「ふぁ〜、気持ちいい」
静かで、涼しげな夜の風が心地よく肌を伝う。
そんな感覚に浸るかのように、藍華は一人自室の窓から顔を覗かせていた。
「乾くの早くていいけど、やっぱなんかな…」
まだ慣れない短くなった自慢の黒髪をタオルでわしゃわしゃとふきながら月を見て小さなため息をつく。
この髪型が嫌いなわけではない。だが、ずっと伸ばしてきた分愛着があった。
前の長さに戻すのは簡単じゃないかな…なんて小さな感傷が胸に流れる。
「おーい、藍華!」
ふと上から聞き慣れた声がふってくる。上を見上げれば、そこには口は悪いものの、意外と優しく寛容。
そんな尊敬(?)するべき先輩の晃がテラスから顔を出しひらひら手をふっていた。
そのもう一方の手には、グラスが握り締められている。
「晃さん、またお酒飲んでるんですかー?」
「おう。美味いぞ。藍華も飲むか?」
と、晃は握っていたグラスを持ち上げ中のお酒を一気に飲み干す。
「晃さん、子供にお酒進めないで下さいよー」
「まぁ、バレなきゃいいだろ。おまえの部屋持っていくな」
「(…晃さんもう酔ってる)」
藍華はそう感じたが、晃を止めることもできず、晃を部屋に招き入れてしまった。
「…で、藍華。その髪型慣れたか?」
グラスにお酒をつぎ足しながら晃は聞いた。
「やっぱりまだ…慣れませんね。長いのに慣れてたんで。はは…」
藍華はそのグラスを口に含みながら、苦笑して答える。
すると、晃が
「いや、その…私はそれいいと思うぞ。髪型を変えたりアレンジするのなんて、…女っぽくていいじゃないか。それに比べて私なんか女らしさの欠けらも…」
と顔を真っ赤にしながらぼそぼそ言ってきた。
「晃さん…」
藍華は、それが照れやで不器用な晃なりの優しさだと心に染みて、少し泣きそうになった。
それと同時にそんな晃を可愛いと思った。
「何言ってるんですか、晃さんだって、綺麗ですよ…ほらこの髪だってサラサラ…」
晃の唇に自身の唇を重ね、晃の長い黒髪を撫でる。
多量のお酒と、顔を真っ赤にする晃によって、藍華は知らずのうちにスイッチが入っていた。
「な、藍華…何して、ん…」
さらに舌で口内をこじあけ優しく激しく舌を絡ませる。
「ん、はぁ…はぁ。藍華、やめっ」
「ほら、晃さん可愛い。そんな顔されたら、もっとしたくなっちゃいますよ」
制服とブラを一気に捲り上げ、直に晃の胸を揉む。
形、大きさともに整った晃の胸が藍華の手によって、その形を変える。
「あっ、ん、はぁ…」
晃の切ない女の声、上気した顔その全てに魅せられ、藍華の愛撫は続く。
「晃さん…もうびしょびしょですよ」
晃のスカートに手を入れ、ショーツ越しに秘部を触りながら藍華が言う。
「藍華ぁ…もう」
懇願する晃を見て、藍華は思い切ってショーツを脱がせた。
そして濡れた秘部に顔を埋め、舌で丁寧に犯していく。
「ピチャピチャ…」
「あ、あん、やぁ、はぁん、あぁ…」
淫質な水音と晃の喘ぎ声だけが部屋に響き渡る。
藍華は晃のクリトリスを甘噛みし、そこを舐め回す。
「ひゃん! あぁ! そこは、ダメぇ…」
晃の体がぴくんと反り返り秘部が痙攣する。
「晃さんはここが弱いんだぁ。本当に可愛い…晃さんも女の子ですね」
執拗にクリトリスを愛撫する。
「ひゃ、やぁ、あ! あぁ! はぁん! もう、ダメ…藍華!」
そうして晃は果てた。
「晃さん! 起きてください! 晃さん!」
藍華の声で目を覚ました晃は、自分の乱れたままな衣服を見て、昨夜のことを思い出し、顔を真っ赤にした。
「藍華…おまえ、昨日…」
「ほらほら、早くしないと仕事遅刻しますよ!」
「えっ、ちょっ…て。うわ! やば! 行ってきます」
時計を見て、晃は制服をささっと直し、慌てて出ていった。
「やっぱ晃さん可愛いよなぁ、自覚ないのかな…まぁいっか。いってらっしゃい。そして、昨日はありがとう…」
そんな晃の姿を藍華は笑顔で見送った。
(完)