに、髪を振り乱し暴れる城之内。しかし海馬に羽交い絞めにされ、脚をバタつかせる姿は駄々を捏ねる子供のようにしか見えない。
「たく、立場をわきまえろ」
声高に騒ぐ城之内に、海馬がうんざりしたようにしているが、その表情には抑えきれない興奮がにじみ出ている。
「殴られるのも一興だったぞ」
「腫れた顔では仕事にならないのではないですか。父上」
「それならそれで、城之内に罰を与えるだけのことだ」
「趣味の悪い」
口だけで笑う剛三郎に、海馬が小さくため息を漏らす。悪趣味な性癖に反吐が出そうだ。
「あー。でも、父さまに手を上げること自体、イケナイことさ。おしおきだね」
モクバが面白半分に口を挟んでくる。とにかく、早く続きがしたいのだ。一度だけの性交で治まらない性欲が猛っている。
「！！！モクバっ！！」
腹に付きそうなくらい天を剥いている男根に城之内が思わず目を反らす。
「父さまも、兄さまもそうでしょ」
淫水にテラつく肉棒を扱き挑発すると、剛三郎が頷いた。
「やめろっ！！」
その眼光にいやらしいものが混じったのを感じ取った城之内がまたも暴れだすが、それも男たちにとっては興奮剤にしかならない。
「たの……まじだっめっ……ああ！」
脇から伸びてきたモクバに乳房を鷲掴みにされ、慄く城之内。
「触るなっ！！」
ゆるやかな盛り上がりを揉まれる感触に、身を引こうとするけれど、海馬に抑えられ動けるはずもなく、程なく両方の乳房を揉まれることとなった。
「ひぃ…ダメだ…っさわるな…」
小山というにも程遠い硬い乳房をほぐすように揉まれていく。中心に寄せ、円を描くように回されて、しつこく触られていくうちに、やがてそこに火が灯りだしてきた。
「……ぁ…やめろ…はぁっ……」
すっかり男になったモクバの無骨な掌が、城之内の繊細な胸を包み込んで柔らかく仕上げていく。徐々に熱くなるにつれて中心のしこりが硬く色づいてき、可愛いさくらんぼのように尖ってくるのだ。
「、、、、ぃっ、、、はっ、、、もく、、、ば、、、」
「フフフ感じているんだね。おっぱいは柔らかくなってきたのに、乳首は硬くなってきたよ。なんて淫らな身体なんだ城之内」
「いやだっ！」
この部屋に監禁されて以来、剛三郎と海馬によって変えられた身体は過敏に反応を示していく。
「、、、ぁっ、、、ぁぁぁああっ、、ぃやだっぁ」
淫らにくねる身体を拒絶する城之内。天然色の瞳に宿る強い意志の色。それはモクバの知っている昔の城之内そのままで、負けん気の強さと、快楽に悶えている、絶妙なアンバランスな城之内が男たちの征服欲を駆り立てていった。
大企業を経営するだけの手腕と、欲望を満たそうとする貪欲さ。常に人の上に立ち他人を従わせることを常識としている海馬たちにとって、反抗的な城之内を陥落させることは、実に楽しい余興の一つなのだ。
言葉と淫技で城之内を追い込んで、暗い底に落ちる寸前に悦楽で引きずりあげる。そうして身も心も手中に収めていく。
支配者のなんと傲慢な考えだろう。
「美味しそうだ」
モクバがかりっと乳首に歯を立てる。
「ィタっ！」
モクバが力を入れていなくても、城之内にとっては食いちぎられてしまいそうな恐怖と痛みに顔が歪んだ。
「痛い？でも、城之内は痛いのも好きだよね」
悔しさに涙を浮かべる瞳にぞくりとしたものが腹の底から湧き上がってくる。それは一人の人間の人格と人権を支配する禁忌の欲望だ。しかしその欲望は永遠に満たされることはなく、満たしても満たしても、底の抜けたグラスのように注いでも注いでも溜まることはない。
モクバは乾いた喉を湿らせるために唾を飲み込んだ。
「そんなことねえよっ！！」
「うそ。城之内は気持ちいいことを沢山知ってるよ。もう気付いてるんじゃない？城之内が誰よりもいやらしいってことをさ」
「っつ！？」
海馬には無い、甘いマスクに卑猥さが混じっていて、城之内の血の気が引いていく。剛三郎や海馬よりも残忍な色をモクバの中に見えたからかもしれない。
「イッタばかりなのに、また濡れてきてる」
「違う」
軽い愛撫だけで浅ましく反応する下半身に、城之内は頭を振って否定した。
「あ―。正確にはさっき出してあげた僕のやつと混じってるかな。それに良く見てごらん、ちょっと色が付いてるでしょ。これはね城之内が本物の女の子になった証なんだよ」
「………っ！？まさかっ！！」
モクバの指をうっすらと汚している体液の色に城之内は凍りつく。さすがの城之内にもそれくらいの知識はあった。
「多分今すぐにってのは無理だけど、そのうち……ね」
そのうち………
『 ができる』
と、モクバは言っているのだ。
この部屋に監禁されてきたことよりも、恐ろしい事態に城之内は慄き、歯の根が合わないくらい震え上がる。
男なのに身体の半分は女で、かつ、妊娠してしまうかもしれない恐怖に、全身に鳥肌が立ってきた。
「……ぁぁぁ……」
「ここにこれからも沢山出して上げるよ。出来るまでね」
「もちろん、俺たちもだ」
「よかったね。父さまか、兄さまか、僕か、誰かがパパになるんだよ」
「うそだ…いや…いや、いやだ」
ガクガクと震えが止まらない。
「怖がらないでよ。僕達は良いだんな様になれるよ。城之内のこと愛しているんだからね」
「うそだ…うそ…うそだ」
城之内を呪縛する言葉を必死に否定する。そうしないと心がおかしくなってしまいそうだ。
「信じてよ。こんなに愛してるのに。城之内も強情だな。なら、こっちに聞いてみればいいだけなんだけどね」
唇を尖らせつつモクバは、城之内の脚を抱え上げると猛り立っている男根を秘口に挿入した。
「ぃいっやだぁああっ―――――！」
抵抗する間もなく熱い肉の塊を感じて城之内が悲鳴を上げた。
「もっと愛してあげる」
無理やり広げられる衝撃をやり過ごせないまま、モクバが動き出した。
「ぃっァアアっぁっ！」
「城之内の中に、いっぱい注いであげる。だから、僕ので孕んでよ」
「いっあああ！！」
力強い腰使いに舌を噛んでしまいそうで、言葉が繋げない城之内。いつのまにかベッドに寝かされる体勢になっていて、モクバが腰を繰り出していた。浅い肉道は摩擦によって軋んで悲鳴を上げている。
「も、、、、くっ、、、ぁぁ、、いぁっ、、」
「すごい締め付けだ。ほら、城之内もちゃんとわかってるじゃない」
最奥まで入り込んでくるモクバが恍惚とした顔で、何度も何度も奥を捏ね上げていく。
「ちがっ、、、、ぁぁっ、、、」
突いていくたびに城之内の頬が染まり、抵抗が薄くなってきた。
「僕のをぎゅうぎゅう締め付けて、僕を愛してるんだね。うれしいよ城之内」
「ぁぁああっ」
異常な愛情が恐ろしい。
若いモクバの雄が強制的に、注がれてしまう。それの行き着き先にあるものが怖い。
「モっ、、、くば！やめて、、、中に出さないでくれ、、、」
「駄目。城之内にはちゃんと受けとめてもらうから」
激しく揺さぶられて眩暈がしそうだ。モクバの男根の熱さに頂点が近いことが否応にもわかって、絶望的な悲鳴が喉をついていく。
「いやだっ、、、いや、、、出すなっぁあああ」
「はっはっはっ……はぁはぁ」
モクバの息も荒い。
「海馬っ！！助けてっ！！」
逃げられない頂点へのプロセスに、城之内は藁をもすがる思いで海馬に手を伸ばす。しかし、海馬が助けてくれるはずも無く皮肉な笑みに唇が歪んでいた。
「弟に、たっぷりと種付けしてもらうがいい。その次は俺のが待っている」
「っぃ！！！」
伸ばした手を押さえ付けられて、ぞっと囁いてくる低音に、脳髄がぞわりと痺れて、城之内の喉が鳴る。
「ああっ出る。出るよ。城之内に全部出してあげるからっ！」
荒々しい腰使いとストロークが激しさを増し、ひと際大きく男根が膨れ上がる。
「いあああああああっ！！！！だめだ、やめろおおっ、、外に、外に出してくれ！！」
狭い肉道の圧迫感が増してきて、その時を悟った城之内が懇願する。だが、願いを叶えられるわけも無く、
「ははっ、出る」
一番深いところでそれが弾けた。
「いやだあああああああっ」
摩擦によって過敏になった粘膜に叩き付けられる、熱い体液とモクバの脈動に、目の前が真っ暗になってくる。
弟のような存在だったモクバに犯されてしまった衝撃と、抵抗出来ずに受け入れてしまった自分へのもどかしさ。そして何よりも妊娠してしまうかもしれない恐怖に、城之内の大きく見開いた瞳から涙が零れ落ちる。
「はぁ…全部、全部あげるからね」
そんな城之内にモクバは大量の精液を吐き出していた。奥の奥の秘口に送り込むがごとく間欠的に出てくる精液が体内を汚し溢れた分がシーツに染みを作る。
そして、ゆっくりと城之内に覆いかぶさると、流れる涙を満足気に舐め取っていく。もちろん、萎える気配のない肉棒を粘膜に擦りつけ、襞の一枚一枚に擦り付けていく。
「ぃっ、、、く、、ぁっ、、ぃっ、、」
逞しい身体を受けとめつつ、体奥で蠢く肉塊に合わせて微痙攣している肉壁。モクバの精液を受けとめつつ城之内もまた知らないうちにイッていたのだ。お互いの腹を城之内の薄い体液が汚す。城之内自身が嫌悪するはしたない姿だが、何回も、強制的にイカされた身体は倦怠感のほうが強く、力の入らないまま、モクバのいいようにされた。
降ってくるキスの嵐もどうでもいい。
「、、、はぁ、、ふぅ、、っ」
やがて、射精を終えたモクバが名残惜しそうに離れていった。湯気が立ち上りそうな男根を引き抜かれると、熟れた肉の間から精液が溢れ出す。
「ん、、、あ、、」
ちゅりっと粘膜同士がこすれあう卑猥な音に微かに城之内は身じろいだ。
「次は俺様の相手をしてもらおう。モクバのために一日我慢したのだからな。それなりに楽しませてもらうぞ」
「………ん…ぇぁ…まだ…」
呆けている城之内の返事を待たず、海馬はまだ息の整わない城之内を抱き上げて膝の上に座らせる。
「わかっているな」
「ぅ…ぁ…むり…」
芯の通らない身体はまだ絶頂感が去っていなくて、三たび感じる硬い肉の塊に、海馬の肩を押し返そうとする。
「貴様が判断するのではない。決めるのは俺だ」
「ッふ……ざけんなっ！」
身勝手な海馬に、一瞬で城之内の強い意志が戻ってくる。負けん気の強いあの琥珀色に海馬は唇を片方だけ吊り上げ、一気に城之内の腰を落とした。
「！！！！ああああああっ！！！」
「馴らさずともいけるだろ」
一日お預けを食らっていた海馬は、ガラにもなく興奮していて、バラバラと散る蜂蜜色の柔らかい髪の感触を楽しみつつも容赦なく最奥まで埋め込んでいった。
「、、、ああっ、、まて、、」
手を添えなくても天に向いてそそり立っていりる肉棒に、中に残っていたモクバの精液が絡み付いていく。
「、、、、んっくぅっ、、抜けっ、、」
「相変わらず、狭い」
「、、抜いてくれ、、頼む」
二つの性を持ち合わせるために、もともと容量の少ない城之内の秘穴。剛三郎と海馬によって柔軟に開かれたとはいえ、めいいっぱいに伸ばされた蜜壁は悲鳴を上げている。
その圧迫感を少しでも和らげようと腰を浮かそうとするが、反対にもっと奥を刺激されてしまった。
「あああっ」
「俺様のが抜けるのは、貴様の中にたっぷりと出した後だ。早く抜いて欲しければ俺が早くイクように協力するのだな」
「っ！！！てめっ！！」
まるで、城之内の正気を保たせるように、わざと屈辱と羞恥を煽っていく海馬。しかしそれも長くはもたない。中の肉を摩擦してやれば海馬の熱を発火点にして、快楽の火に飲み込まれていくのだ。
「ぁああっ」
ほら、こうして、
「かっぃばっ！！」
奥を突けば、無駄な抵抗など意味が無くなる。
「ぁああっ、、、ぁん、、くっぅ、、んんっ、、」
柔らかく捏ね上げた肉ヒダを擦れば、大量の愛液があふれ出して、淫らな音が奏でられていく。
「ぁああっひっ、、、ゃめろ、、あぁっ」
海馬の突き上げに合わせて、城之内が膝の上で揺さぶられる。腰をくねらせいる様は淫らなダンスを踊っているようだ。
「、、かっぃっばっ、、ひぃゃっ、、めてっ、、ああっ」
激しい突き上げに舌を噛んでしまいそうだ。
「まて、、、まって、、ぁあぁああつ、、」
じゅるじゅるじゅると、体液の入り混じったものが泡だって淫音を立てている。
「イヤではないだろう？貴様のここが絡み付いて、良く締まる」
「くそっ、、たれ、、が」
突き上げる速度は変えず、海馬は城之内に卑猥な言葉を投げかける。そうすると快楽に流されようとなる城之内が戻ってきて、一層秘口が絞まるのだ。無意識の身体の反応がより城之内を悩ませることになるのだけど、その快楽と怒りと羞恥の狭間で苛まれる城之内が、海馬の征服欲を潤していくのが実に面白い。
「ぁっ、ぁっああっ、、、てめ、、いはっぁっ、、くぅ、、、」
「兄さま、楽しそうだね」
「ああ。楽しいぞ。凡骨を犯るのは格別なものがある」
「……へえ」
城之内が城之内だったころ、兄と城之内の関係は最悪だった。いや、一方的に城之内が海馬を毛嫌いしていたというところか。
「かぁ、、、くそっ、、ぁぁあっはっ、や、え、、」
ことるごとに兄に噛み付いていた城之内が、今では兄の上であられもなく喘いでいて、長い監禁生活ですっかり白くなってしまった全身を桜に染めて、ＳＥＸをしている。
城之内の禁断の秘密があいまって、城之内の乱れようは倒錯的なものがあった。
「……モクバ」
「何？兄さま」
「城之内はこちらも好むぞ」
海馬の指が、後孔に消える。
「あああっ！」
途端に城之内に声が上がった。
「いやだっ！！」
尻をふって、海馬の攻めから逃げようとするが、硬く閉じているはずの入り口は自然に海馬の指を飲み込んでいった。
「ひぁっか、、いぁああっ」
「このなりでも半分男だ。一人前に尻でも感じることが出来る」
「ああああああっ」
城之内がはしたなく喘いでいる。外からは見えないけれど海馬が内部のしこりをダイレクトに弄っているのだろう。
「かあああああいばああ、やめろやめろ、、、そこ、、、さわるなっ！！！」
城之内の背中が反り返る。男と女の壷を同時に直接刺激されて、唾液が口の端から零れた。
「くくっ、気持ちいいだろ？貴様の身体は中途半端ななりのくせに、性感帯だけは一人前以上だからな」
「ああんんっ、、やめて、、ああっからだがっ」
極太の男とアナルからの刺激に脳天が沸騰する。小ぶりなペニスが刺激に合わせてぴょこぴょこと震えている。
「まだ、イかせはしない。もっと先の快楽を味合わせてやろう。来いモクバ」
真っ赤に充血した放射状の後孔を開いて、熟れた内部からモクバを呼ぶ海馬。
「……ごくっ」
兄と城之内のＳＥＸに、モクバのそれは復活しっぱなしで怒り猛っている。もちろん、どこに誘っているかなんて百も承知で、モクバは禁断の孔に溢れてきた唾液を飲み込んだ。
「城之内のここは俺たちと変わらない。先から根本まで、全部イケる」
「ィっ！！！そこは、、、いれるな！！！」
「いまさら、何を気取っている。貴様はここを掘られるのが好きだろう？腹の奥まで飲み込んで射精されながらイクだろう？モクバの卒業祝に、使わせてやれ」
「ふざけんな！！……モクバッ！！来んな！！ああっ！！」
モクバの気配と、尻の狭間に当たる滑らかな亀頭に城之内は振り向くと、そこには発情した、雄のモクバがいて。
「やめろっ―――くぅっ、、、、、、、」
がっつりとホールドされた孔に、男根が入ってきた。
「んんんぁあああああああああああ」
指とは違う圧倒的な質感に、押し出される空気が腹の底から出てくる。空気が漏れるのに合わせて、モクバが遠慮なく入り込んできて、狭い穴を拡張されていく。
「ぐぅうううんんんんんあああ」
挿入されるときの衝撃に耐えようと無意識に城之内は海馬の背中に腕を回した。より海馬と密着することになるけれど、そうでもしないと肉棒の圧迫感に潰されてしまいそうだ。
「良い心がけだ」
一見従順に見える仕草に、海馬は鼻を鳴らして薄く伸ばされた肉壁越しにモクバのそれと擦り合わせる。
「うわっ……すご…」
裏筋を押し上げられて、絶妙な刺激に感嘆するモクバ。しかし、もっと感じ入っているのは城之内で声さえ上がらない。
「全部飲み込んでるよ。どう？感じる？感じてる？僕は気持ちいいよ」
未熟な前の孔とは違い、後は底がない。ずっぷりと根元まで挿入して、内壁の火傷しそうな熱さと、吸い付いてくるような美肉にモクバは目を輝かせている。
一人では得られない締め付け感と、二人掛かりで同時に犯す禁断の喜びに若い雄が暴走し始めた。
「、、、、、あ、、がっぁっ、、ひぃ、、いぁ、、ぁああ、」
海馬の背中にしがみ付き、辛うじて息をしている城之内はただただ尻を差し出している格好になる。それをいいことに海馬とモクバは我が物顔で腰を繰り出していく。
海馬が出て行けば、モクバが入り込んできて、両方が出て行き一気に収縮した粘膜を同時に広げられる。同調しつつ、どちらが城之内を感じさせられるか競っているような、動きに城之内はすすり泣いていた。
「んぁはぁんんっはっん、、んぃんぐっ」
二つの肉棒に気持ち良いところを摩擦されて、脳みそが沸点に達しそうだ。腸側から転がされ、膣側から押し返される。不意に挟み込まれて潰されそうにもなる。
そのたびに脊髄を直接的な痺れが全身に広がっていき、溶けてしまいそうな感覚に、海馬の背中に爪を立てた。
海馬の腹との間に挟まれた小振りなペニスからは、精液ともカウパー氏腺なのか判別出来ない体液が垂れ流しになっていて、海馬と城之内の腹を汚している。
「ぃっひっふっはぁああっんっ」
自分の声も耳に届かず、言葉の意味を成さない喘ぎ声と共に、閉じられなくなった口の端から唾液が糸を引いて、感極まっている城之内。
「も、、ああぅ、、ぅぅっ、、んんあっああっ」
「イク？城之内の中、痙攣が止まらないよ。ちぎれそうだ」
「イきそうというよりも、イキっぱなしになっているのだ。いやらしい音が聞こえるだろう？」
「ぃっ、、んんはっんぁっ」
極太のペニスに捏ねられている美肉は、突き上げられた餅のように潤んで、海馬の指摘通り、小さな絶頂感の中に漂っている。
摩擦熱と海馬のモクバの体温、そして城之内の体温が交じり合って、高まっていく官能。小さな絶頂の先にある大きな波に飲み込まれるのも目前だ。
「かぁっぃっやだっぁあぁあああああ」
兄弟の肉棒に串刺しにされているのにも関わらず、城之内の腰が大きくうねり出す。城之内が達しようとするときの仕草に、海馬はほくそ笑むと子宮口を亀頭で押し上げる。
「んんんっひぃいぃぃっ」
途端に目蓋の奥に火花が散って、城之内の男にしては高い嬌声が喉をつんざいた。
「イけ」
「んっあっああぅっはっはっ、、ぁああっ」
絶対に拒めない快楽に、目が眩んでくる。もう、本当に身体が溶けてしまいそうだ。城之内を追い込む突き上げに、膣と腸が一つの孔になったようだ。
「いっ、、いあっ、、めてっ、、」
極太のペニスに犯されて、城之内の感覚全てを支配される。
そうだ。
ずっとこうして犯されてきたのだ。
閉じた空間のなかで、海馬と剛三郎に犯されてきた。
昔の記憶が戻っても、していることはなんら変わりなくて、肉食獣に食い尽くされるように、海馬家の人間に身体を貪られている。
拒絶したいとは裏腹に身体は忠実に性欲を追求していて、はしたなく海馬兄弟に翻弄される悔しさに、蜂蜜色が溶けた。
「かあっぃば、、、も、やめてっえ、、！！」
声変わりのしていない少年の声で、城之内が鳴く。抽送の止まらない男根が尻の気持ちいいところも、女の根源も蹂躙していて痙攣が止まらない。まるで、肉棒を食すように蠢く肉の壁。
それは城之内にも海馬にも、モクバにも至上の快楽を与えていた。
「はっいやぁあっやめていきたくないっ」
じゅちゅじゅちゅじゅじゅじゅ
卑猥な音が止まらない。白く泡立った体液が３人の股を濡らす。
はっはっはっはっ
突き上げている海馬とモクバの息も荒い。城之内をもっといたぶろうとしていたのに、あまりにもの気持ち良さに巻き込まれ、気を抜くと先に射精してしまいそうなのだ。
二人は歯を食いしばって城之内を追い上げていった。
「イけ。イッた中に出してやる。貴様の一番好きなことをしてやろう」
「いっやあああああっ、だすなっ！中で出さないで」
中から汚染される恐怖に、城之内は懇願した。力の入らない腕を突っ張り、中出しから逃れようとするが、
「無駄だ。たっぷりと飲み込むがいい」
「いあああああああああああっ」
がつんと子宮口と、腸内の奥に突きこまれ、深い衝撃に城之内が絶叫して、視界が真っ白に飛んだ。
「んぐ！！」
キライな男にしがみ付いて、城之内は絶頂に達する。
「すごっ」
「くっ」
うねる熟肉に揉みしだかれて、海馬とモクバも我慢の限界に来た。血液が一気に集まってきて、男根がより一層膨張する。
「とめっ、、ぁあっ動かすなっ、、」
感じすぎて過敏になっている肉壁を硬い男に押し開れ、攪拌されてはたまらない。そして力強さを増す突きが、二人の雄が高まってきていることを示していて、城之内は激しく揺さぶられながら身悶えた。
「いや、出さないで。中にだけはっ！」
細い腰をくねらせて、必死の抵抗をする城之内。しかし、海馬とモクバはそれをあざ笑うように、自慢の男根を使い城之内を追い上げていく。男でありなが女のようにイかせて悶えさせ、拒絶すら官能で塗りつぶしてやるのだ。そして、そこに雄の精を植えつける。
「いっあああああっああああ」
がくがくと身体を震わせて城之内の身体がしなる。全身が痙攣して、支えられていなければ、起きていられない。
「いや、いや、いやっあああっあああああああああああ」
終わらないストロークに、桜色に染まる身体と、呆け焦点の合わない蜂蜜色が白旗を挙げた。
「あー―――」
「くそ、も、だめだっ」
「ふっ……」
身体を震わせ今夜一番のオーガズムに恍惚としている城之内があまりにも倒錯的で、海馬とモクバがほぼ同時に弾けた。
「いやぁああああっ」
ひと際膨らんだ瞬間、大量の精液を体内に吐き出し、奥の奥へと届くように、何回にも分けて噴射していく。
そのマグマのような熱さを腹の中に感じて、城之内は絶望にすすり泣いた。
「全部飲ませてあげるから。零しちゃ駄目だよ」
汗で滴らせた城之内を背後から抱きしめて、モクバはまだ射精し続けているペニスをゆるゆると動かす。括約筋の締め付けで尿道に残る一滴まで搾り出すつもりなのだ。
「零せば、また初めからやり直しだぞ。全部飲み込めるようになるまでな」
つんと上を向いた乳首にいたずらを楽しみつつ、海馬もまた子宮口目がけて大量の精液を放出していた。
「はぁ、、はぁ、、」
激しい絶頂を強制的に呆然とした城之内が、ぐったりとモクバに身体を預けていた。無防備の胸を海馬が撫で回しているが、拒もうにも手が鉛のように重くて、上がらない。
つづく…（滝汗）
続き……というか、あとちょっと続きます。
短編にいろいろな要素を詰め込んだせいか、たぶん、今までで一番の長さのえちしーん（になるであろう）が終わらず、キリのいいところで上げました。
今回の教訓
えちは計画的にね。
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