※ネタ提供ゆーこさん



 彼の身体は緊張と弛緩を繰り返している。
 ときどき腹筋をびくびくと波打たせては、体力がもたないのか、すぐにくたりと力が抜けてしまう。
 僕が支えていなければ完全に床に身を横たえていたんじゃないだろうか。
「うっ……、うー……」
 はぁはぁと熱い息を吐きながら震える彼の反応がかわいくて、ついいたずらを仕掛けたくなるのも無理からぬことだと思う。
 僕が悪いんじゃない、彼が悪い。こんなに扇情的なのがいけない。僕は意地悪なので彼に責任を転嫁するのにも欠片も心が痛まない。
 指先で健気に尖った小さな粒をつかまえ、きゅっと押さえた。ぷっくり膨らんだそこは硬くなって弾力を持っている。
「やっ……あ、あ」
 緩く立てた膝がぴく、と軽く跳ねたのと同時に、彼の目からは涙の粒が丸い水晶のようにころんと転がり落ちた。
「ふっ、う」
 ヴヴヴヴ、と器械の振動音が唸るように細かく低く響いている。
 その音の源は彼の体内の奥深くに埋め込まれており、もうずっと彼に快感を与え続けていた。
 ほんの小さなカプセル型のローター。
 細長いコードが尻尾のように伸びた先には強弱調節の四角いリモコンがある。
「うあ、あぁ……」
 感じている証拠に反り返った彼の性器の先端はとろとろを通り越してぐちょぐちょで、腹や下生えを汚している。
 それでも達するまでには足りず、いけないまま延々と高められるだけ高められる生殺しの状態は、さぞやもどかしいに違いない。
 必死に呼吸をする姿がとてもいたいけだ。かわいそうで、
「……かわいい」
 本当に、なんてかわいいんだろう。
 ちゅ、と首筋にキスをすると言葉と刺激に彼がふるりと肩を震わせ、懇願するように見上げてきた。
「ぃ、……ずみ」
 その目が、触って、と言っている。
 辛いだろうなとわかっているが、僕は彼を泣かすのが楽しくて仕方がないので、申し訳ないがまだ当分焦らさせてもらう。
 微笑んだまま首を横にふると、理解した彼の目が絶望に見開かれ、見る見るうちに涙が盛り上がった。
「いやっ、だ! も……っかせ、ろよ、っ」
 残念ながら、そのお願いはきいてあげられません。
 彼の涙は僕をひどく興奮させた。こんなに楽しい時間を終わらせてしまうのは余りにももったいない。
 どうせなら長く、たっぷりと味わいたいのだ。
 ちゅ、ちゅ、と耳の後ろや頬に唇をつけていく。目元に舌を這わせれば、涙の味がした。