少年忍者の修行は厳しい。1年を通して、超ミニの袖なしの着物だ。着物を脱げば、すぐに水泳の訓練ができるように、着物の下は赤フンだ。
少年少女忍者は、何かにつけ、ムチでお尻を打たれる。任務につけば、常に「死」と隣り合わせの忍者だ。少しの油断が死を招くことになる。だから、小さい頃からの厳しい体罰も、一般社会と同じ倫理で判断されるべきものではないのだろう。
また、短い着物をめくり上げてのお尻へのムチ打ちは、他にも多くの教育的な意味が込められている。忍者は敵方に捕らえられれば、苛酷な拷問が待っている。ムチで打たれたこともない者と、ムチで打たれることが日常茶飯事になっているものとでは、拷問を耐える力がおのずと違ってくる。また、裸のお尻をムチ打つことによって、皮膚が丈夫に鍛えられる。10代も後半となる頃には、男女とも、かなり強くムチ打たれても、赤い筋すら付かないほど丈夫な皮膚になる。
さて、この日のハヤテ君(12歳)だが、薬草学のテストで10問中たった1問間違ってしまったのだ。忍者の世界では、1問だけ間違えたんだからよし、とは考えない。その1問が生死を分けるかもしれないと考える。それはハヤテ君も納得づくだ。1問間違えてしまった自分を恥じ、厳しいムチ打ちを受けるのが当然と考えている。今日の罰はムチ打ち6つだ。少年忍者にとっては軽いムチ打ちだ。ムチは根竹。1打ちごとにハヤテ君のお尻に刻み付けられる赤い筋を見れば、一般にとってはとても軽いとはいえないお仕置きだ。しかし、ハヤテ君は潔く四つん這いになってお尻をぎゅんと突き出し、きっと目を見開いて、もちろん、一切声は立てずにムチを受けている。しかも、このムチ打ちは薬草学の教室で行われている。仲間の少年少女忍者の前で行われているのだ。プライドの高いハヤテ君にとっては、ムチの痛さより、友だちの前でお尻を出してムチ打たれる恥ずかしさのほうが苦しいだろう。しかし、ハヤテ君の友達の中には、ムチ打たれるハヤテ君を見て、「ざまあ見ろ。」なんて思う子どもは一人もいない。みんな例外なくムチの痛さを知っているし、ハヤテ君は時として友だちの身代わりでムチを受けてくれるような、みんなから慕われるリーダーなのだ。
6回のムチを実に立派な態度で受けきったハヤテ君は、医務室に行くことが許された。ほんの5分くらいの間だが、医務室のベッドにうつ伏せになり、優しいおばあちゃん忍者からお尻の傷に秘伝の塗り薬を塗ってもらうのだ。これは、ちょっとは痛いが気持ちのよい一時なのだ。おばあちゃん忍者は美少年のハヤテ君を可愛がっていて、お尻に薬を塗る振りをして、ふんどしの横っちょから指を入れ、ハヤテ君の肛門をぐりぐりしたりした。ハヤテ君たちにとって、このおばあちゃんの「お尻ぐりぐり」はムチ打ちを耐えた後のひそやかな楽しみだった。