男と女の感覚は違っているといえばそうだ、しかしキラはフレイの感じていることをもっと感じたいし、フレイのことをもっと知りたいと思う。
だから「どこが気持ちいいか教えて」と言ったら、間髪いれずに殴られた。痛かった。
そんな恥ずかしいこと言えるわけないでしょ!とフレイは真っ赤になって怒っている。
んもー何考えてんの信じらんない、キラのえっち!
ご、ごめん、でも知りたかったから……。
知りたかったから、じゃないわ、デリカシーってものはないの?
キラから離れるようにベッドの端っこによってしまったフレイに、キラはしょげた。
怒らせたかったわけじゃないのに、うまくいかないことも結構多かったりする。
シーツに刻まれたしわを数えんばかりにうつむいて、しゅんとなる。
犬だったら耳や尻尾が下がっているのがありありとわかりそうなほどのキラの頭を、ふとなでる手があった。
柔らかな手つきで頭をなでられると、まるで自分が幼い子供に戻ったような気がする。
「……仕方ないわね」ととても小さな声が聞こえたように思ったのは気のせいだろうか?
キラは頭に手を置かれたままで顔を上げてフレイを見た。
こちらに手を伸ばしているフレイは、少しばつが悪そうに苦笑していた。
「譲歩してあげないでもないわ」
現金なもので、ぴこん、とキラの耳が立ち、しっぽは千切れんばかりに振られた。
実際にしっぽがあったとしたら、の話であるが。
そんなキラに、フレイは人差し指を突きつけた。
「条件は、先にお手本を示すこと」
しっぽのぱたぱたが止まった。
「お手本?」
「お手本」
「誰が?」
「あなた以外誰がいるっていうのよ」
当たり前でしょ、と豊かな胸を張ってフレイは言う。
「……ぼ、く?」
えーっとつまり。
気づけばすぐ目の前までにじりよってきているフレイ。
気づけば押し倒される身体。
気づけば背中に感じるシーツの肌触り。
気づけば見える天井の模様と彼女の綺麗な赤い髪。
「どこが気持ちいいか、ちゃんと教えてね?」
くすくすと耳元でいたずらっぽく囁かれて、キラはこれからのことを悟った。

……まあ、たまにはいいか。




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