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エリー達がザールブルグを出発して四日が過ぎていた。
今回の目的は、東の台地に秋の間だけある、という宝石草のタネを採取しに行く事だった。
エリーとアイゼルは楽しそうに話しながら街道を歩いく。
その少し後ろを、酒瓶を持ったロマージュがついて来ている。
本当は護衛の為に雇われているのだが、
王国騎士隊が魔物討伐をした直後と言う事もあって魔物に出会う事もなく、
昼間から酒を飲んでいてもエリーも特に何も言わなかった。
もともと、エリーは冒険者としてのロマージュにそれほど期待している訳ではなく、
旅の途中に聞ける話が楽しみだったのだ。
ロマージュのほうも、どう言う訳かこの世馴れぬ少女を気に入ったらしく、
ほとんど金にならない彼女の護衛の仕事を好んで引きうけていた。
アイゼルは、ロマージュが付いて来て居る事が少し不満だった。
本当なら、エリーと二人での旅になるはずだったのに、
飛翔亭で聞きつけたロマージュが一緒に行く、と言い出したのだ。
もちろん、自分が冒険者としてはほとんど役に立たないことをアイゼルは自覚していた。
だからこそ、王国騎士隊の出発した後を見計らってエリーを連れ出すことにしたのに。
旅の途中もアイゼルはほとんどロマージュと口をきかなかった。
ロマージュが常に酒を飲んでいる、というのもあったが、
エリーをロマージュに盗られてしまうような気がして、
エリーと話をする事でロマージュに付け入る隙を与えないようにする為だった。
エリーはそんなアイゼルの気持ちを知ってか知らずか、
時折後ろを振り返っては楽しそうにロマージュに話しかけるのだった。
それがアイゼルには面白くないのだが、話をするな、とも言えず、
ロマージュに対する嫉妬が募っていくばかりだった。

ロマージュはアイゼルのエリーに対する気持ちを理解していたが、持ち前の性格と、
鼻っ柱の強いアイゼルをからかってみたい、
そして出来れば二人とも手篭めにしたいと言う気持ちがあったので、
酒を飲みつつ機会をうかがっていた。
そしてその機会は、ロマージュが思っているよりも早く訪れたのだった。



「今日はこの辺で野宿しましょうか」
陽が山の頂きに半分触れた頃、、エリー達はそこで野宿をすることにした。
簡単な食事を始める。と、ロマージュは二人が時折身体を震わせているのに気付いた。
「どうしたのあんた達、寒いの?」
「ふ、普通の人なら寒いわよ。あなたはお酒ばっかり飲んでるから寒くないんでしょうけど」
問いかけにエリーは頷いたが、アイゼルは弱いところを見せたくないと思ったのか強がって見せる。
確かに、10月ともなれば夜はそれなりに冷え込む。
アイゼルの言う事にも一理はあるのだ。
しかし、ロマージュにはアイゼルの一言が頭の中に引っかかっていた。
「お酒……?」
何かが頭の中にもやを作り始める。
それを逃さないように慎重に形にしたロマージュは、すぐに二人を罠にかけるための作戦を開始した。
「じゃあ、あんた達も飲めば? そうすれば寒くなくなるわよ」
エリー達の歳では、酒を飲んだことはほとんど無いだろう、と考えての事だった。
読み通り、まだ本格的な酒を飲んだことの無いエリーは、
好奇心から誘いに目を輝かせて頷いたが、
アイゼルは、これも予想通り激しく反対してきた。
「そんなの嫌よ。お酒なんか飲まなくたって、あたしはエリーと一緒に寝るからいいわ」
しかし、それは酒に対する恐怖から来る虚勢であることは明らかだった。
そうと知ったロマージュはからかうような口調でアイゼルを挑発してみる。
「あら、あんたお酒を飲むのが怖いのかしら? もしかして、まだ飲んだこと無いの?」
単純な挑発だったが、駆け引きをする経験に乏しいアイゼルはすぐに乗ってきた。
「そ、そんな事無いわ。お酒くらい飲めるわよ」
かかった。
ロマージュは内心で笑みを浮かべたが、態度にはおくびにも出さずに続ける。
「そう、じゃあ飲みましょ。はい、どうぞ」
差し出された器を見てアイゼルはロマージュの作戦にかかってしまったと悟ったようだったが、もう遅かった。
酒瓶を受け取ると、一息に飲み干す。
喉を滑り落ちたアルコールに余程驚いたのか、アイゼルは目を白黒とさせたが、
どうやら自分に醜態を見せたくない一心で、必死に我慢しているようだった。
(ふふっ、無理しちゃって、可愛いわね)
今飲ませた酒は、ワイン等よりもずっときつい酒だ。
まだワインを好奇心から口に含んだ事がある程度のアイゼルに耐えられるはずが無かった。
待つ程の間もなく、アイゼルの頭がふらふらし始める。
まだ本人は素面のつもりなのか強がっているが、すでに舌はろれつが回らなくなっていた。
「ふん、こんらの、べつにどってことらいわよ。ま、おみるがわりよれ……」
しかしそこまで言うのが限界で、しゃっくりを一つするとその場に崩れ落ちてしまった。
「ア……アイゼル?」
エリーが心配そうにアイゼルの方へ近づく。
その間にロマージュは再び酒を口に含むとエリーの背後に忍び寄った。
「ねぇロマージュさん、アイゼルだいじょ……! んぐ、ん、むぅ……はぁ、ちょ、ちょっと、ロマージュさ……!」
エリーが振り向いた瞬間、絶妙のタイミングでロマージュはエリーの唇を奪い、酒を流し込む。
不意を付かれたエリーは、抵抗する間もなくほとんど飲んでしまった。
「うふふ、ごめんねぇ。あんまりあなたが可愛いから、我慢できなくなっちゃった。
あの子も後で仲間に入れてあげるけど、まずはあなたから可愛がってあげる」
突然のロマージュのキスと酒で、意識が朦朧とするエリーを後ろから抱きしめて耳元に囁く。
エリーはそれでもなお最後に残ったわずかな理性ではかない抵抗を試みたが、
再びロマージュに唇を塞がれると、全身から力が抜けていってしまった。
ロマージュはぐったりとしたエリーの衣服を脱がせると、そっと横たえる。
「あなた、もう誰かとしたことはあるの?」
目がとろんとしているエリーの身体に口づけをしながらそう尋ねると、
顔を真っ赤にしながら首を横に振る。
その仕草があまりに可愛かったので、ロマージュはちょっとエリーをいじめることにした。
「だめよ、ちゃんと言わないとわからないでしょ?」
しかし口に出して認めるのは恥ずかしいのか、なかなか返事をしない。
ロマージュはエリーの胸をまさぐっていた手を、
撫でるような動きから、胸の先端をつまんで軽くひねる動きに変えた。
「やっ……! いた、い……それ、や、め……!」
ロマージュがひねる度に痛みと、じわじわとした快感が身体に広がっていき、
無意識に身体が跳ねてしまう。
「ほら、ちゃんと言わないともっと痛いことしちゃうわよ」
ロマージュがエリーの耳たぶを甘く噛むと、エリーは息を弾ませながら答える。
「あ……ま、まだ、ない……です……」
「はい、よくできました。ごほうびよ」
軽くからかうような、それでいて親しみを込めた口調でそう言うと、
ロマージュは胸を愛撫していた手を下腹部へ移動させた。
まだ生え始めで量の少ない茂みの感触を感じると、中指を伸ばして秘所を探る。
まだほとんど触っていないのに、そこは既に潤っていた。
入り口を軽く掻き回しながら、愛液を掬い取って塗り広げる。
「やぁ……そ、こ……おね、がい、だ……め……」
エリーの手がロマージュの指を掴むが、ほとんど力が入っていない。
「なにがだめなの?」
エリーの耳にだけ聞こえるように囁きながら、指を埋める。
「ひっ……! はぁ、ん、それ……あん、へんに、なっちゃ……ああっ!」
ロマージュが指をくの字に曲げると、エリーの身体は大きく跳ねて動かなくなった。
「もういっちゃったの……? もう、これからだったのに。
ま、いいわ。まだ夜は長いしね。またあとでしてあげる」
ロマージュはエリーの予想以上の感度の良さに驚いたが、
ぐったりしている彼女の頬に軽く口づけをすると次の標的の方へと向かった。
こんな時でもきれいに手足を折りたたんで眠っているアイゼルの傍らに座ると、
頬を軽く引っ張ってみる。
反応が無い事を確認すると、手早く頭の上で手を縛り上げ、
手近な木の枝に縛ったロープの片方を放り投げた。
アイゼルがわずかに踵を浮かせるくらいの高さに調節すると、
ガッシュの枝を取り出してアイゼルに嗅がせる。
強烈な臭気に意識をとりもどすアイゼル。
「……ちょっと、なにこれ?」
身体が自由に動かない事に気が付き、改めて自分の身体を見渡し、
目の前に立っているロマージュに気付くと、猛烈に抗議を始めた。
「あなた、何考えてるの? すぐに外しなさいよ!」
ロマージュは暴れるアイゼルを抱きかかえるようにして動きを封じると、
顎に手を滑らせて顔を抑えながら、うなじにキスの雨を降らせる。
「うふふ、やっぱりあんたは強がっているのがお似合いだわ。
あたしね、そんな子の泣き顔を見るのが大好きなのよ。だから、たくさんいじめてあげる」
アイゼルはそれを聞いて恐怖の表情を浮かべながらも、なお強気に抵抗を試みた。
「止めて! 離してったら! いいかげんにしてよ!」
アイゼルは酔った勢いも手伝って激しく暴れるので、
さすがのロマージュも振り払われてしりもちをついてしまった。
しかしすぐに立ちあがると、背後に回ってすばやくワンピースのファスナーを下ろす。
淡い緑の下着が露になると、アイゼルは顔を真っ赤にして動きを止めてしまった。
悔しそうな表情をしながら、少しでも肌を見せないように身体を折る。
(ふふっ、まだ人前で肌を見せるのは恥ずかしいのね)
踊り子のロマージュは普段むしろ身体のラインを強調するような薄着なので、
アイゼルのこの反応は新鮮だった。
熟れた果実のように染まっている耳たぶを唇で咥え、そのまま耳全体に舌を這わせる。
アイゼルは黙ってロマージュの舌技に耐えていたが、
ロマージュの手が下着の上から胸に触れた時、遂に泣き出してしまった。
「ね、お願い……もう、許して……」
必死の哀願も、ロマージュをそそるだけだった
乳房を下から持ち上げるようにやんわりと掴むと、そのまま揉みしだき、
手のひら全体で覆うように動かして、こねるようにしながら味わう。
エリーと比べるといくらか大きい胸が、乳首を硬くしこらせながらいやらしく形を変えていく。
アイゼルは呼吸を荒げながらも必死で歯をくいしばって耐えていたが、
ロマージュの指が乳首を摘み上げると、
そこから強い電流のような刺激が身体に広がっていき、遂に声を漏らしてしまった。
「や……そ、こ……っ!」
「ここが感じるのね。いいのよ、もっと声を出して。
気持ちいい時に声を出すのは恥ずかしい事じゃないんだから」
「そん……ちが、う……感じて……んん……なんか、な……い……」
「もう、なかなか頑張るのね。じゃあ、こっちはどうかしら?」
必死になって否定するアイゼルだったが、その声は弱々しく、次第に甘い声に変わっていく。
優しく、撫でるような愛撫に焦らされ、身体の弱いところを次々探られてしまい、
ロマージュの手が下着にかかった時、アイゼルは声を出す事も出来なくなっていた。
下着の中に入ってくる手をとろんとした目で追う。
「はぁ……、はぁ、……んっ、あぁ……」
ロマージュの手が、撫でるような動きから、掻き混ぜるような動きに変わり、
入り口に軽く指をさし込み、そのまま軽く動かす。
それだけのことで、もうアイゼルのそこは泉のようになってしまう。
ロマージュは次から次へと湧き出してくる蜜を掬い取って指に絡めると、アイゼルの口元へ運んだ。
「ほら、あなたのよ。どんな味がするのか、しゃぶってみなさい。
……そう、いいわ……もっとゆっくり、赤ちゃんみたいに」
アイゼルは答えず、代わりに舌の動きを舐るような動きに変えて口の中の温かなものを吸い上げ、
ロマージュもただ舐めさせるだけでなく、指先を折り曲げて口腔を隅々まで蹂躙する。
アイゼルの口の端から唾液がたれているのを見つけると、
ロマージュはそっと舐めあげ、指を抜き取ってそのまま唇を触れ合わせた。
指を追いかけるように伸びてきたアイゼルの舌がロマージュのそれに絡め取られる。
すぐに、くぐもった喘ぎ声と唾液の混じリあう淫猥な音を立てて二つの舌は睦みあった。
(や……あた、ま、痺……気持……ち、い……い……)
ロマージュの技巧を凝らしたキスは、アイゼルの残った理性をも完全に蕩けさせていた。
アイゼルがもどかしそうに体を揺するのに気が付くと、
ロマージュは再び喉元から少しずつ手を降ろしていった。
脚の付け根まで辿りつくと、周辺をなぞって動きを止める。
待ちきれないアイゼルの腰が指を捕らえようと動く。
その動きに合わせて逃げて行くロマージュの指に、とうとうアイゼルは屈服した。
「お……ね、が、……い……も……がま、ん……できな……い……、最後ま、で……して、くださ……い」
この強気な少女が自分の技巧に降伏したことにロマージュは満足したが、
まだアイゼルを絶頂に導く訳にはいかなかった。
「そう、いかせてほしいの。でも、まだダメよ。エリーも起こして皆で気持ちよくならないとね?」
言いながら、手首の戒めを解いてやると、堪えきれずにその場にへたり込んでしまった。
「休んじゃだめだってば。ほら、エリーを起こしてあげなさい」
「どう……やって?」
「気持ち良くしてあげればすぐに目を覚ますわよ、ほら」
そう言うとロマージュはエリーを後ろから抱きかかえ、エリーの足を開かせた。
「エリーとこうしたかったんでしょう? してあげなさい」
アイゼルは呪文にかかったようにのろのろとエリーの方に這っていくと、
初めて見るエリーの秘所に見とれていたが、やがておずおずと口をつけ、
舌を伸ばすと、まだ広がっていない襞の周りから舐め始める。
すぐにそれは激しい物となり、ぴちゃぴちゃと厭らしい音が辺りに響きはじめた。
アイゼルが夢中になって舐めはじめたのを見て、ロマージュも胸を愛撫し始める。
上下を同時に責められ、刺激の強さにエリーはすぐに目を覚ます。
「ん……あたし……な、何やってるの、アイゼル! ロマージュさんも……離してください!」
「ふふっ、だーめ。今日からあなたはあたし達のものになったの。ね、アイゼル?」
アイゼルは顔を上げると、自分の唾液とエリーの愛液でびしょびしょになった口元に笑みを浮かべた。
「ええ、そう。これからずーっとあたし達の物。誰にも渡さないんだから」
「ちょ、ちょっとそんなこと、あたし抜きで決めな……んんっ!」
抗議しようとするエリーを唇で塞ぎ、たった今ロマージュに伝授された技で愛でる。
もともと充分に刺激を受けていたエリーはすぐに応えはじめて、
アイゼルが舌を抜いた時には、口の端を小さく煌かせながら笑っていた。
「もう……ちゃんと言ってくれれば、こんなコトしなくても……
あたしも、アイゼルとこうしたいって思ってたから……」
「そ、そうなの? だって、あなたいつもロマージュ……お姉さまとばかり仲良くしてたから」
「だって、アイゼルと話してると、
どきどきしちゃって敵が現れても気付かない事が多くて、危ないから」
「それであたしの事のけものにしてた、って訳?」
「うん……ごめんね、アイゼル。……怒った?」
「ええ、とっても。だからおしおきしてあげるわ」
「こらこら、あたしを抜きにして盛り上がるんじゃないの。あんた達はあたしの物なんだから」
自分を抜きにして盛り上がり始めてしまった二人の間にロマージュが慌てて割りこむ。
「はーい、お姉さま」
「あたし達が、可愛がってあげまーす」
二人は顔を見合わせて笑うとロマージュの両頬にキスをする。
「ふふっ、両手に花って一度やってみたかったのよね」
ロマージュは満足気に微笑むと、二人と優しく、長いキスを始めた。



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