教育

 僕は教員免許を取り立ての、新米教師だ。
 放課後、僕は教室に大切な資料を忘れた事に気付き、取りに向うために職員室を出た。
生徒達も皆部活を終え、帰宅する時間帯。
いつも生徒達で賑わう廊下も、今は静まり返っている。
誰ともすれ違わないまま、僕は三階にある教室に着いた。
そして何の躊躇いもなく教室のドアを開ける。
すると次の瞬間、僕の目に異様なものが飛び込んで来た。
それは裸にされ、足をモップで固定し開脚した状態で机に座っている生徒の姿。
無防備に曝け出されたアナルにマーカーが三本刺さっていて、体の至る所に落書きがされてあった。
その異様な光景を徒事じゃないと感じた僕は、急いで彼の元に駆け寄った。

 近付いて、初めてそれが田辺という生徒だという事に気付く。
田辺はとても地味な生徒だった。
いつも一人で、目立たない。
これと言って特徴もなく、人と話している所をあまり見た事が無い。
僕自身も、田辺と直接話をした事がなかった。
「誰が、こんな……」
 僕は信じられないと言った心境で、彼を見た。
これは、どう見ても虐めだ。
田辺は誰かに虐められている。
それは僕にとって初めての事で、上手く頭が回らなかった。
「うぐ、うぐぐ」
 口を布で塞がれ、田辺は言葉を発する事が出来ないでいた。
僕は彼を自由にしてやる事も忘れ、哀れなその姿を見渡した。
 彼の乗っている机には張り紙がしてあり、そこには汚い字でこう書かれていた。
『僕はセックスマシーンです。ご自由にお使いください。』
 無防備に露出された田辺のペニスからは、先走り液が滴っていた。
 僕は田辺の口を封じていた布を取り外した。
頑丈に縛られていたせいで、田辺の口は赤く変色している。


「誰が、こんな事を?」
 僕は息も絶え絶えな田辺に尋ねた。
だが田辺は涙ぐんだ目で僕を見るだけで、その答えを聞かせてはくれない。
 僕は田辺が誰かに脅され、恐怖で何も言えなくなっているのだと思った。
だから僕は田辺の頭を優しく撫で、こう言った。
「何も怖がる事はないよ。正直に、話してごらん」
 子供をあやすような口振りに田辺は安心したのか、ゆっくりと口を開いた。
「先生、僕はセックスマシーンです。だから……先生の、チンポを僕の穴に入れて」
 田辺の言葉に、僕は唖然とした。
だが僕は、田辺が誰かに強制的に言わされているのだと解釈した。
僕は教師として、そんな彼を救わなくてはならない。
是が非でも虐めている相手を彼に吐かせ、然るべき対処をすべきなのだ。
僕の、教師としての使命感が燃えた。

「田辺、本当の事を言いなさい」
 僕は少しキツイ口調で、もう一度彼に尋ねた。
だが、以前として田辺は真実を語ろうとしない。
僕は、いよいよ本格的に向きになり始めた。
「そうか、言わないなら……こうしてやる」
 言いながら、僕は田辺のアナルに刺さったマーカーをグリグリと動かした。
「っあ、ああっ」
 それに連動し、田辺が身悶える。
僕は一層激しくマーカーを彼の中で掻き乱した。
「どうだ? 話す気になったか?」
 マーカーを動かしたまま、僕が尋ねる。
「ふぅ、ん。先生、僕……先生のチンポが欲しいよ……」
 だが田辺は相変わらず、そんな事を口にする。
僕は、頭にカッと血が上るのを感じた。
「まだそんな事を言うのか、この豚が!」
 バチンと音を立て、僕は田辺のケツに平手打ちをかました。
「はうっ」
 その瞬間、田辺の体が大きく撓る。
僕は夢中で田辺の尻にビンタを食らわせた。
「どうだ、痛いだろ? やめて欲しければ、本当の事を言え!」
 バシン、バシンと田辺のケツを叩く音が次第に大きくなる。
だが田辺は喘ぎ声を上げるだけで、一向に喋ろうとしない。
「先生のチンポ、僕の中に入れて……」
 代りに吐き出されるのは、そんな言葉だけ。
その状況に、僕は我を見失うほどの怒りを覚えた。
「こんの、クソガキが」
 込み上げてくる怒りの感情に、僕は完全に支配されていた。
「本当の事を言うまで、いたぶり続けてやるからな!!」

 これは教育なのだ。
僕は、自分にそう言い聞かせた。



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