生臭い臭いが鼻をつく。身体の下の土が肌に擦れてざらざらした。唾を飲み込めば、喉に引っかかる残滓。
「ひっ……あ、ぁ」
必死の抵抗も痣や擦り傷を増やすだけで無駄に終わり、俺は完全にひん剥かれた間抜けな姿を屋外で晒している。しかも全身精液まみれのどろどろときた。髪が貼りついて気持ち悪い。
鼻血はそろそろ止まりかけているが、唇の切れたところはまだぴりりと痛む。ぶん殴られた頬は腫れ上がっているに違いない。
どこもかしこも身じろぎのたびに軋み、細い紐で縛られた片腕なんか痺れてきていて感覚を失っている。
なんだか自分の身体ではないようだった。
だが、紛れもなくこれは俺の身に起こっていることなのだ。
その証拠に、先ほどから信じられないところに銜え込まされている熱の塊が中でずるりと動くたび、俺の口から掠れた呻き声が漏れる。
「んぅ……く、」
もう何回身体を開かれたのか、片手の指を超えたところで数えるのをやめた。無駄なことだと悟ったからだ。
男の性器だけではなくて、あらゆる卑猥でグロテスクな玩具を次から次へと一通り突っ込まれ、弄ばれ、俺は水槽から飛び出してしまった金魚のように暴れたが、結局はこうして組み伏せられて、地面に這い蹲っている。
男の太く赤黒いものが自分の中に出し入れされる様を見せ付けられ、どれだけ嫌だやめろ抜いてくれと喚いたところで太ももを割り開く腕の力は緩まないし、それどころか男たちはますます煽られるようで、下卑た笑みで俺の顔に精液のシャワーを浴びせるのだった。
俺の反抗的な態度はどうもサドっ気を刺激するらしいとわかっちゃいるんだが、
「あっ……ひ、や……ぁ、い……っ、だ」
食いしばった歯の隙間から息をするのと同じように、自分のプライドを守る言葉ってのは自然に出てきてしまう。
だって俺は本当に嫌なんだ。
何人もの男に無理矢理輪姦されて、溢れるくらい精液を注がれて、屈辱で、嫌で嫌でたまらない。
悦んでなんかいないし、感じてもいない。
さらに穴を広げるように、親指が結合部のそばを引っぱる。尻たぶに指が食い込み、後ろにいる男が勢いよく腰を打ち付けてくる。
ずぷん、と身体の奥深くまで犯され、背筋が反り返った。尻に毛が当たってちくちくする。
「ひっ! あ、あ、あぁ――――……!」
男の肉をみっちり包み込んだ身体が痙攣し、内股を体液が濡らす。
こんな行為が気持ちいいはずがない。絶対に、ないんだ。
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