ロイ・マスタングを無能化しよう計画
其の11
「はっ!!」
「どうなさいましたか? 大佐」
突然書類から顔を上げた上司に、呆れたような視線を向ける。
この人がこういう反応をするときは、大抵シックスセンスに何かが引っかかったときだろう。
これがまともな事柄に対するものならばいいのだが、そうでない可能性が圧倒的に高いから頭が痛い。
「鋼のが・・・鋼のが危ない!!」
「・・・・・は?」
「私には分かる・・・鋼のの側に私以外の男が!!」
「エドワード君の側にはアルフォンス君がいますから、当然でしょう」
当たり前だが、ホークアイはまともに取り合わない。
セントラルにいるエドワードの側に誰がいるかなど、分かるはずがないと思っているのもある。
「いや・・・この気配は余所の男だ!!鋼のが私以外にグラグラきたらどうしよう!!」
どうしようもこうも。諦めるしかないだろう。
むしろ、エドワードのことを思うと、もっとまともな恋愛をして欲しい。
この無能といい雰囲気を作っていたりすると『思いなおしたほうがいいわよ』と言ってあげたくなるくらいだ。
しかし、そうすると拗ねたこの人が仕事をしなくなる。
ホークアイは仕方ない・・とでもいうように肩を竦めて、けれども、呆れていることは悟られないようにいつもの表情を纏う。
「大佐、ヒューズ中佐のお話では、そのようなことは有り得ないと思いますが」
親友とはいえ、逐一国家錬金術師の動向を報告させるというのはヤバイとは思っているが、そうでもしないと落ち着かないのだから、まったく仕様がない。
「ヒューズとて、いつも鋼のに張り付いているわけにもいかんだろう」
「そうですね」
そもそも、張り付きたいとは思わないだろう。普通の人なら・・・
そんな思いを込めて同意を示したが、そこらの内情は(誰にとってかは定かではないが)幸運にも伝わらなかった。
「私がセントラル勤務でさえあれば、鋼のを目の届くところに置いておけるのに・・・」
以前、セントラル勤務だった頃、ほったらかして勝手に行動されて危険な目に逢わせて、信頼をガタ落ちさせた過去は忘れ去っているらしい。
このままでは埒が明かないことを悟って、ホークアイはくたびれてため息を吐いた。
あまり使いたくなかったのだけれど・・・・
「大佐、本日中に終えなければいけない書類くらい、きちんと終わらせてください」
「いや、しかし、ちゅう・・・い?!」
ロイの視線が、彼女が捧げ持っているものに集中している。
むしろ、凝視と言ってもいい。
「は、はははは鋼の?!」
「先日、アームストロング少佐に書いていただきました」
そう告げる彼女が掲げるのはのどこか物憂げに外を見つめるエドワードの似顔絵。
いや、似顔絵と言ってしまうには惜しいほど出来がいい。
「本日の書類が終われば差し上げます」
「本当だな?」
途端に目の色を変えた上司に、彼女はそっと目を伏せた。
「(この人・・・本当に分かりやすいわね・・・)」
万のお小言よりも、一つのエドワードアイテム。
大佐操作法に新しいにマニュアルを追加しようか思案しながら、ホークアイは目の前で超人的スピードでこなされていく書類を満足げに見遣ったのだった。
番外・エンヴィー×エドワード
注・艶シーン入ります。エンエド駄目な人は回れ右―
「ねぇ、ラスト。グラトニーは?」
「食事」
そっけなく返された言葉に、エンヴィーは肩を竦めた。
あれだけの実験動物を食べて、まだ足りないらしい様は、まさしく『暴食』
食事の用意はエンヴィーの役目ではないし、腹を壊して迷惑をかけるわけでもないのだから、別にいいのだけれど。
そもそも、グラトニーに用事があったわけではないのだから、居なくても関係ない。
エンヴィーはチラリ、とラストの様子を窺い、わざとらしく伸びをしながら
「それじゃあ、ちょっと出かけてみようかな?」
「あの鋼のおチビさんが、気になって仕方ないみたいね」
鋼・・・という単語に、ピクリ、とエンヴィーが眉を顰める。
「何でそう思うわけ?」
「他の奴には興味も持たないでしょ」
そう言われてみて、初めて気がついた、とでも言うように、ぽん、と手を打つ。
「言われてみればそうかもね〜〜。だって、人間って気にする価値ないじゃん?」
美醜には拘るけれど、さして意味があるとは思えない。
何しろ、それは好きに作り出せる『自分に与えられたもの』だから。
拘って当然だと思うと同時に、それですべてを左右される存在を愚かだとも思う。
「面食いのあんたのお眼鏡に叶ったのかと思ったけど」
「まぁ・・・可愛いっちゃあ、可愛いけどさぁ。機械鎧はいただけないよね?」
機械鎧は、醜い。
だが、あの整った顔と、輝く色は綺麗だ。
そして・・・・あの目に灯る感情の色は・・・・憎たらしくて仕方がない。
「可愛いってよりも、見てて憎たらしくならない?」
「憎い・・・なんて、ずいぶん穏やかじゃないわね」
自分が持っていない、感情の渦。
激情とか、絶望とか、落胆とか・・・ほんのわずかな希望とか。
外見はどうにも作れても、あの目にそれらを宿らせることはエンヴィーにはできない。
自分には持てないものを持つ存在・・・人間。
それに加えて、焦がれて止まないものを持っている存在。
「だって、アイツって、どうしても手に入れられなかったもの、持ってるんだもん」
自我、とかいうものが芽生えた時から、自分にないと自覚させられていたもの。
『人』である、なんてものは些細なことで。
エドワード・エルリック故に、始めから得ていたものこそ、自分が得たくてたまらなかったもの。
「仕方がないわね・・・」
エンヴィーの感情に似たものは持ち得ているけれど、ラストにとっては些細なものだ。
ラストは、それを羨むことはしない。
羨むこと、妬むことは、彼女の本領ではないから。
「でも、ほどほどにしなさいよ」
「さぁ・・・自制が聞かなくなるかもv」
「・・・・まったく」
「だって、エンヴィー<嫉妬>だからね」
グラトニーでは、食欲以外のものにどこか心が伴わないように。
享楽も、陰悦も、楽しくはあるけれどどこか空虚だ。
嫉妬・・・という感情だけが、確実に与えられた、真理。
だから、嫉妬に焼かれているときが、一番『自分』を感じられる。
「あのおチビさんのことを考えてる自分は大好きだよ?」
ぞわぞわして、焼け付くような激情を感じられる。
存在を認識するだけで、壊したくて堪らなくなる。
楽しそうに闇に消えていく同胞を眺めて、ラストはふっと笑った。
「まるで恋ね」
冷ややかに告げられたその言葉は、自嘲にも似ていた。
緊張の糸が切れたのか、エドワードは病院で昏睡が続いている。
脱がせた黒い服はじっとりと血を吸っていて、それを見た医師が顔色を変えたほどだ。
現在は面会謝絶の札がかけられていて、けれども、それは一般の話だ。
「失礼します」
「あ・・・どうも」
「様子を確認させていただいても?」
穏やかに頭を下げる白衣の女性に、扉の前に居た軍人は敬礼を返した。
そして、その顔が治療の時に見たものであったから、警戒もせずに扉の向こうへと通した。
そして扉が閉まった直後に、その姿が別のものへと変わったことには、もちろん気がつかない。
大きく広がる髪を片手で払って、彼は呆れたように廊下の明かりへ視線を向ける。
「・・・・こんなに簡単に入れちゃって・・・本当に大丈夫なのかな?」
嘲るような声音でそう呟くが、元々さして興味はなかったのか・・・ゆっくりとベッドに近づいた。
ぐったりと目を閉じている様子は、少し前に見た憔悴した様よりもなお弱弱しく見える。
その顔を上から覗き込んで、不躾な視線で全身を眺めた。
「ふぅん・・・」
全身を彩る包帯の白に、忌々しげに目を細める。
黒い服で気がつかなかったが、出血も多かったようで顔も青ざめている。
あのまま、無理矢理練成をさせていれば死んでいたかも・・・
「それじゃ面白くないから・・・やっぱり、これでよかったのかな?」
額に手を這わせれば、ずいぶん熱い。
熱が出始めているのだろう。
触れるように、視線が肌を辿る。
だが、不意に殺気を感じて、エンヴィーはベッドから離れた。
「・・・・・・・おっと!!」
空を切った腕は、力なくベッドに戻され、苦しげな吐息が後を追った。
「あれぇ?もう、目が覚めちゃったの?」
普通なら、夜に痛みが戻らないように十分に麻酔をかけるはずなのだが・・・
息も荒く睨みつけてくる姿を眺めて、肩から下が全く動かない右腕に目を眇めた。
機械鎧をつけていると、神経接続との関係から、麻酔やらなにやらが使いづらくなる。
記憶の隅にあった知識に思い当たり、それでは、この眼前の機械鎧装備者は、麻酔もなしに痛みを受けているのだと分かって、やおら楽しくなってきた。
大人でも泣き喚くような大きな傷を負って、それでも呻きのひとつも上げない様子に口角を引き上げた。
「あ、そっか。機械鎧だから、麻酔とかも制限されたわけか」
クスクスと笑いながら、前面から顔を覗き込めば、鋭い金にかち合った。
感情が張り付いた瞳・・・それに、忘れていた嫉妬を呼び起こされて、陰湿な悦びが頭を擡げた。
コレが無様に泣き喚く様を見てみたい。
絶対的な優越感に浸って、自分を焦がす感情を満たしたい。
いや、それよりも・・・・・・・・
込み上げてくる感情・・・と名づけていい想いに目を細めて、細い顎を片手で捉えた。
「てめ・・・ホムンクルス・・・!!」
「エンヴィー、だよ」
「?!」
名前と一緒に、言葉を止めるように唇を封じられて、目を白黒させる。
その様子に口元で笑い、ぺろり、と濡れた自身の唇を舐めた。
目の前の呆然とした顔に笑い、それが屈辱に染まる様子には愉悦を。
カッと顔を赤くしたエドワードに喉の奥で笑って、エンヴィーは身体を離した。
「あまり動かないほうがいいよ、鋼のおチビさんvv」
「誰が・・・っつ・・・・」
身体を起こそうとした時に走った痛みに、顔を歪める眼前の存在に笑いながら、顔を近づけて耳に残る声で囁く。
相手が動けないのは百も承知で、余裕を見せびらかすように、目の前で姿を変えて見せた。
一度は見たはずのそれに瞠目した後、金色の瞳が知性に煌く。
練成反応の光から、錬金術だと思い頭の中で理論を計算しているのか・・・
「(面白い反応するじゃんvv)」
今まで出会った人間は、脅えつくすか、化け物と罵るか・・・
どちらにしても失礼な反応だったというのに。
「目も覚めたようですし、失礼しますね」
今の姿に見合った口調で優雅に一礼すると、ガチャリ、と扉を開けて悠々と出て行く。
その後を視線で追い、扉で閉ざされ、残された者は力なくベッドに身を任せた。
「今、の・・・・・」
痛みで頭がクラクラする。
苦痛が見せた幻覚かとも思ったが、軆に残る熱がそれを裏切る。
「何なんだよ・・・・・・」
自分だけは許せない、とそう罵ったその口。
それが触れた場所は熱が籠もるように戦慄き、そこに触れた指の冷たさもあって、驚くほどに熱かった。
ラブラブのコメディも書いてみたいんだよねー
いや、無能が手を繋ぐこともろくにできないというのに、いきなりちゅーとは・・・
この扱いの違いはなんだよ?!と自分に問いたい。(by visko氏)
其の12 〜あの人、本当に大佐?〜
「まったく・・・・・・」
親友からの電話を終えて、ロイは小さく嘆息した。
いいやつだし、有能だしで文句はないのだが、家族自慢が趣味なのはどうにかして欲しいものだ。
「お電話は終えられました?」
静かに尋ねられて、ロイは肩を竦めた。
「ああ。すぐに仕事に戻ろう」
「あまり無理をなさらないで下さい。お茶にしましょう」
この頃はちゃんと仕事をしているので副官が優しくて不気味さを感じていたりするが、やはり銃よりは笑顔を向けられるほうが嬉しいものだ・・・とそんなことを思いつつ笑顔を返した。
「ヒューズにも変わりはないようで、安心したよ」
「そうですか」
「明日は奴の娘の誕生日だそうだ」
そう告げるロイの表情は苦笑したそれだったが、どこか明るい。
この頃、暗い話題が多かったため、こんな些細な喜びでも嬉しくなるのだ。
それはホークアイも同じだったようで、ニコリ、とその一見冷たく見られがちな顔に笑みを浮かべた。
「あら・・・・それでは、何か送られたんですね」
「ああ、ちゃんと玩具を送ったから大丈夫だ」
そう告げるロイをまじまじと眺めて、ホークアイは眉を顰めた。
「・・・・玩具、ですか?」
ホークアイにそう言われて、ロイの顔つきが「訳が分からない」といったものに変わる。
ヒューズの娘の誕生日は、ロイにしてみれば親友の娘の誕生日。わざわざ出向いて祝うほどのものではないが、一応、義理は果たしたと思っていたが・・・
「花も添えたんだが・・・・まずかったか?」
「いえ・・・あの・・・大佐、本当に分かっていらっしゃらないんですか?」
「何がだ?」
本気で聞き返してくる上司に、ホークアイの視線が一瞬だけ遠くなった。
「・・・・大佐がどうして大人しく仕事をなさってくださったのか、ようやく分かりました」
「何だ?この頃はサボってないし、そんなことを言われる理由が分からないぞ」
さすがにその言葉には憤慨して、ロイは副官の表情を伺った。
自分で言うのもなんだが、この頃は本当に頑張った。
偉いぞ、私!と言いたいくらいは頑張った。
ここらで休暇の一つでも申請しても、すんなり受理できそうなくらいには頑張った。
この前、無能言われたからとか、鋼のから「役立たず」と言わんばかりの視線で侮蔑も露に見られたからとか、それ以来無視され続けてさすがにヤバイと思ったからとか・・・まぁ、色々あるのだが。
とにかく、頑張っていたのに。
「君としては、私が仕事をしてくれる方がいいのではないか?」
「それはもちろんそうです」
当たり前のこと聞かないで下さい、と書いてあるような顔で言われて、ロイは肩を落とした。
「だったら、何の問題があるんだ」
「いえ、何の問題もありません」
ポーカーフェイスで応える副官を訝りながら、ロイはとりあえず目の前の書類に集中することにした。
と、その時、ガチャリと扉が開いて眉を顰める。
「すいませーん」
「ハボック!!ノックくらいしろ」
どこかとぼけた顔で現われた部下に怒鳴りつけると、彼は悪びれもなく肩を竦めた。
「ああ、そりゃ失礼しました」
「まったく・・・・それで、何の用だ?」
「いえ、用があるのは大佐ではなく中尉殿にです」
ホークアイに、と言われてロイが憮然とした顔になった。のけ者にされたような気にでもなっているんだろう。全く子供だ・・・と、ホークアイが嘆息する。
「それで、何の用?ハボック少尉」
「明日・・・つっても、渡すのは今度来たとですけど。中尉も出資者の一人ですから」
それだけで分かったのか、ホークアイは「ああ・・」と頷いた。
「ごめんなさいね。全部任せてしまって」
「いえいえ」
「それで、何を買ったの?」
「アイツ、でかい鞄はこないだ買い換えたんですけど、小回りが利くのも新しいのがあったほうがいいでしょ? だから、ショルダータイプにもなるナップザックを選んだんですけど・・・・」
そういいつつハボックが出したのは、黒のバッグ。
柔らかな素材でできているが、造りは丈夫でデザインよりは実用重視。ロイの感性では選びそうにないようなものだが、ホークアイはそれに笑みを向けた。
「遠慮するほど高価ではないし、実用的だし、いいんじゃないかしら」
「中尉にそういっていただければ安心ですね」
「こういうものがあれば、宿に荷物を置いて図書館に行くにも便利ね」
「そうそう。こないだ、図書館からの帰りにドーナツ買うとか言ったときがあって。その時は借りてきた本が邪魔そうだったんで持ってやったんですけど、こういうのがあればいいって言ってましたし」
ホークアイのお墨付きをいただいて、ハボックも笑顔になる。
そんな二人に置いてかれている上司。
「・・・・・ええと・・・どういうことかね?」
そのロイの言葉で、彼が気がついていないことに気がついたハボック。
あちゃあ・・・という顔になって、ホークアイに意見を問えば、目で扉のところを示された。そこに立て・・・ということらしい。
「(イエス、サー)」
ピッと敬礼してハボックが扉の前に立ったのを見て、ロイがさらに頭に?を浮かべた。
誰か、部外者に知られてはヤバい内容なのか・・・それにしては、上司の自分に相談がなかったと思いながら、有能な部下に視線を向けた。
彼女は、コホン、と軽く咳払いをしてから、えらく遠まわしな表現で説明しだした。
「大佐は、女性に関しては非常に気が利く方だと思っております」
「う、うむ・・・・」
「女性だけではなく、部下に関しても一々気にかけてくださり、そのお心に対しては感謝のしようもありません」
「う・・・・・・」
誉められているのだろうが、こんなのでは誉められている気もしない。
そんな、息をつまらせるロイに大きく嘆息して、ホークアイはキッと自分の上司に鋭い視線を向けた。
「ですが・・・・・」
犯罪者など縮み上がってしまう鋭い視線に、ごくり・・・と息を呑んだ。
気分は、先生に叱られる小学生みたいなものである。
「これだけ大佐を敬愛している私たちでも、明日が何の日か忘れられたことに対してはフォローもできません」
また、するつもりもありません、ときっぱり言われて、ロイはたじろいだ。
明日・・・というと、ヒューズの娘・・・エリシアの誕生日だ。
それ以外に何があったか?と混乱が広がる。
「(大総統から呼び出しを受けていたわけではないし・・・将軍のお孫さん・・は何もないし、ジョセフィーヌとはこの前完全に終わったし・・・、まさか中尉の誕生日・・・なわけない)」
そこまでぐるぐると考えて、『誕生日』という単語が引っかかる。
明日はエリシアの誕生日だ。それは間違いない。何しろ、妻と娘自慢ののろけ半分に、出産で鋼のが色々助けてくれたとか言っていたから・・・・
鋼の?
あの日は・・・どうして鋼のがヒューズの家に居たのかな?
「あ―――――っ!!!」
ようやく気が着いて、ロイが椅子を倒しながら立ち上がった。
「やっと、気が付いたみたいですね」
冷ややかな声で、絶対零度な視線。日頃から好きとか言ってるくせに、誕生日の一つも覚えられないのかよ・・とでも言いたげだ。
何のかんの言ってエドワードを弟みたいに思っているホークアイ・・いや、これは東方司令部面々すべて(除く・某大佐)に言えることなのであるが・・・にしてみれば、そんなちゃらんぽらんな男など、論外もいいところだ。
そんな副官の心のうちなど知りようもない上司、どうすればいいのか分からずにおたおたしている。
「中尉、後は任せた!!」
「ハボック少尉!!」
ロイは扉から逃げようとしたが、ホークアイの命令を受けたハボックが立ち塞がって出るに出られない。
「うぐぐ・・・・ハボック、どけ!」
「いや、命は惜しいんで・・・・」
ぽりぽりと頭を掻いている部下を睨みつけて、ロイがその右手に発火布を装着しようとしたが、それよりも先に後頭部に硬い感触。
ああ・・・いつものパターンだ・・・と、振り向かなくてもそれが何か分かってしまい、彼は両手を挙げてホールドアップした。
「ちゅ、中尉・・・今日は見逃してくれないか?」
「・・・・・・・・・・・」
「せ、せめて電話・・・電話ならいいだろう?!」
今にも泣き出しそうな声で懇願されて、さすがに気持ち悪くなってホークアイは愛銃を下ろした。これも却下したら、この人のことだ・・・たぶんマジ泣きする。
「手短にお願いします」
「もちろん、分かっている!!」
その言葉に、ハボック共々『嘘だ・・・向こうが怒って切るまで楽しそうにからかいまくるくせに・・・』とか思いつつも、何も言わない。どうせ言っても聞かないのだから。
そんな風に、すでに部下にも匙を投げられているロイ。
ごくり・・・と唾を飲み込みながら、震える手でダイヤルを回す。
回した先は、中央図書館の第一分館なのだが・・・
〜〜〜おかけになった電話は、現在使われておりません〜〜〜
「・・・・・・・・・・」
「(そういえば、第一分館が不審火で焼失したこと・・・大佐はご存知なかったかも)」
「(ははは・・・・)」
固まるロイに、自分達だけ事情を知っている部下たち。
だが、意外と復活が早かった上司は、一番手っ取り早く中央の情報を得られる先にダイヤルした。
『はい、軍法
「ヒューズ中佐を頼む!私は、東方司令部のロイ・マスタングだ」
電話受付の女性を挨拶代わりに口説くことも忘れての剣幕。
だが・・・・
『ヒューズ中佐でしたら、明日のパーティーの準備とのことで早退されました』
ついでに、明後日まで休暇を取っている事を聞いて、今度こそロイは固まった。
その固まったままの手から受話器を取り上げて、ホークアイはにっこりと微笑んだ。
「さぁ、仕事をしてくださいね」
その笑顔は艶やかであったが、見惚れられるはずもなく、ロイはガクリとデクスに突っ伏したのだった。
ところで、そんな上司二人を眺めながらのハボック少尉は・・・
「(ヒューズ中佐の家に電話すりゃいいんじゃ・・・・)」
なんて尤もなことを思ったとか。
無能通り越してヤバイ。やりすぎました。
番外・ハボック×エドワード
場面・東方司令部。ハボック他、将校の仕事場にて
状況・電話がかかってきました。
「はい、ハボックです」
『・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・?」
『・・・・・あ、あの・・・』
「もしかして、エド?」
『あ、うん・・・・』
「どうかしたのか?大佐に電話繋ぐか?」
『いや、あの、何でもないから・・・・』
「(何でもないのに、電話はかけてこないよなー)」
「何だよ。いや、言いたくねーならいいけど」
『・・・・・・・・その、少し、声・・・聞きたくて』
「(ニヤける顔を抑えつつ)こんな声でよければいくらでも」
『・・・・・ゴメン。少尉にも仕事あるのに』
「いいって。むさ苦しい野郎どもに囲まれて退屈してたから」
『アハハ』
「ちょうど、会いたかった頃だし」
『な、何言ってんだよ』
「んー・・・・何か大変そうだからさ・・・」
『え・・・な、何で知って・・・?!』
「オレだって馬鹿じゃねぇから、色々気付きます」
『・・・・・・・・・』
「何があったのかは聞かねぇけどな」
『ゴメン・・・・・』
「いいって。ただ、こうしてちゃんと生きてることくらいは教えてくれよ」
『頼まれたって死なないから大丈夫だって』
「まったく・・・・ホントに心配だよ」
『子供扱いすんな!!』
「ハイハイ」
「ハボック少尉――――」
「おっと・・・・」
『今の、フュリー曹長?ゴメン、切るから』
「あ、ちょっと」
『え?』
「Happy birthday・・・」
なんて、こんなこと考えたりなんてしてませんよ。
この二人が付き合ってたりしたら、無能発狂ものじゃん、とか想像して遊んだりなんて。
ハボエド萌えーとか思ったりは・・・・・・したけど。
どうせ、マイナー好きですよ、ハハ。(by visko氏)
番外・アルフォンス×エドワード
「あ・・・・・・」
吹き飛んだ軽い身体が、コンクリートの上を滑る。
その光景に、僕の身体が凍りついたように動かなくなった。
「兄・・・さん・・・」
僕にとって絶対な存在の、兄。
錬金術という基準では、常に上にあり続けたからか・・・この兄を弱い、と感じたことはなかった。
こんな風に・・・・簡単に倒れるはずがないと、そんな奇妙な確信があっていつも頼っていた。
だから、この光景は悪い夢か何じゃないかとそう感じたくらいに。
「アル!!」
ウィンリィが僕を呼ぶ声に、一瞬、どうしたらいいのか分からなくなった。
けど、兄さんが呼ぶ声に、反射的に逃げた。
僕の前で弱さを見せる兄さんを見ていたくなかったから・・・
ううん・・・・兄さんだって挫けるし、それを支えたこともあるから、完璧じゃないってことはちゃんと分かっている。
でも、今だけは、挫けて欲しくなかった。
傷ついて欲しくなかった。
『馬鹿野郎』って怒鳴って、不安も何もかも吹き飛ばしてほしかったのに・・・・
ガシャガシャと、僕の立てる足音だけが鎧の中に響いている。
脳裏に浮かぶのは、呆然とした瞳の兄さん。
今まで見たこともないくらい傷ついた顔をして兄さん。
僕が傷つけたんだ。
兄さんを―――――
番外・エンヴィー×エドワード 2
「あら、エンヴィー、それどうしたの?」
「んー?」
機嫌良さそうに何かを眺めている仲間に、ラストが気だるげに尋ねた。
今日は、面倒な殺しはさせられるし、予想外に動かさせられるしで彼の機嫌がよくなるはずはないのだが・・・
ひょい、とその手元を覗き込んで、やはりわからずに仲間を見る。
「・・・この下手な絵・・もしかして、アンタ?」
「鋼のおチビさんって、絵の才能はないんだね」
これが、鋼の錬金術師作であることを告げられて、一瞬でエンヴィーの機嫌の良さを納得してしまったラストは、はぁ・・と嘆息した。
「それのために、わざわざあの少尉さんに化けてたわけね」
「うん。まーね。ま、仕事はちゃんとやったんだし、いいでしょ?」
ニコーっと笑う様子は、本当に機嫌がいい証拠だ。
「こんなの書くなんて、おチビさんも可愛いとこあるよねーvvv」
「・・・・・・・」
目の前で変身するわ、殴るわ蹴るわ悪態つくわで、一番悪印象があったからアンタだっただけじゃないの・・・?
ラストは心の中でそんな風に思ったが、口には出さなかった。
ついでに、どう見てもそれは作戦会議とかそういう類の代物であるのは間違いないだろうに・・・・
「ほどほどにしときなさいよ」
「はーい」
本当に珍しく素直に返事をする仲間に肩を竦めて、ラストは彼に背を向けた。
髪を掻き揚げると、指先にごわごわした感覚が残る。
「ああ・・・・後で洗わなくゃ・・」
固まった自身の血を弄びながらそう呟き、そのまま何もなかったように夜にまぎれた。
其の13
「鋼のが入院??!」
ガビーンとか効果音が入りそうな顔で慄く上司に、ホークアイは己が余計なことを言ってしまったのを悟った。
やはり、ヒューズ中佐が言うように、完全に隠せばよかった。
それをしなかったのは偏にこの上司の心境を慮ってのことなのだが、裏目に出たようだ。
「命には別状はないようです」
「当たり前だ!!」
もしも何かあったら、真っ先に自分のところへ報告が来るべきだ。
それがないということは、鋼の錬金術師が自分の管轄ではないと言われているようで・・・
理論云々置いておいて、面白くない。
大体、ホークアイ中尉もヒューズ中佐も、自分の下で働くとか言っておいて、こういう大事なときに自分だけのけ者にするのだから信用ならない。
「中尉、すぐに電話をヒューズに繋いでくれ」
「こんな時間にですか?」
すでに宵の口。軍の規則では就業時間後である。
「ならば、奴の家に繋げ」
にべもなく言われて、ホークアイは心の中だけで肩を竦めた。
いつもは冷静な上司なのであるが、あの兄弟が絡むと人が変わったようになってしまう。
それはそれでいいことだと思うが、危険であることも確かだ。
「(困ったものね)」
そうは思っても、人間味がない上司など嬉しい物ではないと知っているだけに、強く出ることができない。
電話でヒューズ中佐相手にギャンギャン騒いでいる様子も、広い心で見れば微笑ましい。
あくまでも、広い心で見れば・・・であるが。
ガチャン、と乱暴に受話器を置き、息をついた上司に、ホークアイは頃合だろう・・と視線を向けた。
エルリック兄弟の近況もろくに得られず、かなり不満そうである。
「ヒューズのやつめ・・・何故、私に知らせなかった」
驚くべきことに自覚がないらしい。
「気づかれてなかったんですか?」
部下にそう言われて、ロイはギクリと身体を強張らせた。
気づかれる・・・気づかれるってーと、やっぱアレ?
「な・・・ななななな、何のことを言っているかね、中尉」
思いっきり裏返った声に、ホークアイははぁ・・と嘆息した。
「(そんなに動揺しなくても・・・)」
ほんの少し、エルリック兄弟への肩入れが過ぎることを指摘してやろうと彼女が口を開くより先に、上司の方が墓穴を掘った。
「べ、別に鋼ののことなんて好きなわけでは・・・ありまくる。好きで好きで仕方がないし、できることならずーっと私の傍にいて日長一日中ベタベタしたりできたら死んでもいいってくらいには思っている!!」
カミング・アウトに、ホークアイの目は冷たい。
だが、さすがに次の言葉でその顔色が変わった。
「だが、こっそり軍の錬金術師登録書と戸籍をいじって『エディ・E・マスタング』にしてたりなんてしてないぞ!!」
さすがに初耳の事柄に、ホークアイも目を見開いた。
「この頃まともに仕事をなさっていたと思ったら、そんなことしてたんですか?」
この上司はアホだアホだと思っていたが、ついに軍内情報の改竄にまで手を出していたとは・・・・
「鋼のの情報の間違いを直すときに、つい、できそうだったから・・・・」
「何が『つい』ですか!それは犯罪です!!」
「だ、だって、正攻法でいって上手くいくわけないじゃないか!!? だったら、裏技を使って逃げられなくして、じわじわとほだしていく方が・・・・」
「裏技にしても、もっと考えてください!!」
自分の立場をわかってるんだろうか、この人は・・・・
こみ上げてくる頭痛にこめかみを抑えながら、ホークアイはこの事態をどうすべきか目まぐるしく脳裏で展開させた。とりあえず、大佐の政敵に罪はおっ被せるとして、その手続きと証拠の捏造がめんどうったらない。
「(ああ・・・エドワード君にも教えないと・・・)」
かってに自分の戸籍がなくなっていたと知ったら、あの少年のことだ。きっと烈火がごとく怒る。怒って、絶縁宣言でもかまして、この無能を使い物にしてくれる前に、できる限り穏便に『軍の手違い』でこうなってしまったと説得しなければならない。
そのためには、ヒューズ中佐から彼らの連絡先を聞かなければならない。
「(こんの・・・無能!!)」
キッと上司に睨み付けて、ホークアイはすでにあらかじめ取ってあったセントラル行きの切符を押し付けた。
「大佐、こうなっては一刻の猶予もありません。すぐに出発です」
「セントラル行き・・・?」
「エドワード君にお会いになりたいのでしょう?」
本当は、エドワードは本日のうちにセントラルを発ってしまっていることを知っているのだが、そんなことは言う義理はない。
「うむ・・・よし、出発するぞ、中尉」
部下の内心になど気がつかずに鼻歌でも歌いだしそうな様子に新たな頭痛を覚えつつ、ホークアイは用意していたコートを手に取った。
番外・リザ×???
「守るべき人がいるから・・・・」
「ステキよね〜〜〜〜vv愛よ、愛!!」
キャー!!と興奮状態のウィンリィに、どこかくたびれた視線を送るエルリック兄弟。
「・・・何が愛だ」
「兄さん、その言い方、なんか人生に疲れた中年みたいだよ」
そのアルの言葉に、ウィンリィもビシッと指を突きつけた。
「そうよ!! アンタね。まだ若いんだから、枯れてどうすんのよ!」
「枯れ・・・・」
あんまりないい様に絶句するエドワードをそっちのけで、ウィンリィは二人の目の前でくるくる回る。
「ああ〜〜〜やっぱりステキvv 私もリザさんみたいな恋をしてみたいわvvv」
今までうろんげに聞いていた二人は、ウィンリィの口から出てきた人名に顔を見合わせた。
「「ホークアイ中尉??」」
『リザさん、守るべき人がいるから戦ってるんだって。きっと、マスタングって人よ』
それを確かめたくなってしまったのは、若さゆえ・・・ってやつかも知れない。
「私が大佐を?」
きょとん、として聞き返してくるホークアイは、心底心外そうな顔をしている。
「え・・・・でも、ウィンリィが・・・」
「ウィンリィちゃんが何を言ったのかは知らないけれど、あの人に対して恋愛感情はないわ」
ズバッと告げた言葉には一片の情け容赦もなかった。
そりゃあもう、銃剣で切りつけたほうが傷は浅いってくらいに容赦なく。
「へ、へぇ・・・・」
「大佐のことは尊敬しているけれど、それ以上はありえないわね」
「(容赦ないなぁ〜〜〜)」
そう思いつつも、どこかでほっとしながら、エドはへらっと笑った。
「そっか、ゴメン。変なこと聞いちゃって」
「あら、別に変じゃないわよ。確かに、私にも好きな人くらい居るし」
うぇ?とまたまた顔を見合わせるエルリック兄弟に、クスッと笑う。
「とても・・・真っ直ぐな人よ。器用だけど、不器用なのね」
「(真っ直ぐ・・・・?)」
「(・・・・・誰?)」
「可愛い・・・というべきかしら」
女性の感覚ってわかんないや・・・と途方にくれる兄弟を他所に、ホークアイは少し照れたように、目を伏せた。
「私が守りたいのはその人だけ」
「で、でも・・・大佐のこと・・・」
「大佐はその人が真っ直ぐのままのその人を許してくれるから」
だから、守るべき・・・守りたい人のために守らなくてはならない人。
微笑みながらそう告げたホークアイの表情は、ついついエドが見惚れるくらいに綺麗だった。
中尉って、『手のひらの上でコロコロ転がしたら面白そうな、自分はできると思い込んでいるヘタレ』より『ストレート母性本能くすぐる可愛いタイプ』の方が似合ってる気がするんですよね。
相手はフュリー曹長でも、エドでもお好きなのを。
ある意味ハボでもいけるよね。
其の14
「明るくて性格のいい美人ねぇ・・・・」
ブレダは呟いて、ケッと吐き捨てた。
あのクソ大佐め・・・・所詮は人事、気軽に言ってくれる。
これで本当に明るくて性格のいい美人でも持っていった日には、後で分捕るに違いないだろうに・・・・
「これを任務にしてしまうあたり、大佐らしいというか何というか・・・」
「元はといえばハボック少尉の彼女とっちゃったのって大佐なんですよね・・・」
マスタング擁護派のフュリーもちょっと辛口。
日頃からコキ使われまくっている三人は、少し考えて顔を見合わせた。
そこで何かいいことを思いついたらしいブレダが何か企んでそうな顔になる。
基本的に、隠し事とかができないタチらしい。
「・・・・なぁ、明るいっつーか、気の強い美人じゃダメか?」
「・・・・・なるほど、少々性格もアレですが・・・」
ブレダの言葉から、言いたい所を察したファルマンが頷く。
「え・・・? お二人には心当たりがあるんですか?」
分かっていないらしいフュリーに、ブレダはディ○ニーアニメの悪役張りの顔でニヤリと笑った。
「あの人にもたまには慌ててもらおうってことだよ」
やや気が強いが、ちょっと優しくて、地位も金も権力もバッチリな美人。
「・・・・・どんなだ?」
ブレダに言われて来たはいいものの・・・端から期待なんてできようはずもない。
未だに、少佐の妹にフラれた心の傷は大きかったりするハボックは、それでも律儀にメモに書かれた待ち合わせ場所に向かった。
そこで待っていたのは・・・・
赤いコートに、綺麗に流れる金髪の、小柄な女の子。
「(おお?!)」
ちょっと期待して駆け出すハボックに気がついたのか、ゆっくりと振り返ると、キツイ感じの金色の瞳にかち合った。
その瞳が、ハボックの姿を認めてにっこりと細められる。
確かに、気は強い。
弟をはじめ、結構弱い相手には優しいのは見て知っている。
国家錬金術師だけあって、地位も金も権力もある。はっきりいって、エドの一言でこっちの首が飛びかねないほどである。
まだちまっこいが、確かに美人。
「って、エドじゃねーか!!!」
思わず自分にツッコミを入れたハボックに、エドが乾いた笑いを漏らした。
「少尉、おっそい」
「大将もグルかよ・・・・・」
フラレ×2の傷心のハボック、いつもの不適な顔はどこへやら、うじうじと恨みがましくエドを見上げた。
エドワードは、そんなハボックにニッコリと笑いかける。
「グルじゃないよ。オレは本気」
「へ?」
「本気で少尉とお付き合いしてやるよ」
ゴゴゴゴゴ・・・・と地響きがするような気がするのはハボックの気のせいか・・・・
ハボックの記憶が確かならば、この目の前の錬金術師は、自分の上司、忌まわしき焔の錬金術師と、いわゆる恋人という関係ではなかっただろうか。
無責任に怪力一家の令嬢との見合いを強要し、あまつさえ自分が目をつけていた少女とデートなどかましてくれた・・・・・
「あ・・・・・・」
浮気してんじゃん・・・アノヤロー
何故、エドが怒っているのかようやく思い至ったハボックは、目の前で怒気を発散させながらも不気味なまでに微笑んでいるエドを見た。
・・・・・・・怖かった。
「そういうわけで、オレ、少尉に乗り換えることにしたから」
「いや・・・・」
勝手に乗り換えるな。
消し炭にはされたくない。
そんなことを言いたかったが、言ってしまったら今度は目の前の国家錬金術師様にスクラップにされそうだったので黙っていた。
途中だけど、時間ないので終わり。
え??!ロイエド?
(もしかして初めて)エドが無能のこと好きだよ、この話。
うわー・・・・・(by visko氏)
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