今日も僕はハヤトの部屋を訪ねる。
別段用事があるわけではない。といって毎日毎日話しているわけでもない。ただ、同じ時間を同じ部屋で過ごすだけだ。僕は本を読み、ハヤトは剣の手入れをしたり釣具の手入れをしたり、スウォンにならった木工細工をしてみたり。全く違うことをしているのだけれども、一緒にいる。まぁ、そんなすごしかたじゃない日も時にはあるが。
「ハヤト、入るよ」
ドアを開けると、ハヤトは机で文字の勉強をしていた。ハヤトは誓約の力で文字を読むことは出来るのだが、書く事が出来ない。恐らく、同じ召喚された側の立場であるアカネに、先日それを馬鹿にされたのがよっぽど悔しかったのだろう。ちらりとその手元を覗きこむと、ミミズがのたくったような字が沢山書かれていた。
「ああ、ハヤト。その字は間違っているよ」
「へっ?どれどれ?」
「この字は、こうじゃなくてこう書くんだ」
ペンを持っているハヤトの手を掴んで、正しい字を書いて見せる。ハヤトがその字を見ながらその隣にミミズのダンスを書いた。
「こ、こう?」
「まあ、そうだね。読めないことは無いかな」
ハヤトがぷぅとむくれる。
「なんだよ。どうせ字が汚いって言うんだろ!?」
どうせ俺はあっちの世界でも字下手下手言われてたよ〜だ、とそっぽを向いたハヤトに、僕は苦笑した。どうやら余計な口は挟まないほうがいいらしい。
「僕はそちらで本を読んでいるから。分からないことがあったら訊いてくれて構わないよ」


「う〜〜〜っ!」
それから10分程経った頃。突然唸り声を上げたハヤトに、僕は読んでいた本から視線を上げた。
「ハヤト?」
「もうイヤダーーー!」
ハヤトがペンを放り投げる。そしてベッドの上に座って本を読んでいた僕に、急にしがみついてなつき始めた。
「ハ、ハヤト!?」
「もうやだやだ〜!俺元々勉強なんか嫌いなんだってば〜!」
その幼い仕種を可愛らしく思いながら、僕は本を閉じる。するとハヤトはその本を押しのけ、今まで本が乗っていた僕の膝に頭を乗せた。
「い〜んだ、どうせ!俺は字を書かなきゃいけない時は、全部キールに代わりに書いてもらうんだから!!」
いじいじ、といじけているハヤトの頭を、優しく撫でてやる。
「まぁそれでことは足りるだろうけどね。僕はいつでも君の傍にいるし」
するとハヤトは僕を見上げて、嬉しそうに笑った。僕はそんなハヤトに、触れるだけのキスをひとつ落とす。
「あ、そうだ!キール、手見せて手!」
「手?」
ハヤトが急に僕の手を掴んだ。そして、手のひらと手のひらをあわせる。
「あ〜、やっぱり〜。キールの方が手でっかい!」
「どうしたんだい、急に?」
ハヤトがにぎにぎ、と僕の指を掴む。
「なんかさっきさ、キールが俺の手上から掴んだろ?その時、あんまりすっぽり掴まれたからキールってもしかして手でっかいのかな〜って思ってさ」
でかいって言うより指が長いんかな、などと言いながらハヤトは僕の手で遊んでいる。好きなようにさせておいてやると、ハヤトは今度は僕の手袋を脱がせ始めた。
「ちょ、ちょっとハヤト」
「キールってさ〜、ほっとんど手袋とんないよなぁ」
「全く、君の行動は本当に先が読めないな」
僕の戸惑いなど、ハヤトは全くお構いなしである。
「だってさ〜。キールの手って白くてすべすべしてて綺麗なのにさ?本読んでるときでさえ手袋外さないじゃん。ページとかめくりづらくない?」
ハヤトが僕の手を自分の頬に擦り付ける。その無邪気な仕草に僕は苦笑した。
「慣れたからね」
「そういうもん?でも、ホントキールが手袋外すときって言うと、ん〜と風呂入るときとかしかないじゃん。・・・あとはー・・・」
そこでハヤトはふと何かに思い当たったらしく、言葉を切ってかぁと紅くなった。
「どうしたんだい?」
「な・・・何でもない!」
ハヤトがぐりぐりと僕の膝に顔をこすりつける。真っ赤になってしまったハヤトの頬を撫でると、ハヤトがちょっと困ったような表情をした。
「そ、その・・・するとき、だけだなって・・・思っただけ!!」
耳まで真っ赤なハヤトがうずくまる。
「そ、その!俺はその、キールの手が好きなんだけど!でもその、キール全然手袋とんないし!」
怒ったような口調で早口でそう告げるハヤトが愛しくて、僕はハヤトの紅い耳に口付けた。
「ひゃっ!」
「じゃあ、君といるときは僕は手袋を取るようにするよ。でも、ハヤト」
ハヤトがん?と僕を見上げる。
「君は、僕の手だけが好きなのかい?」
するとハヤトは尚更顔を紅くした。
「バ、バ、バカタレっ!!そそそんなワケ、ないだろっ!?」
真っ赤になって怒るハヤトが可愛い。身体の位置を入れ換えて、ハヤトを組み敷きながら深く口付けると、ハヤトの腕が僕の首に巻きついた。


「はっ・・・あっ・・・」
ハヤトの額に、瞼に、頬に、唇に。何度もキスを落とせば、ハヤトが恥ずかしそうに潤んだ瞳で僕を見つめる。その間も絶え間なく手を動かし、僕は敏感なハヤトの身体を弄る。
「ハヤト・・・」
「アッ・・・」
首筋から耳の裏までをゆっくりと舌でなぞる。耳元でその愛しい名を呼べば、ハヤトの身体がぴくりと跳ね上がった。
「きー・・・るぅ・・・」
上擦って甘えた声でハヤトが僕を呼ぶ。震える唇を深く深く奪いながら、胸の小さな突起を捉えて執拗に苛めた。
「ふぅっ・・・んっ・・・んんっ・・・」
与えられる感覚に耐えきれず、ハヤトが身を捩って逃れようとする。けれどそれは赦さずしっかりと捕らえて、そのきつく舌を吸い上げると、ハヤトの瞳にじわりと涙が浮かんだ。
「んぅっ・・・アッやっ・・・そ、そんなトコばっかりっ・・・やだっ・・・・」
快楽にふるふる震えながら、僕の行動を咎めるハヤトが可愛い。ハヤトの涙を唇で拾って、目尻にもキスを一つ。
「好きだよ」
「っ・・・あ・・・」
紅に色づいた乳首から指を放し、熱く昂ぶったハヤトのペニスをそっと掌の中に収めると、ハヤトはぎゅっと目を瞑った。
「触れて欲しいのは、ここかい?」
僕の問いかけに、ハヤトが恥ずかしそうに顔を伏せる。僕がゆるゆると手を上下に動かすと、それは更に熱を持ちはじめる。
「っ・・・ん・・・あ・・・・」
ハヤトの手が僕の肩に爪を立てる。けれどまだ開放は赦さない。ゆっくりと追い上げるように、達させないよう気を付けながら快楽に導いていく。
「う・・・くぅ、やぁ・・・っキール、キールぅ!!」
堪えられなくなったハヤトが僕にしがみつく。掻き毟るように抱き付かれながら、僕は耳元で囁いた。
「イきたいかい?ハヤト」
「・・・っ」
ハヤトがこくこくと頷く。ハヤトの細い腰をもう一方の手で抱き寄せて、強く扱き上げると、ハヤトは細い嬌声をあげながらあっけなく果てた。
「は・・・あ・・・」
肩で荒く息をしながら、ハヤトが艶を含んだ瞳で僕を見る。笑いかけて頬にキスをすると、ハヤトも照れたように微笑んで、僕の頬にキスをしてくれた。
「こっちはいいかい・・・?」
ハヤトの精液で濡れた指を、ハヤトの股間のさらに奥へと滑り込ませる。指先で固い蕾を探り当てると、ハヤトがぴくりと身じろいだ。
「ハヤト・・・指、挿れるよ・・・」
ハヤトが小さく頷いて力を抜く。ハヤトが息を吐くのに合わせ、僕はゆっくりとハヤトのアヌスに指を押し込んだ。
「あ・・・あ・・・・っ」
僕に抱きついていたハヤトの腕に力が篭る。キスでなだめながらハヤトの内部で指を動かすと、ハヤトが仰け反った。
「あぁーーっ・・・」
反り返ったその喉元から胸にかけてのラインがとても綺麗だと思う。その喉笛を噛みきってしまいたいような衝動に駆られ、僕はハヤトの鎖骨に噛みついた。
「痛っ!・・・・・・き、キール・・・?」
戸惑ったハヤトの声に、はっとして自制心を取り戻す。僕は苦笑してハヤトに謝った。
「ごめん。・・・痛かったかい?」
「へー・・・き・・・だけど・・・」
ハヤトの鎖骨には、しっかり僕の歯形が付いてしまっている。その傷痕を癒すように舐めると、ハヤトのアヌスがきゅっと締まった。
「はぁん・・・・」
きゅうきゅうと締め付けてくるその脈動に合わせて、僕は再び内部を探りはじめる。
「あっ・・・ぁん、はぁっ・・・」
ハヤトが漏らす熱い息が僕の頬にかかる。大きく回すように指を動かすと、果てたばかりのハヤトのペニスが再び頭をもたげた。
「ああああっ・・・」
「気持ちいいかい?」
分かりきったことを尋ねてみる。ハヤトが耳まで真っ赤になった。
「キッ・・・キールのっ・・・ああっ、ス、スケベっ・・・!!」
快楽と羞恥に潤んだ眼差しで、ハヤトが僕を睨む。ハヤトがこんな艶のある表情が出来ることを知る者は、僕只一人しかいない。
「僕をスケベにしているのは、君だよ?ハヤト。君が可愛いから、僕はスケベになってしまうんだ・・・」
「そ、そんなのっ・・・アアッ!!」
抗議しようとしたハヤトのアヌスに、もう一本指を差し入れる。あっさりと指を飲み込んだアヌスに、手を激しくピストン運動させるとハヤトの爪が僕の肩に食い込んだ。
「やぁぁぁぁぁっ!!そ、そんな急にっ・・・・っ!!」
「ダメかい?じゃあ、これは・・・?」
手を止めて、かなり奥深くまで指をつきたてる。ハヤトの一番敏感な部分を指でぐりぐりと刺激すると、ハヤトの目に涙が浮かんだ。
「アア〜〜〜ッ!!」
ハヤトのペニスがとろりと先走りを滴らせる。けれど、本気で泣き出してしまいそうなハヤトに、僕は指を止めてハヤトの顔じゅうにキスを施した。ハヤトがすん、と鼻を鳴らす。
「キールのバカ・・・意地悪い・・・ことばっかっ・・・すんなよっ・・・」
「ああ。・・・ごめん」
唇を重ねて舌を絡める。差し出された舌を丁寧に可愛がっていると、ハヤトが唇を離して囁いた。
「もう・・・いいから・・・来て・・・」
「え?でも・・・」
もう少し馴らした方が、と思って挿れたままの指を動かすと、ハヤトの身体が跳ねあがった。
「ヤアァッ!!バッ、ああっ!!じ、焦らすなって言ってるんだってばバカッ!!」
怒られてようやくハヤトがもう限界だと告げていることに気がつく。僕は指を引き抜いてハヤトの腰の下に枕をあてがった。
「あ・・・」
ハヤトの脚を抱えあげて、アヌスを剥き出しにさせる。僕のペニスをハヤトのアヌスにあてがうと、ハヤトは恥ずかしそうに目を伏せた。
「挿れるよ・・・?」
「ん・・・」
ぐっと力を込めると、たっぷり馴らしたハヤトのアヌスは、抵抗なく僕のペニスを飲み込んだ。
「あっ・・・あ・・・あぁっ・・・」
ゆっくりと腰を進め、根元までしっかり咥え込ませる。少し腰を動かすと、ハヤトのアヌスがきゅうっと絞まった。
「くっ・・・ハヤトっ・・・」
「あ、アアッ!!」
ハヤトがたまらない様子で身を捩る。僕ももう余裕はない。一気に腰を動かすとハヤトが僕にしがみついて背中に爪を立てた。
「あっあっぁっああっ!!キール、キールゥッ!!」
「ハヤ・・・トッ・・・」
貪るようにハヤトを犯す。引き抜いては突き立て、引き抜いては突き立ててハヤトの内部をぐちゃぐちゃに掻きまわした。
「ア、アアッ!!俺、俺もうっ・・・や、いっちゃ・・・っアァーーーーーッ!!」
ハヤトが絶頂に達する。一際強く締め付けてきたアヌスに、僕も欲望を吐き出した。


「大丈夫かい?」
僕の腕枕に収まっているハヤトに問い掛けると、ハヤトは僕の前髪を掴んでちょっと引っ張った。
「そーゆーこときくなよ・・・」
僕と目を合わせようとしないハヤトは紅い顔をしている。僕はハヤトを抱き寄せてハヤトの後頭を撫でた。
「でもいつもこうして身体を重ねた次の日は、だるそうにしているだろう?」
「・・・っ」
更に紅くなったハヤトが今度は僕の耳を引っ張る。痛みに顔を顰めるとハヤトが僕の胸元にもぐりこんできた。
「俺が!いいって言ってるんだからいいの!!」
ハヤトの前髪が僕の胸をくすぐる。ハヤトが愛しくて愛しくて、僕はハヤトの額にキスをした。
「愛しているよ、ハヤト」
耳元で囁くと、ハヤトは耳まで真っ赤になって俯いてしまった。ハヤトの手が、僕の胸元で困ったようにもじもじしている。僕はその仕草に微笑んで、ハヤトの手を取った。
「キ、キール?」
その指一本一本に口付けを施し、舌を丁寧に這わせる。手を開かせて掌にもキスをした。
「わ、ちょ、ちょっと・・・何してるんだよ!?」
ハヤトが驚いて戸惑っている。僕はゆっくりとハヤトの手の甲を撫でた。
「先刻、君は僕の手が好きだと言ってくれたけど、僕も君の手が好きだよ」
ハヤトの手を僕の頬に押し当てると、その温もりが伝わってきた。
「温かくて、優しい手だ・・・」
ハヤトの掌を舐めると、固い部分があった。これは・・・
「肉刺があるね・・・。これは・・・リィンバウムに来て、剣を取るようになってから出来た肉刺だね?」
ハヤトの居た世界では、掌に肉刺を作るような状況は殆ど無いことは僕も知っている。だとすれば、このハヤトの掌の肉刺は僕の責だ。少し悲しくなってハヤトの手の肉刺を見ていると、ハヤトが両手で急に僕の頬をはさんだ。
「ハ、ハヤト!?」
ハヤトの大きな瞳が僕をじっと見つめる。そしてハヤトは僕の唇に自分の唇を押し付けてきた。
「・・・俺はっ!こんな肉刺くらいなんともないし!それよりリィンバウムに来て・・・すごく大事な物見つけたと思ってるから・・・リィンバウムに来れて良かったなって、・・・だからそのっ、キールと出会えて良かったって思ってるって言うか、・・・あーもう!だからもうそんな顔するなっ!!」
ハヤトはしどろもどろになってしまったけれど、ハヤトが言わんとしたことはきちんと僕に伝わった。嬉しくて僕はハヤトを強く抱き締める。
「ハヤトの手が優しいのはきっと、ハヤト自身が優しいからなんだね・・・」
「べ、別に俺優しくなんかっ・・・」
ちょっと困ったような表情をしたハヤトに、チュッと音を立ててキスをする。それから触れるだけのキスを数回かわして、ちょっとみつめあってから深いキスをかわした。
「・・・キール」
熱い口付けに頬を上気させて、ハヤトが上目遣いで僕を見る。
「なんだい?」
「さっき、キール「僕の手だけが好きなのかい?」って言ってたじゃん?じゃあさぁ、キールは俺の手だけが好きなわけ?」
ハヤトの瞳はイタズラっ子の輝きをたたえていた。そんなハヤトに、僕は心の底から微笑んだ。
「君の全てを。君の顔も表情も、髪の毛も脚も身体も、声も心も、魂も、それからもちろん手も。何もかもを、愛しているよ」


書いちゃったよ、エロ・・・(笑)。
ま、とりあえずうちのサイトのサモンの初エロ小説はノーマルの方向で。ホモな時点でノーマルじゃないというツッコミは聞かなかったことにします(オイ)。
西尾さんにエロ書かせるとね・・・。縛りはいってたり裸エプロンだったりFラしてたり69だったりで危険ですからね!(爆)
とりあえず次はどんなのにするかねぇ・・・。


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