怖い話



 前回不法侵入にあった、私です。

 あの後、家をキレイにリフォームしたら、なぜか三人暮らし扱いになってました。

 一人増えた? 

まあいっか。

 今回は、暇つぶしに私と相方、そして以前夢枕に立っていた謎の人と百物語をする事になった。

 まあ三人なので、一人につき三十三話プラスαのノルマは辛いけど、話し出してしまえば、結構色々ネタは尽きない。

三十五話くらいまでは、本当に順調だった。

が、三十八話くらいから後味の悪い話が続き、五十話を過ぎた辺りでただの失敗談が、ようやく七十五話、というところで都市伝説が混ざりはじめ、八十話過ぎた頃には感動話に摩り替わっていた。九十五話目にしてようやく軌道修正できたと思ったら、大トリの第百話目が、ただの噂話で終わった。

 それだけならまだしも、途中に、誕生日用のロウソクやら、雪だるまキャンドル、さらには使わないだろうと思って、ビンゴの景品だったアロマキャンドルも使ったら、現れたのが【深遠より来たりし、常闇の王】ってな感じの、黒歴史的中二病ネームな幽霊が出てきた。

 しかもそいつが謎の人とガチバトル始めたり、近所に出没した百鬼夜行で、阿鼻叫喚の大騒ぎになっていたりでえらい目にあった。

 百物語はしちゃ駄目だ。

お兄さんとの約束だよ。

 ちなみにバトルに関しては、相方愛用の、いまだ現役スーパーほにゃほにゃの落ち物パズルによって行われた。その際、謎の人が放った十五連鎖に中二病は瞬殺され、泣きながら消えていきました。

成仏の仕方が、落ち物パズルに負けてって……。

と、言うわけで。

この家の仏間には、今も守り神として、落ち物パズルゲームが飾られている。

 







 *     *     *









心霊写真



百物語で、中二病の幽霊をやっつけた謎の人と旅行中の私です。 

謎の人の性別は、一応男のようだ。

さておき、今日は肝試しが大好きな謎の人と、相方と私で遠出をしてみた。

謎の人は電車が好きなようで、窓ガラスに映る顔が、物凄い笑顔だった――意外にイケメンだったのが悔しい。

ちなみに。肝を試す場所は、至ってシンプルな海水浴場だった。なんでも、ある岩穴の前で写真を取ると、必ず心霊写真が撮れるらしい。

謎の人は、どうやらそれをネットで知ったらしく、しばらくは私のパソコンのネット履歴がオカルト関連で埋まっていた。

――その数日前まで、子猫サイトばかりだったのに。

というわけで、近くの人に撮ってもらう形で写真に収めてもらった。

んで、画像を確認すると、確かに心霊写真になっていた。

 全く知らない、赤の他人の二人組みがカメラ目線でポーズつけてた。ドヤ顔付きで。

もちろん、私や相方の前に誰もいなかったから、これは確実に心霊写真であることには間違いなかった。

ただ、これを見た謎の人が憤慨し、気がついたらその写真は消されていた。ついでに、他の写真もきれいさっぱり消えていた。

 機械オンチか。

 しかも夢枕で、「幽霊とは、もっと忍んで映るべきじゃないのかと延々愚痴られた。

 見える人の相方が言うには、アグレッシブさは謎の人とどっこいらしい。

 とりあえず、今回は三人ともきれいに日焼けしていた。

――謎の人も、幽霊なのに小麦色の肌をしていた。

 

私には、夏休みの課題が山のように残った。