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「お、沢村丁度いいとこに来たな」
沢村が寮の部屋に戻ると、倉持が一人でシューティングゲームをやっていた。
「何スか? またゲーム付き合えとか言うんすか?」
「ちげーよ。ちょっとこっち来い」
呼ばれるままに、倉持の隣に腰を下ろす。
「そこにチョコの箱あんだろ?」
「え? ああ、これッスか?」
倉持のすぐ足元にダーツの箱がある。
「今手離せねーから食わせろ」
「えー!?」
沢村の抗議の声は意に介さず、倉持が口を開けた。
手が離せないと言ったって、そのくらいどうってことはないだろう。自分でやれよなぁと、ぶつぶつ言いながら沢村は箱を手に取り、中身のチョコを指先で摘んだ……のだが。
「ぎゃー!? 溶けてる!?」
ぐにゅっとした感触がして、べっとりとチョコが指先に纏わりついた。
「ヒャハハハハ! だーから食わせろって言ってんだろ?」
「あっ、ヒデェ!!」
手が汚れるのがイヤだから、沢村の手を使ったわけだ。
ちょっとむっとして倉持の口に溶けたチョコを放り込もうとすると、倉持は指ごとチョコに食いついた。
「うわ!?」
慌てて手を引こうとすると手首をつかまれる。
指先に絡まる温かい感触に思わず身を竦めると、倉持が笑った。
「お前の指、甘ぇな」
「そ、そりゃチョコだしっ」
「でも、悪くねぇ」
もうチョコは全て舐め取ったはずなのに……チョコがついていないはずの手のひらまで舐められる。
倉持が遊んでいたはずのシューティングゲームの画面は、ゲームオーバーになっていた。


ゲームに手が離せないんじゃなくて本当は手を舐めたかっただけなもっち先輩。
- PatiPati (Ver 4.2) -