秘密〜共有・後〜








 果ててもまだ、絡まりあう3人の側に、残った一人が近づいてきた。
 剛三郎だ。
 この家の当主にして、海馬コーポレーションの会長に君臨する男。


「今夜は一段と気持ちよさそうだ。私の時とは感じ方が違う。やはり、若い雄のほうが好みか?」
 剛三郎は口ひげを揺らしながら、二本の雄を咥えている薄い尻をなで上げた。その無骨な感触と視線に城之内が息を詰める。
「ぃっ」
「まだ、物欲しげに蠢いておるではないか。女になった身体で、今夜の精液は格別の旨さがあるのではないか?」
 剛三郎は、尻を撫で回し、柔肉を押しのけると、ペニスをくわえ込んでざくろ色に充血した縁を観察する。
「大量に出してもらったようだ。この様子だと、子宮の中にまであふれているだろう?妊娠してもおかしくないな」
「今夜は無理だよ。父さま」
「冗談だ。しかし、妊娠するのも遠くないぞ」
「うふふ。城之内から生まれる僕の子供か…どんな子かな」
「凡骨に似ないことを祈ろう」
「兄さま、それじゃ、城之内がかわいそうだよ」


「な……っ」
 常軌を逸する親子の会話に、城之内の血の気が引いていく。この親子は一体何を城之内に求めようとしているのか。
 さっきまでの甘い余韻はどこへやら、一気に体温が下がってきた。
「瀬人とモクバで、ほどよく解れたころだろう。次は私の相手をしてもらおうか」
「っもう……無理だ」
 モクバと海馬に立て続けに、擦られ続けた柔肉が擦り切れてしまいそうになっていて、その上剛三郎のものまで受け入れてしまったら、本当に肉がこそげ落ちてしまいそうなのだ。
 疲労困憊なところに剛三郎の相手をするとなれば、本当に壊れてしまう恐怖に、城之内はふるりと頭を振る。

 それでなくても、剛三郎のモノが存外なものなのに。

「何を甘ったれたことを言っている。そんなことが私に通用すると思っているのか」
 剛三郎は鼻で笑うと、
「一体誰のお陰でここにいられると思っているのだ」
 シルクのバスローブを脱いだ。もちろんその下は裸で、貫禄のある肉体が現れる。やや中年の感は否めないが、社会の激戦を征してきた自信が漲った身体はまだまだ衰えを見せない。
 海馬とモクバがトレーニングを欠かしていないのと同じで、剛三郎もまた実年齢よりもずっと若い肉体年齢を保持していた。
 それは下半身も同じで、反り返っている雄が抱いた女の分だけ存在感を誇示している。
「っひぃっ!」
 城之内は現れた剛三郎のものに、思わず悲鳴を上げてしまった。
 何度見ても慣れない醜悪なペニスは、吸い取った淫水の分だけ黒光りしていて、血管が浮き上がっている。それだけでも人間のものとはとうてい思えないのに、さらにそこにはいくつもの真珠が埋め込まれているのだ。
 カリ首から、裏筋、根元といたるが凸凹していて、凶器にしか見えない。どういう技術で埋め込んでいるのか分からないが、剛三郎が硬く勃起すればするほど表面に出てくる真珠の粒。それは、剛三郎の存在をアピールするだけでなく、抱く女達をいたぶる為だけに改造されたペニスだ。
 
 凶器のイチモツはSEXのたびに城之内の苛んでいく。口には余り、挿入されれば焼杭を打たれたように、全ての感覚を支配されてしまう。
 海馬とモクバを遥かに凌ぐ存在感に、城之内は魂が抜けてしまうほど感じさせられるのだった。
「今日は、今日だけは、許してくれ……」
 昼間からずっと官能に苛まれ続けた身体は限界で、崩れてしまいそうだ。
「ふん。いつもそう言いながら、最後は城之内のほうが感じいるだろう?何、すぐに分からなくしてやろう」
「やめっ……ふっぅんっ」
 震える顎を掴れて、唇を塞がれる。剛三郎の好む葉巻の匂いが鼻を付き、頭の芯がズキンと痺れてくる。
 剛三郎の言うように、快楽を骨の髄まで擦りこまれた6年間で城之内はパブロフの犬のように、剛三郎に服従するように躾けられてきたのだ。
「っゃ、、んん、、っ」
 唇か重なるとほぼ同時に舌を絡め取られた。奥に逃げ込もうとするのを強引に吸い出され、ちゅくちゅくと唾液と絡められる。口の中が剛三郎で一杯になり、喉の奥まで入り込んでくる舌に、脳みそを直に舐められているようで、城之内の目がとろんと閉じてくる。
 城之内の拒絶など容易く封じ込める熟練の淫技は、段違いの存在感があった。
「いい顔だ」
 剛三郎は満足気に鼻を鳴らし、城之内を腕の中におさめる。
「ぅっむぅ、、、」
 体内から二つの男根が抜け落ちて、穴が惜しむように収縮していく。そのあさましい反応に城之内は顔を覆った。
「あれだけ、くわえ込んでいたのにもう閉じてしまっているぞ」
 剛三郎の太い指が亀裂の中を確かめて、にやりと笑う。処女のようなきつさを持っているのに、内部は潤っている極上の仕上がりに、益々イチモツが猛ってくる。
「やめて、、、くれ、、、ィィっ」
 身体の中を蠢く硬い指に城之内は引きつった悲鳴を上げた。ぐりぐりと中を弄くられると溢れる愛液が卑猥な音を立てる。
「コレだけ解れていれば十分だ」
「ほんと、、、に、も、だめだ、、ぁぁ」
 嫌だと拒絶する意思はあるのに、剛三郎が嗅覚と味覚によって覆い尽くされて、麻薬のように城之内の思考を奪っていく。気がつけば剛三郎に組みしかれていて、淫唇に熱の塊が当てられていた。
「やめてくれっ、、、まじで入らな、、、い!」
 ぐぐっと圧迫感が増してくる。
「いやだぁああっ」
 拒もうと必死に締めるものの、雄の欲望に勝てるはずもなく、孔がその形に合わせて開いていく。モクバと海馬によって十分に解された肉は剛三郎の凶器も受け入れていった。
「、、んんんんんっ」
 みりみりと身体が裂ける音が聞こえてきそうだ。強烈な圧迫感に城之内はシーツを手繰り寄せ、上に逃げようと試みる。しかし、肩を抑えられ、更に奥に入り込んできた。
「んんああっ」
 砲身の半分ほどで、到着する女の最深部。亀頭で貝のように閉じた入り口を突かれて、腹の奥が痺れてくる。
「今夜は一段と絞まるな。モクバがいるせいか、それとも記憶がもどったからか、はたまた、女になったからか……退屈しなくていい」
「くそっ……んなんじゃ、、、ねえっ」
 挿入の衝撃に息を乱しながら、城之内は剛三郎を睨み返した。城之内の気の強さが剛三郎の嗜虐心をますますくすぐっている。必死に拒否の意思を示していてる今も、剛三郎のイチモツを咥えている孔は、確かめるようにうねっているし、乱れる呼吸は苦痛よりも別のものを堪えているようだ。
 どんなに我慢しても剛三郎の一突きで、官能の渦に飲み込まれていくだろう。そして男たちが満足するまで、その快楽の中で翻弄されるのだ。
「いい目だ。しかし、いつまでもつかな」
 剛三郎は鼻をならして、細い腰を固定して、ぐぐっと子宮口を押し上げる。
「んんああああ」
 その強烈な力に城之内の身体が反り返る。
「あああああぅ!!」
 ゆるゆると恐れていた出し入れが始まった。ただでさえ小さな肉道に擦られる真珠たち。狂根を押し出そうと収縮する内部を強引に押し開いて、肉壁一枚一枚を確実に嬲っていく。
「ぁっ、、、はっはっ、やめろっ、、、ぉおおっ」
 一突きごとに速度が増していく。熟した粘膜を突起物が不規則に刺激していって、容易にイってしまう。
「ぁっ、、、いて、、う、だ、、だ、、だ、、い、、い、、ぁ」
 真珠が中で暴れていて、位置を変えるごとに小さな絶頂が訪れている。海馬とモクバに散々イカされたのに、尚もイコとする淫秘な反応に、城之内は意味不明な言葉で泣く。
「遠慮せずにイけ」
 がくがくと震える身体を押さえ付け、剛三郎は城之内をイかせるべく、粘質的に狂根を繰り出していく。年輪を重ねた剛三郎の射精感はまだ遠い。
 長さを生かして最深部を亀頭で捏ね、突起した真珠で薄く延びた壁を掻き分ける。
「ぁああっぁっ、、ああっんんんっうっ、、ぁ、、そっ、、ぉっん」
 小さくイキ続けつつ、城之内の身体がベッドの上でのたうってる。
「あぁいいやああああああああっ」
 じゅくちゃくじゅじゅずん
 未熟な膣が、うねって剛直に絡みつき、いやらしい音が止まらない。もちろん、音よりも城之内自身が受けている刺激はもっと強いもので、その強烈な快感に、開きっぱなしの口から唾液が糸を引いている。
 そして、
「あっあっあっーーーーーーっ」
 ひと際、高い声を上げ城之内の身体が反り返り、大きな高みえと押し上げられた。
「くくっ、盛大に、イキおったわ」
 きつきつに締め付ける肉壁に剛直を揉みしだかれて、口ひげを揺らしつつ剛三郎は更に、剛直を繰り出してく。
「い、、あああっ、、まっ、、いって、、、ま、、い、、だぁ」
 城之内が絶頂に達している最中にも、あえていたずらに刺激するのはこの親子の共通点のようだ。
 城之内に更なる限界を求めて、うねる内部を攪拌していく。




「ぃひっ、、んぐぅっ、、ぁぁっ、、」
 ひとしきり突いていると、城之内の反応が弱くなってくる。深い官能の副産物に、剛三郎はまた悪さを思いついた。
「まだ、眠るには夜は早いぞ」
 ぐったりと力の抜けた城之内を腹の上に乗せて、下から剛直を挿入した。
「はぁんんっ」
 再び腹を満たされて城之内はため息ともつかない息を吐く。
「瀬人、モクバ。城之内が退屈しているようだ。わしだけではつまらんらしい」
 ぐっと薄く丸い尻肉を割る。
「父さま!」
 さっきまで、掘られていた穴がじくじくと収縮している。
「確かに、城之内はこちらも好物でしたね」
 瀬人はいやらしく唇と歪め、馴れた手で反り返っているペニスを数度扱き、ためらうことなくアナルへと突き刺していった。
「はっ?ああああああああんんっああああ」
 海馬のペニスが城之内の中に消えていくのに合わせて、城之内は目を見開き、断末魔の叫びを上げた。
「すごい」
 何も入らないような慎ましやかな二つの孔が、柔軟に伸びて剛三郎と瀬人のモノを飲み込んでいく様は、恐ろしいくらいに淫らだ。モクバは父と兄の間から伸びるほっそりとした脚が力なく揺れる光景に、暫し我を忘れてしまう。
「ぁっ、、あっ、、ああっ、、んはっぁぅ、、んあっ」
 城之内の切なげな喘ぎ声にはもう、拒絶の意思は無い。徹底した陵辱に長年染み付いた被虐の甘美が白い肌を桜色に変えていた。
「モクバ、まだ、一つ空いている。塞いでやれ」
「っは!?」
 自分とは違う圧倒的な光景にモクバは呆としつつ、下半身だけは猛り狂っていた。
 剛三郎の声にモクバははっとするが、すぐに何を言っているのか思い当たり、そそくさと城之内の頭のほうへ移動する。
「ごめんね。城之内。君があまりにも綺麗だったから、思わず見入ってしまったよ」
「んっ、、ふっぅんっ、、やだっ!」
 ピンク色に霞む視界に現れる、強大な肉塊に、城之内はふるふると頭を振った。
「だめ。これでもっと城之内を悦ばせてあげるんだから、口を開いて」
 下からの突き上げに閉じることの出来ない唇が、ふっくらと湿っている。薄い唇が官能に溶けて真っ赤に色づいて、そこにペニスを咥えさせるのだと想像するだけで、弾けてしまいそうだった。
 若い雄にモクバは自嘲すると、いやいやをする顎を固定して、
「歯を立てたら、お仕置きだよ」
「んっ、、、、、、ぐぁっ」
 ペニスを圧しこんだ。
「ぶっ、、、んぐっ、、ぐぁっ、、ごぼっ、、」
「すごい。吸い付いてくる。こんなところまで、名器なんだ」
 唾液で溢れかえる口内と、押し返そうとする弾力のある舌。熱い喉の奥。全てが粘膜の塊で、そこそこが絶妙な刺激をモクバに与えてくる。
 その強烈さに、待ちきれず、モクバもまた腰を繰り出した。



 全ての孔を塞がれて、肉塊に支配され、城之内の視界はピンクを通り越し真っ赤に変わる。
 3人かがりで行われる行為はもうSEXと呼ぶにはふさわしくないのかもしれない。

 塞がれた喉が苦しくて、拡張される肛門が悲鳴を上げている。女の壷を捏ね上げる亀頭に腹の奥が火傷しそうで、耐えられないはずなのに、ここにいる男を受け入れることが出来た悦びがうっすらと城之内を支配してきて、全てが気持ちいい。全身が一つの性器になったような錯覚に城之内は倒錯している。
 全身の孔という孔から体液を漏らしつつ、城之内はペニスを愛おしそうに包み込んでいった。




「瀬人、モクバ。良いことを思いついたぞ」
 突き上げの速度を落さず、剛三郎が息子を呼んだ。
「なに?父さま」
「父上?」


「この3人の中で誰が城之内を妊娠させられるか競争しよう。そして、妊娠させた者がカイバコーポレーションの跡取りとすることにする」

 剛三郎の悪魔のような発言に、さすがの海馬とモクバも顔を見合わせる。

「本気ですか。父上」
 一番、カイバコーポレーションの跡取りに近い瀬人は不満気に反論した。
「瀬人には面白くないだろうな。ならば、瀬人が父親になればいいのだ。そうすれば城之内を妻として正式に跡取りとなれる」
「しかし、城之内には、戸籍が無い…」
「人ひとりの戸籍ぐらいどうとでもなるわ。カイバの力を侮るな」
 剛三郎の暗い力に、目が眩みそうだ。
「……ふっ。ならば、父上の期待に応えなければなりません」
「あっ、ズルイよ。兄さま。僕だってがんばるんだからね。兄さまには負けないんだぜ」

 父も父ならば子も子供だ。
 とんでもない悪事に、親子は実に楽しそうに笑う。
 しかし、
 頭上で飛び交う人権を無視した会話だが、当の城之内にはもう届かない。


「あっっ、、、、はっぁっ、、んんっヒっぃぃぃぃ」
 ただ、城之内を犯すのではなく、これ以上はない餌をぶら下げられ二人の息子の目の色が変わる。
 城之内を妊娠させられたほうにある、カイバコーポレーションの次期総裁の椅子と、城之内を妻に出来る権利。
 極上の宝に、熾烈な兄弟争いが幕を開ける。


「いやああああああああ」
 いつもにも増した攻撃に、意識の飛んだ城之内が絶叫した。













 嫌だと泣きながら、止めてくれと懇願しながらも、城之内は貪欲に官能を貪っていく。しかもどんなに快楽に汚しても、城之内の精神は清らかなまま一点も穢すことは出来ない。
 ふしだらに官能の海を漂っていても、海を渡る聖人のように城之内は美しい。

 世界のトップを走り、権力と財力を余りあるほど持つ親子だが、その足元は泥にまみれている。
 その地位を維持するために一体どれだけの人間を犠牲にしてきただろうか。栄光の後ろに出来る濃い影が、犯してきた罪の分ヘドロのごとくへばり付いていて離れることはない。

 だからだろうか、城之内に執着するのは。城之内を求めてやまないのは。
 地獄の亡者が助け手を求め、天から垂れる一筋の糸に縋るように城之内から離れることが出来ないのだ。

 もちろん、この親子に気付くはずもないことだけど。


 盲目の亡者には光は見えなのだから。






















 それから数年後、暗い屋敷の奥深くで上がった産声が海馬家に新たな秘密を産み落とす。



 ノアと名づけられた子供と、海馬瀬人の結婚が世間をしばらく賑わせたが、瀬人の妻は公の場に現れることは無かった。









 城之内の存在も、ノアの出生も
 誰にも知られてはならない秘密だ。







 全ての秘密を抱え込んだ、一室では今日も狂宴が繰り広げられていく。












 やがて 

 秘密が秘密で無くなるとき




 それが







 海馬家の崩壊の始まりになるなんて、誰が予想出来ただろうか。









  おしまい





おわった!!
やはり中途半端に残すのがしのび無いので、書ききっちゃいました。
千恵子さま。ご要望にお答えできたか不安ですが、このようなものになりました。
海馬兄弟に愛され城之内くんが、いつのまにか3孔攻めというものに摩り替わってしまいました。んが、一度はやってみたかった総攻め。きっと城之内くんだから出来たんだと思います。ただ、要素が多すぎてえちに浸りきれなかっなあとひっとりと反省します(汗)
ちなみにこの後がどうなるかは想像にお任せします。
不幸な城之内くんを社長をくっつけたのが唯一の良心ですよ。
ここまで、読んでいただいてありがとうございました。


背景はこちらからお借りしました

NEO HIMEISM