「ペトロフ裁判官、あのー」
「何か御用ですか、鏑木さん」
「いやぁ、その、今度の裁判の件で……」
「私は法廷の外では基本的に公判についてのお話は伺いませんよ、予断が入ってしまいますので」
「そ、そっすか。失礼しました~」
「……正義の壊し屋、か。全く……」
「虎徹さんの行動は理由あってのものだと思います。やりすぎてしまうんですよね、真剣になりすぎて」
「……バーナビさん。私は法廷内で、お互いの言い分を聞いて、量刑判断を行う裁判官です。その人格に関しても、法廷外で深く知りすぎるのは本意ではありませんから」
「そうなんですか? ……そんな風には見えませんでしたけど。どこか、知りたそうな顔をしていた」
「気のせいですよ」
「……わかりました。では、失礼します、裁判官」