01:似たもの同士



おまえと俺は、全く似ていない。 
そう言ったら、おまえに完全否定されてしまった。 
 
「まあ、似てない部分もあるけどなー。オレは明るくて、おまえは暗いよなー。」 
 
思わず殴ろうかと思ってしまった。 
そこまで分かっているなら、何故否定する。 
おまえ曰く、暗い俺は、おまえ曰く、明るいおまえの思考回路など分からん。 
 
「まあそうすねるなって。」 
 
断じてすねてなんかいない。 
 
「確かに、そんな感じで真逆な処もあるけどさ。」 
 
ずい、とおまえは互いの息が触れ合うほど、近くに来る。 
突然だったので、思わず俺は一歩後ろに下がってしまった。 
するとおまえは、その分もう一歩前に踏み出す。 
そんなことを数度繰り返した後、俺はそれ以上の距離を取る事を諦めた。 
満足そうにおまえは笑う。 
 
「おまえは優しくて、強くて、イイヤツだろ?オレだって優しくて、強くて、イイヤツだ!ほら、似てるだろ?」 
 
阿呆か。 
 
あんまりにもおまえが嬉しそうに言うから、呆れてしまって声にはださなかったけど。 
それにまっすぐに言われる言葉はまっすぐに届いて、少し恥ずかしい。 
どうか顔が赤くなっていませんように。 
 
「あ、いや。オレとおまえには決定的な違いがあったな。」 
 
すると今度は少し下を向いて、顎に手を沿え、真剣に考え出す。 
今までと違って真剣そうなおまえに、俺は少し心配になって覗き込んだ。 
どこがだ、と聞いてみる。 
 
「ヴェイグは綺麗だが、おれはカッコイイ。」 
 
とりあえず、今度こそ俺は、ティトレイを殴った。