04:もっと知りたい



好きなもの、嫌いなもの。 
得意なこと、不得意なこと。 
気になること、どうでもいいこと。 
――あとは好きなタイプとか。 
 
それは全部オレが訊きたかったことであり、マオがヴェイグに訊いたこと。 
 
「ヴェイグは何が好きなの?あ、嫌いなものとかは?ある?それから特技は?苦手なこととかも聞きたいな。んで、興味のあること、ないものは?僕知りたいんだ! 
あ!肝心なコトを忘れてたヨ! 
ヴェイグの好きなタイプは?」 
「ま、マオ。一度にそんなに訊かれても、困る……。」 
「……あり、ごめん。」 
 
照れ隠しのためか、片手で頭をかきつつも、ヴェイグの手はとったまま離さない。 
宿屋の角から、偶然目撃してしまったティトレイは、マオの本質を見た気がした。 
っていうか。 
 
(……何かオレ、先越されたってヤツ?) 
 
まさしく、その通り。 
手の早い(?)小さなライバルに、ティトレイは舌を巻いた。 
っていうか。 
 
(……これって、盗み聞きってヤツ?) 
 
これもまさしく、その通り。 
マオとヴェイグの会話の内容は非常に気になるが、男ティトレイ、盗み聞きなんぞ卑怯なマネはしない。 
多少後ろ髪を引かれる思いで、ティトレイはこっそりとその場から立ち去った。 
 
だから、ヴェイグの語った好みが誰なのか、ティトレイは知らない。