私がさみしいというとキラは笑ってここにいてくれるから、いつだって私はさみしくないの。
でもほんとのことをいうとキラは離れていってしまうだろうから、私はさみしいふりをし続ける。
ねえ、あなたが甘えられるのが好きだってことちゃんと知ってるのよ。
「フレイは僕がいないとだめみたいだね」
嬉しそうに言うからまた喜ばせてあげたくなるじゃない。
バカな私。
バカなキラ。
こういうのもお似合いって言うのかしら。
私の隣はいつでも空けておくから、私を見つけたら真っ先に駆け寄ってきてそこに座って。
そして抱きしめてキスをして、うんと甘えて守らせてあげる。
「ねえ、私あなたがいないとだめなの。きっと死んじゃうわ」
甘えたがりの私をウサギみたいだといって笑うあなたのほうがウサギみたいに潤んだ赤い目をしているのはなぜかしら。
いつもどこかに触れていてほしい。
撫でて可愛がって。
私だって甘やかされるのが好きなの。
大人たち、互いが互いに依存しあう関係を不健全だなんて軽々しく口にするのはやめて、私たち二人はそんな言葉聴きたくなんてないんだから。
くだらないことを誰が決めたのかしら。
うまくいっているんだから今はこれでいい。
まだ子供だから、子供のうちは子供らしいバカな恋愛でじゅうぶん満足するの。
節度とか思いやりとかそんなのは後からいくらでもついてくるわ。
大人になるにつれて一緒に育んでいったって間に合うじゃない?
エゴのぶつけ合いで角が取れて丸く滑らかになるならこのままふたりで生きていくだけの話よ。
キラが私の隣に座って私の肩に頭を預けるその瞬間が私にとって最大の幸福だといったらキラはどんな顔をすると思う?

ソファだってベッドだってキラが隣にいないとだめなの。
ふりなんかじゃないわ。
不安で死ぬ人間なんてきっと私がはじめてよ。



モドル