『24時間以内に7RTされたら+10骸×+10雲雀が奉仕する』作品を書きます。
「…ふうん。」
「それだけですか?」
六道は首を傾げた。
雲雀が手にするのは小さな紙。
その紙には「『24時間以内に7RTされたら+10骸×+10雲雀が奉仕する』作品を書きます」と書いてある。
「だって僕には関係ない。」
「そうはいきません。今日は11月22日なんですよ。」
「…うん、それで?」
「語呂合わせなんですが、これで良い夫婦の…って!!危ないですよ恭弥君!!」
六道の鼻先を銀色の残像が掠めた。コンマ数秒反応が遅れていたら、鼻の骨が粉微塵だっただろう。
「良い夫婦?僕と君が?へえ、何の冗談かな。」
トンファーを振るった雲雀の黒い着流しは大きく裾が割れ、白い太腿が顕わになった。
溢れんばかりの色気と滲む殺気に六道は喉を鳴らす。
「…本気の手合わせ。いっそ殺し合いでも良いですよ。君が望むままに相手してあげます。どうですか?」
指示書通りにすれば、雲雀が望んで止まない殺し合いという名の手合わせをしてくれるらしい。
それも本気で。
何時だって手加減されていたのは解っていた。
強く問い質しても怪我をさせたくないだの、本気は嫌だだのとぐだぐだと逃げ口上を述べる。
「本当だね?僕を殺す気で相手してくれる?」
「ええ、それは君次第ですがね。」
それには雲雀も喉を鳴らした。
「ねえ、だったら殺し合いの後が良い。」
「それだとしてくれないでしょう。ああ、適当な手合わせにしましょうか?そうすればその後で奉仕くらい…」
「馬鹿だね。それじゃ本末転倒だろ。」
「クフフ、そうですねぇ。君の言ってたこともそうだと思いますけど。」
最終的に雲雀に選ばせるように見えるが、それは六道が仕向けているだけだ。
解ってはいるが。
「本気、みせてくれるなら何でもしてあげるよ。」
欲しい物のために雲雀は迷いなく動いた。
******
「それで此処からさせるかい…?」
「いいじゃないですか、これくらい。」
六道はベッドに上がって後ろ手を付き、足を伸ばしたまま動こうとしない。
「僕が単に君のを咥えてあげればいいんじゃないの?」
「君が全部してくれるのを見たいんですから仕方ないでしょう。さあベルトを外して。」
「…ああ、めんどくさいな。どうして着物を着てこないのさ。」
雲雀の住居に上がりこむ時は和服着用は必須だ。
だが六道はまだ洋服のまま。飾りベルトも沢山ついている。
面倒だ、と言いつつ雲雀の白い指がベルトを外し、前立てを開けた。
「…へえ、まだ触ってもないんだけど。」
下着を強く押し上げ、硬く主張するそれは既に窮屈そう。
「恭弥がそうしてくれるのを見てるだけで興奮するんですよ。」
「みっともない。」
「そう苛めないで下さい。」
六道が苦笑する。
それをちらりと見上げて、雲雀は六道のズボンを下着ごと下ろした。六道も腰を浮かせて協力する。
先ずは、と、雲雀の手がそっと幹を撫でた。
たったそれだけで見る間にサイズが大きくなる。
「……もう少し縮めてくれないと口に入らないんだけど。」
「無理を言わないで下さい。いつも君の下の口は余裕でく「咬んでいい?良いよね。いっそ噛み切る。」
六道の言葉を遮り、美しくも凶悪な白い歯を立てようとした。
「じょ、冗談ですって恭弥!…ほら、そんな意地悪しないで。お願いですから。」
恥じ入る雲雀を見るのがこの上なく好きだが、今は止しておこうと六道は口を噤んだ。
何せ、急所たる其処は雲雀の手に握られ、今にも歯を立てられる位置で。
正に生殺与奪は彼の手の内。
「……解ればいいよ。」
慌てて謝る六道を見て、満足そうに笑い。雲雀は張り出した先端を咥えた。
「…ん、ふ…っふ、ぅ」
黒髪が小刻みに揺れる。
口に含みきれない部分は手で擦り、時折裏筋や重く垂れる袋にも舌を這わせ。
熱い吐息を漏らしながら濡れる先端を啜った。
付き合って10年。
これほど熱心に口淫を施してくれたことがあったかと考えてみるが、殆どない。
数回させたことがある(自発的に、となると恐らく一回)が、これを見る限り本気でなかったようだ。
当然ながら見慣れない光景。
煽られて早々に昇り詰める予感がした。
「は…ッ、恭、弥…」
揺れる黒髪を撫でる。
「ん…っ!ふ…っ、う!!」
悪いと思いながらも喉奥を突き上げる腰の動きを止める事はできなかった。
苦しげに呻く雲雀の声も極上の誘い。
引こうとする頭を押さえつけてでもその熱い咥内を味わい尽くしたかった。
喉奥を突かれ、涙を浮かべて睨み上げてくる鋭い眼差しにますます煽られたなんて自慢にもならないが。
腰の奥がぐっと熱くなり、止められなかった。
「ん、ぐ!ぅ、うッ!」
「ふ…ああ、すみません。つい。」
「ごほ…ッ、君、ね…っ、ぅ、」
幾らかは飲み込んだようだが、喉を付く勢いで出された六道の精が雲雀の顎を垂れ落ちる。
それを指で拭ってやりながら、六道は微笑んだ。
「ありがとうございます、恭弥。今度は僕が確りとしてあげますよ。舐めるだけと言わず、最後まで。」
「…は、?いいよ、それじゃこの後手合わせが…」
「それはちゃんと約束しましたから守ります。でも今すぐに君が欲しい。」
「骸、だから僕は…、」
「……君も強情ですね。僕のを咥えて興奮してるくせに。」
「…っ、咬み殺すよ。」
「だからそれは後でたっぷりと、ね?」
******
「足に力が入らない…」
未だに裸のままベッドに寝転がった雲雀が六道を睨みつける。
「ああ、それはすみません。でもセックスに手抜きしても怒るじゃないですか、君は。」
それには無言で返す。
「それにねぇ、恭弥。」
「……何。」
「奉仕する、って言われてどうしてフェラを選んだんです?」
「は…?」
「別に肩を揉んでくれるだけでも良かったでしょう。要は僕に尽くしてくれれば良かったんですから。」
「……其処に直れ、骸。今すぐ咬み殺してやる……」
「え、ちょ、恭弥。足に力が入らないんじゃ…って、あの、丸見えですけど!いや、眼福ですけど!」
「冥土の土産に僕の裸?ワオ、贅沢だね。」
仕込みトンファーがばしゃんと音を立てて棘の牙を剥く。
「死ね。」
既に咬み殺すですらない雲雀の怒気に、六道は慌てて逃げ出した。
勿論全裸で。
END