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「んんっ……あ、……そ、れ……」
拓也の物が入っていた時とは、痛みも全く違うし、太さが違う分だけ余裕も生まれ、
愛の指の動きを敏感に感じ取ることが出来る。
それは同時に、しな子に自分の中の性感帯を開発させることにもなり、
しな子は愛の指が動く都度、新しい官能を呼び覚まされて声を上げた。
「っふ……ぁ、そこ……そ、こ、いい、の……」
愛も、しな子が自分の指先で感じているのに興奮して、少しずつ指の動きを大きくしていく。
「もう少し、奥まで指入れるわね」
「え……? いや、あっ……んっ」
遂に完全に根元まで指を入れてしまうと、強烈な締めつけ感が愛の指を襲った。
見ると、しな子の腰は微かに震え、もう少しで絶頂を迎える準備を始めている。
と、突然、愛の耳に何かの物音が聞こえてきた。
何の音か確認する為にしな子の口を塞ぐと、廊下の方に目をやる。
突然愛撫を中断されたしな子は切なそうに愛を見るが、
愛の目線を見て自分もそちらに意識を集中させた。
コツ、コツ、と誰かが歩いてくる音が聞こえてくる。
おそらく、校舎内に人が残っていないか確認に来た巡回の教師だろう。
「ど、どうしよう?」
愛に口を塞がれたまましな子がもごもごとしゃべる。
「大丈夫よ。教室に入ってくるかどうかも判らないし、
もし来ても机の下に潜ってれば、いちいち確認なんてしないわよ」
愛は自信たっぷりにそう言うと、しな子の手を引っ張って机の下に潜りこんだ。
「どうしてそんなに落ちついていられるの?」
しな子はさっきまでの興奮はとうに消え、見つかった時の恐怖感で心臓が激しく音を立てている。
教室で、しかも女の子どうしでこんなことをしているのがクラスにばれたら、
きっともう学校に通えないだろう。
それなのに、愛は宿題を忘れた時よりももっと落ち着いているのだ。
「焦ったってなんにもいいことは無いから。人生なんて、なるようにしかならないものなのよ」
もともと、愛はしな子のクラスの少女と較べても、雰囲気などは群を抜いて大人びていたが、
「人生」などと言う言葉を聞いて改めてしな子は愛の顔を見なおした。
「どうしたの?」
「ん、槍溝さんって、大人だなぁって……」
「あなたのここに較べたら、まだまだ子供なんだけどね」
そう言って小さく笑った愛は、再びしな子の膣へ指先を埋めていく。
「ちょっと、何も今しなくたって……先生来ちゃうったら」
抗議するしな子だが、教師に聞こえてしまうのを怖れて小声しか出せず、愛を止めることは出来ない。
「いいからいいから。あ、声出ないようにしてね」
「そんな……、あっ、ん……んんっ……」
しな子は両手で自分の口を塞ぐが、それでもかすかに声は漏れてしまう。
廊下まではさすがに届かないけれど、教室にいたら判ってしまうほどの声。
わざわざ危ないことをしようとする愛が信じられなかった。
自分の恥ずかしいところを触っている愛の指と、コツコツと音を立てる先生の足音の両方が気になって、
もうなんだか判らなくなってしまう。
すると、少しずつ大きくなってきた足音が突然止み、代わりにガラガラという扉を開ける音に変わった。
(どうしよう、もうそこまで来てる)
しかし愛の耳にもその音は聞こえているはずなのに、指は動きを止めるどころか、
しな子に声をあげさせようと中で目まぐるしく角度を変えていく。
「っ……あっ……ん、ふっ……」
だんだんと声の間隔が短くなってきたしな子は、手の甲を噛んで声を漏らさないように必死に耐えた。
再びガラガラと音がすると、足音がこちらに向かってくる。
(つぎ、この教室だわ……んっ、やっ、やだ……でも、もう、我慢、出来ない……)
自分の心臓の音と溢れ出ている蜜の音、教師の歩く足音が、
耳のすぐそばでしているかのように大きく響く。
自分の中で暴れまわる愛の指先が、そのまましな子の脳へつき抜けそうな快楽をもたらした。
「んふっ、んんっ、……ん、ん、……っ!」
教師の足音が自分たちの教室の扉の前で止まる。
(もう、だめ……!)
しかし、教師は扉の前でしばらく止まっていたが、結局開けることなく再び歩き出した。
(助かった……のね)
一瞬、緊張が緩んだ瞬間を見逃さずに愛は激しく指をくねらせる。
「これで、どう?」
「やっ、ぅ、だめ、ん、んんんんー!」
完全に虚をつかれたしな子は、一度引きかけた波を呼び覚まされて、
容易に、しかもより高い快感へ導かれてしまった。
二、三度、大きく身体を揺らすと、足を突っ張らせて絶頂に達する。
更に、愛が役目を終えた指先を抜こうとすると、
快楽と緊張が最高潮に達したしな子は、ついにお漏らしを始めてしまった。
「いや、いや、槍溝さん、お願い、見ないで……見ないで!」
勢い良く溢れ出た小水は、みるみるうちにしな子の足元に水溜りを作っていく。
しな子には永遠にも感じる長い時間、放出は続いていたが、
ようやく音が小さくなっていくと、それに被せるように声を上げて泣き始めた。
愛は一瞬、しな子の突然の放尿に何が起こったのか判らなかったが、
ようやく事態を呑みこむととりあえず机の下から這いだす。
しな子の後に回りこんで、立たせようとするが、
しな子は羞恥のあまり、顔を伏せていやいやをするばかりだ。
愛はとりあえずその場を離れると、雑巾を持ってきてしな子が作った水溜りを拭き取り始める。
一通り拭き終わっても、しな子はまだ泣き止まず、頑なに顔を伏せたままだ。
「深谷さん」
愛は優しく、あやすように語りかける。
「あのね、別にそんなに恥ずかしいことでもないのよ。
女の子はあんまり気持ち良すぎると、そうなることがあるって。しかも結構そういう子多いみたいよ」
しな子を安心させる為に、自分が知っていることを誇張して話す愛。
「……ひっく、でも、恥ずかしいもん」
しな子はそれを聞いてもまだ顔を上げなかったが、泣き声はだんだん小さくなっていった。
やがて、小さく、ほとんど聞き取れない位の声でポツリと言う。
「こんな、小さい子みたいに、お、お漏らし……しちゃって、しかも、それを槍溝さんに見られて」
「あたしは別に気にしてないわよ。あの時の深谷さんの顔、ちょっと可愛かったし」
「……本当?」
すこし顔を上げて、目だけを愛に向けながらしな子は聞く。
「本当よ。だから、ね。立とう?」
しな子はこっくりと頷くと、よろよろと立ちあがる。
その拍子に、しな子の太腿を小水と愛液が伝っていくが、
愛は用意していたティッシュで素早く拭きとってやる。
丁寧に他の汚れた場所も拭きとると、下着を持ち上げて穿かせてやる。
しな子はその間何も言わず愛に身を任せていたが、
穿かせ終わった愛が立ちあがると恥ずかしそうにお礼を言う。
「あ、あの……ありがと」
「いいのよ。さ、帰りましょうか」
愛はいかにも手馴れた感じで教室の扉から顔を出して誰も居ない事を確認すると、
しな子を手招きして校舎を出る為に歩き始めた。
二人は一言も話さず歩いてきたが、校門を出た所でしな子が口を開いた。
「あ、あの、槍溝さん」
「ん?」
「その……なんでもない」
しな子は口を開いたが、何を言っても結局墓穴を掘るような気がして結局そのまま口を閉ざす。
愛はそんなしな子を見ても何も言わなかったが、やがて、思い出したように口を開いた。
「あ、やっぱりさっきの話だけど」
「!」
しな子は一瞬で頭に血が上って何も考えられなくなり、その場に立ち止まってしまう。
「せっかくだから、気にしようかしら。
そうすれば、深谷さんあたしの言うことなんでも聞いてくれそうだものね」
「〜〜!」
耳まで赤くして愛の肩をポカポカ叩くしな子。
「冗談よ、冗談」
そう愛は言ったが、しな子は直感で、自分が致命的な弱みを握られてしまったことを確信していた。
「ね、今度は、榎木君も呼んで三人でしましょうか」
「……嫌っていってもダメなんでしょう?」
「あら、それじゃあたしが脅迫してるみたいじゃない。
嫌なら別にいいんだけど、深谷さんのことは一生胸に刻んで生きていくわ」
「……それを脅迫って言うんじゃない!」
「まあ、どっちでもいいんだけど、どうする? 三人じゃ嫌?」
「…………嫌じゃない」
少しの沈黙の後、しな子は小さい声で愛の提案を飲んだ。
愛の言い方は確かに脅迫めいていたが、提案はそれほど嫌なものでもなかったから。
しな子の中に、拓也を独り占めしたい、という欲求は確かにあったが、
それ以上に、どうやらさっきまでの愛の指の動きを身体が覚えてしまったようなのだ。
だから、愛の三人で、との言葉を聞いたとき、下腹部にむず痒い感覚が広がっていくのを感じていた。
(あたし、どんどんエッチになっていっちゃう……槍溝さんは平気なのかな?)
その疑問は是非とも聞いてみたかったが、愛が答えてくれる筈も無いので何も言わなかった
「決まりね。じゃ、作戦立てておくわ。それじゃ、また明日。さよなら」
しな子の内心を知ってか知らずか、
いつもと変わらぬ口調で言うと愛はさっさと自分の家に向けて歩き始めた。
「あ、……さよなら」
だんだんと小さくなって行く愛の後姿を、
しな子は何故なのか自分でも良く解らないままずっと見送っていた。
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