「今月の出費、少し多いのではないか?」
「は?」
突然ジルバ・マディガンの執務室に呼び出され、唐突にこの台詞。
四星一の常識人と名高いワルトゥも、流石に意味をつかみそこね、些か間抜けに聞き返した。
しかしそこは四星最後の良心ワルトゥ、上官に対し、即座に態度を改める。
「失礼いたしました、ジルバ様。・・・それはどういったことでしょう。」
「うむ、そのままの意味だが。」
そして執務室の豪奢なデスクにばらばらとまかれたのは、―――紛うことなき請求書。
経費として落とされたそれの詳細は、『交際費』。
「………。」
「王の盾は何と必死に『交際』しているのだ?必要はあるのか?」
ワルトゥは、全く身に覚えのない事実に思考すらも硬直させた。
■
その場をなんと言って取り繕い、退出したのか、ワルトゥは覚えていなかった。
ワルトゥがまともな思考を取り戻したのは、王の盾待機所に付いた頃だった。
その距離、実に城の端から端までの大きなものである。
頭を抱えつつ、ワルトゥは待機所の扉を開く。
先ほどの『交際費』の件、内々に調査の必要がある。
この大事な時に、内部事情調査とは。
ワルトゥは、さらに頭を抱え、深く深いため息をついた。
ふらふらと待機所の中ほどに進む。
すると部屋の隅のほうに、サレとトーマの凸凹コンビを見つけた。
どうやら常ならざるワルトゥの様子に、二人は彼の存在に気づいていないようだった。
二人の話し声が聞こえる。
「トーマ、今度はここ、ここに行ってくれないかな。」
「おまえはっ!自分の用事に人を使うなとっ・・・!」
「いいじゃないか、体力馬鹿のガジュマには適任だろう?」
「ぐぬぅ・・・!」
「ここのピーチパイが絶品だそうだよ。」
ピーン。
ワルトゥは、この二人の会話に、あんまり気づきたくなかった事実に気づいてしまった。
つまりは。
「代金は経費ってコトで、ちゃんと領収書頼むよ。」
「お前かぁっっ!!!」
その日、バルカ城には嵐と超音波が吹き荒れた。
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まあ要するに、あれですよ。交際費=ピーチパイ=ヴェイグへの貢物ってことですよ(滅茶苦茶だよ)
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