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ウィンリィ(以下ウ)「エドってアルが何も言わなくても、アルが何か考えてるとかすぐに分かるのよね。やっぱ兄弟だからなのかしら」
ピナコ(以下ピ)「ありゃあ赤ん坊の頃からそうだったけどね」
ウ「そうなの?」
ピ「アルは歩きはじめるのは早かったんだが、喋れるようになったのが遅くってね。3歳近くまで全然喋れなかったんだ」
ウ「そうだったんだ、意外。頭悪くないのに」
ピ「喋れないだけで周りの喋っていることは理解してたみたいだがね。それで、アルが何か欲しい物があると泣き始めるのさ。でも、何が欲しいのか喋れないもんだからさっぱり分からなくてね。トリシャもアタシも困り果てたもんだよ」
ウ「ふーん」
ピ「で、アタシらが困ってると、エドが必ずアルが欲しがってる物を見つけて持ってくるんだ。おしゃぶりだったりぬいぐるみだったりタオルだったり絵本だったり・・・。本当に泣いてるだけだってのにエドが持ってきたものを渡すとアルがぴたりと泣き止むんだからね。何で分かるのか不思議だったよ」
ウ「ばっちゃん」
ピ「何だい?」
ウ「それってどう考えてもまだ赤ん坊の頃よね?」
ピ「当たり前じゃないか」
ウ「そ、そんな小さな頃から相手のことを完璧に理解するってすごすぎない?」
ピ「今はアルの方もエドの考えてることは何でも分かるって感じだけどねぇ・・・」






ウィンリィ(以下ウ)「アルって確か魚の尻尾側が好きなのよね。エドが頭側が好きだから、ちょうど良く半分に分かれてるのね」
ピナコ(以下ピ)「昔はエドも尻尾側の方が好きだったんだよ」
ウ「え?そうだっけ?」
ピ「いつもアルに尻尾側やってたらだんだん頭の方が好きになってきたらしいね」
ウ「アイツもつくづく弟に甘い兄貴よね〜」
ピ「エドが牛乳嫌いなのに、アルは結構牛乳好きだろう」
ウ「そう言えばそうだったっけ」
ピ「エドが牛乳飲みたくなくて、アルにこっそりエドの分まで飲ませてたらアルは牛乳好きになったらしいよ」
ウ「ダメ兄貴ね・・・」






ピナコ(以下ピ)「ウィンリィ、アンタそうやって頬杖つくのクセだね。みっともないからおやめ」
ウィンリィ(以下ウ)「え?あ、そっかコレってクセか・・・」
ピ「クセって言えば、あのアルの妙なクセ治ったのかねぇ・・・?」
ウ「アルのクセ?」
ピ「アルの寝相がおかしいって、トリシャに相談されたことがあるんだよ。でも、あの鎧の身体じゃ眠らないから治ったかどうか確認できないねぇ」
ウ「どんなクセだったの?」
ピ「どんなに離して寝かせても、朝になると必ずエドの上に乗っかってるんだよ」
ウ「・・・はぁ?」
ピ「エドの右側に寝かせようが左側に寝かせようが、頭の方に寝かせようが足の方に寝かせようが、朝になると必ずエドの腹を枕にして寝てるんだ」
ウ「それ、寝相なわけ?」
ピ「眠ってるの確認して観察してたら確かにエドに向って転がって行ったね」
ウ「変な寝相・・・」
ピ「エドもエドでね。重くて目を覚ますくせに、そのまま怒るでも除けるでもなくアルの好きにさせておくからねぇ。別々のベッドで寝かせたのに朝になったらやっぱりエドに乗っかってたこともあったよ」
ウ「それはいくらなんでも自分の意志でベッドに潜り込んだんだと思うんですけどばっちゃん」
ピ「ま、そうだろうねぇ。しかし、あの鎧の身体は眠らなくてある意味良かったかもしれないね」
ウ「なんでよ?」
ピ「あの身体で乗られたらエドが潰れるだろ」
ウ「確かに・・・」
ピ「エドの方も腹出して寝るのがクセだけどね」
ウ「でもお腹出して寝てても、生身の暖かいアルがいつもお腹の上に乗ってたら別にお腹壊さないかも」
ピ「割れ鍋に閉じブタってとこかね・・・」






ウィンリィ(以下ウ)「ぎゃ!!ばっちゃん!!ムカデ!ムカデが居る!!」
ピナコ(以下ピ)「なんだい、ムカデくらいで大騒ぎしてだらしないねぇ(ひょい、と拾って窓から捨てる)」
ウ「子供の頃に噛まれてからどーも苦手なのよねぇ」
ピ「お前がムカデに噛まれたのって、3つ上のガキ大将に背中にムカデ入れられたときだったかね?」
ウ「思い出させないでよ!うー寒気がする」
ピ「そう言えばあの後エドが仕返しに行ったんだったね」
ウ「うん。あたしとアルにやったからってエドが切れちゃって」
ピ「あたしゃ現物は見てないんだが、なかなか凄かったらしいじゃないか」
ウ「相手の靴に溢れんばかりのムカデと毛虫詰め込んでたからね・・・。あたしもあの光景は二度と見たくないわ」
ピ「結局思いっきり叱られたのはエドだけだったがねぇ。そう言えばあの時エドは最後まで謝らなかった」
ウ「・・・あ、そうか。ばっちゃんあの後のことは知らないんだ」
ピ「ん?その後にも何かあったのかい?」
ウ「エドが叱られたのはアイツがチクったせいだって、アルが怒っちゃって、仕返しに行ったのよ。最初に悪さしたのはあっちなのにってあたしも思ったから止めなかったし、内緒にしてたんだけど」
ピ「・・・何やったんだい?」
ウ「相手の口に毛虫を詰め込んだ」
ピ「・・・(眉をひそめる)口、かい?」
ウ「うん、口。『今度兄さんに嫌な思いさせたりしたら耳と鼻にも毛虫つっこんでやるから!』とか言ってたわ」
ピ「相手もよくそれ大人に言いつけなかったもんだね・・・」
ウ「その前のエドの仕返しの時に、エドが『今度アルとウィンリィに何かしたら頭の上からムカデ降りかけてやるからな!』って言ってたから、そのせいじゃない?」
ピ「敵に回したくない兄弟だね・・・」
ウ「ホントにね」






ウィンリィ(以下ウ)「うちって結構バカ兄弟の写真あるわよねぇ(アルバム整理中)」
ピナコ(以下ピ)「家族も同然だからね。そりゃあるさ」
ウ「ん?・・・アハハハハ!何これ!!」
ピ「なんだい?・・・ああ、この写真まだあったんだねぇ」
ウ「エドとアルがキスしてる〜!!」
ピ「ちっちゃい頃アルはキス魔だったからね。昔自分の家でこの写真見つけたエドがウチにも回収しに来たんだが、一枚だけ紛れて残ってたんだね」
ウ「回収しに来たエド、見たかったわ〜」
ピ「エドは被害者なんだけどね。アルはコレ見たことあるのかねぇ?」
ウ「ばっちゃん、被害者って(笑)。アルがキス魔でエドに無理矢理してたってこと?」
ピ「無理矢理とまで言えるかどうかは知らんがね。まぁ被害にあってたのは大抵トリシャとエドとデンさ」
ウ「デン・・・。そう言えばデンってエドにはよく懐いてるけどアルにはあんまり寄っていかないわよね」
ピ「まだ恐怖が残ってるんじゃないのかい?」
ウ「恐怖なの?アルのキスって」
ピ「口と鼻両方にまとめて食いつくんだよ。その写真もそうだろ」
ウ「言われて見れば・・・って言うかコレ窒息しない?」
ピ「だからだよ。トリシャは大人だから無理矢理引き剥がそうとすれば出来るんだが、エドとデンは剥がせなくて窒息しかけたことが何度もあったんだ」
ウ「つまり口も鼻も塞がれるのに、更に窒息するほど長い、と」
ピ「しかも本人は好意を表現してるつもりで悪気は全く無いときたもんだ」
ウ「そりゃまた厄介な・・・」
ピ「エドがムガムガもがいててもお構いなしだったからね」






ハロウィン・・・リザ・ホークアイ編

エド「中〜尉っ」
リザ「あら、エドワード君とアルフォンス君。どうかしたの?」
アル「trick or treat!?」
リザ「あら・・・」
エド「中尉、お菓子持ってねーの?」
アル「中尉にイタズラ?どうしよう兄さん」
リザ「いいえ、持ってるわよ。はい、二人とも」
エド「さっすが中尉!準備いいよな」
リザ「でも、二人ともこういう行事には参加しないんじゃないかと思ってたわ」
エド「こんなに堂々と軍人にイタズラしたりお菓子もらったりして回れる日なんて他にないじゃん!やらなきゃ損ソン!」
リザ「なるほどね」
アル「ってのが建前になってますけど」
エド「・・・フフフフフ」
アル「お菓子よりイタズラする方が目的の人が居るみたいです」
リザ「・・・職務に影響が出ない程度にしてもらえるとありがたいわ」






ハロウィン・・・ジャン・ハボック編

アル「あっ兄さんハボック少尉がいるよ」
ジャン「お?大将とアルじゃねーか。どうした」
エド「trick or treat!?」
ジャン「ああ?」
アル「ほら、ハロウィンじゃないですか。だから」
ジャン「あー、もうそんな時期か」
エド「お菓子よこせ!」
ジャン「あーわりー。まさかそうくるとは思ってなかったから何も用意してねーよ」
エド「よっしゃぁぁぁ!!」
ジャン「へ?!」
エド「アル!押さえろ!!」
アル「ラジャー!!(後ろからジャンを羽交い絞め)」
ジャン「ちょ、ちょっと待てお前ら」
エド「覚悟しろーーーーーっvvvv」
ジャン「ぎゃぁぁぁっぁっやめっくすぐるっ・・・ぎゃははははははは」
エド「お菓子よりコッチが楽しみなんだよなぁvvv」
アル「兄さんリゼンブールじゃやりすぎて皆に警戒されちゃって、絶対イタズラなんてさせてもらえなかったもんねー」
ジャン「たすったすっ・・・助けて・・・・」
アル「諦めて兄さんに遊ばれ倒してください(がっちり羽交い絞め)」


兄が警戒されてる、とか言ってるけどアルも加担してるんじゃ・・・






ハロウィン・・・ロイ・マスタング編

エド「おっ大佐見っけ」
ロイ「君が私を探してくれるとは珍しい。何かね?」
エド「trick or treat!?」
ロイ「ああ、ハロウィンか。それにしても参加するのなら少しくらい仮装すればいいものを」
エド「うるせーな。別にいいだろ。それより、お菓子」
ロイ「生憎と用意していないな。イタズラするかね?(にっこり笑って両手を広げる)」
エド「・・・っヘタにイタズラするとコッチが違う意味でイタズラされそうな予感がする・・・」
ロイ「フフフ」
エド「嫌な笑いを浮かべるな!!はぁ・・・(ぽん、と両手を合わせる)」
ロイ「やらないのかね」
エド「そう警戒されてちゃやりづらいから、後で無警戒のときにやってやるよ(通り過ぎざまに背中を叩く)」
ロイ「今練成反応がなかったか?」
エド「気のせい気のせい」

アル「兄さーん、あ、大佐・・・」
エド「おう、アル」
アル「兄さん、大佐のアレ・・・」
エド「お菓子持ってなかったからあの通りイタズラ済み」
アル「逆にイタズラされたの?」
エド「嫌な確認の仕方をするな。無事だ」
アル「だって背中に書いてあるじゃないか。アレ、兄さんが書いたんでしょ?『美少年愛好趣味上等』・・・」
エド「本人気づいてないからしばらく黙ってろよ」







ハロウィン・・・エルリック兄弟編

エド「ああ、そうだ。コイツもいるよなぁ」
アル「え?」
エド「trick or treat!?」
アル「えええええ?ボク?」
エド「どーする?お菓子かイタズラか(ニヤニヤ)」
アル「えーっと、さっき他の人にもらったのじゃ」
エド「駄目」
アル「えー・・・。っていうかさ兄さん。ボク年下なんだから普通に考えたらボクが言うんじゃない?それ」
エド「まぁそれはそうだが」
アル「って言うわけでtrick or treat!?」
エド「えっ!?えーっとさっき他の人にもらっ」
アル「それ駄目って兄さんも言ったよね」
エド「う゛」
アル「と言うことでイタズラさせていただきま〜すvvv」
エド「な?!ちょ、ちょっと待っ・・・う、わ、ぎゃあぁぁぁぁぁ」

黒 ア ル 光 臨 !!!
どんな『イタズラ』をしたのかは、貴方の心の中に・・・






ハロウィン・・・アレックス・ルイ・アームストロング編

エド「うーん・・・スルーしたほうがいい気がするんだが」
アル「でも見つけちゃったし・・・。それに大佐や中尉たちにはやってるのに少佐にしなかったって知ったらきっと悲しむよね・・・」
エド「はぁ・・・しょうがねぇやるか」
豪腕「む?!エルリック兄弟ではないか!!(抱きつき体制)」
エド「先手必勝trick or トリギニャァァァァァァァァ」
アル「あーあ・・・(抱きしめられる兄を見守る)」
豪腕「して、我輩に用かな?」
エド「(ぜーはーぜーはー)は、ハロウィンだから・・・」
豪腕「おお!ハロウィンか!ならば仮装せねばなるまい!」
エド「いや、仮装はいらね・・・って何練成陣描いてんだよ!!」
豪腕「むんっ!(練成)さぁコレをつけるのだエドワード・エルリック!」
エド「だからいらねぇっ・・・ぎゃあ!(魔女の帽子をかぶせられる)」
豪腕「うむ、アルフォンス・エルリックにも必要だな」
アル「いえボクは鎧ですからいらなあぁぁぁぁぁぁ」
エド「アルゥゥゥゥゥ!!」
豪腕「コレでよい!」
アル「ひげ描かれた・・・(しくしくしく)」
エド「イタズラで逆襲された気分だ・・・」
豪腕「して、お菓子だな?」
エド「あ、ああ・・・(ぐったり)」
豪腕「では持っていくが良い!(どざーーーーーーーーっ)」
エド「ちょっ・・・少佐、そんなにいらねーよ!アルは実際には食わねーし」
豪腕「1年程度ならば日持ちのするものもあるゆえ、元に戻ってから食べればよかろう(どざーーーーーーーーー)」
アル「少佐・・・(ジーン)」
エド「いや感動してる場合じゃ・・・ていうかコレどこから出てくるんだ!?」
豪腕「これぞ我がアームストロング家に代々伝わる(どざーーーーーーーーーー)」
エド「それはもういい!!てかちょっ・・・」
アル「わぁ、すごい!コレ皆有名なお店のお菓子ですよね?!」
豪腕「うむ。来年も我輩のところに来るが良い。鎧のままでもそうでなくとも、用意しておくゆえ(どざーーーーーーーーーーーーー)」
アル「はいっ!!」
エド「もがーーーーーっ(お菓子に埋まっている)」







※鎧アルエド


アル「兄さん兄さん」
エド「なんだよ?」
アル「さっきのお店の人がね、この先の公園の紅葉が見頃だよって教えてくれたんだ。見に行かない?」
エド「紅葉?そんなもん腹の足しにもならん」
アル「ボク腹の足しなんか必要ないもん。いいじゃないか、綺麗なもの見て楽しむくらいさせてよ」
エド「・・・。ま、たまにはいいか」

エド「うっわこりゃすげぇな」
アル「この公園全部紅葉なんだね!!全部真っ赤だよ!!」
エド「ここまで凄いとは思ってなかった。見に来て良かったかもな」
アル「やっぱり兄さんには赤い色が似合うね〜」
エド「何でオレを見てるんだよ。紅葉見たいって行ったのおまえじゃねーか」
アル「えへへ。紅葉の中で笑う兄さんが見たかったんだ」
エド「・・・アホか」
アル「綺麗だよ兄さん」
エド「だぁ!!もう行くぞ!!」






※鎧アルエド


エド「げ」
アル「どうかしたの?」
エド「この錬金術論文」
アル「うん」
エド「楽譜で暗号化されてる・・・」
アル「え・・・兄さん、読める?」
エド「無理・・・おまえは?」
アル「兄さんに出来ないことボクができるわけないじゃないか・・・。ていうか兄さんそれ錬金術論文だって良く分かったね」
エド「一応法則性はあるからな。しゃーねぇ、ちょっと音楽やって暗号だけ解読するか」
アル「大通りに楽器屋さんあったよ。ギターとか売ってた」
エド「んじゃちょっと買いに行くか」
アル「そうだね・・・。ねえ兄さん」
エド「何だ?」
アル「それで楽器弾けるようになったらさ。曲弾いて欲しいな」
エド「なんでまた?」
アル「昔、ボクが夜に寝付けなかったときに子守唄歌ってくれたよね。アレが聞きたい」
エド「まぁ・・・弾けるようになったらな」
アル「うん。いつか聞かせてね」


兄さんに楽器持ってもらいたかっただけなんです。






※鎧アルエド


エド「う〜〜〜〜寒ぃ〜〜〜〜〜〜息が白くなる〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
アル「兄さん、はーってやってよはーって」
エド「何でだよ」
アル「だってボク息でないから白くならないもん」
エド「温度も無いし水蒸気も出ないから白くならないのは当然だが、おまえの場合そもそもどこから声出してんのか謎ではあるな」
アル「ボクにだってそんなの分からないよ。ね、はーってして」
エド「はいはい。は〜〜〜〜〜〜」
アル「わあ、ホントに息真っ白だね。寒くなったんだなぁ」
エド「もういいかよ?」
アル「もっともっと!」
エド「あのな・・・」
アル「いいじゃないかそれくらい」
エド「そらよ、ハーーーーーーーッ!」
アル「うわ、ちょっと?!ボクに息かけてとは言ってないよ!!」
エド「ハハハッ、曇った曇った」
アル「もー」
エド「そう言えば金属ってこうやって磨くよな(曇ったところをキュッキュッと拭く)」
アル「そうだね・・・ってちょっと兄さん!」
エド「ハーーーーッ(キュッキュッ)」
アル「磨かないでよ!!」
エド「ハッハッハ。いいじゃねーか。ハーーーーーーッ(キュッキュッ)」
アル「なんか、ちょっ・・・変な感じするから!」
エド「おまえ感覚ないだろうがよ。ハーーーーーッ(キュッキュッ)」
アル「そ、そう言う意味じゃ・・・に、兄さんの息がボクにっ・・・」
エド「あ?ワケわかんねーなー。ハーーーーーーッ(キュッキュッ)」
アル「感覚ないのが今ほどもったいないと思ったことないよ・・・」
エド「何がだよ?ハーーーーーッ(キュッキュッ)」
アル「何でもありません・・・」






※鎧アルエド


エド「・・・(ムクッ)」
アル「兄さん?眠ってたんじゃなかったの?」
エド「・・・」
アル「兄さ・・・ってわあ?!何でボクの膝に乗ってくるの!?」
エド「・・・zzz」
アル「ちょっと兄さん?!そのまま寝ないで!風邪引くよ!!」
エド「・・・むー・・・」
アル「ムーじゃないし!!丸くならないで!!」
エド「zzz」
アル「まったくもー・・・(エドを抱き上げてベッドに下ろす)」
エド「むー・・・?(もそもそ)」
アル「ちょ、ちょっと兄さんてば!!せっかくベッドに戻したのに何で戻ってくるの〜〜〜っ???!」
エド「む。」
アル「も〜〜〜〜〜っ・・・(エドを毛布でくるむ)これでいいの?兄さん」
エド「・・・アルゥ・・・zzz」
アル「(ずきゅーーーん!)かかか可愛いっっっ・・・」

−明くる朝−

エド「のわーーーーっ?!何だこの体勢はっ!?」
アル「何だじゃないよ、昨日兄さんが勝手にボクの膝に乗ってきてそのまま寝ちゃったんじゃないか!」
エド「な・・・?!馬鹿なこと言うなンなことするわけねーだろっ!?」
アル「するわけない?!したんだってば!!思いっきり!!」
エド「嘘つけ!!オレ昨日ちゃんとベッドに入ったぞ!!」
アル「その後夜中に急に起き上がってボクの膝に乗ってきたんじゃないか!!覚えてないの!?」
エド「覚えてるも何もそんなことしてねぇ!!」
アル「んなっ・・・兄さんが膝の上に居るせいでボクろくに身動きも出来なくてボクの手を枕にしてるから本も読めないし(でも眠ってる兄さんを一晩中なでなでしてたから別にそれはそれで楽しかったんだけどそのことは秘密にしておくとして)、それなのにそんなことしてないってゆーの?!」
エド「やってないもんはやってない!!」
アル「ムカツクッ・・・今度やったらベッドの上に放り投げてやるからね!!」
エド「今度も何もオレはそんなことやらねーよっ!!」


猫兄貴。自分が甘えたいときは擦り寄ってくるくせに、そんな気分じゃないときに下手にちょっかいかけると怒ります。








※生身アルエド


エド「今日の晩飯、何がいい?アル」
アル「ハンバーグ!」
エド「お前にこれ聞くとその答えしか返ってこねぇなぁ、ホント・・・」
アル「だって好きなんだもん」
エド「はいはい。お前ガキの頃からハンバーグ好きだったよな」
アル「兄さん、覚えてないんだ」
エド「あ?」
アル「ボクが6歳の誕生日のときに、兄さんが母さんと一緒にハンバーグ作ってくれたんだよ」
エド「そう・・・だっけ?」
アル「そうだよ。兄さんが作ってくれたハンバーグ、ちょっと形は崩れてたけどすっごく美味しかった」
エド「そんなこともそういえばあったような・・・お前やたらと喜んで食ってたっけ」
アル「兄さんそれまで料理の手伝いなんかしたことなかったのに、ボクのために作ってくれたんだよね。
   ボクね、どんなお店でも兄さんが作ってくれたハンバーグより美味しいハンバーグ食べたことないよ」
エド「・・・」
アル「ボクがハンバーグ大好きになったのそれからだよ。知らなかったの?」
エド「・・・今日の晩飯、ハンバーグでいいんだな?」
アル「うん!」







※生身アルエド(?)


アル「ねーねー兄さーん!心理テストやってみない?」
エド「ああ?あのなぁ、心理テストなんてもんは何千もの質問をしてようやくその傾向があるって分かるものであって、そこらに転がってるようなもんは全然意味ねーんだぞ?」
アル「もーホント兄さんって理系だよね・・・。遊びだよあ・そ・び!ちょっとくらい付き合ってよ!じゃいくよ!」
エド「しゃーねーなぁ」
アル「質問【1】 あなたの星座は?・・・ボク天秤座〜」
エド「なんだ、お前もやんのか?」
アル「うん。いっしょにやろうよ。兄さんは獅子座だよね。質問【2】 知らない土地をはじめて訪れたあなたの感想は?『1、なにか起こりそうな予感でわくわくする』『2、なにか起こりそうな不安でどきどきする』『3、とりあえず情報収集を試みる』『4、とりあえず宿を確保する』・・・ボク4だな」
エド「オレは3だ」

 ・ ・ ・

アル「じゃあ、結果発表〜」
エド「ちょっと待て。そもそもコレ、何の心理テストなんだ?」
アル「えへへ〜あのね、『エッチ度チェック』」
エド「!?Σ( ̄□ ̄;;」
アル「えーと兄さんは・・・『イケイケハンタータイプ』だって」
エド「ほう」
アル「あなたはエッチが大好きなタイプ。特技は攻め。自分から口説いたり、ホテルに誘うのもへっちゃらで、感覚的にエッチを楽しもうとするようです。まるでスポーツのような感覚で、明るく楽しくスカッとエッチをしてしまうでしょう。大胆なうえ、好奇心も旺盛。ねっとり、じっとりしているのは苦手で、昼間でも外でもオープンに楽しくがモットー。数をこなしていくことで、テクも上昇していくでしょう。エッチマスターめざして、これからも精進あるのみ?」
エド「別に嫌いだとは言わんが・・・攻めが特技ってか。そういえばお前は何だったんだ?」
アル「『受け身だけどなんでもやっちゃうタイプ』だって」
エド「ほーう。つまるところ受けか」
アル「へ?」
エド「なるほど。逆だったらしいな」
アル「や・・・え・・・ちょっと?」
エド「オレは攻め、お前受け。逆だろ?」
アル「にににに兄さん?!」
エド「逆だよな?」
アル「い、いやほらっ、兄さんもさっきこんなの全然意味ないってっ・・・」
エド「往生際が悪いぜ?アルフォンス」
アル「はわわわわわわっ・・・」



アルフォンス大ピンチのまま強制終了。








※鎧アルエド

リザ「ごめんなさい、アルフォンス君。ちょっと避けてもらえるかしら?」
アル「あっ、ごめんなさい。ボク邪魔ですね」
リザ「いえ、大丈夫よ。ありがとう」
アル「この鎧、大きすぎて不便なんですよね。でも、兄さんに言ったらその時ちょうど良く人型のもので近くにあったものが他になかったらしくて・・・」
フュリー「ねぇアルフォンス君。僕は錬金術にはあまり詳しくないから良く分からないんだけど、そういえば鎧以外のものに魂を定着することも出来るんだよね?」
アル「はい、出来るはずですよ。でも、可動部分のないものに定着しちゃうと動けなくて困るとは思いますけど」
リザ「じゃあ、もしも近くにティディ・ベアしかなかったら動くティディ・ベアになってたのね」
アル「そ・・・そうかもしれません」
フュリー「それも可愛いかもしれませんね、アハハハ」
アル「でもそれじゃボクが歩いてたら大騒ぎになっちゃいますよ〜」
リザ「じゃあ、出歩くときはいつもエドワード君に抱っこされて歩くことになっちゃうわね」
アル「に、兄さんに抱っこ??」
フュリー「いつもくまのぬいぐるみ抱えてるエドワード君かぁ〜。なんだか印象が変わりそうですよね」
リザ「きっとそのぬいぐるみ抱えて寝てるのか〜なんて良いようにからかわれたでしょうね」
フュリー「むしろ実際に抱きしめて寝るんじゃないですか?そうだったら」
アル「兄さ・・・抱きし・・・寝・・・(絶句)」
リザ「あら?アルフォンス君、口を押さえて、どうしたの?」
アル「な、何でもありませんっっっ・・・(ボク生身の身体だったら今鼻血吹いてるかもっ・・・)」


エド「なんだよ?アル?くまのぬいぐるみなんて持って」
アル「あ、あのさ。コレにボクの魂移したりとか、出来ない?」
エド「はぁ?何言い出したんだお前」







※生身アルエド

エド「ただいま〜。悪ぃ、遅くなった」
アル「お帰り〜。ご飯もお風呂も準備できてるよ」
エド「おう」
アル「ご飯にするぅ?お風呂にするぅ?それともボ・・・」

ゴイン!!

アル「っ痛〜〜〜〜〜〜〜本気で殴ったぁ〜〜〜〜〜(涙目)」
エド「飯!!(怒)」



つくづく、うちのアルエドはリバな匂いが漂ってますな・・・








ジャン「うわ、お前遅ぇ〜〜〜〜!!」
フュリー「し、仕方ないじゃないですか!!(赤面)」
エド「ちわ〜っス。何だよ、騒がしいなぁ」
アル「どうかしたんですか?」
リザ「あら、エドワード君、アルフォンス君。いらっしゃい」
ブレダ「今初めてが何時だったかって話してたんだよ」
エド「初めて?」
ジャン「だからよ、脱ど・・・」
リザ「ブレダ!ハボック!」
ジャン「とととっ・・・」
リザ「全くもう・・・エドワード君、コーヒーでいいわよね?」
エド「うん、ありがとう」
ロイ「中尉、私にも頼む」
リザ「分かりました」
エド「(部屋を出る中尉を見送って)中尉の前でなんつー話してんだよ、全く」
アル「だよねぇ。女の人の前でする話じゃないですよ」
ジャン「何だよ、分かってるんじゃねーかお前ら」
エド「まぁ、そりゃ色々となぁ」
ロイ「フフフ、鋼のの初めての相手はわ」
エド「うるぁぁぁぁあああ!!(パァン!!)」
ロイ「どわっ!?(練成された巨大拳骨をすんででかわす)危ないじゃないか!」
エド「あぶねぇのはテメェの頭だっ!!(怒)」
リザ「(戻ってきた)あら・・・またですか大佐。いい加減にしてください」
ロイ「練成したのは私ではない、鋼のだ・・・!何で私に怒るのだね」
リザ「そう仕向けるのがいつも大佐だからでしょう。はい、エドワード君(コーヒーを差し出す)」
エド「サンキュ(コーヒーを受け取る)」
アル「ホークアイ中尉のファーストキスっていつですか?」
リザ「えっ!?」
ジャン「(うわ・・・アイツ中尉に振ったぜ。内容軽くはなってるが)」
ブレダ「(誰も中尉にだけは振れねぇのに・・・ガキの特権だな)」
エド「あっオレも聞きたい!!」
リザ「ええっ!?」
エド・アル「・・・(じ〜〜〜〜〜〜〜っ)」
リザ「も、もう、二人とも!勘弁してちょうだい」
エド「ははっ、中尉可愛いなぁ」
リザ「か、可愛い?!」
アル「いつもは綺麗でカッコよくて素敵なお姉さんってかんじなのに、時々可愛いところがあるのが魅力的だよね」
リザ「〜〜〜〜・・・っ」
ジャン「(おい、二人掛かりでたらしこんだぞ)」
ファルマン「(天然のようですが・・・)」
フュリー「(中尉、大佐には何言われても顔色一つ変えないのに・・・)」
ブレダ「(相手にしてねぇだけだろそりゃ)」
ロイ「(どういう意味だねブレダ)」
リザ「そこ!!コソコソと観察しないで下さい!!」
ジャン「すんませ〜ん」
リザ「それにしても、エドワード君達が軍の女性の中では密かに大佐を上回る人気を得ているわけが分かったわ・・・」
ロイ「何だとっ?!」
ジャン「マジっすか?!」
アル「あー確かに最近軍の中歩いてるとやたらと女の人に声かけられますね〜。ね、兄さん」
エド「言われてみりゃそうだが、でも、何でだ?別に何もやってねーのに」
ロイ「愛玩動物扱いされてるだけじゃないのかね」
エド「誰がねずみ並の豆粒ドチビかーーーーーーっ!!」
アル「兄さん、落ち着いてよ。そこまで言ってないって」
リザ「愛玩動物ではありません。聞くところによると、大佐より歳若く国家錬金術師の資格をとったエリート、かつ浮気の心配が必要ない、女性に対する真面目な態度、さらに錬金術師としても様々な応用の利く錬金術を扱えるため、困難な状況に陥っても頼りになる・・・などが重要視されているようですが」
ロイ「ほ、ほう・・・・」
フュリー「うわぁ、大佐のアイデンティティ全否定ですねー」
ロイ「フュリー!!」
フュリー「あっ、すいません!」
リザ「ですが何より、より近くに居る軍の女性に人気があることを考えると、近くで接してみれば見るほど、魅力があると言うことでしょうね」
エド「何か照れるなぁ」
アル「じゃあ大佐は近くで接しても魅力的じゃないんですね〜」
ロイ「・・・(撃沈)」
ブレダ「・・・酷ぇ・・・」
リザ「アルフォンス君の言う通りね」
エド「同感だ」
ロイ「・・・ちょっとくらい否定してくれ・・・」
ジャン「こっちは女日照りだってのになんでこんなガキに持ってかれなきゃならないんだ・・・」
リザ「それは自分の魅力の問題でしょう」
ジャン「・・・(撃沈)」



落ちもないままぐだぐだで終わり。
でも兄弟はもてると思います。特に兄さんは男女問わず。






窓から差し込む光がまぶしくて、オレは目を覚ました。
眠い目をこすって視界をはっきりとさせる。
すぐ傍にアルフォンスの寝顔がある。
手を伸ばして髪をゆっくり梳いてやれば、目を覚まさないままちょっと笑ったような気がした。
起きて朝食を作ろうかともちらりと考えたが、いかんせん昨夜の運動のせいで腰が痛い。
身体に残る気だるさが、もう少し寝ようという判断をオレにさせた。
以前なら朝寝なんかしなかった。
一分一秒でも惜しかった。
今はあの頃のように急ぐ必要はないと思うと、少しだけ懐かしいとも思う。戻りたいとは思わないが。
今ならこうしている時間を無駄だなんて思うことはない。
いくら見ても、アルフォンスの寝顔を見飽きるなんてことはない。
気だるさに任せて朝寝をする時間を、こんなにも幸せだと感じる。
手のひらをアルフォンスの頬に押し当てると、ぬくもりとやわらかさが感じ取れた。
「んぅ・・・?兄・・・さ・・・ん?」
アルフォンスが焦点のあってない目を開く。
オレは少し笑ってアルフォンスの前髪をかきあげ、額に唇を押し当てた。
「おはよう、アルフォンス」


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